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サイゼリヤ株主総会2025レポ|松谷秀治社長「サイゼリヤのフォーマットは、ファミレスの価格帯とは違ってきている。現状の価格帯で利益が出る目安が出てきたので、他の値上げに合わせるとか、どのタイミングで値上げするとかは考えていない」

 11月26日11時から行われたサイゼリヤの株主総会。

 ファミレス業界の雄で、国内店舗数はガストに次ぐ2位。近年は意欲的に海外へ進出しています。

直近経営資料 2025年8月期決算短信決算説明会資料、有価証券報告書
株主総会資料 定時株主総会招集通知
前回 サイゼリヤ株主総会2024レポ|株主「デザートが全部茶色。季節メニューとかあってもいいのでは」→松谷秀治社長「デザートは一番力を入れないといけないと思っている。絶対に変えるので期待してほしい」

 コロナが一段落し、海外進出が成功していることもあり、業績は増収増益。来期も増収増益見込み

- 売上 営業利益 純利益 PER PBR 時価総額
サイゼリヤ・23年8月期 1832億円 72億円 51億円 32.4倍 2.7倍 2838億円
サイゼリヤ・24年8月期 2245億円 148億円 81億円 24.5倍 2.2倍 2692億円
サイゼリヤ・25年8月期 2567億円 154億円 111億円 21.3倍 2.28倍 2822億円
サイゼリヤ・26年8月期予想 2763億円 190億円 124億円      
すかいらーくHD・25年12月期予想 4450億円 250億円 148億円 48.6倍 4.43倍 8119億円
ジョイフル・25年6月期 695億円 32億円 22億円 11.3倍 2.64倍 369億円

※株価は株主総会の前営業日終値を使用。PERは予想、PBRは実績

 地域別にみると、国内の売上の伸びが顕著。営業利益も前期までは中国を中心とするアジアで多くを稼いでいたのですが、今期は国内も大きく伸ばしています。

 客単価は国内が844円(前年比2.6%増)、海外が875円(同1.2%増)と、ここ数年は海外の方が高くなっています。あまり値上げしている印象はないので、どこでお金を使っているんだろうという疑問も持ちますが。

 国内では出店地域を広げているサイゼリヤ。2024年12月に大分県に出店したことで、未出店地域は5県のみとなりました。

 国内の店舗数は3年連続で減っていたのですが、今期は久しぶりに15店舗増加で、来期も20店舗増加を見込んでいます。都道府県別の出店数と退店数をみると、東京都は1店舗減っていて、地方を攻めている印象があります。

 海外は中国を中心に国内以上に店舗を増やしていて、今期は98店舗増。ただ、店舗増加の中心となっている中国の売上が結構前年比割れしているのが気になるところです。

 また、ベトナムに初出店したほか、4月にオーストラリア、7月に武漢、9月にマレーシアに子会社を設置していて、さらに海外展開を進めるようです。

 サイゼリヤが今、何を目指しているかは決算説明会資料の最後の「今後の取り組み」というページをみると分かります。特定の年度だけでなく、毎年の推移をみていくと、考え方の変化も見えてきて面白いです。

 前年と比較すると、「マーチャンダイザー新設による商品政策強化」がなくなり、「サイバーセキュリティ対策の充実」が追加されました。2024年10月に不正アクセスで個人情報の一部が漏洩したことが一因でしょうが、食品業界ではアサヒGHDもサイバー攻撃で大変なことになってますからね……。

ここ一年の主な動き

2024年 11月 愛媛県初出店

12月 大分県初出店

2025年1月23日 当社従業員に対するストックオプション(新株予約権)の発行内容確定に関するお知らせ

4月9日 海外子会社設立に関するお知らせ(オーストラリア)

4月9日 海外子会社設立に関するお知らせ(中国管理)

5月1日 ホームページリニューアル

5月8日 サイゼリヤ ベトナム(ホーチミン)初出店!

