以下の内容はhttps://matusima745.hatenablog.com/より取得しました。


「35年目のラブレター」(2025)いい夫婦の話!文字に親しむことがどれほどに世界を広くするか!

 

笑福亭鶴瓶と原田知世が夫婦役を演じ、最愛の妻にラブレターを書くため文字の勉強に奮闘する夫と、彼を長年支え続けた妻の人生をつづったヒューマンドラマ。2003年に朝日新聞で紹介され、創作落語にもなるなど話題を集めた実話をもとに映画化したもの。

落語になる話なら肩の凝らないと、これで観ることにしました。(笑)

夫が文盲。本人たちには辛いこともあったと思いますが、明るく笑顔で人生を乗り切っていく。その人生の終末に夫婦が決意したこと。夫が文字を学んでラブレターを書くというのも素晴らしいが、これに答えた妻のプレゼントがすばらしい。年取ったら分かる物語でした。(笑)

監督:塚本連平、脚本:塚本連平、撮影:清久素延、編集:上野聡一、音楽:岩代太郎、主題歌:秦基博。

出演者:笑福亭鶴瓶、原田知世、重岡大毅、上白石萌音、江口のりこ、笹野高史、安田顕、他。

物語は、

戦時中に生まれて十分な教育をうけることができず、文字の読み書きができない65歳の西畑保と、いつも彼のそばにいる最愛の妻・皎子(きょうこ)。貧しい家に生まれ、ほとんど学校に通えないまま大人になった保は、生きづらい日々を過ごしてきた。やがて皎子と運命的な出会いを果たし結婚するが、その幸せを手放したくないばかりに、読み書きできないことを彼女に打ち明けられずにいた。半年後、ついに事実が露見し別れを覚悟する保だったが、皎子は彼の手をとり「今日から私があなたの手になる」と告げる。どんな時も寄り添い支えてくれた皎子に感謝の手紙を書きたいと思った保は、定年退職を機に夜間中学に通いはじめる。(映画COMより)


www.youtube.com

あらすじ&感想

〇冒頭、寿司職人の保の出勤前風景

保は郵便受けにある回覧板を見るが内容が分からない。妻の皎子から“断水の知らせ”と聞かされ「えらいこっちゃ、行ってくる」と出かける。皎子から「タンス開けっ放し、幸せ逃げるぜ」と声を掛けられる。(笑)妻の皎子が文盲の保をこれまでどう支え、そろそろ老化が始った保をどう支えるのか。これがテーマです。

皎子は古いタイプライターで商店から依頼された文章をタイして家計の足しにしていた。

〇平成11年(1999年)の年の瀬、

保は停年後どうしようかと考えていた。

保は職人としては誰にも引けを取らない腕を持っていた。しかし、いい客から名刺を渡されても読めず適当な挨拶ですます。親父さんから嫌味を言われるのが辛い。

妻の皎子に「来年停年や、どうしよう」と相談した。「好きなように」と言われた保は寿司屋を辞めることにして、皎子とハローワークで職探し。係員から差し出される書類にサインを求められ、“変な字でダメです”と皎子がサインした。(笑)

このあとふたりは公園でタコ焼きを食べた。皎子が「あんたが8つのうち5個食べた」と怒り家に帰り始めた。保は「あんなことしてしもうて叱られる」と彼女の後を追うた。(笑)商店街でサンタに出会い「浮気するな!奇跡が起こる!」と声を掛けられ、「奇跡を探す!」と走り出す。(笑)

二人の娘は子持ちの立派な母親になっていて、保と皎子の関係は所謂漫才夫婦です

保は夜間中学校の門に辿り付いた。

老人に「先生(奇跡を)教えて!」と聞くと「私は生徒です」という。校内に入ると「どうなされました」と谷山先生(安田顕)から声を掛けられた。保は驚いて「すいません」と逃げ去った。(笑)保は胸が苦しくなり倒れ、病院に収容された。目が覚めると皎子から「心筋梗塞、大事にして!」と言われ、「今まで死ぬとは思わなかった」と応えた。

退院して家の戻り「年越しに間に合いよかった。夫婦仲良くできればいい」と皎子に言えば「これ!」と回覧板を渡された。(笑)大晦日、紅白歌合戦が終わり、雪が降って来た。そこで・・・。

〇保はこれまでの皎子との生活を振り返っていた

昭和39年(1965年)、

保(重岡大毅)は寿司のデリバリーで、配達先が読めないため配達できず「阿呆だ!」と叱られ店を辞めた。「字は読めんでいい、ゆっくり話そう」と雇ってくれたのが店主の逸美(笹野高史)だった。ここで寿司職人として育ててもらった。

昭和47年(1972年)

保は結婚する気はなかったが、逸美に「やれば出来る、あっちはクリスマスケーキや(売れ残り)」と言われ、皎子(上白石萌音)と見合いした。ひと目で皎子の美しさにびっくりした。“なんでこの人がクリスマスケーキや”と。仲人から“タイピスト”と紹介された

保は趣味を聞かれ「仕事ばかりです」と答え、皎子は「読書、好きな本は?」と聞かれ、腹が痛くなって答えられなかった。(笑)それでも頑張って、「店に遊びにきてください」と誘ったら「寿司屋さんは漢字を知らないと大変、魚へんに春の魚は?」と聞かれ、また腹が痛くなった。(笑)

皎子が寿司屋に来てくれた

保は寿司を握って出した。皎子は「おいしい」」と涙を出して食べた!(笑)保は「おおきに」と返事した。逸美に「いい娘や、よく食べる」と褒められ、「もったいない人です。明日、俺、字が読み書きできないことを告げます」と話した。

保は中華店で皎子に料理を御馳走した

メニューには料理名しか載っていなかった。注文した料理はスープばかり。皎子から「スープ好きなんやね」と言われた。(笑)皎子は「小さい頃火事で母親を失くし、大やけどした姉に育てられた。タイプライターの仕事を手につけさせたのはお姉ちゃん。そのお姉ちゃんが結婚しないのに私が・・」」と結婚を渋った。

皎子の姉から結婚を勧められた

姉の佐知子(江口のりこ)が皎子と一緒に店にやってきた。カッフェで「あなたから決めてください。皎子はいい子です。よろしくお願いします」と頭を下げられ、保は「結婚してください」と頭を下げた。

〇平成12年(2000年)

保は夜間中学に入学することにした

保は夜間中学校に出向き谷山先生に「小学校出ていない。読み書きができないですが入れますか?」と聞いた。先生は「いちから教えます」と受け入れてくれた。

家では娘の家族が集り、保の退職を祝った。「読み書きをやりたい、がんばらせてくれ」と入学申請書を皎子に見せたら、皎子が泣いた。保、65歳での夜間中学入学だった

入学式で、保は「和歌山の貧しい家で育ち読み書きができなくなった。ここで勉強して妻にラブレターを書きます。字の書けない私を支えてくれた妻・皎子に、字でお礼をしたい。今年のクリスマスに渡したい。皆さんの前で宣言すれば出来ると宣言しました」と発表した。

この日から保は必死に字を書き、覚えた。

12月23日、夜。保はクリスマスまでにラブレターが書けず悩んでいた

長女が「なんでクリスマスなの?」と聞いた。保が説明した。

新婚の年のクリスマスに皎子からラブレターが渡された。しかし、「文字がよう見えん、あとでゆっくり読む」と答えた。皎子から「何か書いて!」と万年筆がプレゼントされた。保は〇を描いて「大事にとっておく」とその場を去った。保はラブレターが読めず泣く、そのラブレターを喰った。(笑)

回覧板が来た。皎子から「サインして」と言われ、泣きながらわけのわからんものを書いた。皎子が「書けない」のというから「うん」と答え、理由を話した。「どうしようもない嘘つきで、この半年間いい夢を見せてもらった、すまんかった」と謝り、泣いた。皎子が「これから一緒に頑張ろう。私があなたの手になる、あなたが書けるまで」と言って回覧板にサインした。以上、回想。

「そう言って今まで俺と居てくれている。ちゃんとラブレター掛けたら学校を辞める」と話すと娘が「なんでや?」という。「お礼が書けたらそれでいい」」と答えた(皎子は陰で聞いていた)。

そこに皎子が戻って来た。保は「ラブレター、クリスマスまでに間に合わない」と話した。皎子が「クリスマスは来年もその先もある。クリスマスは何の日?」と聞いた。保は「イエスさんの誕生日や」」と答えた。(笑)

保が孫たちと遊んでいると「来年1年生や、名前が書ける、お爺ちゃんは?」と聞かれた。保は下手な字で西畑保と書いて“小学1年生ぐらいにはなれた”と思った。

娘が「お父ちゃん、卒業できるの?」と皎子に聞いた。皎子は「自分で(続けるか否か)決めるらしい。これから最高の20年、ふたりでちびちびやっていく」と答えた。皎子は老後の夫婦の生活を考えていた

保は谷山先生にラブレターが書けないことを相談した

保は“書けないことも悩みだが、ずっと心に引っ掛かることがある。それは自分と結婚して妻は幸せだったのか”と相談した。先生は「夫婦のことは分からないが勉強のことなら分かる。あなたは十分に書けるようになっている」と答えた。

とにかく字を演習し、書いては食べた。(笑)

〇平成7年(2007年)、12月22日皎子にラブレターを渡した(きれいな字で書かれている)

保は涙が出た。皎子はラブレターを持って別の部屋に入り読んだ。部屋から出て来て「読んだ。63点や。文字の脱字が多い幸せが辛いになっている。ここに線を一本足せばいい、辛いことも幸せや、ありがとさん」と言った。保は悲しかった。

保は娘にこのことを話すと「お母ちゃんはてれくさかっただけ、旅行でも行った気分になる」と食事付クーポン券を渡された。

このクーポンで旅行気分を楽しんでいて、皎子が倒れた

ふたりは奈良の旅館で食事した。“楽しい、ほんまの旅行したい”と話していて、皎子は倒れた。皎子は“立ち眩みだ”というが医者に診て貰った。頭の中に血が流れない兆候があるので精密検査を受けた方がいいと言われた。保が「入院した方がいい。今日は学校休む」と言ったところ、皎子が「行って!」と怒った

保は新しく始まったクラスに出た

今年から中学を卒業しても迎え入れる、広い年齢層の人からなる新しいクラスの教育が始った。不登校の女生徒、閉じ籠り少年(顔を見られたくない)、外人などいろいろな人と一緒に学ぶことになった。

保は帰宅し、皎子に「学校を辞める。ひとりにしておいて行けん、今度は俺が手や足になる」と話すと「これ見て!」と封書を渡した。入学案内書だった。皎子は「学校を続けて!ちゃんと卒業して、あと5年通って卒業して!あんたの卒業を楽しみにしている」と言った。

保は学校に出て、分数の足し算が出来ない子に、うまく教える。また、生徒の相談事に乗ってやる。このクラスにはなくてはならない人になっていた

帰宅し皎子に早く手術するように勧める。「早めにします」という。「何か出来ることはないか」と」聞くと「ひとりになりたい」という。部屋を出るとタイプライターの音が聞こえる。娘が「あれは辛いことがあるときに打つ」という。保は「もう一度ラブレターを書く。今度のクリスマスに100点満点のものを書く」と決めた。

保が学校でも家では子供の協力を得てラブレターを書いた。

皎子の手術が終わった

保はラブレターを書く度に“皎子は幸せなのか?”と気になる。書いては破る。公園でも書いた。神社でも、夜も書いた。文章も次第に上手くなり、字も立派な文字字になっていった。

〇平成27年(2015年)

12月20日、皎子の快気祝い

娘家族が集って祝いをした。彼らが帰ったあと雪が降りだし、ふたりは庭に出て雪を手に受けて笑った。ふたりで手の中の雪を互いに見合った。

12月22日、皎子は“お風呂に入る、ありがとう 父さん”と言って、風呂で倒れた

保はコタツに伏っていて、目が覚めると皎子がいない。風呂場を覗くと・・・

保は葬儀も覚えていない。学校は休む。「もっと早く気付けば、手術を止めれば、いろいろ連れて行きたかった、学校などどうでもよかった、何で結婚した・・」と堂々巡りの思索の中にいた。

仏壇に手向けられた2通のラブレターを見て破ろうとしたたころに回覧板が来た。サインでもハンコでもと言われ、サインした(皎子が居なくても生活できる)

皎子の手紙を見つけた

「ラブレターを書いてくれて嬉しかった。ちゃんと書いたら学校辞めると言ったから(私はあの時、聞いていた)“私が居なくなったらこの人どうやって生きていくかと思ったから63点にした”。本当は63億点や。自分から学校に行くと言ってくれたのでほっとした。あんたには勉強を続けて欲しい。学校を楽しんで欲しい。あなたの笑顔が私の笑顔です」「追伸 あなたのいいところはやさしい、一生懸命、可愛い」と書かれていた。保は“読めた!読めた!」と泣いた。

保は皎子に手書を書き、公園で読み聞かせた(達筆です)。

「君には苦労を掛けた。僕らはいい結婚をし、生かされてきた。貧しかったけど、仕事があって、可愛い孫にも恵まれ、僕は幸せだった。君が僕についてきてくれたことに感謝しかない。君がいなかったら、今の楽しい生活はない。君が僕をひとりの人間にしてくれた」と。

〇令和2年(2020年)、中学校卒業式保が卒業生代表して挨拶をした

「字が書けるようになったのは67歳。普通の育ちでなかったから字の読み書きは出来なかった。今はそれが良かった。この歳で学校に通え、良い友達が沢山出来た普通でないから今の自分が出来た。それと生まれや育ちでなく何歳でも何かやろうとすると必ず出来る、僕も出来ました。皆さんも出来ます」と。

まとめ

ラストシーンはいつもの公園のベンチに座り保が皎子に手紙を読むシーン感動的でした!

