都市伝説解体センターは発売直後に買ったのですが、仕事の合間にちょっとずつちょっとずつ進めて、GWのお休みのときにようやくクリアしました。面白かったです。
都市伝説解体センターは福来あざみさんという女の子が、都市伝説解体センターという、YouTuberと探偵事務所が合体したような、都市伝説関係の謎を追う団体に入って、都市伝説になぞらえられた事件を解決するゲームです。
本作に似ているゲームだと、逆転検事が挙げられるかもしれません。現場で聞き込みをして証拠を集め、集まった情報を整理して真相に辿りつくというのが一連の流れです。
ゲームの基本的な建て付けとして面白かった点としては、あざみさんの現場に残った過去の出来事の痕跡を見ることができる能力による同じ現場が二つの視点から見えるという点と、SNS調査における事件へのSNSの反応のありえそうな嫌さの部分、そしてなにより魅力的なキャラクターを描くことを中核に置いているところです。
本作は事件ごとに話に分かれており、最終話がとても良かったのですが、そこはキャラクターの強さを感じた部分で、お話が展開していく中でキャラクターの魅力を描いていたのが良かったなと思いました。
反面、もの足りなく感じたのは最終話以外の「事件の真相の面白さ」の部分で、奇妙な事件の真相が、現実的でつまらないものとして解体されていく感じがしていて、つまり、話を読み進めるほどに最初にあったワンダーな部分が減っていくため、テキストをどんどん読み進めたいというほどには気持ちが盛り上がらず、そのため、一気に読み進める感じにはならず、クリアまでに時間がかかったように思います。
この部分の比較で言えば、逆転裁判やダンガンロンパなどでは、事件の真相に近づくにつれて、証拠から考えて、こういう事実を示唆しているが、本当にそんなことがあるか??ということも多く、不可能を除外した結果に残った大変奇妙な真相が分かったりするので、事件の解決に向かう途中でもワンダーな部分が追加供給されていく感じのゲームに誘引するホスピタリティがあるように感じました。
都市伝説解体センターの事件は、そういう部分が欠けているように感じましたが、しかしながら、それがゲームの背後にある大きなものとはリンクしていると感じたので、そっちの良さはあり、その点が難しいところだとも感じました。
その、「背後にある大きなもの」とは「断片的な情報から想像した全体像は、実際は想像したような奇妙なものではなかった」というものです。
僕が本作の美しいと思った部分は、大きなものを価値観として多くのピースが並べられているように感じたところです。つまり、
①奇妙な事件の真相は、超常的なものではなく現実的なものであったこと
②SNSで断片的な情報から好き勝手語る人々の様子
③都市伝説や陰謀論は断片的な情報を妄想で補完して形作られていること
④ゲーム内の情報をもとに事件の真相を推理するプレイヤー
これらはそれぞれ点として与えられた断片的な情報を人が線を引いて繋げることで、人の頭の中で全体像を想像する話です。
このあたりのものが同じ価値観に沿うように並べられているように感じたため、①の事件の真相が突飛で不思議で異常なものであったなら、そこから外れてしまうという問題があると感じました。なので、さして面白くない真相というものにも、本作の中においては思想的な意味があるように感じたので、つまらないけれど、つまらないことにこそ意味があるものだとも感じたということです。
本作の最後のしかけも、この流れの中にあると感じていて、プレイヤーに点の情報を供給することで、事件真相がこうであるということを分かりやすく想像させてくれます。そして、その想像したことが事実とは異なることを提示しているように思いました。
あなたの想像した真相は、本当に真相でしたか?それは都市伝説とSNSと同じものではないですか?という問いかけです。
ちなみに、本作の本当の真相は、僕は最終話が始まった時点で察しはついていたのですが、それも、クリア済みのプレイヤーの様子による何らかのどんでん返しがありそうという断片からの想像でもありました。
また、そうではないかもしれないと判断に迷うポイントもいくつもあったので、本当はどうなのか?と思いながら遊んでいたので、真相が分かったときにはちゃんと面白かったです。
とにかくコンパクトなボリュームで一本筋の通った面白さを体験できたのでいいゲームでした。
他にマイナスポイントを挙げるとしたら、好きになった登場人物の魅力をしぼりきった部分があると思うので、その今後を見られないかもしれない、という部分です。