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歌舞伎町スナイパー 感想

元韓国軍スナイパーの権徹が、カメラマンとして歌舞伎町を撮り続けた景色を綴ったもの。

この人すごいわ。日本でも有数のヤバい土地、歌舞伎町を18年にわたって撮り続けるそのメンタル。警察にもヤクザにも、その他外国人マフィアに脅迫され続けるも、それに屈しない。睨まれつづけて10年もたてば、気に入ってくれるヤクザや警察にも出会うようだ。でも、10年だからなぁ、他の人間には真似できないだろう。

韓国では徴兵制があり、そちらでの経験も綴られている。そこでの屈辱的な経験が活きたのだろうか、人間としてのタフさを感じる。

写真家になるための勉強をするため日本に留学した著者。でも日本語が分からないので、まずは日本語学校に入る。留学斡旋ブローカーにだまされ、何十万も払ったのに、狭いマンションの一室に何人も住んでいる寮に押し込まれる。そこでの生活に耐えられず、布団を持って電車に乗り上野公園に行く。ホームレスに助けられハウスを自作し、そこで寝起きして学費と生活費を稼ぐ。

強い。異国の地で、言葉も分からないのに、ホームレスしながら金を稼いで勉強するってすごいわ。道も分からないのに、トラック運転手をやり、配達の縁で、歌舞伎町を知る。そして、歌舞伎町に魅せられた彼は、歌舞伎町を夜な夜な歩き、そこで起こるトラブルや日常をカメラにおさめていく。

路上で喧嘩し相手をボコボコにするヤクザに「もう歌舞伎町に来るな、次来たら殺すぞ」と脅されても、相変わらず足を運ぶそのメンタル。警察に何度連行されても、めげない胆力。

ポリシーがしっかりしているのもいい。ヤクザとも警察とも、しっかり距離をとる。でないと取り込まれてしまうから。

黒塗りの高級車からホストクラブへと消えていった女性は、結局皇室の人だったのだろうか?絶対にバレないと思ったところからその瞬間をカメラにおさめたのに、ボディガードに見つかりデータを消去されてしまったらしい。軍のスナイパーだった人間の自信をも砕く察知力を持ったボディガードが付いているんだから、よっぽどの身分を持った女性なのは間違いない。仮に皇室の女性だったとしたら、国民の税金を使ってホストと遊んでるんだからよっぽど問題だと思うのだが。

面白い一冊だった。




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