
かなり久しぶりに記事を書きます。
上は筆者のパソコンがウィルスに感染してしまったときに表示された警告です。日本という国が国家社会主義というウィルスに感染し、戦後80年間続いてきた民主主義政治や自由主義経済が破壊されかかっているという意味で使いました。
本題に入ります。
先日2025年7月20日に参議院議員選挙が実施されました。結果は自民・公明与党が参議院で過半数割れを起こすほどの惨敗です。完全に石破自民政権は有権者から見放されたといっていいでしょう。にも関わらず石破(←筆者は彼に敬意を全く持っていないので敬称をつけない)は未練がましく、あれこれ理由をつけて政権の座に居座り続けようとしています。国民からの信任を失った政治家や政党が政権の座から降りないのは民主主義を破壊する行為であり、彼がやっていることは独裁権威主義国家の元首であると言って過言ではありません。
筆者は国政の三本柱は国防(軍事脅威だけではなく自然災害も含めた有事対応)・外交・経済政策であると思っています。石破政権はこの三本柱を切り崩そうとしており、保守層を中心に大きな不信と反感を招きました。石破茂という政治家は保守派ではなく左派政治家であり、自民党という党を保守中道政党から左派政党にしてしまったのです。いわば自民党の立憲民主党化であり、また逆に立憲民主党もまた第二自民党となってきています。両党とも財務省をはじめとする官僚依存が強く、増税・緊縮財政路線です。石破は「日本の財政はギリシャ並みだ」と嘯き、他党から提案されている所得税基礎控除額の178万円引き上げや消費税減税を「ポピュリズムだ」といって頑なに拒み続けました。そうした減税案の盛り上がりに対し、石破政権は1回5万円の給付金だけで茶を濁そうします。その結果として従来の自民党支持者たちの票が他党に流れてしまいます。
外交についてみてみますと、安倍政権や小泉政権といった清和会系の政権は親米路線でしたが、宏池会の岸田政権や水月会の石破政権は親中の外交路線に転じており、日米関係にひびを入れかけています。このことも保守層から反感を買い、彼らは自民党から離れて他党支持に移ってしまっています。
しかしながら現在日本において自由主義と民主主義の精神を尊重し、外交は国際協調の穏健路線を採る保守リベラル層が支持できる政党は壊滅状態となっているのが実情です。これまで日本維新の会が保守リベラル層の受け皿のひとつとなっていましたが、前原誠司氏が入党したあたりから変質がはじまっており、前回衆議院選挙ならびに今回の参議院選挙で苦戦しております。そんな中で「所得税基礎控除額の178万円引き上げ」や「手取り収入を増やす」「ガソリン暫定税率の廃止」などを訴えてきた国民民主党は貴重な保守リベラル層の受け皿となっています。
ところがその国民民主党も大きな下手うちをします。今年春あたりにおいては同党の支持がぐんぐん高まっており、何事もなければ今回の参議院選挙でもさらなる躍進が期待できていたのですが、かつての不倫問題を抱え女系天皇論支持発言で保守層から反感を買った山尾志桜里氏や反ワクチン発言をした須藤元気氏を候補者として起用しかけたことで同党の支持が急落します。保守層の中でさらに右派寄りの支持者は百田尚樹氏らが立ち上げた日本保守党や神谷宗幣氏を代表とする参政党へ票を投じました。とくに参政党の躍進は大きく目立ちました。
ところが参政党が掲げていた公約や新日本憲法(案)を読むとかなりトンデモで危険極まりない政党であることに気がつかされます。
参政党の憲法案において現行の日本国憲法が保障している「個人の尊重」「幸福追求権」の規定や法の下の平等(現行憲法14条)、思想・良心の自由(同19条)などの削除がバッサリ削除されています。その一方で「日本を大切にする心」を強要しつつ古典素読や歴史・神話、伝統行事などの学習を義務付けており、思想・教育の自由を侵害するような規定が盛り込まれていました。現行憲法が国民ひとりひとりを個人として尊重しているのに対し、参政党の憲法案は「国家あっての個人」と全体主義的かつ集団主義的です。そのため「大日本帝国憲法への回帰」と受けとめている人が多くいます。民主主義や自由主義を蔑ろにしているのが参政党です。
