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「Cloud クラウド」(2024)転売屋の俺が嘘ついたか?いったい誰が俺を殺しにやってきた?

黒沢清監督が菅田将暉を主演に迎え、憎悪の連鎖から生まれた集団狂気に狙われる男の恐怖を描いたサスペンススリラー

ヴェネツィア国際映画祭のワールドプレミア上映作品、第97回アカデミー賞の日本代表作品。

工場勤めの青年が裏稼業のSNSによる転売で独立。自らの事務所を立ち上げさらなる成功を目論むが身に覚えのない言いがかりや、分けわからない集団から攻撃を受け、その結末はというサスペンススリラー。

 今流行りのネット利用した詐欺事件、高嶋さち子さんが騙されたという事件(徹子の部屋で詳しく紹介)、私もこれに嵌まり現在、人が信じられない状態でこの作品を観ました。(笑)

 起業時の感情のもつれ、そして騙され顧客の攻撃、それを面白がる輩、これらを含めたネット社会で起きる暴力を描いた作品。“ネットに関わる”と何が起こるか分からない、この人が首謀者だったかと人は信じられない恐ろしさを感じました。何よりも転売人本人が生きるために狂人化したことに唖然としました。この作品の良さは、まあ見て判断してください。黒沢監督の才気が光るとんでもない作品です。(笑)

監督・脚本:黒沢清、撮影:佐々木靖之、編集:髙橋幸一、音楽:渡邊琢磨。

出演者菅田将暉、古川琴音、奥平大兼、岡山天音赤堀雅秋荒川良々窪田正孝、他。


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あらすじ&感想

〇吉井(菅田将暉)は洗濯工場で働きながら、裏で転売屋をやっていた。

転売屋としての吉井の顔

電気器具店から売れなくなった製品を全部買い取る。店主の殿山(赤堀雅秋)が原価1個4万円という健康器具を1個3000円で在庫の30個全部を買い上げる。殿山が「原価の何倍かは欲しい」というが「この製品は廃品だ、なんなら廃品を買いも戻す。相場はその時の値打ち」と返事する。殿山にとって「この若造は生意気な!言葉の使い方もわからんのか」と怒りたくなるが、所詮ネットで売るという経験もなく吉井の言う値で売った・

買った吉井は1個2万円でネットに商品を陳列、その売り上げ状況を見張っているとあっという間に完売した。

洗濯工場の従業員としての吉井の顔

3年経っても洗濯もののアイロン掛け。社長の滝本(荒川良々)から「管理者になって若者のまとめ役をやって欲しい」と言われるが、返事をしない。滝本から見ると大柄な態度と思う。

転売屋指南をした村岡(窪田正孝)から見た吉井の顔

チェスゲームをしながら村岡が「新しいやり方は無いか?」と聞いても、吉井はゲームを考えている振りして返事せず、吉井が勝っているにもかかわらず“勝”とは言わない。この吉井の横柄な態度に村岡は「本当にバカにしやがって!」と叫ぶが、先輩でありながら能力が劣る村岡は我慢する。彼の気持ちが分かります。

恋人の秋子(古川琴音)に見せる吉井の顔

狭いアパートに住む吉井。訪ねてきた秋子が「アパート引っ越す」と言っても「止めとけ」と言ってPCで12万5千700円のゲームソフトを予約する。秋子が「パソコンの見張りを人に任せたら」というが、この意味が吉井には分からなくなっていた。秋子は「見張り人が雇えるようになったら一杯衣類を買いたい」という。秋子にしたら「私のことも考えて!」と思う

夜間、吉井がバイクで洗濯工場からの帰り、張りがね線で通行妨害される事件があった。

〇吉井は滝本の要請を断り転売屋として起業することにした

吉井は滝本に「別の仕事にチャレンジしたいので、辞める」と申し出た。滝本は「それは若さから傾向心だ。君は誠実で忍耐強い人だ」と誠意をもって考え直すよう言ったが、吉井は聞き入れなかった。吉井にすれば、洗濯工場で働く稼ぎは転売屋に比べればわずかなもので、ここで時間を浪費するのはもったいないと考えるのは当然。が、滝本には理解されなかったようだ。

