以下の内容はhttps://mekasue.hatenablog.com/entry/2021/10/10/164136より取得しました。


理想の「ゲームコミュニティ」の形とは

調度「DiscordやVRを使用したゲームコミュニティについてどう考えてるか教えてくれ」という依頼が来て、調度良い機会なので一度考えをまとめとこうと思って書いていく



〇「ゲームコミュニティ」という言葉について

 

「コミュニティ」という言葉が昨今ゲーム界隈で頻繁に使われる事が増えているように思える。

 

コロナ禍の影響もあり、ゲームセンター業界がかなり斜陽となってしまい、どんどん数を減らしていってしまってる事に起因して「ゲームコミュニティとしてのゲームセンターの役割」について考える話題もある。

 

トッププレイヤーの「格ゲー界の評価に関わるからギフト(スパチャ)を送って欲しい」という呼びかけに起因した「ゲームコミュニティーの与えられる価値とは何なのか」を考えるような話題もある。

chigesoku3.doorblog.jp



そもそも「コミュニティ」とは何なのかまで掘っていくと流石に深すぎるが、ありがたい事にアユハさんがきっちりブログ記事でまとめてくれているので、そちらを参照してもらう事とする。

 

ayuha167.github.io

(『こみゅリポ』というLT会での発表まとめ記事)



また、アユハさんは同ブログで「求められるゲームコミュニティとは何なのか?」という疑問に対しての大枠の解答もブログ中に記述していただいており、おおいに同意出来る内容となっている。

 

ただ、内容としては基盤の理論やある種の理想像の話であり、現実にゲームセンターや、現在主流であるSNSやDiscordによるゲームコミュニティの形成がどのような形で寄与しているかは掘り下げきれてないように思える。

 

この記事はその辺を包括した「ゲームコミュニティ」の有り方としての考察である。

(筆者が格ゲーマーなので格ゲーの話にかなり寄っているのは申し訳ない)




〇一般的に認知されている「コミュニティ」の形

 

さて、まず最初にリアルとオンライン(インターネット)におけるコミュニティの形というものを整理していこうと思う。

 

基本的な概念として、一人一人の個人がいて、家族というコミュニティを形勢している。

 

それが地域に住むコミュニティがあって、県や国という土地や距離によってコミュニティは区切らている。

 

コミュニティは規模の大きな物を挙げだしたらキリが無いのだが、多くの人において実際に機能しているコミュニティは意外と小さい。

 

例えば幼年期は「家庭」というコミュニティが最大だし、いいとこ近所の公園程度までである。

 

子供達の多くは「学校」が最大のコミュニティとして機能しているだろうし、働き始めても多くの人は「会社」が実際に機能する最大のコミュニティになりがちである。

(見える範囲まで、というのが正しいだろうか)

 

一方、インターネット社会というのも一つのコミュニティとして捉える事が可能であろう。

 

インターネット社会は2000年代まではリアルの社会との繋がりは希薄だったのだが、スマホの普及及びSNSの普及によってほぼ現実社会と混ざりあっているような状態になっている。

 

この辺はインターネットネイティブ世代より下は実感しにくく、昔のインターネットおじさん程実感している部分かと思われる。

 

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インターネットはほぼリアルと混ざり合った

 

〇「ゲームコミュニティ」の形について

 

ではこの中でゲームのコミュニティはどういう形をしているのだろうか?

 

例えば学校の中でのゲームコミュニティとはどういう形だろうか

 

友達同士でゲームをする。

でも、いつも同じゲームしかしないだろうか?

