
魔法のような出来事に仰天
新しく行った歯医者について特筆すべきことがある。それは、20年ほど通っていた歯科医院では、古くなっているから作り換えなければだめですよと言われていた差し歯に関することだ。右上横に入っている差し歯はマスクをしている時は見えないので、何の問題もない。だが、ひとたびマスクをとって、大笑いしようものなら、たちまち茶色の汚い歯が丸見えになる。もちろん以前から気にはなっていたが、先生にも何も言われないし、気にしなければそれでいいと、半ば諦めていた。それなのに、昨年の12月に、突然先生から、「この古い差し歯はだいぶ着色してきているけど、気になりませんか」と指摘されてしまった。それで「来年あたり、新しいものに作り換えましょう」と言うことになった。
それならとこちらも乗り気になった。ところが、まさかまさかで左足を骨折し、行けなくなるとはお釈迦様でも知る由もない。右上の茶色く変色した差し歯のことが気になっていた私は、今度の歯医者の先生に「作り換えてもらえませんか」とお願いした。すると、またもや先生の発言に仰天してしまった。先生によると、「ああ、これは変色しただけですから、作り変える必要はありません。研磨すれば、大丈夫です。では、今からやりましょう」とのこと。数分経って治療を終えて、鏡を見せられた。なんと鏡の中には、かろうじて見た目を保っている隣の歯にも負けない白い歯が映っているではないか。これには椅子から転げ落ちるくらいびっくりした。「ええー!?こんなに綺麗になるものなのですか」」と驚嘆の声を上げると、「年数が経つと、どうしても着色して来るのですよ」と先生は当然とばかりに答える。
私としたら、また型どりして、仮歯を作り、その後本歯という工程をたどるのかと、少々面倒臭いと思ったのに、一瞬にしてその憂いが消えた。これは嬉しい、凄いことだとひとりで感心する。来週は5か月間もの間、仮歯のままだった左下の奥歯を作り変えてもらうつもりだ。予約を取る際、型どりと、本歯を作るのにどれだけ費用が掛かるかを前もって知らせて貰えた。まだ初めてなので、良さそうな歯医者かどうかはすぐには判断することはできないが、とりあえずは先生を信じて任せるしかない。
診察券を見ると、ここの歯医者は珍しいことに、土日が休みなのだと気付く。もっとも歩いてすぐの所に別の歯科医院もあるのだが、そこは水曜日と日曜日が定休日だ。どうやら競合するつもりはないようで、ここの歯医者は前の所と違って「随時」という診療はしないらしい。それでも、私が突然訪れたら、予約はすべて埋まっていたのだから評判は悪くないのだとわかる。土日が休みだからだろうか、平日の午後の診療時間は7時半までと他の所に比べて長めになっている。平日はみっちり働いて、土日はしっかり休むというのは、まさにコスパのよい働き方だと感心する。
予約制のためか、こちらの話をちゃんと聞いてもらえるし、疑問な点があったら、躊躇せず聞ける雰囲気がある。この歯医者に出会ったことが、吉と出るか凶と出るかはまだわからないが、とりあえずは通うことに決めた。では、何かあったときに、緊急で診て貰いたいときはどうするかというと、その時は迷わず、数メートル先の歯科医院に駆け込むだろう。だが、定期的にメンテナンスをしていれば、滅多に緊急事態は起こらない。これだけは言える。
料金のことについて言えば、おそらく前に通っていた歯科医院よりも多めに取られるかも知れない。確かに前のところは安めだったが、お掃除についても、5分程度ですぐに終わったから、当然と言えば当然だった。今度の歯医者は前の所より倍は時間がかかっていて、丁寧だ。機械も最新式で、申し分ない。変な話だが、以前通っていた歯医者は口をゆすぐ水が、紙コップの3分の1程度しか入っていなくて、往生した。それに比べて、今度のところは紙コップにタップリと入っている。この歴然たる違いは何なのだろうか。
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