吉井は秋子に転職することを伝えた

「いい計画で、お金をもっと使えるようになる」と伝え、秋子は大変喜んだ。

村岡には「新しいオークションを立ちあげる」と宣言した。

村岡は「自分にもいい考えがある。一枚絡んで欲しい。50万でいいから貸せ!」とせがむが、吉井は返事しなかった。村岡は諦め「俺ひとりでやる」と別れとなった。村岡に着いて行っても村岡に能力がないから吉井の起業は正しいが、村岡にとってはいい別れではなかった。しかし、こんなことに気付く吉井ではなかった

引越しの夜、滝本がアパートを訪ねてきてドアをノックしたが吉井は出なかった

〇吉井は湖を望む別荘地に引っ越し、戸建てのマンションを借り、転売事業を立ち上げた

二階建のマンション。1階に事務所を構え、商品の管理・発送のため事務員として一時東京に居たという地元の佐野(奥平大兼)を雇った。きびきびと働く好青年だった。しかし秋子には興味を示さなかった。

転売の仕事を教えるためバッグの転売をやって見せた。「本物か偽物かは分からないが一個1万円で買って10万円で売る。それがダメなときは5万円で売る。あっという間に売るのがコツだ」とPCでデモンストレーションして見せた。佐野には「パソコンには触るな!」と厳重注意していた。

夜、二階の寝室に車両部品が投げ込まれる事件が起こった

秋子は「怖いもう帰る」と言い出したが、破損した窓ガラスに紙をテープ止めしただけだった。吉井が吝嗇家であることがよく出ている。秋子がこれを見てどう思うか!吉井にはこのようなことを考える余裕がなかった。

吉井は警察に訴えることにした。刑事(矢柴俊博)から「田舎者は都会者を敵にするから」と言い「あなたが偽物を売っているというタレコミがある。品物を見せて欲しい」と言われ「完売した」と答えた。吉井は被害届をしてマンションに戻りバッグの値を1個1980円に値を修正し、現物“バッグ”を佐野の車を借りてかって東京で使っていた倉庫に預けることにした。

東京の倉庫で吉井は村岡に会った

吉井は「新たらしいものにチャレンジしてひとりでは手が回らない。村田さんレベルのベテランに参加して欲しい」と声を掛けた。村岡は「ひとりでやるよ」と帰って行った。村岡は「先輩をよくもバカにしたな!」と思った。

吉井がマンションに戻ると、佐野が犯人を逮捕していた

犯人は吉井の後輩で「ガキだ!」という。「証拠を見せろ」と求めると、男が逃げ出した。佐野は「車ずっと使っていてください」と言い、帰ってしまった。吉井はこれ以上佐野に聞くことをしなかった。吉井の人の管理能力はゼロのようだ

次に日、吉井がバッグの販売状況を調べると“全く売れてない”

吉井は東京の模型店を尋ね、今日発売の新作フィギュア、定価1万円を100個を、店主(森下能幸)は“イベント製品だから”と嫌がったが現金100万円を見せて買い占めた。

吉井がマンションに戻ると秋子が家出していた

佐野は秋子の伝言「お世話になりました。楽しかった」を伝えた。吉井は「そのうち戻る、出て行くとこないから」と軽く応えた。全く吉井は秋子に何が起こっていたかを考えていなかった。

実際は秋子が高級な下着で佐野を誘ったが、佐野に無視され「糞面白くない生活だった!いや、お世話になりました。楽しかったと伝えて」と吉井への伝言を残し、家を出て行ったのだった。

黒い車がマンションをやってくる。佐野がマンションを出て車を追う。これが何を意味するのか、この時点では分からなかった。この映像表現でいいのか?嫌味を感じる。(笑)

吉井は佐野がPCを使ったことに気付いた

佐野が「上りそうな商品をリストアップして吉井さんをサポートしたいから触った。仕事を教えてください、きっと役にたつから」と弁明をした。しかし、吉井は許さなかった。退職金を支払い、首にした。

佐野は「吉井さん、ラーテル(吉井のハンドルネイム)で検索したことあります?いろいろな人がラーテルの正体を探っている」と謎掛けして帰って行った。佐野は“ラーテル”でPC検索した。

〇吉井が知らないところで事件が起きていた

ネットカッフェで生活する三宅(岡山天音)がトイレに呼び出され、謎の男から「偽物だった、借金あと30万だ」と激しく殴られた。三宅が個室に戻ると部屋はめっちゃ、めちゃに荒らされていた。

