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テレビ東京HD株主総会2025|吉次弘志新社長「放送局は放送法で公平公正、不偏不党をうたっており、事象の見方が偏らないよう常にその意識を徹底。マーケットを伝えることはある種のリアリズムなので、思惑とは対極にある番組作りをしている」

 6月19日10時から行われたテレビ東京HDの株主総会。大手民放テレビ局・テレビ東京の持ち株会社です。今回の株主総会後に社長が石川一郎さんから吉次弘志さんに交代する予定です。

直近経営資料 2025年3月期決算短信決算説明会資料補足資料質疑応答中期経営計画テレ東VISION 2035有価証券報告書
株主総会資料 定時株主総会招集通知
前回 テレビ東京HD株主総会2024レポ|長田隆取締役「(日本テレビのドラマ『セクシー田中さん』での出来事に関して)しっかり丁寧にコミュニケーションして、原作者の了解を得たものを放送することを改めてテレ東でも徹底する」

 業績は増収減益。来期は増収増益見込み。

- 売上 営業利益 純利益 PER PBR 時価総額
テレビ東京HD・23年3月期 1509億円 92億円 67億円      
テレビ東京HD・24年3月期 1485億円 88億円 67億円 15.2倍 1.00倍 1012億円
テレビ東京HD・25年3月期 1558億円 77億円 60億円 14.7倍 0.91倍 958億円
テレビ東京HD・26年3月期予想 1570億円 80億円 63億円      
フジ・ メディアHD・25年3月期 5507億円 182億円 ▼201億円 62.8倍 0.77倍 7091億円
日本テレビHD・25年3月期 4619億円 549億円 460億円 17.5倍 0.86倍 8677億円
TBSHD・25年3月期 4067億円 194億円 439億円 27.3倍 0.80倍 7782億円
テレビ朝日HD・25年3月期 3240億円 197億円 258億円 10.4倍 0.61倍 2914億円

※株価は株主総会の前営業日終値を使用。PERは予想、PBRは実績

 テレビ局といえば視聴率争い。

 2024年度は、個人視聴率・世帯視聴率ともにテレビ東京(TX)は民放5位、NHKを含めると6位なのはいつも通り。2024年1~3月期は、ゴールデン帯(19~22時)の世帯視聴率でテレビ東京(5.48%)がフジテレビ(5.41%)を抜き、開局以来初めて最下位を脱出したことが話題となりましたが、今期はいつも通りに戻ったようです。

 電通の調査によると、2021年に初めて、インターネット広告費がマスコミ4媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)合計の広告費を上回りました。ただし、テレビの広告費は高水準を維持しています。

 テレビ局各社は、視聴率減=放送収入減を受けて、放送外収入の拡大に乗り出しています。テレビ東京HDの特徴は、アニメなどのライツ事業を伸ばしていること。

企業名 売上
(前年度比)
放送収入
(デジタル除く
前年度比)
放送収入割合 主な放送外事業
フジ・ メディアHD 5507億円
-2.8%
1237億円
-16.0%
22.4% 都市開発・観光、通販
日本テレビHD 4619億円
+9.1%
2221億円
+1.3%
48.0% Hulu、フィットネスクラブ
TBSHD 4067億円
+3.1%
1636億円
+2.6%
40.2% 小売、不動産
テレビ朝日HD 3240億円
+5.2%
1743億円
+4.4%
53.7% ABEMA、音楽出版
テレビ東京HD 1558億円
+4.9%
730億円
+5.0%
46.8% アニメなどのライツ事業

ここ一年の主な動き

2024年9月18日 テレ東 BIZ 内容の大幅拡充のお知らせ

11月7日 海外向けにFASTコンテンツ

12月16日 当社の報道番組に関するご注意

2025年1月17日 「激録・警察密着 24 時!!」についてのBPO放送倫理検証委員会の意見について

1月22日 社内調査について

4月22日 テレビ東京グループの人権対応について

5月14日 『テレ東 VISION2035』策定について

手元資金(ネットキャッシュ)の推移

 2022年11月に200億円の成長投資枠を設定、2024年度末までに投資を実施しました

- 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期
営業CF +111億円 +64億円 +75億円
投資CF -83億円 -47億円 -20億円
財務CF -31億円 -34億円 -40億円
- 2023年3月末 2024年3月末 2025年3月末
現預金 377億円 361億円 376億円
有利子負債 71億円 75億円 71億円
ネットキャッシュ 306億円 286億円 306億円

