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映画でくらいトんでたい(2025年の映画感想①)

〇I Like Movies

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いわゆる”映画オタク映画”の系譜に連なる最新型。では何がこの映画を最新足らしめているかというと、それは主演アイザイア・レティネンの存在感と言わねばならない。

これは自分も好きな映画であるが、例えば『桐島、部活やめるってよ』における神木隆之介など、映画好きのボンクラといって出てくるのが髪をモサっとさせたイケメン俳優だったりすると乗り切れないものである。

近年のアメリカ映画(本作はカナダ映画だが)の手触りとして、こういうイケてない役柄にイケてない見た目の俳優を使う誠実さがあると思う。

アイザイア・レティネン演じる主人公ローレンスの痛々しさ!

弛緩した顔の無気力さ。強張った顔の奥に覗く肥大したプライド。

映画オタクをアイデンティティにしていようが、それって結局”ただ映画を見ている人”であって、アイデンティティでもなんでもなくて、なんて現実を突き付けられた時に、最後に残るものは……。

爽やかな鑑賞後感が示唆するのは、本作は青春映画というよりも、青春へ踏み出すための映画ということである。

 

〇テレビの中に入りたい

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対して非常につらいのがこちら、『テレビの中に入りたい』。

言ってしまえば、青春へ踏み出せなかったがゆえに、過去に憑りつかれてしまった人間の話。もちろん、本作の主人公が踏み出せなかった要因として、様々な抑圧の構造がほのめかされてもいる。

しかし、薄暗い部屋を照らすブラウン管に潜り込むことが叶わぬというのなら、果たして現実世界で狂わずにいられるのだろうか?

 

〇サブスタンス

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それでいえば、『サブスタンス』も個人的に二度と見たくない一本。

もちろん面白い映画ではあるのだが、あまりにも辛い現実を前に人間が狂気に陥る様というのは、見ていて気持ちのいいものではない。

取り返しのつかない痛みと喪失と、そのエスカレーションがもたらす破局をジャンル的飛躍へ接続させたことが本作の特徴であるが、そこにカタルシスは本当にあるのか?

結局のところ、TV業界は変わらないし、1週間後には誰もお前のことなど覚えていないというのに!

 

〇愛はステロイド

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では、ジャンル的飛躍の妙味を感じられる映画がなんだと問われたら、今年のベストは本作である。

クリステン・スチュワートのメロさ!肥大化する筋肉!ねじれていく愛のかたち!

クィアな想像力が原点にあるという意味で、『テレビの中に入りたい』と『愛はステロイド』は共通する物語である。

しかし、アメリカの乾いた町を舞台に繰り広げられるノワールがどうしようもない現実として立ちはだかる時、それをぶち破る特権を許されているフィクションが、どうしてその特権を振るわずにいられようか!

とにかくこの現実から連れ出してほしいんだ俺は!

(現実の後片付けをするはめになるクリステン・スチュワートにも要注目)

 

〇MaXXXine

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ジャンル的、あまりにジャンル的。であるのにも関わらず、さして飛躍などという大袈裟な身振りもせず、軽やかにハリウッドを渡り歩いて見せたのが『MaXXXine』。

いや、たしかにそれは、『MaXXXine』によって幕引きとなる三部作のうち、『X』であり『Pearl』でありの、文字通り屍の上に築かれた軽やかさでもあるのだが、しかし、それさえも「だから、なんだというのだ?」と言わんばかりの、強かな手触りが、本作にはある。

過去の因縁が追いかけてくるのであれば、それも利用してやればいい。

コカインをやって、気合を入れて、私は成り上がるのだ、と。

 

〇ウェポンズ

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一方で、ただ面白いままにジャンル的飛躍を成し遂げて見せる作品もあって、近年それはホラー映画に多い気がする。

(個人的に同系統で好きなのは『マリグナント』『シャドウ・イン・クラウド』『破墓』)

「そこまでやるか」と腹を抱えて笑い出したくなるほどの思い切りのよさは、ホラーが苦手な自分のような人間にとって、ありがたいことこの上ない。

 

少し気になるのは本作のタイトル『ウェポンズ』の指し示すものだ。作中でそれは明示されない。例えばジョシュ・ブローリン演じる行方不明になった子供の父・アーチャーが言うように、何かに操られたかのごとく攻撃を繰り返す”彼ら”が「人間兵器」なのかもしれないし、アーチャーが幻視する巨大なアサルトライフルが「ウェポン」であって、それは子供たちが行方不明になるというストーリーに通底するスクールシューティングの暗示であるのだ云々。

ただ、自分が思い出したのは、トランプがフェンタニル大量破壊兵器と認定したという先日のニュースであった。

edition.cnn.com

『ウェポンズ』では、主要人物のほどんどが何がしかの依存症を患った人間として登場しているし、恐怖を呼び覚ますトラウマ的感覚として、依存症が重要なファクターであることは間違いないだろう。

主人公の一人であるジャスティンのアルコール依存症などはもちろん、”何か”に憑りつかれた人間たちの生気の抜けた有様─と対照的な”何か”に操られた際の興奮状態─は多様なドラッグの表象を思わせる。

繰り返しになるが、トランプはフェンタニル大量破壊兵器=Weapon of Mass Destruction と認定したのだ。

偶然の一致だろうか?それとも、アメリカの平凡な郊外に悲劇をもたらす”兵器”とは、果たして……。




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