途中工場現場に置いてあるカラーコーンに、犬の小便をかけるなというはり紙が貼ってあった。東京の犬はカラーコーンにおしっこするんだなぁと思った。

天気が怪しくなってきたので、途中中野ブロードウェイに立ち寄り、ネットカフェで『アンダーニンジャ』を読んだ。これだけ伏線をはりまくり、とぼけまくるマンガも珍しい。いやー本当に面白い!
雨もあがったので東中野まで歩いていく。ポレポレ東中野の映画を観に行く。上映中の映画で一番面白そうな『アジアのユニークな国』を観る。
自宅で義理の父の介護をしながら、違法な風俗をやる曜子。隣人は気付き、夫は気づいていない。
曜子は安倍晋三を憎んでいる。安倍晋三への憎しみは曜子の風俗に対するスタンスを形成している。脂ぎった親父であっても、安倍晋三を嫌う客であれば本番行為もさせてくれる。しかも中出し。一方で、どんなにイケメンの若い客であっても、安倍晋三を支持する客は、それが分かった場合出禁にする。
この映画を観ていて、物語の力の大きさというのか、それを感じた。人は物語や記号を消費して生きている。曜子にとって大事なのは、客が安倍晋三を嫌っているかどうかで、ルックスその他は関係ない。一方、客の男性は普通の家でいけないことをやっているという背徳感が行為の気持ちよさを増幅させている。
曜子みたいな女性って現実にけっこういるのだろうか。彼女は安倍晋三を憎んでいるが、政治に詳しいわけではなく、極めて曖昧な理解である。安倍の長期政権があって、コロナで曖昧な感じでやめて、コロナが終わったあとでも、社会は特に変わらない、よくなっていないと曜子は思っている。そんな曖昧な理解であるのに、憎しみは極めて激しい。イケメン客が安倍晋三を支持していると言った途端、涙を流し始める。曜子は安倍晋三に直接何かをされたわけでもないのに、憎しみが極めて強い。安倍とそれを支持する人を生理的に受け付けない。
曜子は妊娠する。確率的に、夫ではなく脂ぎった親父客の子だと思われる。夫は喜ぶが、曜子は安倍晋三が殺されて良かったと思ったから天罰があたるとか、果てはガザの話をもちだし悲観する。ならばなぜ中出しさせるのか。自分はこういう人間にはイライラがとまらなくなるのだが、夫は懐が深いな、優しく大丈夫だからと声を掛ける。
隣人の女性も興味深い。客との行為で喘ぐ曜子の声が気になって仕方がない。ずっと耳をそばだてていて、子どもの声にも気づかない。友だちや警察に相談するも証拠がないと相手にされず、だんだんノイローゼ気味になっていく。
にしてもこの映画、R18とはいえ、脂ぎった親父のチンポがモザイクなしに堂々と開陳されていた。これはいいのか?芸術だから?さすがに曜子のまんこは映し出されていなかったが。
あー、昨日と明日は曜子を演じた役者と監督の舞台あいさつがあったのに、今日はなかった。明日行くんだった。
帰りはJRで戻ってきた。川崎や目黒のほうは電車がとまっているらしいが、中央線は問題なく動いていて助かった。