 

「今日はこれやろうぜ」となんだかんだで色々なゲームする事になるだろう。

 

共通項としては「ゲームを一緒にやる」という事で、コミュニティとしての位置は部活動なんかと同じ階層にあるわけだ。

 

会社においては「プロジェクト」というコミュニティが該当するだろうか

(余談だが、学校における「クラス」というコミュニティは会社における「部署」の立ち位置あたりと推測している。)



一方、ゲームセンターはどんな形のコミュニティだったか。

 

面白い事にある程度の大きさがあるゲームセンター内では〇〇勢として一般的に区切られていただろう。

 

音ゲー、格ゲー、カードゲー、メダルゲー、更にその中でもゲームタイトル毎に細分化されたりしている。

 

つまり、興味深い事に「ゲームセンター」と同じ階層にあるコミュニティは「学校」や「会社」という大きな括りであると考えられる。



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学校・会社・ゲーセンコミュニティの形

 

ではこのようなコミュニティは他にあるかと言うと、ちょっとすぐには思い浮かばない。

 

例えば習い事であれば水泳、書道等あるがどれもこれもある程度決まった物事に特化したコミュニティである。

 

趣味で考えるならば将棋なら将棋道場になるし、読書なら図書館ないし町の本屋さんである。

 

「アウトドア」等まで拡げるとギリギリ山や海やサイクリングや〇〇勢と分類出来る所まで細分化可能であるが、好日山荘あたりであったり、はたまたダイビングショップであったりやはり専門店が登場してしまう。

 

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ペットショップあたりは似た大きさのコミュニティになりそう『秘密のレプタイルズ』より

 

例えば将棋であれば同じ戦型同士のコミュニティもあれば研究会といったコミュニティもあるが、ゲームセンターで比較すると、格ゲーの中での〇〇というゲームをする物同士というコミュニティの時点で既に1階層多い事になる。

 

ここに△△というキャラを使うコミュニティ等も発生するものだから枚挙にいとまがない。



そういう意味で間違いなくゲームセンターは少し特殊なコミュニティ形成空間であった事は間違いない。

 

特に社会の形が「家庭」あるいは「地域」、「学校」しか無い幼少期においては、もしかすると初めて出会う新しい社会的性質を持った空間であった可能性が高い。




〇何故ゲームセンターは多数のコミュニティを内包し得たか?

 

先に書いたとおり、ゲームセンターという空間上に音ゲー、格ゲー、カードゲー、メダルゲー、更にその中でもゲームタイトル毎に細分化されて配置されていたからであると思われる。

 

では何故各々〇〇勢として括られ、名乗っているのか?



これに関しては、以前「プライド分散理論」という文書中に示した以下の「アイドルの”推し”の発生条件」に関する仮説と一致する。

 

mekasue.hatenablog.com

 

>一例としてアイドルについては言及しておこうと思う。

 

>これは私自身がアイドルについてやり込んでいるわけではないので甚だしい勘違いをしている可能性が高いが、アイドルについては言及せずにはいられないのである。

 

>1グループあたりの人数が両手で数えれる程度のアイドルのファンは〇〇推しがいたとしてもほとんど衝突していないのではないか?

 

>総選挙などするか?

 

>いや、しない。何故か?

 

>結局グループ自体を個とみなしてファンとなっているのではないか。

 

>では多人数グループだとどうなるか…一人一人に"担当"がつく。

>これは一人に対するファンの総数がグループのファンの10%を下回り、グループの更に内部で細分化されてプライドの発生環境が整ってしまったからではないかと考えている。

 

>故に多人数グループは現代において巨大なプライドを供給し続ける化け物コンテンツとなっている。

 

 

早い話が「ラブライブ」等、メンバーが両手で数えれる程度のコンテンツは基本的に箱推しの傾向が強いが、アイマスやら多人数のコンテンツは担当アイドル制敷かれるという件についてである。

 

ゲームジャンルが多岐に渡り、更にはその中でも様々なゲームが出ていることでプライド発生条件が成立し、散り散りになったと考えられる。



FPSゲームが形成するゲームコミュニティの形

 

ゲームセンターという巨大なコミュニティ形成の場を通して一大勢力となった格闘ゲームであったが、昨今の流行りはもっぱらFPSである。

 

ジャンル自体はそれはもう古くあり、プロシーンも活発なジャンルではあるが、Counter StrikeSudden Attackをはじめ、BF、CoD、R6S等色々とあったが、大きな転換期はPUBGの登場によるバトルロワイヤルジャンルのブームが転機であったのは明らかであったと考えている。

 