6月24日 【大注目】サイゼリヤが一部店舗でモーニングを開始! ウワサの『朝サイゼ』に行ってみた!!(ロケットニュース24)

7月9日 海外子会社設立に関するお知らせ(武漢)

8月 海外子会社設立に関するお知らせ(マレーシア)

手元資金(ネットキャッシュ)の推移

 投資CFが結構マイナスですが、既存店改修や工場などの設備投資に費やしている印象があります。来期は子会社への投資も大幅に増加する見込み

- 2023年8月期 2024年8月期 2025年8月期
営業CF +207億円 +241億円 +262億円
投資CF -59億円 -88億円 -187億円
財務CF -81億円 -148億円 -100億円
- 2023年8月末 2024年8月末 2025年8月末
現預金 678億円 719億円 671億円
有利子負債 405億円 188億円 141億円
ネットキャッシュ 273億円 530億円 529億円

フィスコのデータを参照しています

議案

(1)剰余金の処分→期末配当を1株につき30円に

(2)定款一部変更→中間配当の項目を追加

(3)取締役(監査等委員である取締役を除く)3名選任→全員再任

前年株主総会 今回候補者
正垣泰彦 正垣泰彦(創業者、代表取締役会長)
松谷秀治 松谷秀治(代表取締役社長)
長岡伸 長岡伸(海外事業本部長)
益岡伸之 益岡伸之(理事業務監査室長)
【社外】松田道春 【社外】松田道春(トーマツ出身)
【社外】荒川隆 【社外】荒川隆(食品産業センター理事長、元農林水産省農村振興局長)
【社外】江口真理恵 【社外】江口真理恵(弁護士)

株主総会のTwitter実況

  株主総会の様子は僕のTwitter(@michsuzu)で「#サイゼリヤ株主総会」のハッシュタグをつけてツイートしていたので、まとめておきます

 対処すべき課題については、他社は招集通知をそのまま読み上げるのが通例ですが、社長が自分の言葉で説明するのがサイゼリヤのスタイル。

松谷:前期決算では、売上高2567億円(前期比114.3%)、営業利益154億円(同104.3%)と、ともに過去最高を達成できた。

 ただ、一番重要視してるのは客数。前年比112%で、国内は年間2億人超、海外を合わせると約3億人を迎えることができた。客数こそが、私たちにとってのお客さま満足の指標であって、事業の社会貢献度だと考えている。

 レストラン「サイゼリア」という事業は、世界中の人々に、健康的なイタリアの家庭料理を店舗で便利に楽しく食べていただくことを目的としている。創業当時から「食を通して暮らしを豊かにしていく」という考え方は全く変わっていない。今期はいよいよ本格的な成長ステージに移っていけると考えている。

 海外では、中国メインランドでデフレ傾向が高まっている。競争力の弱いショッピングセンターの衰退が顕著になっていて、我が社の出店もショッピングセンターが中心なので前年同期比80~87%と低迷している。ただ、今期に入ってからは徐々に回復傾向が見えてきた。

 それ以外の香港、台湾、シンガポールでは前年同期比100%を超えて非常に好調で、今期に入ってもそのトレンドは変わっていない。

 中国メインランドに関しては、不況が逆に成長の好機だと考えて、今まで接点ができなかった競争力の高いショッピングセンターに好条件で入れる、店舗拡大のチャンスだと受け止めている。

 中国メインランドを中心に、香港、台湾、シンガポール、新たにベトナムを含めると前期は123店舗出店。海外店舗数は期末で629店舗となった。今期もすでに発表している武漢(中国)、オーストラリア、マレーシアを含め、積極的な進展を計画している。

 国内は、売上高1729億円(前期比118.2%)、営業利益50億円(同183.9%)。今期に入ってからも売上高はさらに伸びている。ここ数カ月の既存店売上高は、コロナ前と比較すると160%を超える水準となってきた。ようやく安定して損益分岐点を超えるレベルまで売上高が上がってきた。

 今期は、今まで取り組んできた客数増は前提とした上で、利益改善のためのマネジメント体制に移っていく。方針は「商品開発」「作業体制」「チェーンマネジメントシステム」の3つ。

 商品で一番重要なのは価格。ESLP(Everyday Same Low Price)ということで、いつでも変わらぬ安さということだが、サイゼリヤは今後も変わることなく継続していく。

 創業以外、我が社は「La Buona Tavola(イタリア語で楽しい食卓)」を提案している。いろんなメニューを組み合わせて食事を楽しんでいただくために安く提供する。一品でお腹いっぱいにするというより、用途によって組み合わせて食事を楽しんでいただこうとしている。お酒を飲む方はワインを組み合わせる食事ですね。

 メニュー施策では、今まで行っていた核商品の改善をさらに進めて、圧倒的な品質と価格を提供できる人数、商品の磨き上げ。それに加えて、より食事を楽しめる、彩るためのデザート、季節メニューなどの開発を行っていく。ニーズとウォンツを組み合わせたメニューの完成度を高めていく。

