以下の内容はhttps://matusima745.hatenablog.com/entry/2025/10/16/052046より取得しました。


「正欲」(2023)誰が何を見てどう思うかは自由。普通とは違うが俺たちはつながって生きる!

 

原作が朝井リョウさん。性欲でなくて正欲ってなによ?ということで観ることにしました。

家庭環境、性的嗜好、容姿などさまざまな背景を持つ人々がある事件をきっかけに交差する姿を描くというもの

テーマは性欲に形があるのか?多様性を認める社会を目指しながら、これを認めることができない様が描かれ、真の人生の楽しむ生き方は何かを問う作品。普通という概念でこれからの社会に対応でるのかと問題提起され、面白く観ました。キャッチコピーにあるように本作を観たら“もうバックは出来ない”と思います。(笑)

テーマがテーマだけに出演者には難しい役を演じることになりますが、これが見事に演じられています!

原作:第34回柴田錬三郎賞を受賞した朝井リョウの同名ベストセラー小説、未読です監督:「あゝ、荒野」の岸善幸、脚本:あゝ、荒野」の港岳彦、撮影:夏海光造、編集:岸善幸、音楽:岩代太郎主題歌:Vaundy。

出演者:稲垣吾郎新垣結衣磯村勇斗佐藤寛太、東野絢香山田真歩坂東希宇野祥平、他。

 物語は

横浜に暮らす検事の寺井啓喜(稲垣吾郎は、不登校になった息子の教育方針をめぐり妻と衝突を繰り返している。広島のショッピングモールで契約社員として働きながら実家で代わり映えのない日々を過ごす桐生夏月(新垣結衣は、中学の時に転校していった佐々木佳道(磯村勇斗が地元に戻ってきたことを知る。大学のダンスサークルに所属する諸橋大也(佐藤寛太は準ミスターに選ばれるほどの容姿だが、心を誰にも開かずにいる。学園祭実行委員としてダイバーシティフェスを企画した神戸八重子(東野絢香は、大也のダンスサークルに出演を依頼する。(映画COMより)


www.youtube.com

あらすじ&感想

〇佐々木佳道の性向

横浜の食品販売会社に勤める佳道は昼食時、波波と水をコップに波波と注ぐ!水の音に魅入っているところで野球に誘われるが断る。婚活パンフレットにも関心なし。彼は「色々な情報が入って来るが死にたい人のものでなく、死なないひとのもの。そういう流れになる社会。放っとかれる身にはそれが一番」と嘯く。生きる力が見られない。そこに警察から両親が車両事故で亡くなった知らせが入り、福山市に帰り、ここに留まることにした。

〇桐生夏月の性向

イオンモールでの仕事を終えての帰り、ひとりで回転すし屋によってモーテルに泊まり、ユーチュブの動画サイトから“ふじもと”のチャンネルをみた。そこには5年前に投稿された鎌ヶ滝の映像があった。夏月はこの映像を見ながら性を楽しむ。特異な性嗜好の持ち主だ。

夏月は両親と住んでいて、朝食を一緒にとる。TVにLGBTOの理解を深めるためのデモ映像が流れるが、無関心。母親が「子供を産む時代ではなくなり、子供が減る時代になる」と嘆く。(笑)

イオンモールでは寝具売り場を担当。大きなお腹の同僚・那須徳永えり)はお腹を突き出して「30過ぎたら子供産むのは無理。あんた、彼氏いるね?」と聞いてくる。夏月は無視する。(笑)

夏美は佐々木佳道が福山に戻っていることを知った

夏月は同級生から結婚式を兼ねた同窓会の案内を受け、同級生だった佐々木佳道が故郷に戻っていることを知った。佳道とは中学3年生の途中まで一緒だった。夏月は仕事が終わって、夜、佳道の実家を訪ね、自転車で外出する佳道の姿を認めた。

〇寺井啓喜の性向

啓喜は横浜地方検察庁に勤務する検事。家族は専業主婦の妻・由美と小学4年生の大樹がいる。大樹が不登校で“動画サイトを始めたい”と言い出した。由美は“楽しくやれるならこれでいい”と受け入れるが、啓喜は“普通でない”と反対した。検事なら自分の立身出世が先で“小学生の息子にはちゃんと学校に行ってもらいたい”と考える。由美は「大樹はユーチューバーの“学校が全てではない”という言葉に励まされている」と知って、啓喜に不登校支援NPOの人から話しをしてもらうことにした。

