タンザニアのマサイ村での食生活は、ウガリを中心としたメニューにおかずが1品ついてくるかピラウのような炊き込みご飯が出てくるか、豆の煮込み料理が多かった。
それはそれで美味しいし、ママが淹れてくれるチャイは絶品で今はそれが恋しいけれどやっぱり恋しい日本食。
マサイ村にも顆粒のお味噌汁や出汁や味噌を持っていったが、それだけでは賄いきれない日本食への渇望。
インターネットが繋がるところに行っては、YouTubeやTikTokで大食いの人たちの動画を見て「いいなぁ…日本帰ったら食べよう」とぼやいている私を見て、ロマは不思議に思っていたようだ。
「いっつもご飯の動画見てるよね?楽しいの?」
「これを見ることでしか得られないものがあるんやで。」
MIYU ASMRさんやもえあずさん、ゾウさんパクパクを見ながら日本食に想いを馳せていたが、ついに日本に帰ってきて日本食が食べられる!!
帰国した日はもう夜も遅く、お店が閉まっている時間帯だったので家についてから袋麺を食べた。
水道から出る透明な水を見て、ああ、日本に帰ってきたんだなぁと実感。
次の日、時差ボケもなんのその、いそいそとロピアに買い出しに行った。
狙うはほぼ具!トロたく巻き。
初めて行くロピアで海鮮コーナーを求めて突き進む。
ロマは魚の匂いだけで顔を顰めているが、ここは我慢していただこう。
私の目には燦然と輝くトロたく巻きが目に飛び込んできて、迷うことなくカゴに入れた。
家に帰ってトロたくを口に頬張ると、トロのほわっとした感触とたくあんのパリパリした歯触りに大葉の爽やかさが加わって本当に美味しかった。
生の魚どころか魚を食べるのは去年の12月以来、つまり今年初めて魚を食べたことになる。
日本人はこんなに美味しいものを日常的に食べられるのか…感想がもう外国人みたいになってしまうほど羨ましかったし、日本にいる間にいっぱい食べようと心に誓った。
結局、あんなにいっぱい入っていたのに1巻だけ母にあげて残りは全部私が食べた。
ロマは魚は食べない、というか生まれてこの方魚を食べたことがないが、私が魚を食べるのを眺めるのは好きらしい。
特に生の魚を食べている私を「おお〜!」と言いながら嬉しそうに見ている。
小さい頃に連れていってもらった和歌山県太地町の動物園で、トドに魚をあげるコーナーがあった。
私たちがバケツ1杯300円で購入した魚を、2匹のトドが岩場で待ち構えており上から魚を投げ入れてトドが美味しそうに魚を食べるコーナー。
ロマもそんな気持ちで私を見ているのだろうか?
「ウニ食べてるところも見たいよ〜。」
食べましょう、なんぼでも食べましょう!
日本にいる間にいくら太っても構わない、食べ尽くしてタンザニアに帰ることをここに誓います。
