少しミラーレス一眼に飽きてきたので古いデジタル一眼レフでフィギュアの写真を撮ってみることにしました。
「これからカメラを買ってフィギュア撮影を始めたいんだけど古いカメラだとやっぱり画質悪いのかな?」と思われている人の参考にもなるかもしれません。
先に感想を書いておくと(操作性等はともかく)RAW 現像が前提になりますが 17 年前(2007 年)のカメラでも 23 年前(2002 年)のカメラでも SNS 向けのフィギュアの写真はそれなりに撮れると思います。
使用機材の紹介
現像は Adobe Lightroom Classic または Camera Raw を使用。AI ノイズ除去と RAW ディティール機能を有効にしています。
Canon EOS 40D
2007 年 9 月発売。約 1,010 万画素。中古相場約 8,000 円〜(2025 年現在)。
キヤノンの APS-C エントリー機。人生で初めて買った一眼レフカメラです。3、4 年ほどスナップや風景撮影で使っていましたが、その後はカメラ自体まったく使わなくなったのでドライボックスで保管されていました。
Canon EOS D60
2002 年 10 月発売。約 630 万画素。中古相場約 3,000 円〜(2025 年現在)。
Nikon D60 ではありません。当時 363,000 円もしたデジタル一眼レフカメラですがもう骨董品です。EOS 40D を購入して数年後、古いデジタル一眼レフカメラに興味があったので中古で購入。EOS 40D とバッテリー(BP-511)が共通です。
余談ですが確か 2 GB までのコンパクトフラッシュしか認識しないため 8 GB や 16 GB などの容量のコンパクトフラッシュを使用する際は fdisk などでパーティションを弄るかカメラ側でフォーマットする必要があります(その後 Windows の標準機能ではパーティションを戻せなくなるかも)。
YASHICA ML MACRO 55mm F2.8
1979 年頃発売。いわゆるオールドレンズ。マウントアダプターを使用して装着します。APS-C の場合は 35 mm 換算で 82.5〜88.0 mm 相当の画角となります。
参考画像
2018 年発売の約 2,033 万画素マイクロフォーサーズ機 Panasonic LUMIX DC-G9(G9 PRO)で撮影した写真を長辺 4,096 px にリサイズしたものを載せておきます。色は ColorChecker Passport Photo 2 で調整済みです。
Panasonic LUMIX DC-G9 / YASHICA ML MACRO 55mm F2.8 / F8.0 / 1/160s / ISO100
Panasonic LUMIX DC-G9 / YASHICA ML MACRO 55mm F2.8 / F8.0 / 1/160s / ISO100
Canon EOS 40D でフィギュア撮影
まずは普通に撮影し、カメラスタンダードで現像しました。長辺が 3888 px なので Twitter にはリサイズせずにそのままアップロードが出来るサイズです。色は懐かしのキヤノンの色といった感じで少々微妙です。これが DIGIC III の色ですが当時はこんな色で写真撮ってたんだなぁ…。
Canon EOS 40D / YASHICA ML MACRO 55mm F2.8 / F8.0 / 1/160s / ISO100
Canon EOS 40D / YASHICA ML MACRO 55mm F2.8 / F8.0 / 1/160s / ISO100
Calibrite ColorChecker Passport Photo 2 で色合わせをしました。赤色が大きく改善しているのがわかります。
Canon EOS 40D / YASHICA ML MACRO 55mm F2.8 / F8.0 / 1/160s / ISO100
Canon EOS 40D / YASHICA ML MACRO 55mm F2.8 / F8.0 / 1/160s / ISO100
並べてみると一目瞭然です。
ついでに絞り F2.8 と F8.0 の比較です。
APS-C はよくフルサイズとボケ量の比較をされますがフィギュア撮影では十分なくらいボケると思います。
オリジナルファイル: https://hobby.mattintosh-note.jp/wp-content/uploads/2025/09/80b705e43ed6d46b3a3ee42e6d72d480.jpg
EOS 40D の液晶は後述の EOS D60 に比べればマシではあるのですが、約 23 万ドットで最近のカメラと比較するとかなり荒いため細かいピントの確認は厳しいです。後継機の EOS 50D ではドット数が約 92 万に増えて見やすくなっているので中古で購入するなら EOS 50D の方が良いでしょう。