三宅がチャットホームページ「悪質転売屋ラーテル晒レスを見つけ、「復讐!つぶしたい、みなさん元気ですか?」と投稿した

三宅がゲームセンターで遊んでいると黒い車で乗り付けた謎の男(吉岡睦雄)が「ラーテルの本名は吉井です」と近づいてきた。「お互い名前は知らない方がいい、黒い車の連中は仲間です。みんな好きで集っているだけ」と言い、「私はステレスゲームは二度目だ、復讐しませんか?」と問うた。三宅は参加することにした。

〇吉井がフィギュアーに20万円の値をつけアップロードした

アップロード分は直ぐに売れた。玄関を叩く音がする。出てみると覆面した男(覆面男)が窓に写る。しっかりドアを固定して部屋に戻ると滝本が猟銃を持って現れた。どうやって入った?

滝本は「相変わらずたいそうな態度だ。虫けらのように踏みにじる。お前の鈍感さに耐えられない」と逃げる吉井を追った。滝本に怒りの原点がこれだった。会ったこともない覆面男が「お前は全く自覚してない」と怒りを露わにする。滝本が銃で脅し覆面男がバーベルで暴れ出し、吉井はマンションから逃げ出すと白い乗用車が追ってくる。

吉井がマンションを抜け出し小屋に逃げ込むと相手は5人で追ってきた

覆面男がバーベルで小屋を叩く。そこに猟師(千葉哲也)が「何事だ!」と現れた。滝本が猟銃で猟師を射殺した。仲間たちが射殺した猟師に処置を考えている隙に、吉井は警察を呼ぶためマンションに戻った。

そこに秋子が帰っていた。秋子が「警察が来たら見られたくないものがあるでしょう。転売が出来るように資料やカードを持ち出した方かいい」という。吉井は慌てて貯金通帳と数枚のカード、さらに“これさえあれば”とPCのメモリーを持ち、さらにマンションの外の物置を漁っているところに村岡が拳銃を持って現れた。吉井が「拳銃は本物か?」と聞くと村岡は拳銃を撃って見せた。村岡は「最初に会ったときからお前が嫌いだった」という。これが村岡の怒りの本源だった。

 吉井は睡眠薬を嗅がされ写真を撮られ、黒い車でいずこかに連れ去られた

本当に吉井はケチな野郎です。(笑)秋子はカードを期待して戻ったのだが渡されず、吉井を追うことにした。

この頃、佐野が田舎駅のホームで紳士から拳銃とGPS探知機を受領していた

紳士(松重豊)は「支払いが後でいい。ひとりでやるより組織の力を借りたら」と佐野に示唆したが「今は関係ないので、会長によろしく」と断った。さて佐野は何者か?“このような映像で人を試すな!”と言いたくなります。嫌な映画です!(笑)

滝本たちは黒い車で移動中に猟師を水源の池に投げ捨てた!

〇吉井が目覚めたとき、廃工場の倉庫の中でテープで口を塞がれ椅子に座らされていた

集った男たちは6人。滝本が「吉井、今から痛い目に会わせる」と言い、村岡が「命に保証はない状態で動画配信する。ゆっくりと焼く」とトーチランプに火をつけた。「撮影機材を取って来る」と村岡を残して5人は居なくなった。村岡が「俺は他の連中とは違う。助けてやろうか1憶はないか。とくも俺をバカにした。謝れば許してやる」と怒りを露わにした。村岡は“この怒り”でネットの“ラーテル晒メンバー”に加わり、拳銃で脅していた。

メンバーたちは倉庫の出口で滝本から銃の入ったケースを渡された。滝本が「警察に包囲され、このゲームは終りに近づいている」と4人に伝えた。

そこに車で佐野が着いた。彼はGPS探知機で吉井を追っていた

佐野がメンバーのひとりを見つけ発砲した。「矢部!」の声、男が倒れた。「三宅、何の音だ!」「多分銃声だ!誰が侵入してきた」と滝本。「バレている、これまずい」と井上(三河悠冴)。「警察は滅多に発砲しない」「じゃヤクザか、もっとまずい」「俺たち何か悪いことに嵌まったのではないか」「お互いに知らない者同士が気軽にゲーム感覚で集まったのだから隙だらけだ」の会話が聞こえる。

滝本が覆面男に「マスクを取れ!」と指示した。「そういう自由が保障されているんだろうが、そうでないなら俺は最初から参加していなかった」と反論した。滝本が覆面をはぎ取った。覆面男は三宅だった