由美は大樹をNPO不登校支援プログラムに参加させ、その姿を啓喜に見せた。

由美は大樹が公園で友達を作り元気に遊ぶ姿を啓喜に見せ、大樹がユーチューバーになることを認めさせることにした。啓喜は「ユーチューバーには大きな危険性がある」と認めなかった。NPOの右近(鈴木康介)が「学校で常識をつけるのもいいが人間関係で不登校になる子にはユーチューバーを始めるのもひとつの方法、稼げるからお金はかからない」と勧めた。啓喜はこれに反論できなかった。

啓喜は “水道栓を破壊して噴水状態にする事件”を目にした

書記の越川(宇野祥平)に“こんな記事がある“と勧められ見た新聞記事の切り抜き。「水道栓を破壊し噴出状態にしたとして藤原聡(45)を水道栓破損罪で逮捕した」という記事。啓喜は「異常性がある。これに犯罪性を見極めるのが検事の仕事だ」と越川に話した。

〇大学生の神戸八重子の性向

八重子は大学の商学部3年生で、NEXT DIVERSITY FESの企画を担当していた。男性恐怖症で、電車の中でも教室でも男性を避ける。

八重子はダンス部リーダーの高見(坂東希)と男性ダンサーの諸橋と加えて企画書の打ち合わせを行った。八重子は諸橋に「昨年ダンスを見せてもらった。男女の性別を超えて届くものがある。今回も演じてくれてうれしい」と話した。高見も“多様性がある“と八重子の意見に賛同したが、諸橋は「それは意味がない!企画に会わせて自分の踊りたくないものを踊るというのはDIVERSITYでない」と意見を吐いた。八重子は諸橋の踊りを見せてもらい、その自由なダンスに満足した。

ここから、寺井家、夏月と佳道、八重子と諸橋の話が交互に描かれ、ある事件を契機に交差し、スリリングにテーマが浮かび上がる結末を迎えます

〇大樹の動画“たいきの遊び”にナイスやコメントがつくようになり、啓喜が家庭内の居場所を失い始める

大樹は同じ不登校の子とふたりで、NPOの右近の指導を受けて、動画配信を開始した。ナイスの数がどんどん増えて、リクエストもあり、大樹は元気になっていった。啓喜は大樹から“風船ゲームを撮るから風船を膨らませて“と請われても風船を膨らませることさえ出来なかった。

〇夏月は動画“たいきの遊び”に“ふじもと”のコメントを見つけ、この人は誰かと考え始めた

プールで水を掛け合う動画にふじもとが”もっと水を使った企画をみたい“(3日前)とコメントしていた。”ふじもと“とは何者か?と考え始めた。佳道が結婚式に参加することを知り、自分も参加する旨伝えた。

夏月は中学3年の夏の出来事を思い出していた

佳道が水道栓を壊し、その噴水をふたりで浴びて生きている喜びを知り、別れるときの寂しさを思い出していた。

〇夏月は結婚式&同窓会に参加し、佳道を観察した

ふたりの席は別々だった。夏月はじっと佳道を観察していた。新郎新婦が現れると夏月は水の音が聞こえてきた。ここでふたりが言葉を交わすことはなかった。

〇NEXT DIVERSITY FESは成功裏に終わった。が、パーティーに諸橋の姿はなかった

ダンスは成功裏に終わった。慰労パーテーでは、八重子は仲間とは離れてひとりでグラスに口をつけていた。高見が「諸橋は顔だけだして帰った。彼には歩みよってくれる人はいない。同じ商学部だからよろしく」と言った。

このころ諸橋はアパートに戻り素っ裸で“子供たちの笑い声がする動画”を見ながら、自慰していた。

八重子は諸橋のアルバイト先“キッチンカー”を訪ね、ホットドッグを買って近づこうとしたが“うんざりだ”と断られた。しかし、八重子は諦められなかった。

〇啓喜右近が家に入り、大樹の動画つくりを指導することに疑念を持った

大樹が「リクエストに応えるために公園で水遊びする動画を作りたい」と啓喜の支援を求めたが、啓喜は「逃げ癖がついた人間は生き辛い!」と断った。動画に音がついていることに気付き、由美から右近によるものだと知った。「俺が仕事をしている間にあいつは家に入っている」と激怒した。由美とは口を利かなくなった。

〇夏月は佳道が同級生の子と付き合っていると知って、佳道の実家を襲った!(笑)

夏月は進屋で寿司を食べているとそこに佳道と同級生の子がやってきた。夏月は寿司を食べるのを止めて外で待ち伏せし、佳道の跡を追った。直道が女を別れ家に入ったところで窓ガラスに植木鉢を投げて、怒りを露わにした。(笑)