その後フォートナイト、Apex Legends、Valorant等拡がっていき、今の小中学生の子供をお持ちのご家庭に聞くと大体「ずっとフォートナイトやっとるよ」等と聞くまでになっている。

(観察範囲内ではおっさんはApexばかりやっている)



こういったチーム制のFPSゲームのコミュニティの形はチーム単位、あるいは+α程度の小さなコミュニティで形成されている場合が多く、ほとんど先に述べたような「部活動」の形に非常に近い

 

つまりその一つ上の階層であるゲーム自体がある種一つの「社会」のコミュニティ階層となり機能していると考えられる。

 

このゲーム自体が一つの社会として機能する現象は『モンスターハンター』シリーズ等でも発生していた現象であるが、携帯ゲーム専用機がスマホの登場により下火になってしまったがために後継となるゲームが存在しない状態が続いていた。

(モンストがそうだと言われればそうかもしれない)

 

ある種そういった枠組みにチーム制のバトルロワイヤルゲームが奇跡的に入り込んでしまった図が昨今のチーム制FPSブームの一旦を担っていると推測している。

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強大な敵コミュニティが現れた時、団結する下地も出来ている『紛争でしたら八田まで』より

 

 

〇心地の良いコミュニティとは

 

かなり長い前置きとなってしまったが本題である。

 

ここまでゲーム関連で形成されているコミュニティの形について整理してきたが、それではどんなコミュニティの形が理想かという話だ。



一般論として完全にテンプレとして存在している「コミュニティの一生」というコピペがある。

 

この言葉で検索したら大量にページが出てくる程度には割と古典かつ、どのようなコミュニティも同じ道筋を辿ったとされているため使われているわけだ

 

コミュニティの一生とは以下の通りとされている。

 

dic.nicovideo.jp

 

【コミュニティの一生】

 

面白い人が面白いことをする

面白いから凡人が集まってくる

住み着いた凡人が居場所を守るために主張し始める

面白い人が見切りをつけて居なくなる

残った凡人が面白くないことをする

面白くないので皆居なくなる

 

コミュニティが成熟し腐敗していくまでを表したこの『コミュニティの一生』における面白くある状態までが『心地の良いコミュニティ』という共通認識でいいのではないだろうか。



に、してもこのコピペは何だか妙だとは思わないだろうか?

 

例えば尖りまくった奴しか集まらず、結局極めて少人数しか集まらずそのまま消滅するようなコミュニティもあるだろう。

 

また、例えば学校というコミュニティの中身は年代や地域性にも依存する。

公立小中学校であれば荒れる年もあれば優秀な年も存在するだろう。

 

そういった場所に前述したコミュニティの一生は当てはまらない。



つまり「コミュニティの一生」が発動するには背景があるのだ。

 

(1)門が極めて狭いあるいは完全に閉まっているコミュニティである場合は発動しにくい

(2)新陳代謝が非常に早いコミュニティである場合は発動しにくい

 

コミュニティが腐るための条件が整わなければ比較的腐りにくいと考えられる。

この辺は会社やらの「組織運営」という観点では様々な論理や書籍が出てくるだろう。



かといって大きいコミュニティで全て問題が起きているわけではない。

 

SNSという大きな枠組みでは大きな問題が常日頃起きてる状態ではあるが、SlackやDiscord上でどこかの小さなコミュニティが爆発しても特に周辺まで燃え広がるなんて事はほとんどないだろう。

 

例え大きなコミュニティであっても、一つ一つのコミュニティの距離感が遠ければ話題に上がる確立は低いので伝播していく可能性は低くなる。

 

上記の観点で見れば、コミュニティとは大きくわけで以下の4種類の状態に分けることができる。



①ほぼ個人しか通れないコミュニティ

②少人数のコミュニティ単位で移動が可能なコミュニティ

③大人数のコミュニティ単位で移動が可能なコミュニティ

④全く出入りが出来ないコミュニティ



①は(新興も含めた)ニッチなコミュニティである。

少人数であるが故にコミュニティリーダーの目が届いているので非常に腐りにくい。

 

