40年間 中医学教育に従事してきましたが、今までの実践知を形式知化、体系化し他者が習得可能な形へと再構成するため大学院でご指導を受けて1年が経ちました。
今までの講義のなかでの思い付きなどモヤモヤしていたものがずいぶんスッキリしてきました。
今回の研究では、質的記述的調査のために、教え子たちにずいぶん協力をしてもらいました。
今までの講義内容を教育工学を意識して直したのですが、結構よいシラバスが計画できました。
中医学演習 講師 松江一彦
学習内容 本科目では理論、診断学、中薬学、方剤学、臨床の垣根を取り払い教科横断型の授業を行う、実践で漢方相談ができる能力をつけていくのが目的です。 教科書的講義、課題解決型の対話演習をとります。
学習目標 1 証の説明ができる
2 処方意図の再構成ができる
3 患者背景に合わせて漢方相談が適切にできる
4 専門職アイデンティティ形成(専門家としての役割への自覚・自分の価値観、倫理観・コミュニケーション能力の省察
学習方法 反転学習(事前学習を推奨します)
協同学習(グループディスカッション)
ケースベースラーニング(CBL)※
リフレクションペーパー
模擬患者(SP)を用いたOSCE
授業形態 講義・ワークショップ・グループディスカッション・演習
・模擬患者実習
フェーズ0(導入) 基本的な用語の理解と応用
5月 あなたはどのような「あなた」になりたいのか?
中国医学と日本漢方の違いが説明できるようにする。
陰陽・五行学説を中医学へ応用できるようにする
6月 気・血・津液の機能と病理について説明できるようにする
[課題]気・血・津液のマインドマップを作成
7月 六淫の性質・疫癘の基本的理解
八綱弁証 簡単な証の分類の練習
8月(前半) 逆症例検討(患者像を創る)
症状→証→体質→背景を逆算して患者像を構築
私はだれで証?
メタ認知訓練
8月(後半) 確認テスト
病因・病機
フェーズ1(体系構築) 証の標準言語化
9月 臓腑の生理・病理(臓腑弁証)
10月 六経弁証・衛気営血弁証
11月 各証に対する治法と中薬(七情・対薬)・方剤(君臣佐使)
中薬トランプ
12月 各証に対する治法と中薬(七情・対薬)・方剤(君臣佐使)
中薬トランプ
フェーズ2(実践・定着) 適用と漢方相談
1月 病態モジュール(CBL)
頭痛・胃痛・・疲労・精神状態
2月 Aグループ 下痢(気虚証)・Bグループ 便秘(気虚証)
それぞれ患者像を作成(個別で)
mini-OSCE患者・来局者応対:模擬患者対応のシミュレーション
学習評価 1. リフレクションペーパー 10%
2. 確認テスト:30%
3. マインドマップ提出、患者像作成 30%
4. OSCE合格ライン:30 %以上
最終ルーブリック総合評価:基準点以上
松江ゼミとして「漢方薬エキスパート」認定
参考図書 理論:[詳解]中医基礎理論 著 劉燕池・宋天彬
弁証:中医弁証学 著 柯雪帆
診断:中医診断学ノート 著 内山恵子
相談技法:問診のすすめ 著金子朝彦 邱紅梅
以上 東洋学術出版
気・血・津液のマインドマップ作成:バラバラの知識を紐づけていく作業
逆症例検討:証から得られる情報を基に患者像を創っていく。
私はだれで証?: 後ろのボードに書かれた証を見ないで他の研修生との質問や答えを
もとにして証を当てていく
中薬トランプ:中薬カードのなかから治法に合う中薬を選び処方を作り上げていく。
CBL:実際にありそうなケース(患者像)をもとに、学生が考え・議論し、解決に向かうプロセスを学ぶ方法
★このカリキュラムでは実践的な漢方相談能力の習得を目指す「中医学演習」の教育プログラムを詳しく解説しています。カリキュラムは、基礎理論の理解から始まり、体系的な証の分類法を経て、最終的には模擬患者を用いた実技演習へと段階的に進む構成です。学習者はグループディスカッションやケースベースラーニングなどの能動的な手法を通じて、患者の背景に応じた適切な処方提案や専門家としての自覚を養います。独自のゲーム形式の演習やマインドマップ作成を組み込むことで、断片的な知識を臨床現場で活用できるスキルへと統合させる工夫が凝らされています。最終的には、試験や実技評価に基づいて、漢方の専門家としての能力認定が行われる仕組みとなっています。