昨日から今日にかけて、雨がひどく寒かったので、家でテレビをずっと観ていた。
日曜の昼から、日本の技術の底力ということで、鉄道の特集がされていた。トロリー線という電車の上を通っている線や列車のドア、四十年放置されていたSL車両の復元、線路と道路の両方を走れるバスの開発など、めちゃくちゃ面白かった。日本の技術の素晴らしさを堪能できた。まさか、列車のドアが薄いアルミ板と紙でできているとは!
次に観た、屋久島の巨大樹を探す番組も面白かった。空からどこに巨大樹が生えているかをマッピングしていって、その後屋久島でツアーガイドをしている人たちが地道に巨大樹を探していく。高さ40メートルを超えるものや、周囲15メートル近くのもの、樹齢数千年の巨大樹が次々見つかっていた。とても興味深かったのは、巨大樹の上のほうで伸びている枝につく苔に枯れた葉が堆積し土となり、そこに地上では見られない植物たちが新たな生態を形成しているというシーン。あとは、屋久島では鹿と猿の仲がすごくよくて猿が毛づくろいしてあげてたり、鹿が猿を背中に乗せてあげていたりしていたのが印象的だった。
その次に、フジテレビのノンフィクションで東京の家賃二万五千円の物件に住む夢追い人たちに密着した番組を観た。日曜に放送されていたのは後編で、録画しておいた前半と合わせて観た。
一人は石川から出てきた33歳の演劇青年で、もう一人は埼玉から出てきた27歳のお笑い芸人。もちろん、二人とも売れていない。
自分も世間的な価値観からすれば、彼らとどっこいどっこいのレベルだから親近感が湧く。べつに自分は夢を追っているわけではないし、演劇やお笑いのような厳しい道を歩んでいるわけではないけど。世間の価値観よりも、自分の価値観を優先する彼らの生き方は、どんなに稼いでいる人たちや偉い人たちよりも眩しく見える、とくに演劇青年のほうは。あるいは、選んだというよりもこれ以外の道を歩むことができなかったというほうが正確かもしれない。いずれにせよ、家賃や生活費をギリギリに抑えて、自分の選択した道に時間とお金を全振りするというのは、なかなかできることではない。しかし素人目に見ても、二人とも成功できるようには全く見えなかった。彼らは何歳まで、自分の可能性を信じ続けられるのだろうか?
だからこそ、尊い。底を這い泥水をすする者にしか醸し出せない独特の匂いがあるからだ。自分にとっては、こういう人間のほうが、社会で成功している者たちよりも、人間的な臭みを感じて面白いし興味深い。彼らは、コスパやタムパという合理的で極めて資本主義的な、ゆえに極めてつまらない現代社会において絶滅危惧種の人間たちだ。昔は、こういう人たちがたくさんいたんだろうけど。お笑いにせよ、演劇にせよ、コスパやタムパなんて言葉はオレの辞書にはねぇ!みたいなやつにしか挑戦できないだろう。だから尊いのである。成功してほしいけど、しないでほしい!
報道番組の偏向性の酷さとか、規制に次ぐ規制とかを鑑みても、テレビはオワコンと言われて仕方ないと思うが、言っても「マス」メディアで、個人でやるユーチューバーとは比べ物にならないくらいの力はあるのだから、マスにしか作れない番組を作っていってほしい。