〇啓喜が帰宅すると、動画つくり指導する右近に遭遇した。そこに啓喜の居場所はなかった。

大樹と妻、右近が動画を撮っていた。右近が「不安なコメント人が3人いるので注意した方がいい、何かあったら私に伝えて欲しい」と啓喜に話すと由美が「夜中子供だけの配信はダメだといわれている。どうすれば?」と右近に聞く。右近が「20時以降は配信できない」と右近と妻の間で話が進み、啓喜は完全に動画つくりから無視された

〇大晦日、夏月は車両事故を起こし、これが縁で佳道に会い、同じ性嗜好を持っていることを確認し、一緒に暮らすことになった。

晦日の夕飯時、夏月は父母とTV番組の取り合いで嫌気がして家を飛び出した。“死んでしまえ!」と泣きながらアクセルを吹かせ突っ込んだところに、自転車で帰宅中の佳道と出会った。(笑)夏月は佳道が新しく借りたアパートに誘われた。

ふたりがこれまで歩いた人生を語った

佳道は「誰のもバレないように無事死ぬように生きてきた。こちらに帰ってきてもう一回頑張ろうかと思った。しかし、君には悪いが人間とは付き合えない」と話した。夏月は「地球に留学している感じ。私が作った傷のひとつひとつが楽しくて、そういう目線で世の中を歩いて見たかった。一生に一度でいい」と答えた。これを佳道が聞いて「自分が話しているのかと思った、びっくりだ」と言った。夏月は笑い、泣いた!

ふたりは瑚の堰止めから流れ落ちる滝を見に行った

そこでふたりは中学生のころ水道から噴出した水を浴びた記憶を思い出していた。ふたりは水フェチという共通した性嗜好を持っていることを確認した

佳道は夏月に一緒に暮らすことを申し出た

佳道はカフェに夏月を呼び出し、「横浜に行く。仕事のあてはある。実家は処分する。これで世間並に生きてみないか!君のような人には出会えないこの世界で生きるために手を組まないか!」と指輪を渡した。夏月は[いいねえ!]と受け取った。

〇横浜における夏月と佳道の生活

ふたりは別々の部屋で寝て、その他は一緒にする生活が始った。ふたりで“だいきのあそび”動画を観た。“ふじわら”の名前を見て、夏月は佳道だと思い、佳道は夏月だと思ったという。“この人もひとりでないといいね“と言い合った。その時、動画が消えた。

佳道は“ふじわら“に「水フェチです。同じ嗜好だから集まり動画を撮り合えたらよいと思います」とメールした。ふじわらから「世の中の恐怖の対象です。だから同じ人と繋がり精神的に助け合えたら」とメールが返ってきた。”ふじわら“の年齢は少し若いと感じた。

〇啓喜は大樹の動画が消されたのを機に“動画をやめろ“と言ったことで、由美との間に取り返しのつかない亀裂が入った

動画が消された理由を「小児情報捜索に気付いた企業が広告執行を取りやめユーチュブは規制された」と説明した。「チャネルが回復してもコメント欄は止めたほうがいい」と注意すると由美が「コメント欄があの子のモチベーションになっている」と反対した。

啓喜は “児童の性的搾取に関するコンテンツ管理問題”という/パンフレットを見せて“これを契機にユーチュブを辞めろ”と言った。由美は「大樹の動画はいい方向に向かっているから」と反対した。これに啓喜は「どんなシステムもバグがある。普通に生きていけない人がいる」と言い返した。由美が「大樹がバグですか。学校に行けないのもバグですか。最近の大樹をみると動画を始めてよかったと思っている。異常者を隔離するなどとは思わない」と怒りを露わにした。啓喜は「お前が知らないからだ。社会にはバグがいる悪魔がいる。これが現実だ」と言った。由美が「右近に相談する」と言ったことでふたりは絡み合いの喧嘩となった。もはや収拾できない状態になってしまった。

〇八重子は教室に諸橋にきてもらい、交際を求めたが断られた

八重子は「男にトラウマがある。男が女を性的に見ることが絶えられない。私は普通の男で過呼吸になる。諸橋君にはその気持ちがない。あなたとなら自然に息が出来る」と交際を求めた。

諸橋が「同情してもらえると思ったか!辛かったね!俺を巻き込むな」と怒った。八重子は「そんなつもりはない」というと「あなたが想像できない人がこの世の中に一杯いる。俺は寝る前に、そして朝起きて自分以外になるようにと言っている。自分に正直になれと言われても、俺は正直全部終わっている、もう関わるな!」と応えた。