 また、朝食店舗の拡大を考えている。6月19日にサイゼリヤ 大島ピーコックストア前店で導入した朝食メニューは非常に好評で、現在は7店舗まで増やしてテスト検証している。

 高齢化社会や女性の社会進出を考えても、今後、朝食時間帯の需要は増えていくと考えている。都心だけでなく地方でも市場規模は大きいと考えているので、計画的に拡大していく。

 原価改善は、世界的な気候変動を受けた農畜産物の高騰、為替の円安傾向で、原材料価格の上昇傾向はしばらく続くと考えている。ただ、海外店舗が増え、購買量が増えたことで、マスメリットを享受できるアイテムも増えてきている。全社的にソーシングやサプライシステムの構築を行うことで、仕入れ原価の改善を進めていく。また、売上が好調なので、自社生産工場や固定費吸収などでの原価改善が進んでいる。

 2番目の「作業体制」で、改善効果が高いのはテーブルトップオーダー。今月末でほぼ全店が導入する。すでに全店導入済みのセルフレジと合わせて、店舗のオペレーションの標準化ができあがってきた。今後、導入したシステムを使った新たな仕組み作りで、さらなる作業改善を進めていく。

 そのほか、配膳ロボや自動ライス盛り機などを実験導入した店舗の効果検証を行いながら、どこまで標準化していくかを検討していく。

 作業マニュアルについては、1店舗あたりの従業員数が今、非常に増えていて、教育訓練の標準化と期間短縮が課題となっている。まずは店舗作業を単純化した上で、マニュアルの手順や指導ポイントを映像化して、見えるトレーニングに改善していく。

 3つ目の「チェーンマネジメントシステム」のポイントはマネージャーの育成。前期から導入している数値責任制度で店舗運営のマネジメントレベルが徐々に上がってきている。ただ、店舗ごとの数値のばらつきがまだまだ非常に大きい。

 各店舗の比較数値を見える化して対策できるよう、ウィークリーマネジメントを今期からスタートし、改善スピードを上げるマネジメント体制を作り、現在実行している。

 採用では、前期の採用社員数が205人で、近年においては非常に多くの新入社員を迎えることができた。今期も220人を計画している。従業員の数が増えれば増えるほど、教育の質とスピードが重要になってくる。特に重要なのは教える側の教育で、マネージャー教育の質とスピードを上げる必要がある。

 マネージャー育成のための教育研修制度を充実させてきたが、今期はさらにスペシャリスト育成のための試験制度、研修、教育専任者に対するインストラクター研修、現場作業教育などを加えて、教育投資として前期比120%の9億5000万円の予算を組んだ。

 その他、お客さま需要に合わせて、営業時間を前々期、前期と増やしてきた。ただ、まだ変更できてない店舗も多くあるので、順次変更していく。加えて、先ほどの朝食実験の結果を見ながら、朝の時間帯の延長も含めて検討している。

 前期の出店は28店舗で、期末の店舗数は1053店舗。新たなエリアとして徳島、愛媛、大分の3県に出店。地方の利益率の高い立地に出店できたことで非常に好調。新店舗の標準化が進んできたので、オープンから営業が安定するまでの期間も短縮される。現在、1店舗当たりの売上高の伸び率が非常に高くなっているので、今期は新規エリアの出店は行わずに、既存エリアのドミナント出店を中心に進めていく。

 今後、グローバルなレベルで拡大していくと、それぞれの経営のばらつきが大きくなる恐れがある。それゆえ、今一番重要視しているのは、機会損失を減らすための標準化。国内、海外の成功事例の情報を一元化して、改善を繰り返すことで全体の経営効率を高めていく。

Q(すずき)デリバリーについて。ほかのファミレスにはデリバリーがあるが、現状、サイゼリヤにはないと思う。以前、浜町でやっていて、コロナのころは試していくという方針も聞いていたが、現状、どういう判断になっているのかを聞きたい

松谷:余裕があって、良い品質でできるのであれば当然デリバリーはやっていくが、現状、お店で調理をして、その場で食べていただくという品質に自分たちは一番自信を持っている。

