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『僕には鳥の言葉がわかる』感想

今年読んだ本のなかでもトップレベルで面白かった。ユーモアたっぷりで、専門的な話なのに読みやすい。本当に素晴らしい一冊。

著者の鈴木先生、東大の准教授だけど、見た目が大学生で若く見える。好きなことを好きなだけ追える生活をしていると老けないのかもしれない。

シジュウカラは言葉を持ち、しかも文法もあるということを証した鈴木先生。これまで言葉を持つ存在は人間だけだと考えられていたから、常識に大きな一石を投じ、世界に衝撃を与えた。

シジュウカラの言葉は種を超えてコガラやヤマガラにも理解される。この、種というのは、たとえばホモ・サピエンスの言葉がゴリラにも理解されるみたいな感じなのだろうか。だとしたらそれはすごいことだし、人間はシジュウカラやコガラ、ヤマガラをどのような基準で分類したのか気になった。

鈴木先生は、受けた批判や反論に対し、斬新な実験手法を思いつき、そして新しい発見をすることでさらに自分の主張を昇華させている。その実験の思いつき方も、ルー大柴から着想したりするなど、とてもユニークであり、世界中の動物学者から称賛されている。

本の至るところでさらっと書かれていてついつい読み流してしまいそうになるが、研究者はかなり過酷な環境にいる。毎日10時間以上鳥を観察し続け、滞在先で米しかない状況になっても、買い物より実験を優先する。より厳密な実験をするため、それまでの3カ月分の実験データを捨ててしまう。関係ありそうな論文のほとんどは読破する。一般人には耐えられないことを苦も無くできないと一流の研究者にはなれないようだ。

言葉といってもそれは様々で、たとえば木は鹿などに葉を食べられそうになると、特定の物質を発散するらしい。それを受けた他の木は鹿などが嫌う物質を出し食べられにくくするという。これも一つの言葉で、人間がまだ発見できていないだけで、多くの動植物が言葉を持っているのだと思われる。

そうすると、言葉とは一体なんぞやという問いが生まれるし、では、文字を人間以外の動植物は持っているのかという疑問も浮かぶ。

優れた作品は、それを読んだり観たりする人に新しい問いを与えてくれる。そういう意味で、鈴木先生の『僕には鳥の言葉がわかる』は本当に素晴らしい一冊だった。




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