“ラーテル晒メンバー”とは如何なる集団なのか?ふわふわと雲のように集まった集団。本当に吉井を殺したいと思っているやつと“ゲーム感覚で殺人に参加したやつ”がいる。

 吉井のところに井上がやってきて、「偽ブランドを掴まされて恋人が自殺、その仕返しに死んでもらう」と拳銃を向けるが撃てなかった。

〇そこに佐野がやってきて吉井を解放した。

佐野はアシスタントだから助に来た。“今から反撃する”」と佐野に拳銃を持たせ“、撃鉄を引けば弾が出る”と拳銃の撃ち方を教えた。

「東京大田区で母親と子供ふたりの遺体発見。殺人容疑で父親を指名手配中」というTVニュース。父親の顔は滝本だった。

メンバーたちが「あいつ俺たちを道づれに警察とやり合うつもりだ」と唖然とする。

これどういうこと!滝本は警察に追われ、殺人の罪は吉井にあると“ラーテル晒メンバー”に加わった分けわからん!(笑)

〇倉庫内の戦いが終った。

佐野が殿山を追い詰め、佐野の指示で吉井が撃鉄を引いた。

滝本が「ヤクザでも何でもない、ここを出たい」という三宅を射殺した。

佐野が滝山の腕を撃ち、逃げる滝山を吉井が射殺した。

村岡は車で逃げ出したが建造物に衝突して倉庫に逃げ込んだ。佐野と吉井が捜索、吉井が「嫌でも忘れられないようにしてやる」という村岡を見つけ出し「二度と現れるな」と射殺した。

佐野はスマホである筋に「あとすいません、お任せします」と電話し、吉井に「この後始末は私の知り合いがやります」と言い「吉井さんのところで回収した」とPCメモリーを渡した。吉井は「フィギュアーが全部うまい具合に売れた。1千万円ぐらいの儲けだ」と言った。吉井の頭はどうなっている。(笑)

そこに秋子が拳銃を隠し持って、「よかった!抱いて!クレジットカードは?」と現れた。佐野が拳銃で秋子を銃殺した。吉井が正気に戻ったか、秋子の亡骸を抱いて泣いた!遅すぎた!

〇吉井は佐野の車でここを去った

佐野が「吉井さんは金儲けだけを考えてください。それ以外は全部自分がやります。何でも手に入ります。世界が破滅するようなものでも」という。吉井は「最悪だ!ここは地獄の入り口か?」と答えた。出口を探せ!

まとめ

ラストシーンで、吉井は完全に佐野の支配下に置かれた。真面目そうで好男子、その上に「サポートします」と親切で、銃の取り扱いも教え、秋子にも手を出さない、すばらしい青年だと思っていたら、この人が最悪の人だったこいつに騙された!“人は分からない、信じられない”

私が引っかかった詐欺の警察官もハンサムでとても親切でした。これで引っかかった。(笑)

前半の吉井の起業に関わる殿山、滝本、村岡のエピソード

吉井の傲慢さ、滝本の優しさと悔しさ、村岡の先輩としての悔しさ、秋子の不満がほんとよく描かれていました。菅田さんと窪田さんの演技が素晴らしかった。生意気な菅田!と殴りたくなりました。(笑)なぜ滝本や村岡、殿山の悔しさが殺人まで拡大していったのか

そして後半に入ってのSNSで繋がった「悪質転売屋ラーテル晒レス」メンバーによる吉井殺しのシーン

これマンガ?という殺しシーン。これが雲のような曖昧な組織による殺しシーンを描写していてリアルだと思った。

だから人はお気楽に殺しゲームに参加する。組織の中にまさかとおもったけれど滝本のような人物がいる。これがSNSで集まった組織の怖さだと思った。

殿山や村岡、三宅に井上、いづれも「悪質転売屋ラーテル晒レス」を目にしなかったらこれほどの殺人者にはならなかったでしょう。組織に入ると“やっちゃえ!やっちゃえ!”と怒りが殺人まで拡大する。これが恐ろしい。“SNSは暴力の拡大フィルターだ“と思った。

怖いシーンが沢山ありました。

しかし、ラストの殺しのシーン、容易に拳銃が持ち込まれ、暴力が拡大していく過程。ここまで人は感覚を失ってしまうかと、驚きました。

誰が敵になるか分からないネット社会の暴力、恐れたら限りありませんね

嫌な作品でした。(笑)嫌な作り方をしやがって!(笑)

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