
出かけなくても、食料が手に入るのが有難い
昨日の午後、スマホに知らない番号の着信があった。誰もがやるように、未知の番号の電話には出ない主義の私はいつものように無視した。ところが、少しすると、また同じ番号でかかって来て、留守番電話まで入っている。これはいったい誰だろうと、考えたら、もしかしたら、ネットスーパーではないかという考えに行きついた。実を言うと、その日の夕方に配達を頼んでいたからで、何か問題でもあったのだろうかと不安になった。早速、留守電を聞いてみると、予想通りネットスーパーからで、私が頼んだ商品が欠品しているらしく、代わりの商品をどうするかについての連絡だった。
それは牛肉と大根の煮物に使うがんもどきで、「野菜がんも一枚入り」がないので、今ある「京がんも」にするか、あるいは「10品目がんも2枚入り」にするかを聞かれた。ちょうどよかった、本当のところは10品目がんもが欲しかったが、ネットの検索では商品が見当たらなかったからだ。こんなふうにいちいち電話をして聞いてくれるとはなかなかこのネットスーパーは親切だと好印象を持った。
ただ、正直に言うと、このネットスーパーのサイトはあまり動きが良くない。サクサク動いてくれないのだ。私は画面が大きい方がいいので、パソコンのサイトを閲覧しているが、スマホだともっと動きがいいのだろうか。例えば、検索のスペースに「大根」と打ち込むと、たくわんのパックの写真が出たりする。それで、カテゴリーの中から選択し、「野菜・くだもの」を選ぶとやっとホウレンソウ、だの、にんじんだのが出て、ついでに大根も現れるという具合に、甚だ時間がかかる。買い物を終えるのに、想像以上に時間を費やさなければならないのは、面倒臭いが、今の私はこの方法しか頼るものがないのが現実なのだ。
今までに2回ほど買い物をして、分かったことがある。足が悪くなる前はしょっちゅう行っていたスーパーなので、当然お気に入りの商品がある。今はそれを手に入れようとすれば、検索の欄に固有名詞を入力して検索するとヒットする可能性が高い。だが、悲しいことに、サイトは上手く動かないことが多いので、前回捜し出せても、その次はヒットしないかもしれない。大変厄介な事実だが、それでも、ネットスーパーがないよりましで、私の”隠遁生活”はネットスーパーのおかげで明るい日差しが見えてきた。
贅沢を言えばキリがないが、自分の足で歩いてその場所に行き、自分の目で見て商品を選びたいのはやまやまだ。現実にはそれができない、いや、してはいけない状況なのでここはひとつ堪えるしかない。私の生活は中国ドラマの宮廷劇で言えば、いわゆる”禁足”状態に等しく、家から出られない。まるで、監禁されているごとく、家の中だけが私のテリトリーで身動きができない。当然のことながら、じっとしている生活は退屈で、暇で仕方がない。まずは気分転換ができないのが、苦痛でしかない。
でも、ちょっと待って欲しい、暇を持て余したことなどない私がどうしてこんなことになるのだろうかと考えてみた。やることは山ほどあるのに、なぜ暇なのか、それはズバリ、動いてはいけないからだ。何もかもが身体を動かさないことには出来ないことだからだ。週3回の通院の日はそれなりに忙しい。12時に家を出て、最短で午後の4時に家に帰って来られる。それからは休憩タイムと言わんばかりに、お茶を飲みお菓子を食べながら、中国ドラマや韓国ドラマを見るのが至福の時だ。ざあっと3時間ほど院内で過ごす生活だ。その間に何をするかというと、まずはテレビ鑑賞で、それに飽きると新聞を読む。宮城谷昌光さんの小説『公孫龍』を読んだりもする。それから以前録っておいたNHKの中国語講座の音声をICレコーダーで聞くときもある。家から病院まで歩く時間は30分ほどで、痛い足を懸命に前に出して歩く。それでも私にとってはちょっとした気分転換になるのが嬉しい。
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