議案

(1)剰余金の処分→期末配当を1株につき75円に

(2)定款一部変更→ガバナンス体制の見直し

(3)取締役12名選任

前年株主総会 今回候補者
石川一郎 石川一郎(代表取締役社長→会長、日経出身)
▼新実傑(CIO、日経出身) 吉次弘志(新社長、日経出身)
▼川崎由紀夫(アニメ、コンテンツ) 長田隆(番組編成、コンテンツ戦略)
吉次弘志 小沢武史(日経出身)
長田隆 平岡利介(営業、アニメ、コンテンツ)
小沢武史 △小丸港市(日経出身)
平岡利介 △田村肇(グループ経営室長)
【社外】岩沙弘道 【社外】岩沙弘道(三井不動産元社長)
【社外】澤部肇 【社外】澤部肇(TDK元社長)
【社外】奥正之 【社外】奥正之(三井住友銀行元社長)
【社外】佐々木かをり 【社外】佐々木かをり(イー・ウーマン 代表取締役社長)
【社外】長谷部剛 【社外】長谷部剛(日本経済新聞社長)

(4)監査役2名選任→尾﨑道明さんが退任し、鈴木五十三さん(弁護士)が新任、小田原明子さんが再任

(5)取締役賞与支給→当期末時点の取締役(社外取締役を除く。)7名に対し、総額3600万円の範囲で支給

株主総会のTwitter実況

 株主総会の様子は僕のTwitter(@michsuzu)で「#テレビ東京株主総会」のハッシュタグをつけてツイートしていたので、まとめておきます

Q フジテレビで起こった性加害問題について、テレ東としての見解を聞きたい。「振り向けばテレ東」と万年最下位を揶揄されてきたが、フジテレビの件で売上が伸びたのではないか

小沢武史:フジテレビで起きた一連の問題については、他社のことでもあるので、私から特にコメントすることはない。しかし、人権の問題については、これまでさまざまな方針・施策を掲げて取り組んできた。

 例えば、人権と行動規範に関するアンケートを昨年から2回、アナウンサーを含めた全社員を対象に実施、性被害についてのアンケートも含まれている。追加調査も実施したが、該当する事例はなかった。

 業務上の会食ルールも明確にしたほか、年5回ほど人権に関するセミナーを実施、取引先100社以上とのアンケートを通じた対話も実施した。

 また、人権も含めたサステナビリティを推進するためのサプライチェーンガイドラインも作成し、Webサイトで開示。人権問題については真剣に取り組んでいる。

石川:「振り向けばテレ東」ということだが、我々は別にそれを意識しているわけではない。テレビ東京の長期ビジョンに基づいて、得意分野を伸ばして、きちんとした会社にしていきたい。

Q 『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』で登別温泉を目指す旅の途中に偶然居合わせたことで、大変親しみを感じている。今後の深夜枠の新企画の展開や他局との差別化戦略についてどのように考えているか

長田隆:テレビ東京の強みであるアニメや経済報道には、これからも引き続き、より注力していく。

 一方、それ以外のバラエティやドラマについても、テレ東の基本的な編成方針である独自性を重要視して、他メディアのコンテンツと差別化を一層図ることで、みなさんに楽しんでいただきたい。

 事業報告のVTRにもあったが、独創性の高い切り口のドラマを放送して、非常にたくさんの方にご覧いただいている。

 バラエティでも『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』にとどまらず、それに続く番組の開発を目指して制作部門、編成部門が注力しているので、今のようなうれしい意見をいただけるよう頑張りたい。

 

Q 兼任の多い社外取締役の存在はどうなのか。頼む方も頼む方だが受ける方も受ける方だ。本気で仕事をさせようとしていないのでは。決まったことを追認するだけですよね。兼任は2社までとか定めるべきでは。また、会社の株を持っている監査役はバイアスがかかるのでは

石川:必ずしもそういうことはない。社外役員のみなさんは非常にいろんなところで経験を積まれた方で、我々の経営に対するアドバイス含め、いろんなことをいただいている。業務の状況についても質問を相当していただいて、執行役員や局長からいろんなことをお伝えしている。

 テレビ東京グループの価値向上に相当の役割を果たしていただいていると、私は思っている。株主さまのご心配はごもっともだが、今の段階では心配するに及ばないと思う。

小田原明子:招集通知に記載されているように、私は当社の株を保有しているが、これは監査役就任前に取得したもので、監査役就任後は株式報酬などは一切ないし、関係の職務に関してバイアスがかかったりとか、何か意図的なものがあるとかは一切ないので、ご安心いただきたい