保はとてもうまい字で、「友達ができて、社会を知った」と伝えた。皎子は自分が亡くなったあと、保が幸せに暮らせるよう字が読め、勉強が出来て、上手く社会生活がで出来るよう、学校に行かせた。本当にすばらしい妻でした

落語にしたいというだけに笑いの多い作品でした

これがよかった!しかし、その“落ち”がちょっと長かった!(笑)

鶴瓶さんは地のままの演技でストーリーによく合ってよかった。妻役の原田知世さんは関西女性になり切って、鶴瓶さんの合わせ、笑いの絶えない演技で楽しませてくれました。これは上白石萌音さんも同じで、ふたりがよく似ていたことに驚きでした。

文字に親しむことがどれほどに世界を広くするか!人生を楽しめる手段になる。とてもいい話でした

                                                     ****

「小学校 それは小さな社会」(2024)日本の教育は凄い!あなたはどう感じますか?

 

「今の小学校を知ることは未来の日本を知ることになる」」というキャッチコピーに魅入りWOWOWで観ました。

小学1年生の入学準備から2年生になるまでの成長が、入学時の世話を担当した6年生の卒業までの学校生活が学校主要行事に添って絵がかれ、日本の小学校を考えてみようというドキュメンタリー映画

第97回アカデミー賞の短編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされた作品。

自分の小学校時代を思い出して見ました

学校給食などなかった大昔の小学校との比較で驚くことも多いが、ほぼ同じようなことをしていることに驚きました。

1年生のとき何も出来なかった子が6年生となり卒業していく姿に、“社会生活に必要な礼儀やしつけ、生徒の中で自分の役割を考え、自分らしさを見つけた”と感嘆、遊んだことしか記憶にない自分には生徒も先生も凄いと驚きました。

監督:山崎エマ、プロデューサー:エリック・ニアリ、撮影監督:加倉井和希、編集:山崎エマ、音楽:パイビー・タカラ。


www.youtube.com

あらすじ&感想

冒頭、入学前の子が母親から給食で困らないように食器に水を入れ食器プレートで運ぶ練習を受ける。靴は決められてところにきちんと置くようにしつけられる。また名前を呼ばれた時の返事の仕方。黄色い帽子にランドセルに学習机の準備など準備万端。ゆうた君とまもちゃんが入学式を楽しみにしています。

一方、新入生を迎える6年生は靴箱や教室の清掃、机・椅子を整頓。式場に椅子を並べて新入生の入学式を待つ。

入学式では行儀よく校長先生からお祝いの言葉を戴く。みんな大きな声で”ありがとうござます”と応答。これにはびっくり!!

〇1年生の入学時教育は

新入生たちが一斉に靴箱に押し寄せるが6年生の援助て決められた場所にきれいに収めて教室に向かう。教室では定められた棚にランドセルを収納。先生によって手の上げ方、廊下は走らない、右側通行!を教わる。当座必要なこととして多くのことを学ばねばならない。手洗い、清掃の仕方など。

一方、6年生は

担任の遠藤先生から”社会に役立つためには自分の殻に籠るな!”と気合を掛けられる。学級委員など各人の役割りが決まっていく。

〇1年生の日課が始った

登校はきちんと列を作って歩く。校庭は6年生によって整備される。1年生はここを歩いて校舎に。中に入るとコロナ予防のための手洗い。今日の献立が気になる。算数の時間、コロナ対策のための透明なアルリク版を机に立てて隣席の子と隔離された状態で授業を受ける、日本固有の授業風景ではないでしょうか?

6年生の放送係による給食のお報せ、歌がれる

給食時間

1年生は食事の運び方、食べ方を教える。1年生の食事は大混乱、これに比べて6年生の食事は行儀よくとても静かです。

震対処訓練

6年生がみごとに一斉に机の下の潜る。1年生がそろいの白い頭巾をかぶり校庭に避難する。“おそい!”と急かされる。“日常の基本を身につけましょう”とこの訓練をすることの意味が教えられる。

ここで6年担当の遠藤先生の日課が紹介される

遠藤先生は朝5司50分に学校に到着。ここで朝食、教室を掃除して生徒の登校を待つ。

授業にあたり、提出課題のしっかりチェックする。やってない者には厳しく指導する。コロナ対策として室内の清掃をうるさく指導する。自分でドアをアルコールで拭く。先生は大変な仕事だと思う。

1年生の銃箱の清掃はまだ6年生の担当だった。係がチェックして記録に残す。拘置所みたいになっている。(笑)

先生に対する教育監察が実施される。

先生の授業参観後、偉い先生の講演を聞く。当日は国学院大教授の“ビー玉貯金”居王育“自分らしさ”についての話だった。“いじめの原因にもなるので日本のやり方がいいのか改める必要がある”というもの。

子供たちがグランドで自由に遊ぶ時間。

グランドは子供たちで溢れている。サッカーボールを蹴るものなど。いろいろな遊具で遊ぶ。グランドが狭すぎる!

コロナ緊急事態宣言発令

6年生の林間学校中止が決まり生徒ががっかりする。「オリンピックが開催されるのに何故できないの」と意見を出す先生もいた。

“間もなく夏休み“と校長先生の校内放送

1年生は初めての“あゆみ”(成績表)を渡された。担任の先生がひとりひとりに丁寧に説明をして褒め、励ます。

〇2学期 秋

緊急事態発令で分散登校となり、放送 部員もひとりになったそれでも頑張ってやりとげた。また、登校できない子のためにオンライン教育が始った

運動会の準備が始った

“皆が成長する会、家族に見てもらい会にするぞ”と先生も生徒も準備を始めた。

6年生は縄跳びで“自分の壁を乗り越える”とみんな頑張った。1年生は帰宅しても家の中で走る練習をした。(笑)

コロナ禍の学校生活。

給食は透明な遮蔽版で閉じた中で食事する異様な光景。 “母親が病気“で泣く1年生の女子を先生が励ますという光景が見られるようになった。”帰るときはカーテンを開けて帰りましょう“と放送が流れる!

そんな中でも帰宅して縄跳びの練習に挑む6年生の木原君。先生たちは走り競争の判定を厳格に行うための研修を行った。しっかりグランドを整備した。

運動会の本番

みんな頑張った。木原君は3重跳びが出来るようになって大喜び。まこやんは家に戻って“来年は1位になる”とお母さんに報告。

6年生の修学旅行

集団での横断歩行、公園内での行動、旅館での食事、避難訓練、就寝等完璧な集団行動が出来る。先生は交代で“静かね”と監視。先生の苦労は本当に凄いと思う。先生たちは研修会で人間性の成長、チームとしての一体感について討議する。すばらしいと思いました。

〇3学期、冬

1年生の靴箱は完璧にきれいに整頓されている。放送部の6年生ふたりは“卒業が大人になる感じがする”と話している。

1年生は新しい1年生を迎える準備が始った

“歓びの歌”の楽器演奏で迎えることになった。楽器担当者のオーディオが始った。合格して喜ぶ子、オーディオに落ちて泣く子、その子を慰める子。辛さや喜びをクラスで分かち合う光景がすばらしい。

合格した子は自宅でも練習して自分の責任を果たす。合格してもそのレベルに達しないタンバリンの子には“唯一の楽器”と先生が厳しく指導し責任を果たさせる。この子にとって1年間で一番辛い出来事だったかも知れない。しかしやり遂げて大きなものを手にした。

雪の降る日

1年生は校庭で各人思い思いに雪に触れた。傘を広げ地面に立ってて廻しながら雪を受けとめ止める子。絵になりますね!

漢字50問テストと称して、先生が生徒と勝負する。先生にとっては“ここまで出来るようになった”という喜び。卒業を惜しむ感じが出ていました。

6年生はスピーチの仕方について学ぶ

先生が“考えていうことを効果的に話せ”とおしえるが、先生自身が“社会を知らないといわれる”と悩む姿に笑った。

卒業式の予行

卒業証書受領の仕方を練習する。こんなに大きくなったという感じを出せ!、緊張して!と練習が続いた。先生たちは“自分らしさを出させよう”と研究会を開き、討議。そして先生たちの移動の話が出る。

1年生のゆうた君がまこちゃんに“誰か好きな子できた?”と聞いた。まこやんは“女の子ならいるよ”と答えた。(笑)放送室のふたりは仲良く“今日の歌は”と楽しそうに話している。そして1年生の給食の時間、6年生と同じくらいに静かに食事が出来るようになっていました。

1年生に送る先生の最期の言葉

先生の“新しい教室で新しいクラス、すてきな2年生に”の言葉に涙する子ら。“先生さよなら“と帰っていく子らは本当にたくましくなっていました。

6年生に送る先生の最期の言葉

先生が“中学生活、一生懸命自分を生きろ“と話し、つい涙を見せた。先生のうれしさが伝わるシーンだった。

〇卒業式

6年生の諸君、みなさんスーツに着物、袴姿。卒業証書を立派に受け取り、先生たち、在校生に見送られ校門を後にした。この姿に“社会の一員になった”と思える姿でした。

遠藤先生は“支えてもらってここまでできた”と同僚先生たちに感謝。子供を卒業させたことか先生たちの成長でもあった

〇2年生が新1年生を“歓びの歌”楽器演奏で迎えた

このすばらしい成長に拍手でした。

まとめ

コロナ禍での学校生活、きつかったと思う!     

みなさん、小学校は全員卒票しています。どんなことを思い出されますか?おそらくどのシーンも懐かしかったと思います。

ここに出てくる子たちを見て、あの人と一緒だったから、先生がいたから出来たと思い出されるでしょう。本当に無駄のない教育に驚きます。特に先生の苦労が偲ばれます

監督の山崎エマさんはイギリス人の父と日本人の母を持ち、日本の公立小学校に通った。海外生活を送る中で気づかされた“自分の強み”は“日本人ゆえ”であるとこの作品を世界に発信した。それゆえに規律ある生活、日本人の清潔さや真面目さなどが強調されているようにも見える

先生や社会から押し付けられてやっているように見えるところがある

自分で考え出すことが少ない、昔はしっかり遊んで、自分の遊び方や友達を作った、こんなことを思いだしました。

子供たちも先生も、もうすこしゆったりしてはどうでしょうか。そんなことを感じました。修学旅行は広島で“戦争が絶対にするな!“と教えられたことはしっかり覚えています。この作品ではどこにも出てこなかった。

               ****

「教皇選挙」(2024)“キリスト教は時代とともに生きる”、極上のミステリー選挙!

