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「ソルフェリーノの戦い」(2013)大戦にも劣らぬ夫婦の戦い、女性優位時代に見るべき離婚劇!

 

「落下の解剖学」のJ・トリエ監督作品。監督の長編映画初作品ということで観ることにしました

 

元夫が幼い娘との面会を求めて繰り広げる元夫婦の喧嘩ばなし

それも熱狂した大群衆が集るオランド対サルコジの大統領決戦投票日(2013年5月6日)、ナポレオン3世がイタリア連合軍に勝利した地名に因んでつけられたソルフェリー通で繰り広げられる。なんでこんなことになったという曰くつきの夫婦喧嘩の顛末が描かれます。(笑)

 

トリエ監督が描く夫婦喧嘩、その原点を見る作品でした。仕事ができる嫁と出来ない旦那のバトル。嫁が勝つが後味が悪い。(笑) 「落下の解剖学」と同じ構造。なぜ旦那のいいところに気づかない?気付けばそこに愛を見出せたと思うのですが。“人には個性がある!”“平穏ばかりが人生ではない”、愛とは幸せとは何かを考えさせてくれます。トリエ監督は男女平等主義者、女性の味方だと思っていましたが、なぜこのような作品を作るのかと感激!ぼんくら男性として大フアンになりました。(笑)

 

監督:ジュスティーヌ・トリエ、製作:エマニュエル・ショーメ、脚本:ジュスティーヌ・トリエ、撮影:トム・アラリ。

 

出演者:レティシア・ドッシュ、ヴァンサン・マケーニュ、アルチュール・アラリ、ヴィルジル・ヴェルニエ、マルク=アントワーヌ・ヴォージョワ。

 

物語は

フランス大統領選挙が佳境を迎えた2012年5月6日の日曜日。女性TVリポーターのレティシアは、幼い娘2人をベビーシッターのバイト青年マルクに預けて、オランドを大統領候補に推す社会党の本部があるパリのソルフェリーノ通りへ取材に出かけようとしていた。ところがそこへ、その日が娘たちとの面会日だと勘違いした元夫のヴァンサンが押しかけてくる。彼との衝突を避けてひとり仕事に向かったレティシアだったが……。(WOWOWより引用)


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あらすじ&感想

大統領決選投票の日。レティシアは恋人のヴィルジルと寝過ごして、慌てて起き出しドレスアップに大忙し。ふたりの娘、2歳の姉のリブと1歳のジーマはお腹が空いたのか泣き叫ぶ。この叫びが凄い!熱演です。(笑)ところがこの鳴き声が大きくテーマに関わる。ヴィルジルがなだめるが収まらない。なんとか収めて「仲良くなれそうだ」という。そこに分れた夫・ヴァンサンから「会う日だ!」と電話が入る。レティシアがアパートの2階から見ると彼がうろついていた。電話に出ないと居なくなった。



レティシアがベビーシッターを呼ぶ

やってきたのが若い男性のマルク。マルクはなんとか娘たちの泣くのを収めた。レティシアは娘を紹介し「ヴァンサンという男が来ても暴力を振るうから絶対に入れないで!万一の場合は1階のヴァツァナに連絡して」と電話番号を教え、社が寄こしたスクーターでソリフェリー街に出発。ヴィルジルも「冷蔵庫のもの食べさせて!」と出て行った。

 

ヴァンサンがおもちゃと花束を持って再度訪ねてきた

マルクはあっさりヴァンサンを部屋に入れ、ヴァツァナを呼ぶ。(笑)ヴァンサンが泣いていたジーヌを抱くと泣くのを止め笑いだす。リブにプレゼントを渡すと喜んで遊ぶ。そこにヴァツァナが現れ「ここはあなたの来る場所でない」と外に連れ出した。

 

レティシアがソリフェリー街に到着、放送開始

レティシアが集った人々にインタビューを開始。そこにマルクから「ヴァンサンが来たが、ヴァツァナが連れ出した」と電話が入った。レティシアが「再び来る!娘をつれてソリフェリー街に来て!」と指示した。マルクはここに出入りしていたベビーシッターのエミリに援助を頼み、ふたりで娘たちをつれてソリフェリー街に急いだ。

 

レティシアがインタビューを続ける!