 

Q(すずき) 同業のフジ・メディアHDで特定個人が実質トップに長く居座る弊害が明らかになったと思う。テレビ東京HDでは社長が交代するが、適切なトップ交代が行われ続ける仕組み作りについて、どう考えているか。人事諮問委員会委員長の奥正之さんの意見も聞きたい

石川:私は2020年以降、5年間社長を務めた。コロナの時に就任したが、その中でテレビ東京グループを変えようと、いろんなことを試みてきた。

 自分の後任については、かなり早い段階から頭の中で想定してきた。この件については、奥正之さんが委員長をしている人事諮問委員会で何回にも分けて、いろんな形で議論してきた。各取締役の個人データも含めて提出して、いろんな形で議論して、最終的に吉次弘志さんが妥当であるとの答申を得て、今回こういう運びとなった。

 そこの部分については、独立社外取締役が過半数を占める人事諮問委員会の議論、了解を得てやっているということで、後任人事についてはかなり透明性を持ってできたと私は考えている。

 

Q テレ東はよくみているが、北海道、東北、関東、中部ばかりにロケ地が限られていて西日本がない。また、テレ東には系列局が6局あるが、テレビ大阪やテレビせとうちから番組は出てこないのか。「金がないなら知恵を出せ」と番組を作っていくよう、うながさないのか

石川:系列局とはいえ経営的には独立していて、我々から「こうしなさい」とはなかなか言えない。系列局からの番組の提供含めて、いろんな形でコミュニケーションをとりながらやっているところ。

 我々としては今動いているので、まだ日の目が出ない上に時間がかかるかもしれないが、その努力を怠っていないということだけはご理解いただきたい。

長田隆:ロケは関東だけでなくさまざまな地域で行っており、特に系列局があるところには定期的におじゃましている。

 今、ご質問にあったように、ご覧いただいてる方の印象として、それが薄いではないかとお感じになっていることに関しては、貴重なご意見をいただいたと感じている。今のご意見を編成・制作部門に戻して、そういう印象を改善できるよう努力したい。

 系列局とは6局で共同番組制作もしている。以前もやっていたのを一時中断していたが、今年の年末年始にやった。系列局の制作力向上に向けてテレビ東京ができることは、引き続き歩調を合わせながらやっていく。

 

Q 普段から朝はモーサテ、昼は昼サテ、夜はWBSを見て楽しんでいる。昨今、メディアの報道の部分で偏向報道や印象操作についての意見がたくさん出ている。テレ東の場合は偏っていない印象があるが、偏った報道とかをしないよう意識していることがあれば教えてほしい

石川:ただ今の株主さまからのご質問は我々にとっては非常に心強いご意見でもあるし、そういうことを常日ごろから心がけて作っていることを、この場でもお伝えさせていただきたい。

 報道に関しては、テレビ、新聞含めてオールドメディアと言われてはいるが、ファクトをきちんと取材した上で報道する。いろんな事象に関して両サイドの見方があるので、きちんとした専門家の意見を入れて、視聴者がきちんと判断できるような材料にすることを、常に心がけている。

吉次弘志:そもそも放送局は放送法で公平・公正、不偏不党をうたっており、我々としても個別の事象の見方が偏らないよう、役員、現場を問わず、常にその意識を徹底している。

 テレビ東京の場合、経済報道が多く、例えばモーニングサテライトはNHKや他民放局にはないマーケット中心の番組。マーケットを伝えるということは、ある種のリアリズムなので、思惑とかそういうものとは対極にある番組作りをしている。

 現場と役員の意思疎通については、私の下に担当役員がいて、局長がいて、プロデューサーがいるというラインになっている。常日ごろから、報道方針や個別の問題の取り扱い方などについて意見を戦わせながら、放送の内容を決めているので、それがいろんな意味で偏らないよう、会社全体として意識していく。

 

Q テレビをみるより本を読む方が、勉強になって良かったりする。本を読んだりすることとテレ東をみることがトレードオフの関係になったりすることについて、どう考えるか

石川:確かにトレードオフという関係はあるかもしれない。時間は1日24時間に限られていて、寝る時間が7時間とすると、あと17時間。

 個人差があるが、私に関して言えば、テレビをみることは仕事でもあり、楽しみでもある。一方、本を読むことは、自分のいろんな知識を増やし高めるためにも必要で、そのバランスをうまく取りながらやっているところ。どちらがどうということではない。