 

日本アカデミー賞で優秀外国作品として選ばれた直後にWOWOWで放送してくれました。本場アカデミー賞では、主演男優、助演女優、脚色など計8部門でノミネートされ、脚色賞を受賞した作品。宗教の話は苦手と思うのですが否応なく観る気をそそられました。(笑)

バチカンのトップに君臨するローマ教皇を選ぶ裏側を描くもので“これは選挙か戦争か”と次期教皇を巡る極上のミステリー作品

教皇選挙の仕組みをみるのも始めて。最も清い選挙がどのように行われるのかと期待したら人間の悪い欲丸出しで、収まらない選挙に世界各地でテロが発生。選挙は何処に行き着くかと思っていると、何んと感動のラストシーンキリスト教の進歩は“ここのある“というラストシーンに感動しました

この作品を観て頭に浮かんだのは“皇位継承問題に揺れる国会論戦”です

行政の思考化石化に、“天皇陛下には申し訳ない、こんな国会議員を選んで”と謝りたいです。日本アカデミー賞にも批判が多いですが、この選択には大いに褒めてあげたい。

監督:「西部戦線異状なし」(2022)のエドワード・ベルガー、原作:ロバート・ハリス、未読。脚本:ピーター・ストローハン、撮影:ステファーヌ・フォンテーヌ、編集:ニック・エマーソン、音楽:フォルカー・ベルテルマン。

出演者:レイフ・ファインズ、スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴー、カルロス・ディエス、ルシアン・ムサマティ、ブライアン・F・オバーン、メラーブ・ニニッゼ、セルジオ・カステリット、イザベラ・ロッセリーニ、他。

物語は

全世界14億人以上の信徒を誇るキリスト教最大の教派・カトリック教会。その最高指導者で、バチカン市国の元首であるローマ教皇が亡くなった。新教皇を決める教皇選挙「コンクラーベ」に世界中から100人を超える候補者たちが集まり、システィーナ礼拝堂の閉ざされた扉の向こうで極秘の投票がスタートする。票が割れる中、水面下でさまざまな陰謀、差別、スキャンダルがうごめいていく選挙を執り仕切ることとなったトマス・ローレンス枢機卿(レイフ・ファインズ)は、バチカンを震撼させるある秘密を知ることとなる。(映画COMより)


www.youtube.com

あらすじ&感想

冒頭、教皇の容態急変の知らせでローレンス主席枢機卿は聖マルタの家に急ぐが間に合わなかった。(このことが事後の展開に大きく関わるので詳しく書いておきます

ローレンスは部屋に入り教皇の脈を取って死を確認した。アヌシュ・ウォズニアック大司教(ジャセック・コーマン)の祈りに中で、アルド・ベリーニ枢機卿(スタンリー・トゥッチ)は教皇の指から“漁師の指輪”が外し、破壊して印影部をケースに収めた。ローレンスは“使徒座空位”を告げた

ウォズニアックはアルドに“指輪を形見に貰えないか”と打診した。アルドはそれを認めた。

ローレンスはその場に居合せた枢機卿団のアルド・ベリーニ、ウォズニアック、トランブレ、アデイエミの各枢機卿に状況を聞いた。

アルドに「詳しい話を知っていましたか?」と聞いた。アルドは「心臓発作らしい。兆候はあった」と答え、ローレンスは「知らなかった」と返事した。アルドは「隠し通してくれた、(あなたが)辞任するという噂が広まることを恐れているようだ、教皇庁は・・」と言った。ローレンスは「なるほど」と答えた。

アヌシュには「遺体の発見者は?」と聞いた。「私です。先ず主治医に第一報を入れ、手遅れで確か11時30分ごろ・・・」と。これを引き継いでトランブレ(ジョン・リスゴー)が「あんたとアルドは聖下と親しかったが、私がアヌシュを止めた。事実を把握するために。噂は直ぐ広がる。聖下の最期の行動をまとめた。これが聖下の医療記録で一番新しい」とローレンスに渡した。

アルドが「最後の面会者は?」と聞いた。トランブレが”私のはずだ“と答えた。アデイエミ(ルシアン・ムサマティ)が「(トランブレは)最後まで尽くされた」と証言した。トランブレは「御病人に重責を背負させてしまった」と悔やみ、アデイエミが「教皇職は重責です。特に高齢者には」と付け加えた。

3人が部屋を出た後、アルドはローレンスに「教皇選挙はあなたに掛かっている!」と鼓舞した。ローレンスは教皇の遺体を礼拝堂に移し、部屋を点検した後、ドアを閉め、封印した。そして3週間後の教皇選挙(コンクラーベ)実施を告げた。

〇コンクラーベの前日、

ローレンスは自らコンクラーベ会場となるシスティーナ礼拝堂の電波妨害テスト、窓の遮蔽などの徹底を期した。「ウォズニアックが会いたがっている、かなり動揺してる」と秘書のレイ・オマリー(ライアン・F・オバーン)から報告を受けたが「出迎えが終わってから」と会うことを後回しにした。

シスター・アグネス(イザベラ・ロッセリーニ)を長としたシスター団が宿泊支援に駆け付けた。宿泊部屋は完全密閉とするが閉所恐怖症対策には万全を期していた。

世界各地から投票資格者103名の枢機卿が聖マルタの家の宿舎に集ってくる。

黒人のシスターがアデイエミを見て不安げな表情を見せた。(一度見では分かり難い)

トランブレがベリーニを見つけて話し掛けてきた、

ベリーニが新聞の下馬評では私が教皇だ」と挨拶した。(笑)トランブレが「賛成する」と応じたがベリーニは「まともな人間は教皇職など望まんよ」と答えた。すると「適任だ。嫌なら投票させるな、杯を他に渡せ」と言うから、ベリーニは後ろからやって来るテデスコ枢機卿を指して「あいつにか、一生後悔するぞ」と嫌味を言った。

テデスコ枢機卿(セルジオ・カステリット)が集合ぎりぎりにやって来た

皆から嫌われている人のようだ。ローレンスに「その職務をどうか?」と聞くから「ふさわしくない」と答えた。荷物を持っているので預かろうとすると断られた(個室入室時には預かることになっている)。

ローレンスは法衣を試着してアルドに「教皇に主席枢機卿辞任を申し出たが却下された。が、選挙管理者としての職務を果たす」と決意を話した。アルドが「君の信仰心を案じていた」と問うと、ローレンスは「教皇自身も疑念を抱いていた。神ではなく教会に対してだ」と答えた。

そこにウォズニアックが話にやってきた。

ウォズニアックは「トランブレは教皇と会った最後の人。不正行為であの場で解任された。教皇が“理由はじきに明らかになる”と言った」と伝えた。

選挙管理者としてのローレンスの悩みは“教皇候補の一番人気はベリーニ押しだが、トランブレはどう出るか?そして亡き教皇の悩みは何であったかだった。

そこに参加名簿に記載のない枢機卿が現われた

カブールの大司教でメキシコ人。ヴィンセント・ベニテス(カルロス・ディエス)と名乗った。ローレンスはディナー時、参加枢機卿たちにベニデスを紹介した。拍手で迎え入れた。

アルドがローレンスに「みんな同盟を造っている言語別になっている。昔はラテン語だからこんなことはなかった。ローマなくして伝統なしだ。新教皇はイタリア人であるべきだ」と訴えた。

ローレンスとアルドは票読みをした

ローレンスは「テデスコは1回目で15票、ベリーニは1回目20から30票。明日の晩から本腰を炒れて三分の二を集めねばならない。“私は教皇には就きたくない”」と明かした。

サバディン枢機卿(メラーブ・ニニッゼ)が「票集めをさせてくれ!」と申し出た。ベリーニは条件として「同性愛と離婚を認める。ラテン語の典礼時代に戻ることに反対。親が無知から求める多産に反対。教皇庁でもっと女性が」活躍できるようにしたい」を示した。ローレンスは「女性は控えたい。私は選挙活動する気かはない」とベリーニに告げて、劇場を出た。

ローレンスはトランブレを訪ね“教皇から解任されたこと”を問い質した

トランブレは「嘘だ、モラレスがローマにいるから聞け!」と否定した。ローレンスは“お詫びします”と謝って「最期の面会でどんな話をされました?」と聞いた。「私的な話だ」と話さなかった。
〇コンクラーベ1日目

ローレンスはシスティーナ礼拝所に移動前に、参加者全員に説教をした。

「パウロが伝えたように神からの贈り物は多様です人間の考え方の多様性が我々の教会の力です。私は長年教会にお仕えして何よりも恐れるようになった罪がひとつあります。確信”です。確信は一致を拒む敵であり、寛大の最大の敵です。キリストさえ最後に“神よ、なぜ私をお見捨てになる”と確信を持てず十字架の上で叫びました。信仰は生き物です。疑念と手を取り合い歩むものです。もし確信だけで疑念を抱かねば不可能は消えません。信仰が必要でなくなる。求めるのは疑念を持つ教皇です。その教皇は罪を犯しても赦しを請い進み続けます」と話した。

レイが「説教は多くの波紋を起こしている」とローレンスに伝えた。ローレンスはレイに「モラレスがローマにいるから会って、本日中にトランブレと教皇の面会のことを聞いて欲しい。話によってはトランブレは信教皇に適しない」と任務を与えた。

システィーナ礼拝所で投票が始った。結果は・・・、

アディエミ:21票、テデスコ:18票、ベリーニ:17票、トランブレ:16票、ローレンス:5票、その他31名の枢機卿に1票づつ入った。

ローレンスは“誰も必要な72票に達せず、明朝投票を開始する”と解散を指示した。

この後、レイから「メディアがベニテスに注目している」と報告があった。「ベニテスはコンゴで病院を設立した、それは戦時中性暴力を受けた女性のためのも。バクダッドに移り最期はカブールで奉仕、健康上の理由で辞職を申し出たが教皇が止めた」と。ローレンスは教皇が止めた理由を知りたかった。

さらにレイは「モラレスはトランブレが新教皇でも一切問題ないと言ったが、私はモラレスの言葉は信じられない。私のスペイン語がつたなかったせいか“猊下が証拠文書を握っている“と思ってか心配でたまらない様子だった」と報告した。

マルタの家への帰りのバスの中で、サバデインがローレンスに「ベリーニが3位であなたが、あなたが5票とは思わなかった。説教は効果なしだった」と話し掛けた。ローレンスは「31票を獲得するしかない」と話した。

ローレンスはベニテスを訪ねた

ベニデスは“健康だ“と言い、”あなたに投票した“と打ち明けた。ローレンスは「コンクラーベ後に辞任してローマを離れる。祈りに困難を感じている。教皇の器でない」と断った。

ローレンスはアルドに会い、今後について話し合った

ローレンスは“5票入ったこと”を侘びた。「テデスコは教皇に歯向かった男で新教皇になれば亡き教皇の偉業が潰される、なんとしてもテデスコを潰さねばならない。次にアディエミも問題だ」と言うとアルドは「彼は同性愛者を現世では刑務所に、来世では地獄に送ると主張。彼では解決にならない」と同意した。そして「コンクラーベは戦争だ。君の立場をはっきりさせろ!」と言う。ローレンスは「教皇になりたいとは微塵も思ってない」と告げた。

ローレンスは就寝前に女性の声が聞こえたのでドアを開けて確認したが、誰も見なかった。

〇コンクラーベ2日目

第2回目の結果

アデイエミ:34票、テデスコ:25票、ベリーニ:18票、トランブレ:16票、ローレンス:9票、ベニデス:2票。

直ちに3回目の投票に進んだ、結果は

アデイエミ:52票、テデスコ:30票、トランブレ:10票、ベリーニ:9票、ローレン:5票、ベニデス:4票。

レイがローレンスに「ペリベリーニ広場で爆破事件が発生、負傷者だけで死者は出ていない」と報告した。ローレンスは「枢機卿たちに伝わらないように」と指示した。

食事中、グラスが壊れる音がして、ローレンスはアデイエミが女性と揉め食度から出て行くのを見た。ローレンスはこの女性、ジャスミーから告解として話を聞いた

ローレンスはアデイエミから、ジャスミーとの関係を聞いた

アデイエミは「“誰かが送り込んだ”、何の関係もないのに30年ぶりに現れた。昔の過ちだ。たった1度の罪だ、白紙にしてくれ」と言った。ローレンスは「教会が恐れるのはスキャンダルだ、あなたは教皇にはなれない」と告げた。

4回目の投票結果は

トランブレ:42票、テデスコ:34票、ベリーニ:13票、ローレンス:11票、アデイエミ:9票、ベニデス:6票(合計数?)。

ローレンスは明朝朝再び投票しますと解散を指示した。

この後、レイが今朝の爆発について話そうとしたが、ローレンスはそれを遮ってベニテスに関する報告を聞いた。

「ベニテスの治療のためにジュネーブに飛ぶ航空券が教皇の口座から出ており、渡航目的は治療となっているが中止されている」という。トランブレについて“現在有利であるので調査をしましょうか?”と申し出たがローレンスが止めた。

ローレンスとアルド、サバデインは“トランブレ有利”について意見交換した

アルドは“自分は無理で、トランブレを応援したい”と言い出した。ローレンスは反対した。サバデインは「このままでは長引きテデスコに有利になる」とアルドに賛成した。アルドが「トランブレを支持しよう」と誘ったが、ローレンスは返事をしなかった。

夜、ベニテスが部屋に訪ねてきた

ローレンスは「自分に投票するな。長引くとメディアが教会の危機とみなす。そこでこれを避けるよう協力して欲しい。テデスコは困る」と協力依頼した。ベニテスは「トランブレですか、あなたに投票する」と言って出て行った。

ローレンスはシスター・アグネスから“ジャスミーがここの転任した経緯”を聞いた

ローレンスは「教皇に辞任を申し出て却下された。今はその理由が分かる、だから教えて欲しい、教皇のために」とアグネスに協力を求めた。彼女はPCを開き“特別部門報告書”と示した。

ローレンスはトランブレに会い、「次の回からあなたを外したい」と申し入れした

トランブレはジャスミーの転任関与を否定したが、ローレンスは「アデイエミの教皇への道を断ちたかったからだ」と責めた。トランブレは“いいがかりだ”と言い張った。

ローレンスは教皇の部屋の封印を解いて室に入り、教皇のメモを探した

日記を発見したがトランブレの記述はなかった。聖職売買の記録が壁の中に隠されていた。第1日目のトランブレ投票者がそうだった

ローレンスはこのカラクリをアルドに伝え「立候補を諦めるな!これで得するのはテデスコだ。彼が教皇になったら教会の評判が落ちる」と立候補を勧めたが、アルドは信じなかった。

〇コンクラーベ3日目

コンクラーベ開始前に、ローレンスは特別部門報告書を108部コピーして全候補者を前に公開した。トランブレが“捏造だ“と反論した。テデスコが「8人の枢機卿の名前が隠されている、トランプレが金で買った」と報告書にケチをつけた

