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アリス・マンローさんのこと

 

村上春樹さんが編訳したこの短編集の中に、アリスマンローさんの作品、『ジャック・ランダ・ホテル』が収録されている。

知るきっかけは、朝日新聞天声人語

 ある日の新聞の見出しに、カナダ人の作家アリス・マンローさんが亡くなったと出ていた。だが、その作家がどんな人なのか知らない私は全くの無関心だった。そんな情況が一変したのは、朝日新聞の『天声人語』を読んだからで、たちまち興味津々となった。そこには、「平凡に見えた女性たちの日常が、ちょっとした偶然から変わり始める。物語は想像を超えて、展開し、その結末は深い余韻を残す」と書かれ、さらに、「カナダ人作家のアリス・マンローさんは短編小説の巨匠だった」との指摘があった。そうなると、もう私の好奇心は止められなくなった。82歳でノーベル文学賞を受賞したことも驚きだったが、果たして彼女のどの作品を読んだらいいのか、見当がつかなかった。それに日本で翻訳本が出版されているのかもわからなかった。以前詩人のルイーズ・グリュックさんがノーベル文学賞を受賞した際はその著書を読んで見たくても、翻訳本がなくて、叶わなかった。

 だが、嬉しいことに、天声人語の著者は私にまたとないアドバイスを与えてくれた。それは村上春樹さんが編訳した短編集にアリス・マンローさんの『ジャック・ランダ・ホテル』が収録されていると教えてくれたことだった。そうとなれば、することは決まっている。そう、以前は大型書店に飛んで行って、検索機で捜索するのがいつものことだったが、今は違う。今はパソコンで公立図書館のサイトを閲覧し、本を探すのが習慣化してきている。

 著者名で検索すると、あった、あった、村上春樹さんの短編集に中にアリス・マンローさんの名前を見つけて、小躍りする。それも、あの『ジャック・ランダ・ホテル』の作品名が載っていたのだ。天声人語には、「主人公は、若い女性に走った恋人を追って豪州まで来たが、意外な結末を迎える」と何かを匂わせるような書き方がしてあったので、余計にこちらは心を惹かれてしまう。そして、当の村上春樹さんも「こういうのって何か感心してしまう」と書いていると言う。もう我慢できない、早くその言葉の意味を、真実を知りたくてたまらなくなった。早速サイトで見てみると、予約数5と出ていた。おそらく新聞に死亡記事が出たこともあってか、人気が再燃しているのか、あるいはひっそりとでもアリス・マンローさんの隠れたファンはこの日本にも存在しているのかもしれない。とにかく、果報は寝て待てとばかりに静かに待つことにした。

 天声人語に書かれていたことで印象的だったのは、「何十年もの時間軸を行き来しても、数十ページで見事に完結させてしまう」との記述で、まさに短編小説の名手だったことが見て取れる。さて、肝心の本のことだが、それは意外にも早く私の手元に届いた。ワクワクしながら、『ジャック・ランダ・ホテル』のページを開いた。冒頭で、主人公の若い頃の場面が描かれたと思ったら、突然場面は今現在に舞い戻ったので、こちらは何が何だかわからなくなった。だが、作品に関して事前の情報を得ているおかげで、ああ、このことか、と想像できるので、みっともなく戸惑うことから何とか免れた。

 この作品のかなめは何と言っても、長年連れ添った夫婦間の心の風景を映し出していることだ。主人公のゲイルは若い女と逃げた夫ウィルをオーストラリアのブリスベンまで追いかける。夫が若い女と暮らす家を見つけて、感情に任せて乗り込むかと思ったらそんな野暮なことはしない。彼女はこちらが、まさかそんなことを、どうしてそんなことをするのと仰天するようなやり方で、夫と交渉しようとする。簡単に言えば、夫と間接的に話をして楽しもうとさえするのだ。その手段は手紙で、何と別人になりすまし、夫と文通のような真似をして、夫の心を探ろうとする。さすがに夫婦である、彼女は夫の心の動きを手に取るように理解していた。夫が若い女の世界にうまく入り込めず悶々としていることに気付いていた。

 決して、愛よもう一度ではないけれど、ゲイルとウィルの夫婦は元のさやに収まりそうだ。それにしても、村上さんもあとがきに書いていたが、アリス・マンローさんの小説の手法は芸があって、見事という他はない。

mikonacolon

 




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