正確には「恋愛をしている姉が嫌い」
姉に数年ぶりに恋人ができた。
それ自体はめでたいことだけど、子供のころから姉に恋人がいることで迷惑を被っていた身としては素直に喜べない気持ちがある。
ビデオ通話で恋人といる姉を見て、あの頃にあった嫌なことが次から次へと芋蔓式に思い出されて当時の惨憺たる日々に引き戻された気持ちだった。
姉が恋人を作って宗教から無理やり離反したせいで母親は怒り狂い、それを宥める役が私だったこと。
母と姉が顔を突き合せれば一触即発の空気が流れ、常に身構えていなければいけなかったこと。
そんな日々の中で心の支えにしていた当時好きだった人を亡くしたこと。
未婚の母になった姉が精神を病み、甥を預かったりで我が家の生活がどんどん浸食されていったこと。
私がしていたリストカットを真似され、姉の方が悪化していったこと。
寝てる甥を一人置いて、夜中に恋人に会いに行っていたこと。
騙された姉にお金を貸して、毎月支払いの請求をしなければいけなかったこと。
オンラインゲームで出来た恋人が上京してきて同棲をし始めたのに、なぜかまだ我が家が姉に苦労を掛けられる場面が多く、そういうことはその恋人がやれよと強く恨んだこと。
とてもとても書ききれない。こんな言葉では言い表せない。
姉は基本的にメンヘラだから恋人ができるとすべてを放り出してそちらに行ってしまう。
いまもペットの面倒を人に頼んで自分は恋人の家に泊まりこんでいる。
ペットは共通の知り合いが面倒を見ているため、私のところにも写真や動画が送られてくるが寂しそうにしており心が痛い。あの日の甥と重なってしまう。
私から見る「恋愛をしているときの姉」はいつだって自分のことしか考えてなくてそれが本当に嫌だ。
姉と、まだ小学生にもなっていない甥と、私とで姉の買い物に付き合ったことがある。
服屋で姉は試着に夢中になり、退屈した甥をあやすために私は彼を連れて良く知らない街の良く知らないビルを歩き回った。
そのうちビルの裏にある階段に座り込んで、疲れて眠る甥を抱き、姉を待った。
それが本当に不安で寂しくて辛かった。甥は重たいけれど下ろすわけにもいかず、勝手に帰るにも当時はまだ子供だったのでそんなこともできない。
ちょうど年が明けた今頃の季節で、今頃の時間だった。
このことは一生忘れないし、姉が私にかけてくる迷惑行為もすべてここに集約されている。
そういう人なのだ、彼女は。もうずっと忘れていた。
できるだけ関わりたくない。そうじゃないときの姉は好きなのに。
でもずっと一人で子育てをしてきて苦労してきたのも知っているから、心を許せる人ができたのなら添い遂げて幸せになってほしい。
ぐちゃぐちゃなんだ
どうして私の家族は私がまっすぐ彼や彼女らを愛せるような家族であってくれなかったんだろう?
母も、父も、姉も、妹も、大好きだけど大嫌い。自分だって。