ローレンスは「この話は止めよう、私は辞任するから」と言い合いを止めた。このときシスター・アグネスが現れ「シスター・ジャスミーがローマに呼び寄せたのはトランブレ枢機卿です」と証言した。アデイエミが「ユダの裏切りめ!」と消えた。

アルドはローレンスに“教皇になれ”と勧めた

投票が始った。

ローレンスは自分の名を書いて投票しようとした時、爆風で礼拝堂の天井が崩壊した。全員、聖マルタの家の劇場に戻った。

爆風はリソルジメント広場での車両爆破によるものだった

ルーパンやミュンヘンでもテロが発生していた。テデスコが「祖国にイスラム教を受け入れたせいだ!今求められる教皇は宗教戦争が目前だと分かる教皇だ、我々はケダモノと戦う」と声を上げた。これで劇場は大混乱となった。

この時、ベニテスが立ち上がり、演説した

私は大勢の死を見て来た。キリスト教もイスラム教も戦うと言うが何と戦うのですか?爆発を起こした盲信的な者たちと戦う?違います!戦うんです、胸の中の心と。内なる自分と憎しみに屈しない味方のことばかりで万人への言葉を届けていない。こんなつまらない集団で、関心は我が身だけ、ローマや選挙、権力、これは教会ではない。教会は伝統ではなく過去でもない、教会は前進するものです」と叫んだ。

この言葉に全員が広場に集まり、円陣を描きながら、神に祈った。(映像が美しい

選挙は圧倒的多数でベニテスと決まり、教皇名はインノケンティウスと決まった

ローレンスは投票用紙をストーブで燃やすと“白い煙”を吐き出した。

レイがローレンスに「今朝話すべきでしたが、まさかベニテスが選ばれるとは思わず言いませんでした。実はスイスに行こうとしたのではなく病院でなくクリニックでした」と報告した。

〇ローレンスはベニテスに“なぜクリニックなのか?”を問い質した。

ベニテスは「教皇に辞職を申し出たが手術で部位を切除すればよいと勧められ子宮全摘出手術を受ける予定だった。しかし、神の御業を変じるほうが罪深いと感じ止めた。身体は神が造られたままです。この違いにより私はもっと役に立てます。あなたが説教した“確信の狭間で生きる”気持ちが分かります」と申し述べた。ローレンスは新教皇から説教を受けている気持ちだった。

まとめ

冒頭の教皇逝去に立ち会う枢機卿たちが見せた表情と言葉。これが教頭選挙にどう展開されていくか。

みごとなミステリーであり人間の権力欲を炙り出すヒューマンドラマだった。そして何よりも、ジェンダーのベニテスを新教皇として認める、“認識の狭間で生きることで時代を切り開く“ラストシーンは感動的だった

立候補者演説はないが、キリスト教が直面するいろいろ問題点全てを絡ませながら展開し、“社会の変化に適用するよう変化を促す教皇選挙”。そこに選挙の意義があると思いました

トランブレ枢機卿は4人(テデスコを除く)の教皇候補者の中で最大の問題人物だった。これを主軸にドラマは進展したが・・・。

トランブレは最期に教皇に会った人物で“教皇に罷免された”という噂があった。ローレンスには“何故自分の辞表が受け入れられなかったか”という疑問があった。シスター・ジャスミーの告白、教皇の報告書の発見、テデスコの扇動、そしてシスター・アグネスの告白でトランブレの聖職買収の罪が明らかになるプロセスは“上質なミステリー”にふさわしミステリーだった。

会場が戦争状態に陥ったときのベニテスの演説、これがすばらしかった!

ローレンス自らが教皇を志すがテロ事件の発生。もはや戦争状態に陥ったときにベニテスの登場。「戦うんです、胸にある心で。内なる自分と憎しみに屈しない“味方のことばかりで”万人への言葉を届けていない」、この演説がすばらしい

ベニテスがジェンダーであることを告白。ロレンスがこれを認めるラストシーン、これには感動します。

彼の言葉「子宮全摘出手術を生ける予定だった。しかし、神の御業を変じるほうが罪深いと感じ止めた。身体は神が造られたままです。この違いにより私はもっと役に立てます。あなたが説教した“確信の狭間で生きる”」。

選挙がどう行われるのか?見事な描写でした

聖マルタの家の個室に隔離。バスでシスティーナ礼堂に移動、ここで宣誓して選挙、得票数が三分の二で繰り返され、決定すると白煙が上がる。背景の教会施設の豪華なこと。109人の枢機卿たちが赤い衣装で定められた礼式に則り行動する様色んなカメラアングルでみせる美しい映像でした。

俳優たちの演技は見事でした

テーマが我が国の“皇位継承問題”に重なる

男系男子でなければならないという根拠。こんな曖昧な根拠に囚われ問題解決に手間取る国会。高市首相は敬宮愛子内親王の女性天皇誕生を否定した。秋篠宮家に皇統を移していいのか?本作で提示されるベニテスの言葉、「こんなつまらない集団で関心が我が身だけ、ローマや選挙、権力、これは教会ではない。教会は伝統ではなく過去でもない、教会は前進するものです」が心に残ります。

            *****

「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」(2017)社運を投げ打っても報道する、これぞジャーナリスト魂!

 

最近の国会、まともな論議ができていない。与党の数で押し切る横暴、野党の実力のなさ。「旧統一教会TM文書」、「エプスタイン文書」に真っ当な総理の回答なくこれを回避して、特に“皇室典範改正”を急ぐなどあり得ない。ここは大手マスコミに頑張ってもらいたい。こんな気持ちで、この作品を選んでみました。

ニクソン政権下、ワシントン・ポスト紙(ポスト)の社長に就任したばかりの女性社主と編集主幹が、“政府を敵に回し”、ベトナム戦争の欺瞞を暴くという重い決断を下すまでの葛藤を描く実話。第90回アカデミー賞で作品賞と主演女優賞にノミネートされた作品です。

監督はスティーヴン・スピルバーグ、出演にメリル・ストリープにトム・ハンクス。これも見どころです

テーマは“ジャーナリズム魂”

秘密文書の入手から政府の法的措置裁判に至る約半月間の熱い戦いのなかで、社主と編集主幹が社運と名声を掛ける“勇気ある決断”が焦点。特に社主が女性という偏見に立ち向かう姿に、感動を味わうことができます。

練られた脚本・映像で、テンポよく、ふたりの名優の演技で、最後まで緊張感を持って観ることができ、感動が味わえるというすばらしい作品でした

監督:スティーブン・スピルバーグ、脚本:リズ・ハンナ ジョシュ・シンガー、撮影:ヤヌス・カミンスキー、編集:マイケル・カーン サラ・ブロシャー、音楽:ジョン・ウィリアムズ。

出演者:グラハム:メリル・ストリープ、トム・ハンクス、サラ・ポールソン、ボブ・オデンカーク、トレイシー・レッツ、ブラッドリー・ウィットフォード、ブルース・グリーンウッド、他。

 物語は、

リチャード・ニクソン大統領政権下の71年、ベトナム戦争を分析・記録した国防省の最高機密文書=通称「ペンタゴン・ペーパーズ」の存在をニューヨーク・タイムズがスクープし、政府の欺瞞が明らかにされる。ライバル紙でもあるワシントン・ポスト紙は、亡き夫に代わり発行人・社主に就任していた女性キャサリン・グラハムのもと、編集主幹のベン・ブラッドリーらが文書の入手に奔走。

なんとか文書を手に入れることに成功するが、ニクソン政権は記事を書いたニューヨーク・タイムズの差し止めを要求。新たに記事を掲載すれば、ワシントン・ポストも同じ目にあうことが危惧された。記事の掲載を巡り会社の経営陣とブラッドリーら記者たちの意見は対立し、キャサリンは経営か報道の自由かの間で難しい判断を迫られる


www.youtube.com

あらすじ&感想

1966年ランド研究所のダニエル・エルズバーグ(マシュー・リス)はベトコン掃討作戦に参加し敵の罠に嵌り大混乱を経験した。戦況視察して帰国する国防長官マクナマラ(ブルース・グリーンウッド)の要請でエルズバーグが質問した。マクナマラは“大統領には戦況改善中と報告した”と言い、記者団に“この1年の成果は期待以上だ”と切り上げた。これに大きな疑念を感じたエルウバーグは研究所から「4代の大統領のベトナムにおける政策決定の歴史」(極秘資料)を持ちだし、友人宅でコピーを撮り、一部をニューヨーク・タイムズ(タイムズ)のニール・シーハン(ジャスティン・スウェイン)にリークした。政権が作戦の失敗を隠し続け、国民を欺き多大な犠牲を強いている作戦の極秘文書の一部漏洩から物語が始まる

〇1971年

ポスト社主キャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)がベッドで目覚めた。周りには読み終えた資料が散乱している。キャサリンは株式上場の初値を気にしていた。そこに編集主幹ベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)から「話したい!」と電話が入った。

朝、キャサリンベンを招いての朝食会

ベンが「タイムズの編集長ニール・シーハンの行動が気になる」と言うと、キャサリンは「大統領の娘の結婚式に記者の参加を断られたこと半ばで読者が離れることの方が気になる」と答えた。ベンは半ば諦め「あんたは社主で私は現場のボスだ」と答え、キャサリンの「何か方法はないですか」の問いに「ない」と答えた。(笑)

会社に戻ったベンは「シーハンの姿が見えない、何か嗅ぎつけている」とタイムズ社に社員を派遣して様子を探らせることにした。一方、キャサリンは社の経営会議に出席。ほとんど発言をすることなく、男性を立てて、聞き役に徹し発言は会長のフリッツ・ビーブ(トレイシー・レッツ)に任せていた。

ベンは派遣社員からタイムズの状況を掴み、“明日タイムズに極秘記事が出る”とキャサリンに伝えた。

翌日、ベンは出勤しタイムズ紙を調べ、キャサリンに「記事はよく読まれている。スクープを追う気なないか」と問うた。キャサリンの反応はひくかった。が、ベンは編集会議で「7000ページの文書だ、記載に漏れが必ずある、文書を入手しろ!」と記者に発破をかけるが、返事がない。「俺が調べる」と言い切った。

キャサリンは娘の髪を溶きながら、「ママの友達、マクナマラジョンソンから別荘に招待されたのよ」と話しているところに、ベンが訪ねてきて「コピーを手に入れたい!マクナラマに頼めないか」と打診した。キャサリンは「友人を追い詰めたくない、それは無理」と断った。

タイムズの記事に触発され反政府デモが発生、大きな社会問題へと発展していった

ポスト社の編集室に暴露資料の一部が謎の女性から持ち込まれ、ベンはこの資料の信ぴょう性を調べて本物だと断定した。ベンは配下にエルズバーグとの接触を指示した。エルズバーグも、ポスト社の反応を見ながらリークしてくるので、ドラマに緊張感がでてくる。

その時、キャサリンはビーブ会長とレストランでランチをとりながら社の株式上場時のスピーチを練っていた。そこにベンから「資料は本物だ!すぐ動かないとタイムズに抜かれる」という電話が入った。その時、TVに「機密文書をリークした者を処罰したい」と政府コメントが流れている。ビーブ会長に「タイムズ社にニクソンが訴えている」と電話が入り、会長は「自分なら掲載しない、ケイ、失礼する」と席を外した。

ベンに「明日タイムズの記事が差し止めになる」という情報がもたらされ、キャサリンに伝えると「法に触れない程度にやって!」と返ってきた。ベンは「NOだ!」と返事した。

エルズバーグから膨大な文書を入手し分析して、記事を起こし印刷部署に待機指示をした。同時にキャサリンを説得し、この熱意にキャサリンはマクナマラに事実確認に動き出した

ベンのキャサリン説得、これによるキャサリンの姿勢変化、社内の動きがリンクしながら、政権の掲載禁止命令要求が出る前に新聞発行に駆けつけようとする、とても緊張感のあるシーン、見所のひとつです。

輪転機が動き出す2時間前、社内弁護士が「情報出所がタイムズと同じなら、社が潰れる」と発行阻止を訴えるが、キャサリンはベンの“掲載しないと信用を失う。報道の自由を守るとは報道することだ”の声を聞き、「父の会社でもない、夫の会社でもない、私の会社よ。わかった、寝ます!」とマクナマラから確証を売ることなく“GO”を指示した。(笑)

キャサリンは掲載禁止命令違反で国から訴えられた。

裁判では6対3で勝利し、他社もポストを称賛した。法廷から出てくるキャサリンの姿に目線を送る女性たち、女性の社会進出に大きな転機になった出来事でもあった

まとめ:

政府の極秘文書の公開、国民のために何をなすべきかと状況判断し“実行”する編集主幹・ベンのジャーナリスト魂。親から会社を引き継ぎ社の存続しか頭にない社長・キャサリンがベンのジャーナリスト魂に覚醒され“社を潰してもよい”と賭け“公開“、裁判で勝訴。ここまでやらないと政府秘密文書の公開など出来ない

ベンは編集主幹として、先が読み、リーダーシップを発揮する。トム・ハンクスが若返って見えます。ベンのジャーナリスト魂に自分の立場に気付き決心するまでの、キャサリンの葛藤をメリル・ストリープが見事に演じてみせてくれます。女性だけれど太っ腹なところがいい。高市総理とちょっと違うかな。(笑)

ラストシーンはニクソン大統領が裁判に負け「ポストはホワイトハウスには入れない。二度とホワイトハウスに来るな!」と宣言した後に、ウオーターゲート・ビルにワシントン市警が訪れ、警備員が扉を開き招き入れるシーンで終る。ポストによるウオーターゲート事件スクープが“ニクソン大統領”の末路に繋がるという絶妙なエンデイングでした。

メデイアに対するエールと共に政権に対する責任を追及しており、スピルバーグ監督の制作本意はここにあったのだと思う。

                             ****

「サブスタンス」(2024)若い時と同じ美しさを求めた女性のなれの果の姿に驚愕!

