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アウシュビッツに行ってみたら

  昨日の続きを書こう。オフェンシムにあるアウシュビッツとビルケナウの見学にかかる時間は、ガイドブックにも実際に行った人のブログにも3時間30分とある。その内訳はアウシュビッツからビルケナウに移動する時間もあるので、少なくとも30分を差し引いても、本当の見学時間は3時間ぐらいだろう。もっともビルケナウまでの巡回バスはすぐに来るし、7,8分もすれば、現地に着く。私も実際に乗ってみたが、想像したよりも早かった。そうなると、各収容所の純粋な見学時間は1時間半ということになるが、実際に中を歩いた私の感覚では、大いに、無駄に歩かされたというのが本音だった。まずは入口のゲートから最初の見学場所である建物(ガイドブックにも載っていた)までが延々と歩かされる。あちらこちらに掲示板があり、ガイドはその前に立って熱心に説明をしている。

 建物の中を見学できるとばかり思っていた私は落胆のあまり、一刻も早くこの場所から立ち去りたいと思った。そしたら、偶然と言うか、意外というか、目の前には「EXIT」の標識があるではないか。ええ!?もう出口のサインがあるの?と仰天した。見ると、ひとり、ふたり、と人がそちらの方向に歩いて行く。誰も行かないなら、わたしだってもう少し中をウロウロしていただろうが、後に続けとばかりにその人たちに付いて行く。ゲートを出て、時計を見たら、入場してから45分経っていた。入口の方を振り返ると、もうゲートは締まっていて誰もいなかった。

 考えても見て欲しい、私はほぼアウシュビッツの中を歩いて出てきただけでも、45分かかった。ガイドをつけて中を見学したら、あちこちにある掲示板の前で、ガイドが熱弁を振るうだろうから、さぞかし時間が、それも倍の時間がかるだろう。たとえ、建物の中を見学しなかったとしても、それぐらいの時間が必要だ。要するに、建物を実際に見ながら、アウシュビッツで何が起こったかを勉強する時間なのだ。人生において貴重な機会と思えば、3時間半という時間も4千円余りの費用も安いものだ。

 それで思い出した、ガイドブックに載っていたアウシュビッツ収容所の構内の見取り図に「見学可能」と書かれていたことを。この「見学可能」というのは何を意味しているのかと、不思議に思ったことを。たしか、「アウシュビッツ収容所は、当時のありのままの姿を保存しているから見学すべき」だと話には聞いていた。だが、いつの間にか、どんな事情かは分からないが、建物内は見学不可能になったとしか思えない。その代わりに、掲示板で当時のことを知ってもらおうという意図なのだろう。私以外は誰も不思議に思っていなかったようで、当然のように建物内を歩いていた。少なくとも戸惑うばかりの私にはそう見えた。

 出口から出てきた私は、これからどうしようかと迷っていた。バスに乗ってクラクフに帰ってしまおうかと、バス乗り場を探し、バス停と思われる場所でバスを待っていたが、さっぱり来ない。それもそのはず、オフェンシム行きのバスは1時間半に一本しか走っていないのだ。すると、そこへ、ビルケナウに行く巡回バスが来た。もうビルケナウを見学するつもりもないのに、なぜだか、乗って見ようという気を起こした。バスに乗って少し行くと、車窓に何やら同じような茶色い建物が無数に立ち並んでいるのが見えた。何だろう、この建物群は?日本でよく見かける工場の建物ではないのは歴然としていた。その建物群はビルケナウのバス停に着くまで延々と続いていた。

 バスが到着すると、皆降りたが、私は彼らの後を付いて行く気にはなれず、またバスに飛び乗った。これはあくまで私の推測に過ぎないが、あの延々と続いていた建物群は、まさしくビルケナウそのものではなかったのだろうか。ガイドブックの地図によると、ビルケナウはアウシュビッツの何倍、いや4.5倍はある広大な面積を誇っている収容所だ。となると、その広さを身をもって体験したければ、ひたすら歩くしかない。だが、バスの車窓からその恐ろしいまでの広さを垣間見てしまった私にはもう歩く気力は残されてはいなかった。

mikonacolon




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