
なんと発売は11月で、空振りに終る
例年のごとく、市場に1年分のお茶を買いに出かけた。お茶と言っても、ここでいうお茶は1年に1度しか発売されない貴重なお茶で、この時期を逃すともはや手に入らない。そのお茶の名前は「冷凍口切り茶」と言って、市場にあるお茶屋さんのオリジナルだ。最初はそんなお茶があるだなんてことは知らなくて、年末の買い出しの時に、恐る恐る1袋買ってみた。たいして期待もせず、スーパーにあるお茶と何ら変わらないとばかり思っていたら、予想を裏切って、とても美味しかった。香りもいいし、茶葉の量を加減すれば、コクのあるお茶も、すっきりしたバージョンも楽しめる優れものだった。何と言っても、あの美味しさにも関わらず、値段が890円と良心的なところがとてもいい。
冷凍口切り茶を買うようになって、かれこれ5年くらいになるが、実家の義姉のミチコさんもこのお茶の大ファンになった。お茶の袋には「春に摘んだ新茶をマイナス25度Cで瞬間冷凍。摘みたての鮮度を保持した状態で初頭まで熟成の眠りにつきます」と説明が載っている。毎年、このお茶が発売されると、いつも30袋近く買って、実家のミチコさんに送っている。一昨年は欲張って30袋買ったら、何袋か余ってしまって途方に暮れた。それで去年は少なめに25袋買ったら、今現在最後の袋を使っていて、1日も早く新しいお茶が欲しいというのが本音だった。ああ、それなのに、あと1か月も待たなくてはならないとは、ほとほと困っている。
そもそも、ミチコさんに10袋送って、手元に15袋もあったのだから、いくら12カ月あるとは言え、少しくらいは余裕があってもいいはずだ。いったい何が問題だったのか、原因は明らかだった。1月に膝の大腿骨軟骨骨折で、歩けなくなってから家にいることが多くなった。すると自然に寒いので暖かい物を、つまりお茶をやたらと飲むようになった。自分でも気が付かないうちに大量に茶葉を消費していたらしい。季節は変わり春になると、それ程お茶を飲まなくなり、7月、8月は猛暑で暑いお茶などの向きにはなれない。それで何とか残り少ない茶葉でしのげるかと思ったら、無理なことが昨日分かった。
お茶が発売されるのは10月だとばかり思っていた。お茶を買いに市場に行くのは毎年海外旅行に行く前で、ミチコさんに送ってから旅立つのが習慣だった。去年は旅行準備に追われていて、すっかり買いに行くのを忘れていたため、旅行から帰ってから11月に買いに行った。電車で30分の街にある市場にいそいそと買いに出かけたのはいいが、いつも店頭に並べてある冷凍口切り茶のパッケージが見当たらない。店の人に尋ねると、「あれはねえ、11月ですよ」と即答されて、狼狽えた。となると、即効帰るしかないか。市場で他の物を買う気力などなく、さっさと駅まで引き返し電車に乗って帰って来た。
こんなことになるのだったら、店に電話してから行けばよかったのだ。そう思うが、いつも「取り置きしておきましょうか」と気を使われるのが嫌で、面倒臭くて、昨日はわざと電話する手間を省いてしまった。空振りに終るのは重々承知の上だった。それに、市場でもうひとつお目当てのものがあって、それは北海道の人気のあるお菓子を売っている店があることだった。北海道のお土産と言えば、白い恋人、じゃがぼっくる、じゃがピリカ、それにロイズのチョコレート菓子などがすぐに頭に浮かぶ。去年の正月にミチコさんが「これ、おいしいねえ」と絶賛したのが、ロイズのチョコレートが掛かったポテトチップスだった。駅に行く前に、それが売っているかどうか確かめて置こうと店に立ち寄った。だが、それらしき物は無い、どうしようと思っていると、空箱だけがあるのを発見した。偶然店員さんが店頭に出て来たので、尋ねると、店の中の冷蔵庫にあると教えてくれた。ホッとひと安心する。でも、お茶と一緒に送りたいので、今は買わないことにして店を後にする。
mikonacolon