どんどん人が集ってくる。インタビューすると社会党が多い。EU条約改正の再交渉、差別のない社会、同性婚の法制化、・・・等、トリエ監督の支持政策が続く。(笑)



道から溢れるほどに人が集まる

国旗を持って「オランド!」「変化!」の叫び声!日本では見られない政治への関心。圧死するのではないかと感じるほどの熱量がある。

そこにエミリがふたりの子をつれて、マルクにガードされながら現れた。エミリから連絡を受けたレティシアはもう気が気でない。それでも緊迫した状況を放送する。



ここで映し出される実際の国政選挙の様子をゲリラ撮影した映像が臨場感があって素晴らしい!

 

ヴァンサンが弁護士?のアルチュールを伴て、会場に現れた

マルクを見つけて「なぜヴァツァナを呼んだ!」と喧嘩を始めた。ヴァンサンは短気だ!次にエミリを見つけ「小さな子を人混みに連れてくるな!ジーヌを抱かせろ!」と迫る。(笑)

 

当選確定が発表される瞬間が迫ってきた。「オランド当選!」の声

ヴァンサンが「少しだけ話せないか?」とレティシアに近付いてくる。ふたりの娘を巡る戦争が始まった。

レティシアは「仕事中!」と跳ねのけた。TVに写っている。(笑)「妻が娘たちをこの人混みにつれて来た、心配で仕方がない」と叫ぶ。(笑)レティシアは無視して放送を続けた。

 

怒ったヴァンサンは娘たちを追いエミリからジーヌを奪った

レティシアが放送を止め、ヴァンサンを追った。これを見た男がヴァンサンに掴みかかり、レティシアジーヌを取り返した。そこに警官が現れヴァンサンと男は署に連行された。レティシアは警官から事情聴取されたが、被害届を出さないことにした。

 

ヴァンサンは警察署で事情聴取された

ヴァンサンの説明が要領を得ず、幼児誘拐と見られ、これを否定するが理解してもらえない。(笑)が、突然の釈放。ヴァンサンは釈放された理由が分からなかったと思う。

 

レティシアたちはバーで休んだあと娘たちはマルクに守られアパートに戻った。

 

レティシアは夜間の群衆たちをレポートした

群衆はダンスに興じ酒を飲み、花火が上りオランドの大統領当選に歓喜した。しかし、次第に混乱状態に陥り警官隊が出動する事態となった。レティシア「決戦の夜は後味の悪いことのなりました」とレポートした。この事態も生々しい影像で迫力があった。

 

レティシア放送が終了し、帰りにTVデレクターから「ごくろうさん!皆、日常の不満を言うが日常がなければ人生とは何だ?君には想像力が欠けている。生活に対する想像力が全くない」と忠告された。レティシアはこれが理解できたかどうか?

 

ヴァンサンは警察署でアルチュールに引取られ、バーで話し合ってレティシアのアパートを尋ねることにした。

 

レティシアのアパートにヴァンサンとアルチュールが訪ねてきた

レティシアはアパートに戻り、マイクに感謝してバイト代を支払った。娘たち眠っていた。午前2だった。

そこにヴァンサンとアルチュールが訪ねてきた。ヴァンサンは弁護士のアルチュールを通して話してくる。(笑)余談になりますがアルチュールというのはトリエ監督のパートナーの名前です。アルチュールは犬メリルを連れていた。

 

玄関でアルチュールは裁判所の書面を示し「あなたの同席下で面会できることを確かめにきた。裁判官の決定が守られなかった」と切り出した。

「昨日はヴァンサンが来られず、今日はあなたが居なかった。今日はあなたの過失だ」という。レティシアは「昨日はヴァンサンの過失、このとき今日は不在になると伝えるところだったが伝えられなかった。だから私の過失にはならない」と反論した。大声で話すのはよくないとレティシアがふたりを部屋に通した。メリルも一緒に。

 