Canon EOS D60 でフィギュア撮影
続いて約 630 万画素の EOS D60 です。こちらも長辺は 3072 px しかありませんのでリサイズ無しで Twitter に投稿が出来ます。
EOS 40D と同じくカメラスタンダードで現像しました。なんだかレトロな感じの色です。そういえばこの頃は画像処理エンジンが DIGIC ですらないんですよね。オールドレンズを使うよりもオールドカメラを使った方が面白い写真が撮れそうです。
Canon EOS D60 / YASHICA ML MACRO 55mm F2.8 / F8.0 / 1/180s / ISO100
Canon EOS D60 / YASHICA ML MACRO 55mm F2.8 / F8.0 / 1/180s / ISO100
こちらも ColorChecker Passport Photo 2 で色調整を行いました。
Canon EOS D60 / YASHICA ML MACRO 55mm F2.8 / F8.0 / 1/180s / ISO100
Canon EOS D60 / YASHICA ML MACRO 55mm F2.8 / F8.0 / 1/180s / ISO100
こちらも並べてみると一目瞭然です。
EOS D60 の液晶は約 11 万ドットでガラケーレベルのためピントの確認はほぼ不可能です。
色と解像感
ColorChecker Passport Photo 2 で色を合わせたものを並べました。色に関してはキャリブレーションすれば古いカメラでも問題はなさそうです。EOS D60 はフィギュア全身を写すような距離からの撮影になると少し画素数不足で鮮明さに欠ける感じがします。
オリジナルファイル: https://hobby.mattintosh-note.jp/wp-content/uploads/2025/09/c298146a0caeb80ac72551d9e1fe5e0d.jpg
続いて寄りでの撮影です。EOS 40D、EOS D60 ともに全身を写すよりは画素数不足を感じにくいです。
Canon EOS 40D / YASHICA ML MACRO 55mm F2.8 / F8.0 / 1/160s / ISO100
オリジナルファイル: https://hobby.mattintosh-note.jp/wp-content/uploads/2025/09/54c888e7d50aec7ccbc1fe3125f11577.jpg
Canon EOS D60 / YASHICA ML MACRO 55mm F2.8 / F8.0 / 1/180s / ISO100
オリジナルファイル: https://hobby.mattintosh-note.jp/wp-content/uploads/2025/09/7ab4ce6c35dc14af0976d354985f75af.jpg
APS-C とフルサイズセンサーサイズの比較(Canon EOS 40 vs Nikon D800E)
APS-C の EOS 40D とフルサイズの Nikon D800E(2012 年発売、3,630 万画素)を比較してみました。
左)Canon EOS D40 / YASHICA ML MACRO 55mm F2.8 / F8.0 / 1/160s / ISO100
右)Nikon D800E / Tokina AT-X MACRO 90mm F2.5 / F11 / 1/160s / ISO100
オリジナルファイル: https://hobby.mattintosh-note.jp/wp-content/uploads/2025/09/2d42a0ba71ece96fba21497e24b58972.jpg
左が 40D で右が D800E です。それぞれの写真を等倍で見れば圧倒的な画素数の差ですぐに見分けが付きますがこれくらいのサイズだと差はほとんどわかりません。これに関しては「差がわかりづらい撮り方をされても判別できない」という人もいるかと思いますが、言い換えればフィギュア撮影においてはフルサイズのメリットであるボケを活かすような撮影をしないのであればセンサーサイズの差は無いとも言えます。
ダイナミックレンジも屋外撮影の場合は太陽光と影の明暗差が大きいためダイナミックレンジは広ければ広いほど良いと思いますが、フィギュア撮影ではライティングで調整が出来るためダイナミックレンジの性能差が大きく出るシーンもあまり無いと思います(自然光で撮る人は差が出るかもしれません)。
YouTube ではセンサーサイズ論争がよく行われており、フィギュア界隈でも「被写界深度の深いマイクロフォーサーズが有利」なんて話も聞いたりしますが、個人的にはフィギュア撮影に関してはセンサーサイズはそこまで気にしなくていいと思っています。
その他の作例
Canon EOS 40D