つまり、『コミュニティの一生』に当てはめても『心地の良いコミュニティ』である可能性が高い。

 

例えばいわゆる会員制の飲食店であったり、有料のブログ等の個人間の信頼で成り立っていたり、ある程度条件が厳しめに設定され、非常に見つけづらい場所にコミュニティが格納されている状態がそれである。

 

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個人しか行き来出来ないコミュニティ


②は数人のグループ単位で構成されるコミュニティが各々交流可能な規模となったコミュニティである。

 

先述したゲームコミュニティの大部分はここに属すると考えられる。

 

と、いうより移動や情報取得の制限的一般的な地域社会のコミュニティというものは全てここに含まれると推測している。

 

すなわちこの段階で『コミュニティの一生』は進み始めると考えられるため、心地良さを維持するためには工夫と運が必要になるだろう。

 

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少人数行き来可能なコミュニティ

 

③は最早ぐちゃぐちゃに人や集団が入り乱れた混沌としたコミュニティであるが、恐らくこれまで形成されていたのはテレビ等のメディアにより形成された集団、あるいは政治・野球・宗教といった全国に跨って(偏ってようが)情報が共有されていた物のみであったと考えられる。

 

現代ではインターネットの拡大により、SNSをはじめ主要な動画サイトや検索エンジン等がこの階層に当てはまる。

皆さんご存知の通り、ほぼ完全腐ってしまっているのが現状である。

 

なお、5chはその大きさにも関わらず、板毎に細かく区分けされているため、割と②の形式で止まっていると考えている



④は完璧なコミュニティのように見えるが実態は籠の中の鳥のような状態である。

 

そんな状況人間で起こりえるのかと思うだろうが、『戸籍』という形で実装されている。

 

また、意図的に情報を遮断しきっても最終的に陥る可能性があるが、コミュニティの真空パックという状態にはならず、大体は腐る方向に進むだろう。



つまり、コミュニティの形態として基本的に①の状態が一番理想であり、②まで来ると換気機能が働かない限りはコミュニティは腐っていくと考えられる。




格闘ゲームが形成するべきコミュニティの形とは

 

特に昨今のステイホーム時代ではFPSの躍進と格闘ゲーム追い込まれ様の対比は顕著であるが、これまでの考察からその原因は小規模なコミュニティが成立しづらくなった事に起因すると考えられる。

 

こういう事を言うと「まーた衰退論か」と言われるかもしれないが、どうにもこうにもゲームセンターの衰退が非常に響いているようだという事だ。

 

そして、どちらかというと『コミュニティの一生』のように腐ったり衰退したわけではなく、①の状態にまた先祖返りしてしまっただけであると考えられる。

 

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今、ゲーム漫画を描いたら舞台をゲーセンにするのはかなり難しいと思う『対ありでした。』より

 

そもそも1vs1の対戦ゲームの人口移動は個人単位であるので当たり前ではあるのだが…



幸い動画配信の流行で小さなコミュニティが大量に発生する基盤はあるものの、ゲーム上ではこれまでコミュニティ活動をゲームセンターに委託してきたような状況であるので、ゲーム自体にそういう機能がほぼ存在しない。

 

この辺を分かってか分からずか今期からSFLに関しては日米欧共に完全にプロチーム毎でのチーム対戦に切り替わっている。

 

sf.esports.capcom.com

 

チーム制で実施する事のメリットは山のようにあるのだが、それを一々語るとこの文章の同量程度の文字数が要るのでまたの機会とする。

 

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やはりこういう話になる 『紛争でしたら八田まで』より

 

 

〇ステイホーム時代のコミュニティ形成の形(Discord、VRC)

 

ではこの辺はどういう構造になって、現状どんな感じなのかという話については、調度10/15(金)の20:00~開催される『こみゅリポ』Vol.10で「喋れ」という依頼がきているので、実際のコミュニティ運営についてインタビューを交えながら話させていただこうと思います。

 

 

話し終わったらアーカイブのURLでも追加させていただきます。

 

アーカイブはこちら

www.twitch.tv

 




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