 テレビに関しては、今は1.3倍速とかあるので、そういうものを使って、うまく時間をコントロールしている。見てもらえる番組を作れるよう、テレビ局の社長として叱咤激励している。

 

Q(すずき) 有価証券報告書の株主総会前開示ありがとうございます。保有株式の項目をみると、noteを41万株から27万株まで減らしているが、その意図は。テレビ東京HDはかつてnoteでしていた情報公開を、今は自社サイトに移行しているが、その流れの一環なのか

吉次:政策保有株式については定期的に経営会議や取締役会などで点検していて、その前段階として社内の委員会で定量的・定性的な観点から、全てチェックしている。

 定量的な保有効果については、有価証券報告書に書いてある通り、さまざまな指標を比較・考慮して、売却すべきかどうか決めている。その際には、当該会社との取引の部分も考えてやっている。

 noteについては、個別の判断のプロセスについてここでお答えするのは控えるが、「政策保有株式全体を売却しなければいけない」という大きな方針の中で、「noteの株式をここまで減らすことが適当である」と、さまざまな視点から検討してたどり着いた

Q フジテレビが港浩一前社長と大多亮元専務に対して、訴訟する方向にあるという。これは対岸の火事ではない。いろんな問題で利害関係者やスポンサーから訴えられたりして会社に損害を与えた時、取締役や監査役のみなさんは訴えられる覚悟はあるか

石川:当然そういう覚悟を持ちながら経営にあたっている。取締役の責務はそこにあるので、それは当然そういうことでやっている。

 人間の組織である以上、いろんなことが起こる。それが起こらないよう万全を期するが、それでも起こってしまうことは人間社会ではあると思う。

 起こった時にどういう風にうまく処理していくか、コントロールしていくか、会社の価値を高めるための行動を取締役としてどうとっていくかを、常に頭の中で考えながら行動してるということを、ここでお伝えさせていただければと思う。

小田原:仮定の質問にはなかなかお答えしづらい部分もあるが、そもそもこの職務を拝命した時からその覚悟でやっているので、しっかりやっていきたいと思っている。

 

Q 政府が2023年6月5日の男女共同参画会議で「女性活躍・男女共同参画の重点方針2023(女性版骨太の方針2023)」(原案)を示し、東証プライム企業で2030年までに女性役員比率を30%以上を目指すことを定めた。テレビ東京HDにおける女性役員の比率などを教えてほしい

石川:今回はテレビ東京HDについては佐々木かをりさんと小田原明子さんの2人、テレビ東京では5人の女性役員を起用している。

 こうした方々がどんどん経営の中枢になっていくと思う。もちろん決まったことについては承知しているので、そこに向けていろんな改善をしていきたいし、女性が働きやすい環境については、サステナビリティ委員会も含めて、いろいろ検討しているところ。

Q モーサテやWBSを見る流れで、「経済・投資の目利き塾」のイベントに申し込んだ。抽選に外れたが、その後、協賛する証券会社からの電話で投資勧誘された。そういうところに登録した個人情報が広まっていく可能性があるのか確認したい

加増良弘(BSテレビ東京社長):目利き塾は7月25日に、この日経ホールで3回目を行う。

 このイベントへの応募にあたっては、「限られた個人情報についてはこういう形で利用する」と明記しており、きっちり告知している。そこをご理解していただいた上で応募してくださいと書いているので、その範囲内の連絡であったかと思う。

 ただし、そこのところが危うい理解をされる方も多いので、今後はもう少しはっきり明記するよう、先週にも担当者に伝えたところなので、慎重に個人情報は扱わせていただく。

小沢:個人情報の保護については、当社の経営にとっても非常に重要な課題ととらえている。

 これについては政府の方も毎年のように法改正があるので、それに対応しながら常にそうしたことがグループ内全体に周知されるよう、社内研修や説明会も開くなどして徹底しているところ。

(動議) 1号議案(剰余金の処分)について。アニメ事業で平岡利介取締役が頑張ったので、配当を75円から85円にしてほしい
3号議案(取締役12名選任)について。保有株数ゼロの取締役を削除して差し替える。問題提起として動議を出している。1単元でいいので持ってほしい

石川:ちょっと苦言いたしますと、株については所属先の企業によっては、他社の株は持てないという会社もあったりする。その規定があることをご理解いただければ。

 この2つの動議に関しては、原案と一括して審議の上、採決する




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