 デリバリーによって、来店されているお客さまに迷惑をかけることがあると問題になるので、今のフォーマットではやるべきではないと判断している。

 お店に来るお客さま中心に手ごろな価格帯、良い商品を出していくことをやり続けてきた結果、今、伸びているので、デリバリー中心ということは今のところは考えていない。

Q 株主優待(自社レストランで利用できる食事券)をやめたのは非常に残念。株価の下支えになるという見方もあるが、どう考えているか

松谷:株主優待を配っても来店されない方がいたり、ネットで売られたりとあって、配当の方が必要だろうという考えになった。

 配当もまだみなさまのご期待に沿っているところまではいってないと思うが、キャピタルゲイン(株価上昇益)のところも含めてきっちり上げることを考えている

Q いつも子どもを連れていくが、安心価格で野菜もあってお世話になって素晴らしいと思う。都心の店舗だと、すごく並んでいて入れないので取りこぼしも多いのでは。近くに2号店があったら並ばなくてもいいのでは。都心の行列対策は考えているか

松谷:店舗を増やしていかないといけないとは思っている。今の店舗数でお客さまに不便をかけていることは感じている。

 ただ、近くに出店できないかと店舗開発を進めているものの、なかなか都心では見つからないのが実情。お客さまが並んでいるような店舗に関しては、近くにもう少し店舗を出していくという考え方で、今後の出店計画は立てているので、ご期待に沿うようにがんばる

Q ビールの容器をガラスからプラスチックに変えたことに物申したい。お酒をおいしく感じない。ガラスが割れて補充するためのコストのための施策だとは思うが、この施策によるコスト削減効果はどれだけあったのか。今後、ガラスに戻す可能性はあるのか

松谷:変えた時に、私自身も抵抗感があった。ただ、ガラスの容器から今の形に変えたが、これは哺乳瓶にも使われるもので、非常に安全性が高い。変えたことで、逆にコストは高くなる。

 一番重要なのは店舗で割れてしまうこと。家族連れで小さい子どもがいるお客さまが多いので、危険なことが多かった。陶器はまだいいが、ガラスは割れると見えなくなって、小さい破片が飛んでしまう。お子さまにとって一番問題だろうと、その危険性を重視して変えた。お客さまに提供されるガラス製の容器がないようにしている。

 コストの問題ではなく、安心して出せるものということで、これからの時代に合わせて変えていこうとなった。私も抵抗があるが、まずは安全、安心というところを一番にしている

Q 前期業績を見ると、日本は売上、利益ともに上がっているが、海外は売上は上がって、利益が下がっている。昔は中国で儲けて、日本は赤字という話があったが、海外の調子はどうなのか。オーストラリアで作っている材料が円安でどうなるかということも含めて

松谷:海外の利益率は以前は14~15%あった。国内のサイゼリアも一気に成長する前はそのくらいの利益率だった。店舗展開を進めると、先行投資があるので利益率は下がる。10%前後がいいだろうとは考えている。

 仕入れ値等が極端に上がったことで悪くなったというわけではない。中国に関しては日本のように原価が悪くなる状況ではない。

 店舗展開をしたときに既存店売上高が下がっていることがあるが、それが戻りつつある。出店したところの利益率はいい。もちろん下げ過ぎると問題だが、どんどん下がっていく要素はないと考えている。

Q 中国事業の減速要因としてショッピングセンターの状況の悪化という話があったが、現地の激安チェーンが増えているとも聞いている。前年比80%まで下がっているが、中国本土はまだマイナスが続くとして計画を立てているのか。どのように回復していくとみているのか

松谷:私も中国に出張して現地を見ているが、外食同士の競争には全然負けていない。ショッピングセンターへの出店が多いので、ショッピングセンター同士の競争がある。ダメになっているところは本当にダメで、そこがきいている。担当役員から、もう少し詳しく話していただく

長岡伸(海外事業本部長):中国に関しては、決して数値は悪くないというのが我々の考え。売上に対しての利益率は、まだ10%程度実現されているから。

 下がっている最大の理由はショッピングセンター間の競争にさらされているから。外的要因に関してはさまざまなニュースが報道されている通りで、戻りつつある。今期末には既存店売上が前年比100%に戻るだろうと考えている。その事業規模、売上規模、客数規模はほぼコロナ前まで戻るという感覚でとらえている。

 確かに前年比だと非常に悪いととらえがちだが、決して悪くはない。これは既存店の話で、新店は積極的に出店していて、その新店部分が今年、来年に利益的に重なってくる。新店はいろんな経費がかかるので、どうしても1年目は利益が出ないが、来年くらいから徐々に良くなる。

 また、中国は10年ほど前までは、5年やったら退店しないといけないという契約が多かった。ところが、今の中国の経済状況の中で、契約更新して残ってくれというケースが増えている。