 

バイオレンス映画「REVENGE リベンジ」などを手がけてきたフランスの女性監督コラリー・ファルジャが、「ゴースト ニューヨークの幻」などで1990年代にスター女優として活躍したデミ・ムーアを主演に迎え、“若さと美しさに執着した元人気女優の姿を描いた異色のホラーエンタテインメント”。

第75回アカデミー賞(2025)では作品賞のほか計5部門にノミネートされ、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞。

サブスタンスというタイトルの面白さで観ることにしました

「サブスタンス(substance)」は、 「物質」「実体」「本質」「内容」 といった意味を持つ英単語ですが、ここでは物質と本質の意味を兼ねているところが面白い。

美人女優として名を遺した女優が50歳になり、若い頃の容姿を取り戻すために“サブスタンス”という遺伝子操作薬を飲んで若き日の美を取も戻す。しかし、この“欲望が連鎖し遂に細胞爆発を生起”

当たり前と言えば当たりまえの結末。薬の名を“サブスタンス”とし、これを飲んだが故の結果というがテーマです。(笑)散歩中に聞いた“年相応の付加価値をつけて、それを美しさにしなさい”という武田鉄也さんの“三枚おろし“(日本放送)が的を得ているようです。

平凡なストーリーですが、どんどん細胞分裂していかなる姿になるか?嫌なホラーになるのですが、これを避けるため超美人女優が全裸で見せてくれるというプレミアムがついています。(笑)

監督・脚本:コラリー・ファルジャ、撮影:ベンジャミン・クラカン、美術:スタニスラス・レイドレ、編集:コラリー・ファルジャ ジェローム・エルタベ バランタン・フェロン、音楽:ラファーティ。

出演者:デミ・ムーア、マーガレット・クアリー、デニス・クエイド、他。

物語は

50歳の誕生日を迎えた元人気女優のエリザベス(デミ・ムーア)は、容姿の衰えによって仕事が減っていくことを気に病み、若さと美しさと完璧な自分が得られるという、「サブスタンス」という違法薬品に手を出すことに。薬品を注射するやいなやエリザベスの背が破け、「スー」という若い自分(マーガレット・クアリー)が現れる。若さと美貌に加え、これまでのエリザベスの経験を持つスーは、いわばエリザベスの上位互換とも言える存在で、たちまちスターダムを駆け上がっていく。エリザベスとスーには、「1週間ごとに入れ替わらなければならない」という絶対的なルールがあったが、スーが次第にルールを破りはじめ……。(映画COMより)


www.youtube.com

あらすじ&感想

冒頭、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームに女優・エリザベス・スパークルの名が刻まれた星型プレートが加わる。フアンはこのプレートに乗り写真を撮って彼女の美を称えるがやがて見向きをもされず、パイを落とされ汚れて行くところから物語が始まる。

〇エリザベスは年齢、容姿の衰えを理由にTV冠番組“人生を輝かせてスパークル”を降板させられた。

エリザベスは美容体操番組“人生を輝かせてスパークル”のTopダンサー。放送が終ると自分のポートレートで埋め尽くされた通路を走ってトイレに。女性トイレが使用不能で男性トイレに入った。遅れてトイレにやってきたディレクターのハーヴェイ(デニス・クエイド)は、エリザベスがトイレに居るとは知らず、“若くてホットな女で仕切り直す。オスカー受賞って知るか、彼女は1930年代のキンブコングだ”とスタッフに電話した。

エリザベスはレストランにハーヴェイを招待しその理由を聞くが真面な返事はもらえず退職することにした。その帰り自分が出演のCMポスターが撤去されるのに気を取られ接触事故を起こした。

クリニックで検査を受けた。幸い軽傷だったが、男性看護師(ロビン・グリア)から背骨を検査され、USBとメッセージ文が渡された。メッセージには「私は勇気を出して見た”サブスタンス“、私の人生を変えた」とあった。

その帰りフレッド(エドワード・ハミルトン=クラーク)と名乗る男性から「10代に時の友人だ。女の子の中で一番きれいだった。飲みに逝かないか?」と誘われた。エリザベスは“こんな年寄りが”と思ったが“いつか”と名前を貰い、診断書に自分の電話番号を書いて渡した

エリザベスは退職した

〇エリザベスは“サブスタンス“で人生の再生を図ることにした

エリザベスが住む豪華なマンションには大きな“パンプイットアップ”のポートレートが飾られている。これを見て、もう一度挑戦とPCで“サブスタンス”のUSBを読んだ。「よりよい自分を夢見るとは若く美しく完璧であること1回の注射でDNAのロックが解除され新たな細胞分裂が始まりもう一人のあなたを創り出す。これがサブスタンスだ。あなたは母体、すべてあなたから生じすべてあなたなのだ。これはあなた、より良いバージョンの自分。交換が必要だ片方が1週間、もう一方が1週間。7日ずつの完璧なバランスが必要だ。これだけが絶対に忘れないこと。あなたはひとつなのだ」とあった。

エリザベスは電話で注文をした。カードキーとともに受領場所が送られてきた。

場所は廃墟の街角にあった。カードキーでポストを開け小荷物を受け取り帰宅して梱包を説いた。マニュアルを読みながら部品を取りだした。

活性剤は1回だけ!使用後は破棄せよ。溶液1本

安定化、毎日実施のこと。

交換は7日ごと、例外ない!“母体の栄養”“分身の栄養”剤

忘れるな!あなたはひとつ。

エリザベスは浴室で全裸になり活性剤を右腕静脈に打った。1回のみの注意書きを無視して残液を保管した。注射後しばらくして苦しみ倒れ込むと背中が割れ分身が生まれた。“分身”は自分の裸身を鏡で確認。美しい裸身だった。“分身”は母体の背中を縫い合わせ、“母体の栄養“を注射器で注入した

“分身”は鼻からの出血を止めるため、母体から体液を抜き自分の腕に注射して元の状態にもどした(安定化)。

〇“分身”はスーの名で“人生を輝かせて”のオーデションを受け、合格した

審査員のハーヴェイは“天使だ、君のような番組にする“と褒めた。スーは”スケジュールは1週間おきに。重症の母の世話をする”と条件をだすとハーヴェイはこれを認めた。

エリザベスがスーと交替したが、元の職場には復帰できなかった

スーは1週間を新番組の準備とマンションでの安定・休養で過ごし、7日の交換日を迎えた。交替はスーが“母体の栄養”を母体に注入、母体の体液を自分の身体に戻している際、突然起こった。スーはそのまま浴場で仮眠状態になった

エリザベスは黄色のコートに黒メガネで身を整え、レストランでハーヴェイに会った。彼は「出発を祝って一杯飲みたいところだが・・」とエリザベスを袖にした。エリザベスはマンションでTVを観て過ごし、補充キット受領に廃屋ビルを訪ねた。7日目スーに交替した

〇スーがTV出演でスターダムにのし上がった。

スーはエリザベスを隠し部屋に閉じこめ、来訪者に気づかれないよう室内改造を始めた。“改造を手伝う”という男・オリバー(ゴア・エイブラムス)の申出を断ってやり遂げた。

スーは新番組”ヒップアップ体操“を撮った

スーは最大限にヒップアップを強調して撮った。これにハーヴェイが大満足。スタジオへの通路はスーのヒッピアップ・プロフィールで溢れるようになった。

朝起床するとエリザベスに栄養剤を与え、黒ずくめの衣装で外出するようになった。

〇スーはボーイフレンドとの付き合いで約束の交替日を無視、その結果、・・。

スーはボーイフレンのトロイ(オスカー・ルサージュ)とマンションに戻り、トロイの膝に乗りキスしたところで出血!、 “7日ごとの交替”の日だった。“大丈夫か”と心配するトロイを置いて隠し部屋でエリザベスの体液を補充して部屋に戻った。トロイは“さっきよりきれいだ”と驚いた。スーの背中から何かが跳び出した。スーは咳き込んで誤魔化した。

7日を過ぎ、エリザベスが目覚めたが、急速に老化していた。

エリザベスがリビングルームに入ると、物が“滅茶苦茶に散らばっている。”酔った、バイク置いて行く、トロイより“とメモが窓に貼りつけられていた。エリザベスは張り紙を取り外そうとするが手の老化で出来ない。洗面所で自分の姿を見て老化に驚いた。エリザベスは倒れているスーから体液を抜き自分の身体に補充した。

エリザベスは看護師(サブスタンス)に“使用法を間違った。元に戻す処置”を求めた

サブスタンスは“片方で使った物はもう片方で失われ元には戻らない”と言う。「彼女は酔っていたんです」と言うと「あなたはひとつだんです。バランスを尊重すれば面倒は起きない”と答え電話が切れた。

“補充セット”があなたのボックスに到着”の知らせが届いた

エリザベスはポストに急ぎ補充セットを受け取り、ダイナーに立ち寄った。そこで謎の男(クリスチャン・エリクソン)から「あなたがどうなるか、毎日孤独感が増すだろう。自分がまだ意味ある存在と思うか?分身に蝕まれているか?」と聞かれた。

エリザベスは怖くなりマンションに戻り“補助セット”を開けた。中味はフレッドに渡した紙切れと小銭だった。紙切れに“今でも世界で一番きれいな女の子、この紙切れをずっと温めていた”と書かれていた。そこにフレッドから電話が入りデートの約束をした。

エリザベスは隠し部屋でスーが眠っているのを確認し、赤いミニスカートに黒手袋に派手な化粧でデートに出掛けようとした。が、昔の黄色いコート姿やポートレートを見て、スカーフで胸を隠し念入りに化粧して出かける。しかし、気になってまたメイクをやり直し始めた。(笑)遂に“大スターは遅れて登場よ”とフレッドにメールし、エリザベスは目覚め空腹のためレトルトのキチン肉を食べ始めた

〇スーが交替日を無視したことでスーとエリザベスが対立するようになった。

スーがスタジオで番組収録を始めるとモニター・スタッフが尻の肉がおかしいと言い始めた。休憩になりスーは控室で調べた。尻からキチン肉が出てきた。(笑)スーは直ぐにマンションに帰宅すると鳥を食べた残骸が散らばっていた。(笑)

スーはサブスタンスに電話した

“バランスが最悪、楽しむ時間もない。エリザベスはTVの前でやけ食いよ”とサブスタンスに電話すると“彼女などいない”と返ってきた。

スーがV局に出勤するとハーヴェイから“大晦日番組への出演”が告げられた

ハーヴェイから「朝の番組から降板。司会番組に抜擢する。大晦日の番組で最大視聴者5000万人、生放送で凄い番組になる」と告げられた。

スーは「マンションに戻り、エリザベスの体液を抜きながら「このチャンス二度とない。あと1日で1週間の休み、交替出来る」と告げ、ベッドで休んでいた。

隠し部屋から呻き声が聞える。老化が進んだエリザベスが脚を洗っていた。そして“スーはバランスを守らず一方的に時間を盗んだ。くそ女よ”とサブスタンスに電話していた。サブスタンスは「あなたが不満なら中止します、自分自身に戻れます。元の状態には戻れない、どうしますか?」と聞いてきた。エリザベスは答えられなかった。エリザベスは老いた脚の皮を引っ張って、食べて元に戻そうと考えた。フランス料理本を引張だして色々な料理を見た!