八重子はこの言葉に泣いた。そして「それでも私は理解したい!貴方が大事だから、諸橋君が大切だから!だから自分を閉ざさないで!」「わたしだってひとりになりたい。性愛とか恋愛とかに関わらず生きて行けるならそうしたい。でも好きになってしまう。嫌な思いをさせて、私が一番気持ちが悪いのよ」と泣いて謝った。

諸橋は「誰が何を見てどう思うかは自由だ。会っていけないという感情はこの世にないから、おれは繋がれそうなんだ。そんな人ができそうなんだ。君には想像できないかもしれないが、だから俺は大丈夫だ」と答えた。八重子は「諸橋君がひとりでなくてよかった」と喜んだ。諸橋は「ありがとう」と去って行った。

ここでの八重子役の東野絢香さんの必死に諸橋をひとりにさせない説得演技がどしんと胸に響きました。すばらしい演技でした特異な性向を持つものの悩み、生き方がよく表現された演技、セリフでした。

〇夏月は偶然なことで、啓喜に出合い“奥さん”と呼ばれて驚いた。

夏月は夕飯のコロッケを買っての帰り、自転車事故に遭って、そこに駆け付けた啓喜に出会った。啓喜が“コロッケは奥さんが食べたら”と話し掛けてきた。夏月は啓喜に“奥さんに見えた理由”を聞いた。“指輪と雰囲気だ”と言われ、とても嬉しい気分になった。啓喜は「妻は子供を連れて実家に帰っている」と話した。

〇夏月と佳道はひとりで生きていた時間には戻れないと感じるようになっていった。

夏月と佳道は公園水道栓を開き吹き上げる噴水を浴びた。これが愛の喜びだった。

普通の人のセックス体位を体験してみて普通の人も大変だと思った。(笑)ふたりは抱合うことで十分で「ここにいてもらいたい感じ、ひとりでは生きていた時間には戻れない」と感じるようになった。

〇佳道は動画つながりの水フェチ三人で動画を撮った。その中の一人、小学校教師が児童買春罪で逮捕された

撮影会に集ったのは佳道、20代の“ふじわら”、ふしわらが連れてきた“水に濡れた服が好き”という30代の男だった。警察に捕まったのは30代の男・矢田部洋平(岩瀬亮)だった。矢田部のパソコン資料から佳道とふじわらが捕まった。

担当検事は寺井啓喜だった。

“ふじわら“こと諸橋大也は「水は好きだが子供には興味がない」と罪を否定した。佳道は「自分がバレないように、明日生きたいふりをして生きてきた。もし明日死にたい気持ちになったら歩きなれた世界はどう見えるかそれを知りたかっただけだ」と罪を否定した。啓喜には理解できなかった

佐々木夏月が参考人として寺井の取調べを受けた

夏月は「佳道が児童に興味を持っていたか」という寺井の質問には全て否定した。

そして「水に何か特別な思い、何か性的な関心があるとか?」という質問には「夫が話している通りです」と答えた。

夏月は「誰にも繋がらない問題を抱え生きているのです。あなたが信じなくても私たちはここに居ます。戻ってこられましたかご家族か?」と寺井に聞いた。寺井は「調停中です」と答えた。夏月は「夫に伝えて欲しい“いなくならない”と」と申し出たが“それは弁護士に話しなさい“と断わられた。夏月は「失礼しました」と退室した。

まとめ

ラストで諸橋の性嗜好が明かされる展開には驚かされました。後半、夏月と佳道の水フェチ、諸橋の孤独(水フェチ)と八重子の男嫌いのトラウマが明かされ、その苦しみ、そしてそれを克服して生きて行こうとする姿を描いて見せてくれました

八重子が諸橋の性向を心配して、ふたりで生きていこうと説得するシーン、セリフの中に普通でない人の生き苦しさ、生き方がしっかり描かれていたように思います。東野絢香さんの演技がすばらしかった。感動ものでした。

告白して繋がり、ともに生きることの大切さを説いていました

大人の水遊びが児童買春に繋がるという寺井検事の普通の判断

これが正しい判断だったか?息子のユーチューバーを普通でないと判断し家族を失った寺井検事の人生と水フェチの普通でないとみなされる夏月と佳道の人生を比較した結末は面白い。

「誰が何を見てどう思うかは自由。会っていけないという感情はこの世にないから、おれは繋がる」という彼らの言い分を認めざるを得ないと思います

この話をすんなり受け入れることが出来たでしょうか?とても面白いテーマの作品だと思います

                                                    ****




以上の内容はhttps://matusima745.hatenablog.com/entry/2025/10/16/052046より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14