 5年で出ていくところが、場合によっては10年ほど営業継続できる。外食は店舗投資を回収するために3~4年かかるが、再投資せずに営業継続できるのは利益にきいてくる。そのあたりも考えると、中国の今後はそんなに悪くない。

 外的要因だけでダメだろうと言われているが、海外600店舗、中国だけで500店舗できてきたので、それを生かして今まで扱えなかったような新しい食材を扱ったり、我々の仕様で作ってくれるような工場、産地開発をスタートしている。やっと良い品質の商品を中国国内でも提供できるようになるぞという考えになっている

Q 「今後も低価格路線でいく」という話があったが、同業他社は値上げしている。値上げしても世の中から理解は得られるのでは。サイゼリヤが値上げしたら日本のデフレが終わるのでは

松谷:デフレというより、物価が上がる状況と所得が増える状況が本当にマッチしているかということが一番大事。物価が上がって、給料が上がって、生活が豊かになるのがあるべき形だと思っている。

 ファミリーレストラン系はみんな値上げしてきたが、どの価格帯まで上げるのかという問題は当然出てくる。しかし、サイゼリヤのフォーマットは、ファミリーレストランの価格帯とは違ってきている。

 だから、今の価格帯のところで、利益が出る体制をとりながら、物価が上がって、給料が上がって、景気が良くなって、みなさんの暮らしが楽になっていったときには、それに応じた上がり方をすると思う。

 サイゼリヤのフォーマットはファストフードとファミリーレストランの間の価格帯。どちらかというと、ファストフードより安いかもしれないが、その価格帯で利益が出る体制を整えられるかということを今やっている。

 もちろん利益があがらなかったら無理だが、その目安が出てきたので、安い価格は守ろうとなった。だから、ほかが上げるから合わせるとか、どのタイミングで上げるとかは考えていない。

Q 要望だが、コロナ前までは株主総会後に懇親会があって楽しかった。前社長ら、経営陣ともお話しできた。食事を提供するロジは大変なので、食事なしでもいいので、直接お話しできる機会を考えていただきたい

松谷:貴重なご意見ありがとうございます

Q 財務戦略について。リーマンショックの時にデリバティブで100億円以上の損失を出して社会問題化したが、ヘッジするための意思決定としては間違ってなかったと思う。危ない商品はダメだとは思うが、円安が続く中で為替リスクをヘッジすることは考えないのか

松谷:財務戦略は必要、当たり前だと思う。過去、デリバティブで問題になったこともあったが、集まったお金をどう使うか。未来投資に使うのが一番大きい。出店したり、工場を作ったりとか。

 それでも余ったお金をどう有効に使うか、為替リスクをどう減らすかは当然考えていく。ただ、それを中心に考えていくとどこかおかしくなるので、中心にはしない。

 お金の使い方として未来投資を一番にしつつ、有効な財務戦略を考えないといけないが、財務人材を育てていかないとこの戦略はできないので、その辺は今、検討している

Q 採用について。サイゼリヤのいろんな店舗に行っているが、飲食業界が全体的に人手不足となる中、うまくいっているようにみえる。もしそうなら何が強みなのか。国内外で店舗を増やす上で、この辺の課題や見通しがあるとすれば教えてほしい

松谷:アルバイトについては最低賃金が上がっているが、当然、それを全然クリアできるような時給を出せないといけない、仕事ができる人を評価してあげないといけないと思っている。

 そのためには店舗売上が上がって、生産性が高まることが前提となる。それが今できているので、労務費は上がっているが、労務費率としては下がっている。

 新入社員は大学を卒業して入社しても、一生ここで働くという形ではなく、実力をつけたら、実力に合ったよりお金をもらえる会社に移りたいと誰もが考えている。

 だからサイゼリヤ自身が成長しようとしている。成長すると、実力が上がったところのポジションにつけて、高報酬をもらえる状況に今、いきつつある。

 飲食業界では、新卒の中でサイゼリヤは非常に人気がある形となっている。成長していかない限り、どこかで変わっていくこともあるかと思う。

 チェーンストアは成長していくことが前提となる。それをやる限りは、従業員は未来に合わせた人生設計ができるので増えていく。入っていく方が多くなり、辞めていく方が少なくなるのが割と今できているのかなと思っている

Q ひとりの客として利用すると、一番気になるのはやはり料理。ワインとのペアリングの話もあったが、サイゼリヤはファミリー層など客層が幅広い。どのターゲットを中心に今後の商品開発をしていくのか