Canon EOS 40D / YASHICA ML MACRO 55mm F2.8 / F8.0 / 1/160s / ISO100
Canon EOS 40D / YASHICA ML MACRO 55mm F2.8 / F8.0 / 1/160s / ISO100
Canon EOS 40D / YASHICA ML MACRO 55mm F2.8 / F8.0 / 1/160s / ISO100
Canon EOS D60
※過去に撮影したもののためレンズは Nikon Ai AF Micro-Nikkor 60mm F2.8S を使用しています
Canon EOS D60 / Nikon Ai AF Micro-Nikkor 60mm F2.8S / F11 / 1/180s / ISO100
Canon EOS D60 / Nikon Ai AF Micro-Nikkor 60mm F2.8S / F8.0 / 1/180s / ISO100
Canon EOS D60 / Nikon Ai AF Micro-Nikkor 60mm F2.8S / F8.0 / 1/180s / ISO100
フィギュア撮影は古いカメラでも可能
この記事を読まれている方に中古カメラを買わせたいわけではありません。
今回の検証で感じたのはうちのフィギュアレビューのレベルでは古いカメラでも新しいカメラでも出てくる画にそこまで大きな差はない、ということです(画素数の違いによるディティールの差はあります)。
RAW 現像を行うソフトウェアのノイズ処理の性能の向上もあると思います。
最近の商業フィギュアの宣材写真のようなジオラマを使ったような撮影の場合は差が出るかもしれませんが、昔のねんどろいどの製品写真くらいの撮影であれば問題はなさそうです。
センサーに関しては画素数の向上やダイナミックレンジの向上など進化はしているもののフィギュア撮影で求められる性能はそこまで高くないと思っています。最新の機材で撮られた写真はシャープで綺麗だなとは思ったりもしますが、気にするのはカメラ趣味の人だけでフィギュア趣味の 9 割以上の人は気にしないと思います。
私は普段オールドレンズを使用していますがレンズの性能に関しては 2000 年以前にほぼ完成しているのではないかと思っています。非球面レンズの採用やコーティングの改善、AF の高速化、小型化…など進化はしていますが、基本的な写りに関しては最近のキットズームレンズより単焦点オールドレンズがマシに写ることもあります。
以前フィギュア撮影に求められるカメラの性能を図にしてみましたが個人的にこんな印象です。
古いカメラでも新しいカメラでも出てくる画に大差がないということはフィギュア撮影ではカメラの性能よりもライティングや背景紙の選択の方が見ている人に与える影響が大きいのではないかと思います。2010 年代のフィギュアブログでも写真が綺麗なブログはたくさんありましたので。
画素数について
Twitter の仕様では無劣化での画像アップロードは長辺 4096 px 以内、ファイルサイズは 5 MB 以下という制限があり、それを超えた場合は Twitter 側でリサイズなり圧縮処理されます。また、スマートフォンからの投稿の場合は高画質アップロードの機能を有効にしておかなければ長辺 2048 px にリサイズされてしまいます。4096x4096 px は約 1677 万画素、2048x2048 px は約 419 万画素です。
Bluesky は 2048 px くらい(当時と仕様が変わっていなければ)ですし、Instagram ならもっと小さいです。
高画素で撮影した場合はポスター印刷も綺麗に出来たり、余裕をもってトリミング出来たり、リサイズとシャープネス処理で元サイズで見たとき以上にシャープに見せることが出来るなどメリットはありますが、SNS にアップロードする用途であれば画素数は最近主流の 2,000〜2,400 万画素あれば十分だと思います。
いまカメラを買うならミラーレス一眼がおすすめ
いまフィギュア撮影のためにカメラを買うなら間違いなくミラーレス一眼をおすすめします。撮影にかかる労力が一眼レフとは全然違いますし、操作性なども圧倒的にカメラ初心者に優しいでしょう。
今回、一眼レフでのピント合わせは LED 懐中電灯を使わなければミリ単位での調整が困難でした。ミラーレス一眼であれば液晶や EVF で拡大表示が出来たりピーキングが使えたりするので非常に楽です。
また、一眼レフの場合はファインダーの視野率が 100 % ではない(今回使用した機種は 95 %)機種もあるためフレーミングの微調整に悩まされることもあります。どうしても一眼レフがいいという人はなかなかいないと思いますが、もし一眼レフを選択するならライブビューが実用的でファインダーの倍率が高く視野率が 100% のものをおすすめします。




























