https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2025/02/18/141756
さて、スーパーのセルフ・レジだけど、使う度に面倒臭い労働をお客様がやらなきゃいけないとうんざりする。ユニクロのセルフ・レジは画期的だった。機械に商品を置いただけで機械が品名と値段を把握しその場で会計が完結する。それに較べて、スーパーの場合、何故商品1つずつバー・コードをかざす必要があるのか。何故、ユニクロ水準の技術を採用しないのか。
数年前に、GUに行って服とズボンを2点買おうとセルフレジに持っていった。たぶん、ユニクロと同じシステムだと思うが、商品の入ったカゴを置いたら、即座に会計ができた。
ところが、会計を見ると3点表示されている。どう見ても2点しかないのに。店員を呼んだら、「あぁはいはい」てな感じで、商品のポケットをまさぐり始めた。すると、ポケットから別の商品のタグが出てきた。
あとで調べてみると、盗みたい商品のタグをハサミか何かで切り離し、別の商品のポケットに入れておく輩がいるのだという。危うく自分はどこかの盗人の分まで金を払いそうになった。
ということで、ユニクロ式セルフレジが広まらないのは、以上の理由からだと思われる。
あと、コメントで初めて知ったが、ユニクロはRFIDタグというシステムを採用していて、これは便利なシステムだけどコストがかかるらしい。勉強になった。世の中知らないことばかりである。
https://rfid.tss21.co.jp/knowledge/whatsrfid/basic_tag.html
けれど、ユニクロとかGUと違って、普通のスーパーとかはタグじゃないだけに、むしろ普及してもよさそうなものだけど。消費者に労働させる分、セルフガソリンスタンドみたいにちょっと値引きしろよとは思う。
今日仕事からの帰り道、マックス・ウェーバーの理念型について考えていた。たとえば物理のテスト問題で、〜の速度を求めよ。ただし空気抵抗については考えないものとするというのがある。この問題を解くときは、公式に数字を入れて速度計算するわけだが、公式で空気抵抗は考慮されていない。物理の公式はみな理念型で、あれは空気抵抗などのノイズを排除したものだ。こういったノイズを排除した純粋なモデルを理念型という。
世の中には、いろんな問題に対していろんな解決策を提案する人がいる。たとえば、地球の持続可能な未来のための、脱炭素とかSDGsとか、斎藤幸平の脱成長コミュニズムだとか宇沢弘文の社会的共通資本とか。まぁ詳しい内容はよく分からないけど、たぶんこれらが地球規模で実現されれば持続可能な未来は訪れるのだと思う。
だけど、思うにこれらはみな理念型なのだ。つまり、物理の問題における空気抵抗を考慮しないのと同じなのだ。ここでの空気抵抗とは、人間の愚かさである。
めんどくさい、かわりに誰かがやるだろう、でも経済回さないといけないし、グレタ・トゥーンベリは後ろで大人に操られている。こういった類の文言を振り回すことで、だれもが喫緊の課題から目を背ける。だから環境問題は解決しない。環境問題の解決策に、人間の愚かさを勘定に入れておかないと、それは結局理念であって現実的な案にはならないのだ。
環境問題だけでなく、世の中のさまざまな課題に対して、すばらしいアイデアなのになぜか実現しないのは、背後に人間の愚かさが潜んでいるからである。利害対立する人間がそれを邪魔しているからである。
ユニクロ式セルフレジが普及しないのも、その一つの理由として、結局のところ人間が愚かでタグを切り離して盗む輩がいて、それに対する解決策が見つかっていないからかもしれない。
本当は、社会はもっと便利で豊かになっていていいはずなのに、そうならないのは人間が愚かだからということにつきる。
河野大臣がはんこを廃止しようとしたけど、はんこ業界が猛反対して、いまだにはんこはなくなっていない。こんな感じで、世の中は複雑に利害が入り組んでいて、しかもグローバル化によって世界レベルで利害が入り組んでしまっているから、先進国の与党は軒並み国民からの支持を失っている。あちらを立てればこちらが立たずでにっちもさっちもいかなくなっている。
だからこそ、トランプや極右政党のような乱暴者が支持を拡大させることになる。利害対立にのみ込まれなにもできない政治家よりは、暴力的に事態を動かせる政治家が今後幅を利かせることになる。前者のような八方美人の偽善者よりは、後者のような半分からしか支持を得ない乱暴者が躍進する。そしてそれはつまり、分断がより深まるということである。
資本主義は利子の自己増殖運動だから、否応なしに経済がグローバル化して今日のような社会になったけど、一方で政治はグローバル化の進展に伴って否応なしに分断が深まっている。国会議員は本来国家の利益のために存在するわけで、国際社会の利益のための存在ではないのだ。しかしグローバル社会である以上、国際的なレベルで政治をやらないといけないわけで、国家とグローバル社会のジレンマに対して何も解決策を見いだせていないのが先進国の政治家である。これはおそらく避けられない運命だったし、経済と政治が対立しどちらかが破局を迎えるのも時間の問題であるといえる。
ユニクロからこんなところまで話が逸れてしまったけど、言いたいことはつまり、人間は愚かだということである。