【前回までのあらすじ】なんかしらんけど大阪から京都まで徒歩で行ってみた~い!という思い立った筆者。「京街道」を上ることとし、午前6:00前に京橋駅(大阪市)を出発、方向音痴のため道に迷うなどしつつも午前11:00頃枚方市に入る。この時点で2~3万歩。
前篇はこれです:
■ 光善寺から枚方大橋へ
「木 家 家」という微妙な目印(前篇参照)に従って淀川沿いを逸れ、川と一号線を横断し、光善寺を目指します。


マンホールが菊の模様だ!

枚方といえば菊。私は学校から「枚方パーク大菊人形」を写生に行った世代の者。
細いひっそりとした坂道をずっとゆきます。由緒ありげなお屋敷が並ぶ街並みはいかにも街道沿いという感じ。
蔵の窓の装飾(この部位、なんか名前があると思うが分からない)が蝶の羽のようになっているのを見つけました!

素敵だなあ。他にも、珍しい瓦の装飾をたくさん見ました。写真を撮っていませんが、亀の形になっている瓦が美しかった!
「蓮如の腰掛け石」、思ったより小さい。光善寺は蓮如が開基だそうです。


坂道をしばらく上ったところに光善寺がありました。京阪電車の駅名になっているので、名前は知っていましたが、こんなお寺だったんだな~。(ちなみに駅からはだいぶ遠い)


瓦にも菊?(蓮如菊?)

少し境内を眺めたところで……雨が降ってきました! 予報では昼過ぎより雨と聞いていたがまだ11:30。思ったより早かった。どうしよっかな~としばし軒を借りて思案しましたが特に周辺に雨宿りする場所もなさそうなので、引き続きふつうに歩くことに。

ここから枚方大橋までは特に目立つランドマーク的なものはなさそうです。そしてこういう道は、迷う! 雨の中、また同じ道を行ったり来たり。古い街であろう光善寺付近は小径が複雑でやたら行き止まりにぶつかって難儀しましたがやがて新しそうな広い道に出ました。延々続きそうなニュータウンめいた広い並木道。晴れなら歩きやすかろうが雨の中はひと気もなくてなかなかしんどい。ここで知らん老女に「●●小学校ってどこ!?」と呼び止められ、地元の者やないのでアレですがたぶんあっちモゴモゴ……と答えているとキレられてしまいました。
イイ感じの川に出ました! 欄干がかわいい。

「水面廻廊」と名付けられた水路沿いを歩くと枚方宿へ着くっぽい! わ~い。

公園に出ました! 良き広場。雨だけど。三十石船を模したやつがありました。


斬新なキャラ。ひらっきー。

ひらっきーのプロフィール:
まち美化シンボルキャラクターひらっきー | 枚方市ホームページ
絵画みたいな壁

適当なところで地上にで出ると、そこが「枚方宿」のはじまりでした!
■ 枚方宿散策
枚方宿は一度ゆっくり歩いてみたかったのですが、なぜかこれまで機会がなかったところ。今回ここを歩くのを一番楽しみにしていたので嬉しい。枚方って、京都人にはひらパーでおなじみの土地ですが(私にとって遊園地といえばUSJでもデズニーでもなくひらパー)、宿場町がこんなにきれいに保存されてるなんて最近まで知らんかったのでした。
どの建物の前にも菊が置かれていました。


時間はちょうど12:30。やや空腹。
資料館を見て、その後、なんかオシャレカフェなどもあるらしいから宿場町で昼食を……と思っていたのですが、あいにく鍵屋資料館は休館日、そのためか周囲のお店もだいぶ閉店していました。閉店力!!

開いてるお店もあったんですがなんか入りそびれ、しかしまあプラプラ街並みを見て歩くだけでも充分楽しいので。雨の宿場町の風情もまた良きでした。






ところどころに説明板や昔の写真が掲示されており、街道沿いの人々の、この地域を大事にしている様子が伝わります。ふと抜け道の向こうに淀川の堤防が見える風情も素敵。




そーいえばくらわんか餅を買いたかったが買いそびれた……。


茶色いコカ・コーラがあった! 京都人は「セピア化された看板」の類が好き。自販機の向こうに見えるのは京阪の線路かな。




こういう「歴史というほど古いものではないが微妙に古いもの」が残っているのも好き! サワノツル自販機のデザイン、すごくいい。

歩いていたらば京阪枚方市駅前ショッピングモール「ビオルネ」がありました。いつも京阪特急の窓から見えるやつだ~~。この日は「京都に着いたら妹に誕生日プレゼントを渡す」という影のミッションもあったので、ここの雑貨屋で買い物をしました。