アルチュールを通しての話にヴァンサンが取って代り、「何で警察沙汰にした」、「誘拐犯に」とレティシアを責め、これにレティシアが「仕事の邪魔」「本当にバカだ」と応酬、ついにレティシアが「あんたが怖い!」と先に手を出し、ふたりが殴り合いになった。アルチュールの仲介で一度は収まったが、ヴァンサンが「俺は父親だ、誘拐ではない、会わせろ」と言い出した。これにレティシアが「くだらない漫画家、私はこの国の役に立つ仕事をしている。私を見て物事を判断し投票先を決めている。だから私を見下すな!」と挑発、またつかみ合いの喧嘩になった。



そのときジーヌが激しく泣き出した

ヴァンサンが駆け寄りジーヌを抱き上げてあやす。ジーヌの泣きは止まり「パパ」と微笑んだ。これを契機にふたりのバトルは止んだ。アルチュールがヴァンサンが集めたCDの中から選んで音楽を流し、静かな時が流れる。ヴァンサンが「この曲はいいが、不快なところがある」という。アルチュールが「悲しみや楽しいことだけじゃなくて交互に表現される。複雑で包括的な芸術になっている」と説明した。ヴァンサンが「包括的か!」と納得した。

 

レティシアがアルチュールに「本当に弁護士なの?ぜんぜんそう見えない」と聞いた。(笑)ヴァンサンが「それじゃ、お前は何に見える!」と笑った。

 

〇ヴァンサンの恋人ヴィルジルが訪ねてきた

ヴィルジルとヴァンサンは初対面だった。ヴィルジルはレティシアの友人と自己紹介したがヴィルジルはふたりの仲に気づいた。

 

レティシアがビールを出し、「メリルにオシッコ」と散歩に出た。犬というのはこういう時に役立つ。(笑)

 

ヴァンサンとヴィルジルが対峙することになった

ヴァンサンの短気が爆発して掴み合いの喧嘩になると思ったが、まったくそうはならなかった。

ヴィルジルが「会えてうれしい。あなたの娘が好きだ。自分にもふたりいたらいいのにと思う」と笑った。ヴァンサンは「君たちふたりがいる姿を見て愛し合っていると分かった。感動した。レティシアには面倒を看てくれる善良で無害な男が必要だ」と話した。

ヴィルジルが「レティシアとあなたのことを話すとまだ愛しているように聞こえる」という。ヴァンサンは「それは違う。全部をあんたにあげる。ただし娘の父親は俺だ。よろしく」と応えた。

 

ヴァンサンとアルチュール。アパートからの帰り、中国料理店に立ち寄り食事

ヴァンサンがアルチュールに「弁護士に見えない」という。店の女の子に「このひと法曹界の人だ」と紹介すると「ホウレン草にしか見えない」という。「お前は弁護士には見えない、雇うやつがいるか俺以外に」と話すとアルチュールが「君の弁護は大変だと分かった」と笑った。レティシアには「ヴァンサンはホウレン草にしか見えなかった」ということ

 

まとめ

トリエ監督の長編初作品のテーマは夫婦関係だった

2013年の大統領決選の場、この大混乱の中で幼い娘の取り合いをする元夫婦の喧嘩。どうにもならない泥沼の喧嘩でした。レティシアは喧嘩をしながら見事にレポーターをこなし、これで完全に旦那ヴァンサンの敗北と思いました。ところが、その後ヴァンサンがレティシアの恋人ヴィルジルに会ってとった彼のレティシアへの配慮。これは泣けます。レティシアは立派なレポーターの地位を手にし「ヴァンサンはホウレン草にしか見えなくなっていた」ということ。これがトリエ監督の描きたかったこととみました。このテーマはそっくり「落下の解剖学」(2023)に引き継がれています。

 

ヴァンサンが一見怖い人に見えて短気で喧嘩っ早い

繊細でレティシアの強さに一目を置く。売れない漫画家だか藝術を愛する。なによりも子供を愛することにかけては天下一品でした。ヴァンサン・マケーニュがこれを見事に演じていました。

 

幸せの秘訣はTVデレクターの言葉「日常における想像力」と弁護士のアルチュールが云う「悲しみや楽しいことだけじゃなくて交互に表現される。複雑で包括的な芸術になっている」にヒントがあると思います。

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