スーはTV番組でインタヴューを受けていた。

“新番組に出演、凄いことです。特番の司会も、本当ですか”と。スーは“そうです”と答えていた。このTVをエリザベスが観ていた。エリザベスは鳥料理を造り始め次々と料理する。

インタヴュアーが「あなたがあのエリザベスを消し、あなたが生まれ、番組が生まれ変わり全米を揺るがせた。フアンだったの?」と聞くとスーが「フアンではなかった、世代が違うから。申し訳ないが時代遅れのジュラフック・フィットネスです。ママは私のフアンだったからTVで観ていただけ、嫌でもね」と答えた。最期に美しさの秘訣を聞かれたスーは“自分らしくあること。全てに感謝し誠意を忘れないこと”と答えた。

エリザベスはこの映像を観てTV画面に“私から奪ってふざけるな”と卵を投げつけた

スーがマンションに戻ると部屋の中は投げ出した料理で汚れていた。スーは“もう戻りたくない”と寝転がっているエリザベスを蹴飛ばした。そしてエリザベスから大量の体液を抜いた

3カ月後スーは目前に大晦日の特別番組を控えていた

恋人のトロイが訪ねてきていた。セックスのためエリザベスの体液が必要だが、老いたエリザベスからは採取できない。スーはサブスタンスに“緊急に必要、母体から安定剤が採れない」ご電話した。「枯れている。再生させるしかない、交替だ」と答えてきた。スーは交替を拒否し、倒れ込んだ。

トロイがスーを探しに隠し部屋にやってきた

エリザベスは老体を見せたくないとドアを開けない。エリザベスが鏡で自分の身体を見た。肉が全て取れ、髪にない醜い姿だった。トロイはドアを開け、驚いて逃げた。

エリザベスはサブスタンスに“全てを中止して!”と電話した。“最期のキットを届けます”と返事がきた。エリザベスは醜い老体を衣装で隠し廃屋のボックスからこれを受け取りマンションに戻った。

隠し部屋からスーをリビングに引き出し、注射するためキット開けた。“ご満足いただけず残念でした。終了の薬”とメモが入っていた。エリザベスは迷った挙句この薬を自分の胸に打った。しかし、スーへのメッセージ“成功を祈る、皆君が好き”のメッセージを見て“こんなことしてはダメだ!あんたは求められている”とスーの胸をマッサージした。スーは鼻から黒い血を吐き、息を吹き戻した。

 スーはエリザベスとリビングで格闘、エリザベスを倒した。

スーは“終了”の注射器を見て激怒し、エリザベスを追って、何度も蹴飛ばし殴った!エリザベスが血を吐き倒れたのを確認し、大晦日の特別番組会場へ急いだ。

〇スーは特別番組ショー出演直前に身体に異変が起こり“サブスタンス“の活性剤を注射したとんでもない醜い化けもが生まれた

劇場入りしたスーの姿を見たハーヴェイ、メイク・スタッフが“きれいだ”と喜んだ。しかしスーは異変を感じレストルームに入ると歯が次々に抜けてくる。スーは“サブスタンス”の注意書き“よりよい自分を夢見る”を思い出し、控室に急いだ。途中で株主を連れたハーヴェイが“みんな君に会いたがっている”と声を掛けるが、これを無視して急いだ。爪も耳も外れていった。スーは部屋に着いてサブスタンスの“活性剤”を注射した

スーの背中が開き、黄色い液を吐いて倒れた。すると顔パーツが理想の場所についてないスーの分身が生まれた。ハーヴェイがやってきて“モンストロ・エリザスー”と名付け、“みんな君を好きになる”と舞台に上げることにした。

〇エリザスーはきれいな衣装を着て、スーのポスターの顔を切り抜き、これをお面にして舞台に立った

観客は拍手で“美しい、大好き、君が一番”と迎えた。ライトが消されエリザスーが舞台に立った。そしてライトが当てられた。エリザスーがお面を外した!“モンスターだ”の声が起こったエリザスーは“私なのよ”と血を吐き、舞台も観客も血だらけのとんでもない修羅場となった

エリザスーは血を拭きながら帰る途中、倒れ、肉片となり、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームの“エリザベス・スパークルプレート”に辿り着き笑顔のエリザベスの顔になり、やがて消えていった。清掃婦によってきれいなスターのプレートとなっている。

まとめ

ラストシーン、モンストロ・エリザスーの異形な姿は必見です。これが監督のメッセージ。

大晦日の特別ステージで見せたエリザベスとスーから生まれた分身“モンストロ・エリザスー”の姿。見たことのない怪物でした!年甲斐のなく美しさを求め過ぎたが故に遺伝子が暴走して出来上がった形相でした。よく作れていました

“サブスタンス”でエリザベスの分身・スーは生れ、スーが“美しい、いつも笑顔”の言葉に浮かれ交替時期を守らないことで2人の戦いが始まった。ここで見せるおどろおどろしい戦い。すさましいホラー映像でした。中途まで美しい裸体を見せて、“”“この映像”だから一層すさまじさが際立っていた。

スーが交替バランスを保ちインタヴューで語ったように“自分らしくあること。全てに感謝し誠意を忘れないこと”を守れば歳相応に美しい女性で人生を終えられた。しかし、美しさを求め続けるエンタメ業界におだて“これ”を赦さない。この誘惑に溺れ地獄に落ちた。

しかし、ラストで時代を超えて再びハリウッド・ウォーク・オブ・フェームに登場したエリザベス。“私の経験をしっかり覚えて!“ということだと思いました。

デミ・ムーアとマーガレット・クアリーの演技はすばらしかった。マーガレット・クアリーの妖艶な裸の演技、デミ・ムーアの老いた演技は表彰ものでした。

女性監督でここまでのホラーを作るのかと驚きましたが、エンタメ界に身を置くだけに訴えたかったのだろうと、怖いより意義を感じました!

               ****

「海賊と呼ばれた男」(2016)日本とイランのパイプを繋いだ男の生き様!

 

アメリカvsイラン戦争の勃発、資源を巡りイランと良好な関係を維持してきた日本はどう対応する?イランと良好な関係を築く基になった史実を描いた作品ということで観ることにしました。

2013年度本屋大賞第1位を獲得した百田尚樹の同名ベストセラー小説の映画化。出光興産創業者の出光佐三氏を“モデル”にしたといわれる物語、昭和20年代にアメリカの大手石油会社の支配を突っぱねイランから自前の船で原油を買い付けた人がいたことに感動、今になってこれがどれほどの偉業であったかが分かります。

なぜ日昇丸をアバダンに送る決心をしたのかを焦点に主要なエピソードを、終戦時を起点に現在と過去を行き来しながら、国岡鐡造という人物と国岡商店の全体像が逐次浮き彫りになるよう構成され、最期まで緊張感と感動で観ることができました。

監督・脚本:山崎貴、原作:百田尚樹、撮影:柴崎幸三、VFX:山崎貴、編集:宮島竜治、音楽:佐藤直紀。

出演者:岡田准一、吉岡秀隆、染谷将太、鈴木亮平、野間口徹、ピエール瀧、黒木華、光石研、綾瀬はるか、堤真一、近藤正臣、國村隼、小林薫、他。

物語は、

主要燃料が石炭だった当時から、石油の将来性を見抜いていた国岡鐡造は、北九州の門司で石油業に乗り出すが、国内の販売業者や欧米の石油メジャーなど、様々な壁が立ちふさがる。それでもあきらめない鐡造は、型破りな発想と行動で自らの進む道を切り開いていく。やがて石油メジャーに敵視された鐡造は、石油輸入ルートを封じられてしまうが、唯一保有する巨大タンカー「日承丸」を秘密裏にイランに派遣するという大胆な行動に出る。それは当時のイランを牛耳るイギリスを敵に回す行為だったが……。(映画COMより)


www.youtube.com

あらすじ&感想

冒頭、1945年5月のB29による爆弾投下で飛び立つにも油がなく2機の戦闘機が炎上。焼夷弾で焼き尽くされる東京を、避難した丘の上から茫然と見つめる60才の国岡鐵造(岡田准一)とその家族のシーンから物語が始まる。

○1945年8月17日「一人も首にせん」

鐡造は従業員を集め「よく無事でいてくれた。まずは言いたい、愚痴を止めろ。大国民としての誇りを失うな。何を失っても日本人がいるかぎり再び立ち上がる。石油で負けたが再び日本が立つには石油が必要になる。一人も首にせん」と力強く訓示するが、どうやって社員を養うか方策が見つからない。

石油配給統制会社(石統)社長烏川卓己(國村隼)に願い出ても、戦時中の国岡の商売に反感を持っており、石油を融通してくれない。帰宅し悔しさで机を叩きながら創業したころの苦しかった記憶“仕事を作る”を思い出す。

○1912年(大正元年)鐡造27才「海賊と言われる」

鐡造が機織り工場に油を売ろうとするが追い返される。「この業界は難しいから職を変えろ」と言われ「もうすぐオートモービルが必要な時代が来る」と喰い下がる。「ダメなのは袖の下に入れないからだ」と言われるが“士魂”が許さんと断る。行き詰まった鐡造は国岡商店創業の恩人本多章太郎(近藤正臣)を訪ねた。

「あれはあげたお金や。あんたの言う“士魂商才”という商売を見たいんや。あんたは高いところを見ている。3年が駄目なら5年、5年が駄目なら10年や。仕事がないなら作れ、それでも駄目ならふたりで乞食になろう」と励まされた。

この言葉に発奮し鐡造は軽油で動かす焼玉エンジンに目をつけ、日邦商社のだぶついている軽油を買い占め、門司で漁船を相手に海上販売を始めた

下関側の同業者が騒ぐが「これは真っ当な商売や、海に境界はない」と商売を続ける。彼らはこの商売を「海賊」と言った。この商売気に惚れた漁師の長谷部善男(染谷将太)日邦石油社員・東雲忠司(吉岡秀隆)が入店し、これを契機に大きく売り上げが伸びる。ここで兄の国岡万亀男(光石研)に「苦しい時には嫁が必要や。夫の苦労を背負うてくれる嫁が来たら家宝や。夫も嫁の苦労を背負うてやらんとな」と勧められユキ(綾瀬はるか)を娶った。次の朝からユキは甲斐甲斐しく働き従業員の面倒を見る。光石さんが加わると小倉弁が冴えます。(笑)

○1945年「仕事を作る」

終戦となったが仕事がない。そこに元海軍大佐の藤本宗平(ピエール瀧)が「今の日本には娯楽が必要だ。ここを拠点にして米軍お下がりの中古ラジオを修理し販売したい」という話を持ってきた。社員は「全く経験がない」と反対するが、鐡造はGHQのお墨付きの仕事であり大佐の人柄に惚れ込んでこれを受け優秀な社員を回すことにした。

しかし銀行の融資先が見つからない。鐡造は藤本に「熱が足らん。熱が!」と叱り飛ばす。専務社員の柏井耕一(野間口徹)が「あの気性、やる気のあるやつにはたまらんのです。あなたは期待されているんです。あなたに大切なのは説得力です」と協力を申し出た。この気迫に押され藤本は融資を取り付け、事業は軌道に乗った。

東雲ら4名の社員が復員してきた。彼らは国岡商店の看板を見て喜んだ。鐡造も彼らの復員を喜ぶが仕事がない。GHQが“旧海軍備蓄タンク底に残った残油の回収が終われば石油の輸入を認める”と石統に伝えてきた。

この仕事は暗いタンク底に裸で降りて異臭を放つどろどろの油をくみ出す作業で、請け負う会社は見つからない。そこで石統はこの話を國岡商店に持ってきた。鐡造はこの仕事を東雲らに任せた。彼らは“この仕事は汚いし苦しいから止めたい”と言うが、“社長がやってきて社員を抱き抱えて激励し自分も底に降りて働く”というのを聞き“社長のために頑張る。下にあるのは石油だ。石油の仕事をしているんだ”とこの困難な仕事をやり遂げた。

1947年、GHQの通訳をしていた武知甲太郎(鈴木亮平)が國岡商店の社員にしてくれとやってきた。武知から“GHQ情報として石油の輸入が解禁になるが取り扱い会社として国岡商店は、石統の烏川の企みで、メンバーから外されている”という情報がもたらされた。

鐡造は武知を通して“この不条理”をGHQに訴えた。GHQの担当者はタンク底で働く国岡の社員を見て「美しいものを見た」と国岡商店を石油配給公団販売店に指定した。

鐡造は全国29店舗で石油販売を再開するにあたって「指定業者にはなったが、大メシャーがやってくる。絶対に負けられん。メジャーに負けては独立とは言えん」と訓示した。かってのメシャーとの関わりが鐡造の脳裏をかすめた。

○1919年満州。「メジャーとの確執」

國岡商店は下関での海賊事業があたり、次の事業として当時の日本の満州政策に目をつけ満鉄の列車車軸油の受注を目指した。ここでは美しい冬の雄大な満州の風景に魅入ることになる。

鐡造は長谷川を伴って極寒の満州を訪れ列車車軸油に関する情報を探っていた。“海外の石油メジャーが契約を独占しているがメジャーの油は冬期によく凍り、このため競争入札を考えている“という情報を得た。帰国し「うちのはナフテン系だから強い」と連日連夜テスト励んだ。ほとんど妻ユキと会話することもない日が続く。兄が「早く子供を作れ」と急かしユキが気にする。鐵蔵は「お前のせいではない」とユキを慰めるのだが・・。(笑)

列車の走行試験で唯一凍結しなかったのは国岡製品のみだった。満鉄職員が「メジャーが“すべての油の取引を止める”と言うてる。彼らを怒らせたくない」と言いメジャーの一人は「いつか思い知らせてやる!」と反感を示す。鐡造は「メジャーを倒すには時間がかかる」と感じながら大きな成果を持って門司に帰った。