ビオルネをちょっと過ぎたところが駅前。チェーンの飲み屋や牛丼屋に囲まれて、道標が残されています。


かつては安居川が流れていたらしい「枚方橋」跡がありました。

引き続き東見附のほうへ歩きます。

古い住宅を見て写真撮ってると、「若いのにえらいお好きですねえ」とご婦人に声を掛けられました。雨の様子を見に外に出てきた地元の方でした。えらい由緒ありげなおうちがあったので、あれは記念館かなんかですか?と尋ねてみたところ、普通に人が住んではるおうちとのこと。「ここらへんはどこも百年、二百年続く建物で、うちも建物の一部は慶応年間に建ったもの」とご婦人。この方は遠方から嫁入りでやってきて当時はそれはそれは大変だった……というお話を15分くらい聴きました。
ここが宿場町の端っこ。東見附跡。(地元の方によるとここで外飲みしてゴミだらけにするやつが後を絶たないらしい)

東見附から歩いてきた通りを振り返るとこんな感じ。保存されている古い建物と新しいおうちが混在しています。

■ やっと昼飯
さて、ここから鵲橋を渡ればよかったんですが、なんか建物(新しいショッピングモールみたいなやつ)に迷い込んでしまい、気づけばまたももと来た方向に大回りして戻っていたらしく、枚方市駅に戻ってきてしまいました。??? 「地図の読めない女、話を聞かない男」てあやしいベストセラー本が昔ありましたね。私は地図も読めず話も聞かないので無能面における両性具有といってよいでしょう。しかしええ感じの駅ビルで昼飯を食べることができたので結果的にはよかった!
喫茶エリート

このビルは好きな感じの喫茶店がたくさんあって、「木馬の館」と「エリート」とでめちゃめちゃ迷ったんですがこっちに入ってみました。厭味なインテリセレブみたいなやつが出てきたらどうしようと思ったのでしたが(※勝手な「エリート」のイメージ)、とても良い感じのお店でゆっくりできました。
「エリートセット」を頼みました。

ビル・エヴァンスのレコードがいっぱいあった。
このお店はまた来ようっと。超歩いてきたものだからなんかすごく遠方に来たような気になっていましたが、実際は電車でいつでもスグに来れる距離ですからね……。
エリートに落ち着いた時点で、時間は14:00前、スタートから8時間が経過。やっとまともに座った! 距離は約29km、歩数は約42000歩でした。膝は大丈夫だけど、「脚の付け根がやや痛い」という症状が生じており、脚の付け根は盲点でした。
■ 樟葉へ(修行)
思いのほか昼飯が遅くなってしまいました。京都府に入りたいなぁ……できるかな……と思いつつ、枚方市駅から樟葉方面を目指します。駅からどう出ていいかさっぱり分からんかったのでエリートの店員さんに道を訊いたところ親切に教えてもらえました。
天の川にかかる「鵲橋」を渡ります。


このへんは天野川の名前にちなんで、ロマンチックな名前の建物やらなんやらがあちこちにあります。

守口市~枚方市間は、京阪電車のルートと街道は解離していましたが、このあたりからはほぼ京阪電車と並走する形になります。そのため、景色もなんとなく電車の窓から見たことがあるような感じで安心感あります。でもやっぱり、走る電車の窓から見るのと実際に歩くのは違うなあ。

怖い何か & よき電話マーク


15:00頃、御殿山駅を通過。降りたことないけど夢に出てきたことある駅だ!
焼そば定食安いな……ええな……

三栗のあたりでいったん裏道に入り、さらに線路の向こう側に抜けます。三栗と書いて「めぐり」。



坂道を上ります。このあたりは「黄金野」というらしい。きれいな地名。
なんかニュッと立ってて面白かったやつ。

黄金野の名にぴったりな風景。名がついたときはこの植物もこの風景も無かったでしょうが……


ここで、やってきたほうに「大阪」、進むほうに「京都」と書かれた灯篭に出逢い、おおお~~ついに京都か!! と一瞬テンション上がりましたが、よう考えたらまだまだ枚方市でした。



ここはなんだか分からなかったので後で調べたら、片埜神社の鳥居跡らしいです。石に書かれてる「一宮」は神社の通称なんですね。
再び坂を降りると、穂谷川に出ます。

川へ向かう勾配を下から見上げるこういう風景、「普遍的に好きな風景」だなあ……と思いました。「夏のぬけがら」感を感じます。
とても有料に見えない駐輪場

気になるケーキ屋さん、気になる商店街などを横目に見ながら…



15:40頃、牧野駅通過! 駅前に京都銀行があり「京都」を感ずる!

樟葉まであと一駅分です。枚方-樟葉間は京阪特急だと一駅で一瞬ですが、歩くとこんなに遠いのか!
ここからはひたすら線路沿いをてくてくゆきます。
なんかいい看板


いったん線路を逸れて船橋川にかかる「樟葉橋」を渡ります。そーいえばチャリで走ったときもこのあたりは淀川に流れ込む支流がたくさんあったのでした。
普遍的に好きな風景その2:



うーん、雨が強くなってきました。

川を渡るとひたすら、右手には線路、左手には交通量の多い道路と広大な河川敷、という景色が延々続きます。そしてよりによって、雨宿りする店なども特にないこのあたりで、雨と風が激しくなってきた!!