そのため参政党は左派層から「極右政党」と見做されているのですが、経済政策・農業政策を見てみますとむしろ「極左政党」であると筆者はみています。筆者だけではなく思想史家・経済学者である柿埜真吾さんも同様の批判をされていました。
参政党は過激な国家社会主義政党
— 柿埜真吾 (@ShingoKakino) 2025年7月19日
「郵政、水道、NTT、鉄道等の行き過ぎた民営化を見直し、再公営化を進める」
「第一次産業従事者の公務員化を進める」「建設業と農業の兼業を推進し、長期安定雇用で準公務員化」
「日本の精神文化の象徴である神社の国有化」
これらの公約は経済停滞と大増税に直結。
もう一度参政党の憲法草案に戻りますが、その第19条第2項において「土地は公共の財産」であると規定してしまっており、国民の重要な権利のひとつである私有財産制を否定しています。こんなことをやるのは旧ソビエト連邦(→ロシア)や中国共産党です。現在でも中国では土地の私有が認められておらず使用権を与える仕組みです。
さらに農業や漁業など第一次産業従事者を公務員化するというのも社会主義者の発想そのもので旧ソ連のソフホーズ(国営農場)やコルホーズ(農協)、中国の「公司」を想起させます。国家財政については第三十条(財源)において財源を「通貨発行により資金を調達することを原則とする」と規定、第三十一条(税制)では「税は唯一の財源ではない」としており、MMT(現代貨幣理論)的なマネタイゼーションを想定しているようです。柿埜さんは参政党憲法草案を「大日本帝国憲法回帰というよりソ連憲法や北朝鮮憲法に似ていないか?」と評しています。
参政党は過激な国家社会主義政党
— 柿埜真吾 (@ShingoKakino) 2025年7月19日
「郵政、水道、NTT、鉄道等の行き過ぎた民営化を見直し、再公営化を進める」
「第一次産業従事者の公務員化を進める」「建設業と農業の兼業を推進し、長期安定雇用で準公務員化」
「日本の精神文化の象徴である神社の国有化」
これらの公約は経済停滞と大増税に直結。
あと参政党は「在日米軍の段階的撤退」や「日米地位協定見直し」を主張してしまっています。彼らは独自の防衛力を確立すべきだという意味で、それを謳っているのでしょうが、現実的にみて米国の軍事力に依存せず中国やロシア、北朝鮮といった軍事独裁国家と対峙できるのか甚だ疑問です。若者の徴兵や多大な軍事費など重い国民負担が圧し掛かることが想像されます。米軍を日本から追い払うことでかえってこれらの軍事独裁国家を喜ばすようなことになりかねません。
参政党を支持した人たちはきちんとこの党の主張や神谷氏らの発言を承知した上で投票したのでしょうか?民主主義という政治システムは有権者自身が合理的かつ理論的、論理的に情報を吟味し判断しないと機能しません。筆者としては使いたくない言葉ですがそれは「衆愚政治」といわざるえない状況です。我々国民は日本の民主主義と自由主義の機能不全を警戒せねばなりません。
数十年以上の長きに渡って日本においてほぼ唯一政権担当能力を持つ政権であった自民党が石破や岸田文雄という男によって国家社会主義に染め上げ、それに嫌気がさした右派たちが怒りの一票を投じた政党もまた偽装保守の極左政党であったというのは非常に地獄的な状況です。
国家社会主義がもたらしたものは破壊しかありません。社会主義国家の多くは食糧品や工業製品といったモノやサービスの生産供給力を著しく低下させ、民衆はそれを手にすることができなくなります。そしてハイパーインフレを引き起こしています。やがて日本が軍事独裁国家から蹂躙され、いま不足している米などの農産物がさらに供給不足となって国民が飢えに苦しむようなことになってもおかしくないです。高度成長期以前どころか敗戦当時の日本に逆戻りしてしまうのでしょうか?
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