しかし、ユキが「ずっと考えていたんですがこの結婚は失敗やと思います。子供を持ちたいと思いましたがそれも叶わず、お暇をください」と置手紙を残して実家に戻っていた。鐵蔵は“そげに思うちょったか”と悔やんだ。

○1941年12月太平洋戦争が勃発、「国内同業社からの反感を買う」

陸軍本部から“南方石油政策”について意見を求められ「戦争が終わったら居座らず、日本人200人あとは現地人でやれる」という長谷部案が採用された。陸軍が商工省に「国岡にやらせる。お前らよくばるな!」と指示したから、他業者から「あいつが指図した」と反感を買うことになった。

1942年、南方占領地区で民需用石油配給常務を開始し長谷部らを現地に派遣した。そして1945春業務報告にやってきた長谷部が軍用機で現地に帰る途中敵機の射撃で死亡した。この死に鐡造は「あいつがおらんようになった」と慟哭した。長谷部の乗った輸送機が射撃されるシーン、これは不要でしょう。監督には拘りがある!(笑)

○1947、鐡造62才。「石油事業への復帰」

鐡造は店員を集め石油事業に戻れた喜びと抱負を訓示した。この訓示には泣かされます。「石油販売の仕事に戻る。タンクの底に潜った諸君、ラジオの修理で支えてくれた諸君、志半ばで戦いに散った諸君、皆がいなかったら潰れていただろう。まずはお礼を言いたい。29店舗で販売する。俺たちが直接輸入し販売できるその日が目の前まで来ている。持てる力を思う存分発揮できる」と訓示した。

これを契機に米国メジャーより「国岡が怖いから提携したい」と提携話が入る。

条件は“株の50%譲渡すること、役員を数人送り込めること”だった。鐵蔵は「ナンセンス、これは買収や」と応じなかった。

鐵蔵が「あんたの力を借りんでも取引先は幾らでもある。あんたなんかに頼らなくても・・」と話すと「あんたはどこかで会ったことがある」と言う。鐵蔵は「満州で戦ったことがある。状況はあの時と変わっていない」と提携話を断った。

石統の烏川が「あんたは乱暴な男だ。バカだ。メジャーと戦って勝てると思うか。メジャーに捻り潰されるぞ!」と言う。鐡造は「メジャーに支配されるのはどうあっても避けねばならん」と絶対に屈しに態度を生せると「国岡さん、あんた昔海賊と言われたんだってな!!」と貶した“。いっちょやったろか”と鐡造の胸に火がついた。鐡造は“日本のサムライとメジャーが喧嘩、これで我が国は米大手に全滅”という新聞記事を見て“サムライはまだあきらめておらん。いい刀もってる”と微笑んだ。

○1951年、社運を賭ける“と日承丸をアバダンに送ることにした。

国岡は石油運搬船を進水させ、“これが刀だ。どこにでも買い付けにいける”と思った。しかし、メジャーは怒るどころか潰しに掛かってきた。彼らはあらゆる手を使ってきた。銀行が取引中止を言い出す。経営が悪化し店員を自宅待機にした。“次の取引で終了。これで国岡は終り”というところまで追い込まれ、“うちが生きるにはメジャーに関係ないとこと取引すること”に気付き、“イランと取引することを思いついた。”油は安く買える、社運を賭ける“と日承丸をアバダンに送ることにした

しかし、東雲らが「イランの石油は英国のものだ。また店員を戦場に送る気か。あんたは戦争に行っとらん」と反対した。柏木が「イランの石油にはアメリカも目をつけている。アメリカの目があるかぎりイギリスは手を出さん」と言えば、東雲は「こんな真っ当でないことを行うのは企業家でない博打だ」と反対した。

「博打?これが博打ならうちはずっと博打よ。店主は企業家の仮面を被った海賊だ」と柏木がすべてを引き取った。鐡造はすばらしい部下に支えられていた。

鉄造は日承丸の船長・盛田辰郎(堤真一)に会い「次の航海でアバダンに行ってくれ」と伝えると「店主が行けばというならどこにでも出て行く」と承知した。日承丸の出港時、長谷部の死を思い出し、「船が帰って来んかったら俺は生きていようとは思わん」と送り出した。

船長は出港後船員に“アバダンに向かう”と告げ店主の指示を伝えた。「メジャーの息のかかってない石油が来れば風穴が開けられる。イランの人々に幸せを与えられる。英国があらゆる手段を使うという戦場に向かうことになる。戦争の生き残りが集まった日承丸、ばんざい!」。

日承丸はペルシャ湾航海中に多くにイラン人の声援を受け、アバダン港では盛大な出迎えを受けた

本当に危険なのはこれからだと気合をかけての帰還航海だった。シンガポール軍港が危険、ここを大回りでやり過ごしたと思ったら突然10マイル先に英警備艦が出現した。相手の「直ちに停船せよ。命令に従え」に盛田船長は「突っ込め」と指示した。接触すれすれに行き交う。鐡造は川崎精油所で日承丸を出迎え「船長以下が優秀だからやり遂げられた」と感謝した。

1973年、引退した鐡造のところに「叔母が亡くなりこれが出て来たので持ってきました」と小川初美(黒木華)が訪ねてきて、国岡商店のニュースをファイルしたアルバムを渡した。鐵蔵は「わしに愛想が尽きて出て行ったのになんで!」と驚いた。「子供のころ国岡さんの話を聞きました。国岡さんに世継ぎが出来たことを喜んでいました」を聞き、涙を流した。

1981年鐡造96才、社歌を聞きながら門司の時代の夢の中で亡くなった

まとめ:

戦争で何もかも全てを失い地獄の苦しみから立ち上がった物語は、今の我々に生きる術を教えてくれます

国岡鐵造の人柄特に先を読む企画力と部下を思う温かさ、なによりも部下と一緒に汗を流し泣く姿が感動的でした

この作品の特色は、

ほとんどのシーンを駐車場で撮影したと言われるほどにCG、VFX技術で作られている。表現が難しいと思われる焼け野原の東京、当時の満州の風景、アバダン港へのタンカーの航行などがまるで生きた映像として観ることが出来、すばらしい。しかし、監督の思い入れか戦闘機や空戦をやたら描きたいようです。(笑)

もうひとつの特性は主人公国岡鐡造の20才から90才にわたる人生を岡田准一さん一人で描いたこと。岡田さんのすばらしい演技の他に特にメイク技術が優れている。描く年代は60代が多いわけで、岡田さんが60才に見える。

アメリカの石油メジャー支配からの脱皮がイラクへの道を開いた。この道を捨てるんですかね!見守りたいと思います原作者の百田尚樹さん、高市首相をいかに評価するか。これも楽しみです。

                                   ****

「アイム・スティル・ヒア」(2024)国家の情報隠し、司法制度が機能しない社会の恐ろしさ!

 

1970年代の軍事政権下のブラジルで実際に起きた、政権の理不尽な拷問による元議員の死と、遺された彼の妻子が歩んだ道を描いた政治ドラマ。第97回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した作品です。

平穏な日常の中で夫が突然軍警察に連行され、自らも取調べを受ける妻。家族は目に見えない監視下に置かれじわじわと追い詰められる、如何に監視される社会が辛いかが明かされる。妻は夫の安全確認のため裁判所に人身保護令状を要請するが国の情報秘匿で回答がない、司法制度が機能しない社会の恐ろしさを描き出す。

監視社会や警察特権、国家の報情報隠蔽が如何に怖いか。これを家族の物語として描かれるところが特色。法規制や情報秘匿が進む現代社会への警告となる作品。特にスパイ防止法案が審議される国会の行方には注目したい。

暗い作品のようで、風景やカメラワークの面白さでブラジルの明るさ、生きることのすばらしさが伝わり、感動的なドラマになっています

監督:ウォルター・サレス、原作:マルセロ・ルーベンス・パイバの回想禄脚本:ムリロ・ハウザー ヘイター・ロレ、ガ撮影:アドリアン・テイジード、編集:アフォンソ・ゴンサウベス、音楽:ウォーレン・エリス。

出演者:フェルナンダ・トーレス、セルトン・メロ、エフェルナンダ・モンテネグロ、バレンチナ・ヘルツァジ、マリア・マノエラ、ルイザ・コソフスキ、マルジョリエ・エスチアーノ、他。

物語は

1971年ブラジルのリオデジャネイロ。軍事独裁政権に批判的だった元下院議員のルーベンス・パイバ(セルトン・メロ)が、供述を求められて政府に連行され、そのまま行方不明となる。残された妻のエウニセ(フェルナンダ・トーレス)は、5人の子どもを抱えながら夫が戻ってくることを信じて待つが、やがて彼女自身も拘束され、政権を批判する人物の告発を強要される。釈放された後、エウニセは軍事政権による横暴を暴くため、また夫の失踪の真相を求め、不屈の人生を送る。(映画COMより)


www.youtube.com

あらすじ&感想

〇1970年12月、リオデジャネイロ。スイス大使誘拐事件が発生

土木技術者のルーペンス・バイパァ家族はクリスマスを控え穏やか日々を過ごしていた。家族はイパネマビーチで夏の海を楽しんでいた

妻のエウニセは海から顔を出すと上空にヘリが舞っていた。次女のエリアナ(ルイザ・コソフスキ)がビーチバレーをやっているところに犬が舞い込み大騒ぎに。この犬を小学生の長男・マルセロが飼いたがる。(笑)父ルーペンスの許し得ようと家に走る。中学生の三女・ナルは友人とサンオイルで日光浴中。

ルーベンスは書斎で会社友人と仕事の打ち合わせをしていた。ルーベンスが犬を見て“誰かに似ている”と言ったことで犬の名はピンパォンと決まり、飼うことが決まった。小学生一年生の4女・バビゥが“抱かせて“と大喜び。

夫婦は長女・ヴェロカ(バレンチナ・ヘルツ)の帰宅が遅い”と心配していた

TVが“スイス大使のフッカー氏が誘拐された。アメリカ製の車に乗った8人の男女が大使の車を襲撃。目撃者によると襲撃後ドイツ車がフラメンコ方向へ逃走した。現場に残された犯行声明によれば犯人は自称民族解放同盟”と報じていた。

ヴェロカが“震えが止まらない“と戻ってきた

「映画を観ての帰り、友人のエりーナを家に送る途中で軍の臨検に合い乱暴なボディチェックを受けた。車にOABカードがあったOBAカードって何?」と聞く。エウニセは「ブラジル弁護士会よ、パパと話して」と答えた。ヴェロカが“また大使を誘拐?”と言うとルーペンスは「あんな遊び人の車には乗るな」と注意した。ヴェロカが“部屋に閉じこめるつもり?軍の迫害は私のせいじゃない”と言い返した。エウニセは夫に「何人釈放を求めたと思う?」と聞いた。

軍事政権下では、反抗する勢力が仲間の釈放を求め頻繁に誘拐事件を起していた。

エウニセは夫に「ダルヴァと一緒にロンドンに移住するのを断った。しかし、ヴェロカだけでの連れていって欲しい、来年大学に入ると大変なことになる」と訴えた。ルーペンスは「そのうち熱は冷める」と妻を宥めた。

ルーペンスに友人・ガスパから「配達の件だ」と謎電話が入った

ルーペンスは(妻には聞かせないようにして)書斎の電話で話した。「住所はデルフィン・モレイラ80、事務所に届けてくれ!」と話すと「今回は手紙の数が多い」という。「明日、話そう」と電話を切った。

〇ルーペンスは妻の意見でヴェロカをロンドンに行かせることにした。

ルーペンスは新しい住宅を作ろうと土地を買い家の設計図も作ったが、軍事政権下ではロンドン移住がいいかも知れない。そのためにヴェロカに先にロンドンを体験させようと思った。

ヴェロカがロンドン行くことに決まり、カフェで家族との送別会を開いた。

ルーペンスとエウニセはヴェロカを託すダルヴァの書店を訪ねた

ダルヴァは出版社&本屋を運営していたが“危険だ、一緒に行こう“とルーベンスを誘った。「先ずはヴェロカを偵察に行かせる」と今回は断り「すぐ帰って来て出版社も本屋も再開できるよう守る」と答えた。エウニセはダルヴァの妻に「新築工事が軌道に乗ったら会いに行く」と言うと「工事が始まったらここを離れないでしょう」という。

〇友人家族を招いて三女・ナルの誕生を祝った

エウニセは母親たちと新築する家のことや料理の話をしていた。子供たちはレコードに合わせて踊っていた。エウニセはヴェロカが居なくなっていることを気にしていた。

一方、ルーペンスたち男性(ガスハ、ラウル)は誘拐事件について話していた。「ブラジリアは緊迫しており強行手段に出る。民族解放同盟は70人の釈放を要求した。軍が拒否したら殺されるだろう。スイス大使は多分ジュネーブで葉巻を吹かしている」と。

エウニセがビーチで佇むヴェロカを見つけ連れ戻した。ヴェロカはひとりでロンドンに行くのが寂しかった。

誕生会の食事が始った

ルーベンスとナルがダンスを始め、全員がこれに加わり踊りまくった。(笑)4女のバビゥが“歯が抜けた”と口を開けた。皆で大笑いした。全員がビーチに出た。ルーペンスは抜けた歯を砂に埋め、バビゥに見せた。

