2日ほど前にノマドがてら図書館に行ったときに見つけた本です。その図書館には司書の方が作るコーナーがあって定期的に更新されています。今回は「認知症」というコーナーにありました。
認知症?ヒラノ教授?あれ?
ヒラノ教授シリーズは知っていました。10年ほど前に以下のKindle本を買った記憶がありましたので。なぜこれを買ったのかブログに記録がありませんでしたので。。。よくわかりません。准教授に昇任した年ですので恐らくもっと論文書かなければと思って手にしたのだと思います。遅いって。。。
本の目次は以下のようになっています。かなりリアルでしょう。。。7章まで読み終えたところです。
1 エンジニア廃業 2 ステマノフスキー 3 再婚力 4 語り部業という仕事 5 五大後悔 6 健康対策 7 病気あれこれ 8 自殺計画 9 遺言書 10 平均寿命をめざして
親友がたくさんいらっしゃるのが何より羨ましいですが、それ以外はかなり現実的なお話がありました。
特に有名な先生でも退職すれば外出することが極端に少なくなること。断捨離、お墓、家族、老老介護、入居施設、認知症、運動、お金。。。もう、赤裸々に語られています。
特に奥様が大変な状況になったときに先生が老老介護しているときに奥様に手を上げてしまったこと。。。とても後悔されていました。
実は僕も母が腰痛で動けなくなったので実家に1ヶ月くらい帰省して一緒に暮らしたことがありました。腰痛だけではなく認知症も進んでいたことがわかっていて事前に本も読んでいったはずなのに。。。大声を上げてしまったことが何度かありました。今思い出しても涙が出てきます。。。なんでもっと優しくできかったのだろう?もっと一緒の時間を楽しめなかったのだろう?と。ちょっと前の記憶がなくなって苦しいのは母のはずなのにです。それが長く続くと。。。ヒラノ先生と同じ状況になるんだろうなと想像しました。
大学教員といっても老後は経済的に特別ゆとりがあるわけでもなく、そして身体は年々衰えていくわけです。暇つぶしに本を読むことも難しくなるようです。
怖いことはないですが、やはり残念というか。。。いつか終わりがあるのでしょうから。今、できることを楽しんでやる、それに尽きるのでしょう。後悔しても戻せませんし。絶対に後悔しない生き方ってのもないでしょう。
ちなみに著者の先生はいまどうされているのだろう?と思いググってみました。OR学会に追悼記事が書かれていました。
残念なことにお亡くなりになられたようです。81歳くらいですね。。。うちの父親は79であと2週間くらいで80でした。これくらいが賞味期限だと思って生きています。
大学教員にとって本書は必読書と思います。
あ、ちなみに本書の前半では退職後の生活が書かれていたのですが、研究メインに活躍されてきた先生は退職後も独自に研究するのかな。。。とぼんやり思っていたのですが、実はそうでもない。。。ということがわかります。
退職でせっかく当たった研究費を召し抱えられてしまったという話しも書かれていましたが、お金がないと研究ができないというのは確かにジャーナル投稿を目指すと必要なことはわかります。でも、今ならarxivとかオープンアクセスのジャーナルもありますし。そこがなんか不思議だなぁ。。。と思うのです。
僕みたいに研究は好きでも論文書くのは苦手でしかたがなく書かなければと思っているなら老後に書くか。。。というとそれは厳しいなぁと思うのですが、論文生産に人生のほとんどをかけてきた方達が退職を機に手を止めてしまう。。。というのはなんとももったいない話しだなぁと。
人生の優先順位が変わるからでしょうか?やりたくてもやれないのか?やらなくてもよい環境ではやらなくなるのか。。。もしかすると教授を非難しているようにも思いますが、それでも単純に疑問なのです。
そのときが来たらわかるのでしょう。
■追記
残りの章を読み終えました。2つ追記します。
1つ目は以下。177ページ。
東工大時代に、20年にわたって入試監督を努めた私は、監督中に本を読んだり論文を書いたりすることは禁じられていたので、英語と数学の時は問題ときで時間を潰した(略)英語力は衰えていなかったが、数学力は違った。40代の間は1時間少々ですべての問題が解けた。ところが50代に入ると、2時間かけても解けなくなった。そして定年を迎えるころには、解こうとする意欲が失せた。
上記で退職後に研究を続けない理由が何となくわかるようです。研究となると違うかもですが、難しく複雑なことに立ち向かおうという気持ちが薄れるのでしょう。そういうことを考えることが好きで研究者とかやっている人が考えることが億劫になったら何になるのでしょう?考えることも考えられなくなるのかなぁ。。。
2つ目は183ページ。
これまで77年に及ぶ人生で、私が最も怖い思いをしたのは、ソ連とアメリカが核戦争一歩手前まで行った、1962年のキューバ危機である。(略)今はただ、これから先の3年あまり大災害が起こらないこと、2020年の大統領選挙で、もう少しまともな人物が大統領に選ばれることを願うばかりである。
この本は2018年1月に第1刷が出ています。執筆はもっと前でしょう。大統領は確かにもう少しまともな方がなったが返り咲いてしまいました。残念です、先生。でも、そういう時代なんだと思います。安定より変化を求めている人の割合が多い。。。
またこの先生は2022年に亡くなっています。そうコロナ禍。大災害という節ではなぜか震災(神戸も東北も熊本も)を一つも挙げていないところがひっかかりました。日本にいなかった?それともそういう現象は響くものがなかったのでしょうか?それだけキューバ危機が恐ろしかったのかも知れません。
この先生とは次元が違うと思うけど、うちの父も色々と大変な人生を送りました。ワークライフバランスなんていう言葉がなかった時代を生きた世代だと思います。問題のない家族なんてないのでしょうね。。。後悔しても時間は戻せない。その状況の中でできることをする。そういう教えがありました。
お疲れ様でした。ゆっくりお眠りください。