松谷:どういうお客さんが来ても楽しめることを前提にしている。アイドルタイムに高校生がポテトとドリンクバーを頼むのもよし、朝食で散歩後の年配の方が前菜をちょっと食べてワインを飲むのも楽しい、ランチタイムにサラリーマンがランチをおいしく食べる、夕方にカップルがデートに使う、団体で飲み会に使うのもいい、ファミリーで使ってもらうのもいい。差別なくみなさんが使えるということがサイゼリヤの考え方。

 では、どうやってそのメニューを作るのか。イタリア料理のフルコースには前菜、パスタ、メイン、ピザ、デザート、コーヒーといったカテゴリがある。

 これらを組み合わせることで、それぞれのライフスタイルに合わせて、用途に合わせて楽しめる。2品で朝食、3品で昼食、4品で夕食というように。

 そのためにカテゴリは絶対減らさない。それぞれカテゴリ内に「この商品があるから食べに行こう。これを中心に組み合わせていこう」と思えるような核商品を作らないといけない。まだ、できてないところもあるので、核商品をしっかり作っている。

 人間、保守的で食べるものはそんなに変わらないので、グランドメニューはそんなに変えなくてもいいと思う。たまに違ったものを食べたいというものに関しては、季節メニューなどで加えていく。

 高い価格帯のお店で楽しむこともあると思うが、自分たちはその高い価格帯でやろうとは考えていない。安くて普通の人たちが食べる、当然お金を持っている人たちも来て楽しめるような、店作りをしようとしている

Q 決算短信に、国内で「米価格の高騰や円安による食材価格やエネルギー価格の上昇の影響を受けた」とある。米は契約栽培していると思っていたので、スポット価格の影響を受けたのが意外だった。今期に関して、米の調達方法を変えているとかあれば教えてほしい

松谷:米は難しい。本当にどうなるか分からない。前期は「こんなに上がるんだ」と思った。1カ月の影響額は最初は1億円ほどだったが、後半は2億円ほどの影響が出た。新米が出たら下がるだろうとも思っていたが、下がらない。とはいえコメが余っていないかというと余っている。出てこなくなっただけで。

 今、年間契約でここを買うということはできない。だから、この価格のタイミングで買う、という契約を今、しようとしている。この高値がずっと続くことはないと思っているが、昔のように下がることもないと思っている。米に関しては動向を見ながら、動いていくしかない。

Q 中国との政治問題が激しくなっている。過去の例だと、店舗破壊や不買のリスクがある。最大どのくらいのリスクがあって、どう対応するのかを回答できる範囲内で聞きたい

松谷:現地の安全が一番。過去にもいろいろ問題があって、破壊があった時も、うちはイタリアンレストランで、日式(日本式)という感覚がないので、わりと安全だった。大きなデモがあった時も、デモの方々がお食事にきていただいたことがあった。

 現地でお客さまが来なくなったということはない。日式とはっきり分かるお寿司屋とかは危険な部分もあるが。そうはいっても、現地の方々が安心できるよう、そういうことが起きた時は対処できるよう、今後どうなるかはっきりとは分からないが、現地で働いている人に危険がないように動いていきたい

Q(すずき)サイゼリヤの日本の店舗をみると、九州と四国が少ないと思う。九州はジョイフルがあるからかと思うが、四国の数が少なくて、高知に至っては未出店なのはどういった理由があるのかを聞きたい

松谷:四国も九州も、出店したところの売上は非常に高い。ドミナント出店(特定の地域に集中した出店)を先にしようということで、あまり広げないようにしている。熊本や大分、福岡に厚く出していく

 四国に関しても徳島、香川、愛媛を出して、ここをしっかりドミナントしていく。その後に高知、九州でも沖縄などがある。沖縄も1店舗だけでも売れると思うが、数店舗出してのドミナントを考えるので、出店は数年先だと思う

Q 今後の取り組みに「海外新拠点や新規国も含めた出店戦略」とあるが、具体的に教えてほしい

松谷:すでに発表しているマレーシアは出店する。マレーシアに関してはハラルの問題があるので、ハラルのところに出店するとどうなるかという試みでもある。それができれば、インドネシアとかもどうかと、決定ではないが考えている。

 オーストラリアは東南アジアと違って先進国になる。市場としては欧州や米国の市場になるはず。東南アジアではお客さまに認められる状況が出ているので、オーストラリアの結果をみて、今後の方針を考えていく




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