ビーチに出て家族の集合写真を撮った

〇ルーベンス不在間に不審電話があった

TVニュース「人質になったスイス大使は解放された。交換条件として釈放された70人の政治犯はチリ「送られた」が流れる中で、ルーペンスに電話がかかって来た。メイドのゼゼが出ると相手は返事することなく切った。

会社で仕事中のルーペンスに小荷物が届いた

家に戻り小荷物を改めるとヴェロカからのものだった。ルーベンスは家族を集め、ヴェロカが送って来たフルムを上映した。映画“欲望“で見た建物、海のないクリスマス、雪遊び、アイビーロードなどが写っていた。レノンが歩いた道路を歩いたという。

〇その翌日、ふたりの男が訪ねてきた

エウニセが“新居の子供部屋にはクーラーを”と話すとルーベンスが“心配ない”と新築の家について話しているところに、友人のダラクから“明日の夕食をしたい”と電話があった。ルーベンスは「夕食のあと映画でもみるか」とエウニセを誘った。

その時、ふたりの男がメイドのゼゼに案内されて部屋に入って来た。男は「形式的な事情聴取だ、すぐに返す」と同行を求めた。

ルーペンスは着替え、そこに戻ってきたナルにネクタイをつけてもらい、エウニセに「スフレが楽しみだ」と言葉を残し、自分の赤い車に乗せられ、連行されて行った

エウニセは子供に不安を抱かせないよう配慮し、男の監視を受けながら夫の帰りを待っていた。男は超心理学者でシュナイデルと名乗った。

掛かってくる電話にはエウニセが“夫は不在です”を対応した。エウニセが“夫はいつ戻る?”と聞くが“聞いても無駄だ”と断られた。

突然、“エウニセとエリアナに質問がある”と車で連行された。子供たちのことはメイドに任せ家を出た。途中で頭巾を被らされ、どこに着いたかは分からなかった。

〇エウニセに対する尋問が始った

「バイパァは共産主義者、1964年革命の妨害を企て国を出た。帰国し、今、なぜテロリストと関係を持つのか?」と聞かれた。エウニセは「議員を罷免され亡命したが、ブラジルに戻ってから政治に関わったことはない」と応えた。隣室から呻き声が聞こえる。

家に出入りを監視していた。この中で知っている人はいるか?」と写真集を見せられる。エウニセは“いない”を答えると「家に帰えれるよう努力している、ロンドンの娘さん」とヴェロカ逮捕を匂わせる。エウニセは耐えられなくなり、ルーベンス娘たちの先生・マルタを認めた。“マルタが何故ここに載っているの?”と聞いた。「昨夜空港で逮捕した。逃げた反体制派の息子を支援していた」と説明し「彼女は手紙をルーベンスに渡した。ルーベンスはどうやってテロリストに渡した?」と聞かれた。「夫は無関係!」と答えると、尋問を終え手錠を掛けられ、独房に入れられた。

暗い部屋にベッドとトイレのみ。小さな窓から日が差し込む

監視員に“何日目”と聞くが“名を名乗れ”と言われ、“エウニセ“と名乗ると尋問官の前に連れ出された。”もう一度だ“と写真集を見せられた。”エウニセ“と答え、知る限りの人を挙げた。”5日目だ“と言われ、独房に戻された。

エウニセは壁に爪で一日一日を刻み過ごした。こうしなければ経過日数が分からなくなってきた。隣の独房から女性の悲鳴が聞こえる。強烈な不安、孤独に苦しむ。

監視員に起こされ名前を聞かれる。爪で日にちを刻む毎日が続いた

夜間起こされ、自宅に送り届けられた

子供たちは眠っていた。風呂で身体を洗い、寝た。目覚めるとエリアナが横にいた。

エリアナは“いろいろ聞かれたが知らないと答えた”という。「パパは?」と聞くと「見なかった。“新聞には逃げた”と書かれているが、ソノ弁護士は“嘘だ”と言っている」と話した。

〇エウニセによる夫ルーペンス探しが始った

エウニセはソノ弁護士を訪ねた。ナルの誕生会に参加したガスハ、ラウルたちが集り、ルーベンス救出策を論議した。ソノ弁護士は「新聞には“連邦警察の車で元議員を救出”とあるが救出は嘘で“逮捕された”ことは否定できない」という。“そのうち帰ってくる”という意見も出たが、元議員の行方なら“NYタイムスやル・モンド誌に載せて政権に圧力をかけるのがよい”ということに決まった、しかし、逮捕されたという裏付け証拠が必要だった。エウニセは軍収容所でルーペンスの車を見たことを証拠にすることにした。

エウニセは家の戻りルーベンスの衣服の整理を始めた。ナルがこれを見ていた。

エウニセはソノ弁護と軍収容所を訪ねた

エウニセは看守兵に“ルーペンスに渡して”と衣服と糖尿病薬を渡した。看守兵は“ルーペンスはいない。連邦警察に聞け”と受け取らなかった。車のキーが返還されたので、受領証明を発行してもらった。“ここにいた”という唯一の証明になると思った。ソノ弁護士の指示で軍ではなく裁判所に人身保護令状を請求することにした。ソノ弁護士によると申請の書き方はギリシャ語を読むより難しいと言われた。エウニセにとって後に弁護士になる動機になった。

エウニセは学校に子供を迎えに行き、マルタ先生に会って証言をお願いした

マルタ先生の態度は素気ないものだった。先生は「軍施設で会って手紙の受取人が分かった。頭巾を被らされていたから輸送先は分からない。この問題には関りたくない」と証人になることを拒否した。

学校から戻り車の中で子供たちに外出禁止を命じた

子供たちが“パパはどこ?2週間も」という。エウニセは2週間拘置されていたことになる。車に乗るとエウニセはバックミラーで追随車の有無は監視するようになっていた。子供には外出禁止を命じた。ラシオから”スイス大使誘拐者の追跡は・・・“が流れるが聞くきにもならずスイッチを切った。

家に戻ると、軍に監視されていることが分かった。

犬のピンパォンが激しく哭く。監視員がやってきたことを告げていた。ゼゼが“数日まえから監視している”と言った。ゼゼから給与の支払いを求められ、銀行から金を引き出そうとするがルーペンスのサインがとれないと拒否された。金銭支払いが出来なくなっていた。

エウニセはルーペンスの会社に“電話”して、夫の隠された行動を確認した

“ルーペンスはガウスやラウルらと国外の新聞社に連絡して隠れる場所を提供、手紙を家族に届けたりしていた。武力支援には関与していない、特にルーベンスは“と語ってくれた。ルーペンスはエウニセや家族の安全を考え、何も話さなかったことが分かった

 電話を終えるとピンパォンの悲鳴が聞こえた。

エウニセは家を飛び出しピンパォンが轢かれたことを確認、犯人を追った。犯人は監視員だった。激しく抗議した。

ピンパォンを埋葬していると、ナルが“パパとママ、エリアナのことを学校で聞かれた。言葉を失った、心配でたまらない”と言った。エウニセがナルに手を挙げたもう限界だった!エウニセと家族にとってロンドンからのヴェロカの手紙だけが光だった。

エウニセは上級軍事裁判所に人身保護令状を要請した

夜、密かにマルタが「ルーベンスは軍施設にいた。声が聞こえた。移送される前に水を頼む声が聞こえた」と書いたメモをドアに挟んで去った。

ラウルが訪ねてきて “訴え続ける”がルーベンス釈放の唯一の方法だと勧めた

ラウルは“戦闘で死んだと大統領言った、これでは記事にならない。公式に認められてないからダメだ。裁判所に要求しても返事はない。それよりも何も知らないふりをして釈放を要求し続ける。君には仲間がいる”と勧めた。

〇エウニセは“サンパウロに移住し、”ルーペンスの釈放を訴え続ける”と決めた

朝起きるとヘリの飛行音が耳に入る。この音に耐えられない。エウニセは家族を守ることを最優先にした。新宅用地を売ることにした。権利書がないのでどうなるかと思っていたが、上手く知人が引き取ってくれ、大金を手に入れた。

 ロンドンからヴェロカが帰国した家族が揃い、去ることになった家の前で笑って、家族写真を撮った

移住に当たり、エウニセは外国記者のインタヴューに応じた

国家の許しがたい行為が偽りの報道で封印されてきました。軍人が犯した重罪を組織的に隠ぺいしようと仕組まれていた」と話した。

食事時、サンパウロ引越しを明かした。マルセロには友達との悲しい別れになった。家を去る一部始終をヴェロカがカメラに納めた。

〇1996年、エウニセは弁護士となり、先住民の人権擁護に献身していた

エウニセは夫ルーペンスの釈放を叫び続け、48歳で法学位を取った。アマゾン先住民の土地を守るための公演中に電話が入った。エウニセは事故で身障者となったが今では人気作家のマルセロそしてバビゥと一緒に裁判所に赴き、ルーベンスの死亡証明書を受け取った。三人でこれを見て微笑み、マスコミに“死亡証明書を渡され安心した”と答えた。エウニセには司法制度が働く社会になったことが嬉しかった

マスコミのインタヴューに強制失踪は最も残酷な行為、家族や友人に永遠の苦しみを与える“と語った。そして政府に”遺族に対する補償が必要です。何よりも重要なのは軍事政権の犯罪を明らかにして裁くこと。そうしないと同じ過ちが繰り返される“と釘を刺した。

エウニセはこれまで集めたルーペンス失踪事件に関する資料ファイルに死亡証明書を加えた。ヴェロカが撮ったフルムを見ながら、自伝を書くことを考えていた

〇2014年、サンパウロに家族が集った

子供たちは昔の写真を見て懐かしがる。“エウニセのレシピ”が懐かしく欲しいと言い出す。エウニセ(エフェルナンダ・モンテネグロ)は認知症を患い聞こえるのかそうでないのか無表情。全員で部屋の外に出て写真を撮った。

部屋に戻ると「反体制派に対して多くの犯罪が行われてきました。真相究明委員会は1200人以上の軍人と被害者から証言を集めています。拷問と殺人が組織的に続けられその犠牲者は2万人以上今も数百人が行方不明。報告はによると230か所以上でこの犯罪が行われました。何人か軍事政権に対する抵抗運動の象徴になりました。記者のヴラジミール・エルゾーギ、学生のスチュアート・エンジェル、ルーペンス・バイパァ議員」とニュースが流れる。ルーペンスの名が出た時、エウニセの表情が動いた

エウニセは2018年、89歳でこの世を去りました

まとめ

軍事政権下、軍による拉致事件を取り扱った作品ですが暴力シーンはほとんどない。見えざる恐怖を伝える。

エウニセは夫・ルーペンスが何故拉致されたか、死んでいるのか生きているのかと明るいブラジルの風土の中で精神的に追い詰められていく。子供たちにその影響が出始める。エウニセは子供を守るためにサンパウロに移住し、弁護士となりルーペンスの安全を要求し続け、死亡確認書を受け取り“微笑む”という結末。

国家権力で日常が壊されていく恐怖、それに屈しないエウニセの愛、“ブラジルに自由を”と生きる様がしっかり描かれていました

冒頭のバイパァ家族の描き方がすばらしい、

軍事政権下にあってもバイパァ家族は生きいきと生きていた描き方がすばらしいから、一段とルーペンスが失踪したことの不安殺害されたことの怒りが生まれ軍政権の非民主性が浮き彫りになりました。

ヘリの音、スイス大使の誘拐ニュース、犬ピンパォンの登場、ヴェロカへの軍臨検、OABカード、親友ダルヴァのスイス移住、ガスパからの謎電話とこれら一連の出来事がルーペンス連行へと繋がるプロットがすばらしかった。美しい風景、カメラアングル、音楽で綴られドキュメンタリーでないエンタメ作品として見せる作品になっている。

エウニセが軍収容所で受けた尋問の怖さ!

全く身体的は危害は加えられない。独房で眠らせず、記憶混乱と孤独の中で自白を強要する。壁に爪で日にちの痕跡を残すシーン、何の罪もないのに無言で責められる尋問の怖さ。

ルーペンス失踪して25年後、エウニセがルーペンスの死亡証明書を受けとり微笑むシーン、訴え続け軍事政権に勝利し、“人権が守られる”希望を見出した。

ラストシーン、認知症のエウニセの表情がルーペンスのニュースで動いた

エウニセは15年間認知症を患い、子供たちが問いかけにもほとんど話せず表情に変化はないがTVで語られる夫ルーペンスの名が耳に入って来て表情が動いた。“アイム・スティル・ヒア”とこの事件を過去のものにしないぞと厳しい姿を見せたと解釈しました。

これをフェルナンダ・トーレスと母のナンダ・モンテネグロの親子2代で描かれるから感動的で、またひとことも話さないナンダ・モンテネグロお演技がすばらしかった。

人間、自由を失ったら未来はない。ここで描かれる教訓を忘れてはならない!まさに現在の日本政治社会下で問われるテーマでした

                ****




以上の内容はhttps://matusima745.hatenablog.com/より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14