祖母は要介護度3の認知症で、すぐに忘れる。この前デイケアで転倒して頭から血を流し病院に運ばれたが、その日の夜には転倒して頭から血を流したことも忘れていた。
認知症だけでなく、糖尿病やら過敏性膀胱やらいろいろ患っている。まぁ、ボケる前から何十年もベッドのうえでボリボリお菓子食べながらテレビを観る生活をしていれば、誰だって認知症や糖尿病になるだろうな。
認知症になって脳が萎縮すると、人からどう見られるかというのを気にしなくなるらしい。すべてがみっともない。食べ方から見た目から、何もかもがみっともない。ごはんとおかず、みそ汁を全部混ぜて食べていたりするし、祖母はハゲていて見た目が林家木久扇なのだが、以前は気にしていた薄毛も、認知症になったら気にしなくなってしまった。
過敏性膀胱がひどくて、5分おきくらいにトイレに行くこともある。そして30分以上トイレから出てこないこともよくある。過敏性膀胱の場合、尿意を感じても我慢することが必要らしいが、認知症のせいでトイレに行ったことも忘れるので我慢できない。脳も身体もおかしくなっているので、トイレに頻繁に行っても漏らすことがよくある。デイケアでは「便所おばさん」と呼ばれているらしい。
まぁでもまだましなのは足腰が弱いから徘徊して行方不明になることがないし、もらした便で遊んだりしないこと。財布が盗まれたとかいう被害妄想がないこと。母親はすぐにキレる人間だから、もらした便で遊んでいたら殺していたかもしれない。認知症介護で、辛うじて殺意を抑えている人はたくさんいると思う。差別になっちゃうけど、傍から認知症の人間を見ていると、人間の形をしているだけのべつの生き物にしか見えない。
とはいえ、これは傍から観ていればの話で、本人はもう何もかもすぐに忘れてしまうし、何も気にしていないように見える。だからもしかしたら一番幸福な状態なのかもしれない。この点だけみればとてもうらやましい。
最近というか前々から、嫌な出来事や人間のことを思い出しては、落ち込む。あークソとなる。なんか癖になっているのか、昔の嫌なことを思い出してしまう。いい出来事とかは思い出さないのに。だから、祖母を見てはうらやましいと思うのだ。過去の嫌な出来事とか人間だけ忘れる認知症ならいいのに。
認知症になるのは死への恐怖からという説を聞いたことがある。たしかに、認知症になると死への恐怖が薄らぐか無くなるのかもしれない。まぁ本人はそれでいいかもしれないが、周りへの迷惑を考えれば、自分はやっぱり認知症になったら安楽死したいなと思う。