雨の日は雨の日でいいさ、と言うたものの、別に防水ではない足元は濡れるし貧弱な折り畳み傘が風で何度もバッシャーンと裏返りそのたびに飛沫がバッシャーンとかかるしこら堪らんわ。基本的に歩いて通る道ではないのか自分以外に歩行者の影もなく、左右はわたくしめの心象風景のような景色が続きます。

レーダーによるとこの後に雨はやみそうではあるがそれを待つ軒もないのでひたすら歩くしかありません。思えば以前もチャリで淀川を走った際、樟葉にさしかかる手前で後輪の空気がすべて抜け、走れなくなった自転車をひきずって自転車屋を探し歩いたのもこの道だった!! 他、諸々省略しますが樟葉にはろくでもない思い出もあるし………なぜ樟葉はいつも修行になってしまうのか!?
このあたりは傘を支えるので手がふさがっていたためLINEに入力することもできず、以下のように、音声メモを利用して記録しました。

あとで聞いてみたところ、「よりによってなんにもないところで雨。この道は以前にも来た道。毎回修行のターンが入ってしまう。『走れメロス』を思い出すが、セリヌンティウスも待っていないのに何故に私は歩き続けるのか?」というようなことを申しておりました。
■ 樟葉から京都府に入れるか!?
ようやく樟葉の駅の端っこが見え、くずはーーーー!!! となりました。16:30頃。スタートから10時間が経過しようとしています。ここまでで約38km、54000歩。
とりあえず濡れてんのをなんとかしたいのと妹の誕生日プレゼントを買いたいので(まだこのミッションが終わってなかった)くずはモールに入りました。「妹の誕生日プレゼントを買いたい」ってちょっとメロスぽいな……。
モールに入ってソファに座ると、それまで意識していませんでしたが、ふくらはぎが腫れたように痛いことに気づきました。実際見た目には腫れてないのだけど、まるでボール状になっているような感覚。a very merry Christmas and a happy new year……が流れてきました。今年初めてのクリスマスソングや……。せっかく樟葉モールに入ったのでいろいろお店みよーっと、と思い少しうろうろしたのでしたが、「それ自体を目的として行くショッピングモールは楽しいが、エクストリーム徒歩の途中に立ち寄るショッピングモールは異常に疲れる」という学びを得ました。
さて、樟葉駅は特急も停まることだし、ここで京阪電車に乗ってリタイヤしてもよかったのですが、ここまで来ると京都府に入りたい!!
モールを出ると17:00、すっかり暗くなってはいますが、まだ行ける! ってことで徒歩再開。

縁もゆかりもない空手道場のポップな書体のお言葉も私を応援してくれている……

なんかかわいい中くずは

このへんいろいろ気になるけれど暗いのでなんも見えませんでした。

途中から完全なる住宅街を歩くことになります。日の暮れた後の住宅街ってなんであんなに不安を覚えるんでしょう。人々が住んでいる土地のはずなのに。昔々、赤羽駅から荒川土手に出たくて延々と真っ暗な住宅街を歩き続けたときの気持ちを思い出しました。そして、「そろそろ京都か……?」と期待して住所表示を見るんですが、見るたびにまだ大阪府。「大阪府! なんぼだけ広いねん!」と(勝手に歩いといて)キレ始めるオレ。行けども行けども枚方市。この世ってほとんど枚方市なの?
やがて樟葉砲台場跡に出ました!

暗くてなんも見えない! しかしここ、京阪電車から見えるあそこだよね! わああ。
なんかの竣工

線路が見えて、いつも電車から見る風景、いつも電車から見えるしまむらとスーパーマツモトが現れました。


ここでまたも道を誤って迂回! なんかこんもりしたところに隔てられ線路から離れてしまいました。
こんなささやかなこんもりも、日が暮れると果てしなく見えます。
そして……なんかうごうごしてる間に、知らん間に京都府に入っていました!
うわーい! 八幡だ~~マンホールに「やわたし」の文字が見える!

嬉しすぎて「京都」と書かれたものの写真をすべて撮る。

橋本駅前の西遊寺

渡舟の碑がありました。ここから柳谷観音や善峯寺へ参詣する人もいたんですね!

ポストさえ美しく見えます


欲をいえば京都市に入りたいところでしたが、もう暗いし足も痛いしここで打ち止め。妹の誕生日プレゼントも渡さなきゃだし……。ってことで、橋本駅から電車に乗ることとしました。橋本駅で間違って逆のホームに入ってしまう最後のミスがあったものの、無事京都方面へ。「電車速えええ」とびっくりしてしまいました。
最終的なstravaの記録としては、
・9時間30分(止まってる時間除く)
・41.33km
・60574歩
あとで調べたところ参勤交代ではだいたい1日3~40km歩いたらしいので、いつ参勤交代を命じられてももう大丈夫です。しかしフルマラソンの人はこれよりちょっぴり長い距離を走るんですよね。異常では? 今回京都市入りできなかったので、続きは近々歩きたいと思います。ふくらはぎは寝たら治りました。
