先日、ネットで話題になっていた本を読んだ。どこかの記事でおすすめされているのを見かけ手に取った一冊。
読んでみると、自分にとっては気づきが多い本だった。また時間を置いて読み返すことになるだろうと思う。
読みながらふと思い出したことがあった。それが、僕にとってのエレクトーンの先生のことだった。
僕は幼稚園の頃からエレクトーン教室に通っていた。中学3年生まで、ずっとである。
先生は2度ほど変わったが、最後に教えてもらっていた先生とは、小学校4年生あたりから中学卒業までの付き合いだったと思う。振り返ると、ずいぶん長い。
先に言っておくと、僕のエレクトーンの腕前は大したものではない。
今ではもう弾けないかもしれないし、弾けたとしても人前で披露するほどではない。練習すればなんとかなるとは思うけれど、もう指が動かない気がするので苦労しそうだ。
エレクトーンに興味を持ったきっかけは、通っていた幼稚園にマハのエレクトーン教室があったことだった。週に1回、エレクトーン教室が開催されていて、
鍵盤が2段ならんでいるエレクトーンの見た目、
いろいろな音が出ること、
そんな様子を教室の外から見て憧れたことがきっかけだった。小さい子にとって、習い事を始める理由はこんなものだろう。かっこよかったんだから仕方ない。
そんなわけではじめたエレクトーンは不思議と続いた。教室には週に1回通っていた。
話をエレクトーンの先生の話題に戻す。
そのエレクトーン教室では、レッスンが始まるとまずは挨拶をする。音楽教室らしい流れ。
レッスンでは何をしていたかというと、
先生が練習している曲の話を聞いたり、
流行っている音楽や歌手の話をしたり、
学校のことを話したり、
が正直多かった。
僕は弟と一緒に通っていたので、先生は二人分の話を聞いてくれた。
たまに先生のお子さんが教室にいることもあって、一緒に遊んだりすることもあった。
もちろん、練習してる曲もあるから、演奏して先生に教えてもらう時間もある。年に一度くらい発表会があり、その時期はその曲を練習していた。
ちなみに、一度だけエレクトーンの技術試験?も受けたが、どの級だったのかはもう覚えていない。試験は受かったが、大したレベルのものではないのでまあ当然なのだろう。
正直に言うと、僕も弟もあまりエレクトーンの練習はしていなかった。発表会前はさすがに弾いていたが、それでも1週間に1時間もしていなかったと思う。
先生は当然分かっていた。それでも叱られた記憶はない。いつも穏やかで、僕たちの話をよく聞いてくれた。
そのおかげかどうかは分からないが、学校の音楽の授業で困ることはなかった。
歌や演奏はもちろん、テストも問題なくできていた。楽譜も読めたし、音を聞いて答えるような問題も特に難しくはなかった。ピアノ教室に通っている子たちと同じような感覚だったと思う。
音楽は特別なものというより、身近なものだった。それは明らかに先生のおかげだった。
冒頭で紹介した先日読んだ書籍にこんなことが書かれていた。
「わたしは本当に音楽の道に進みたいと思っていたから、厳しい先生でもがまんできた。でも、うちに習いに来る子たちは、音楽を楽しみたいと思って来る子が多いでしょう?だったら先週のレッスンのあと、何も練習しないでここに来たとしても、ここで練習して、ここで少しうまくなって、『楽しかった。また来週もこよう』と思ってくれればいいの。わざわざ来てくれた子を、音楽嫌い、ピアノ嫌いにさせないようにしたいんですよ」
これは、子供の習い事を続けるべきか、やめるべきか、悩んでいるお母さんに対する著者の回答の一部。著者の奥さんが音楽教室をやっているらしく、その奥さんの言葉を引用し、著者が習い事との向き合い方を変えてみては、という趣旨の話(音楽を一緒に楽しむ場を大事にしてくれる先生を探してみては?、という提案)をしている中での言葉。
子供の習い事、というのは悩ましいものだと思う。うちの娘はまださすがに習い事には行ってないけれども、英会話教室に行かせるべきか悩んでいるので気持ちはよくわかる。著者の回答もごもっともだと納得した。
なるほどな、と感心していたところ、ふと我に返り、僕が通っていたエレクトーン教室の先生のことを思い出した。先生は著者の奥さんと同じことを考えてくれていたのだな、と。
当時はそんなこと考えたこともなかったが、先生が僕の人生に大きな影響を与えてくれたのはたしかだなと思う。良い先生に出会えたよかった。
僕は今、滋賀県の大津市に住んでいる。先生は、僕が育った愛知県に今も住んでいる。もう30年近く会っていない。久しぶりにお会いしたいな、と素直に思った。
うちの娘たちも良い人に出会えると嬉しい。親ができることは限られてるが、そういう出会いや場を用意していくことが大事なんだろうなと思う。難しいなー。

↑諸々あって長女も保育園をお休みしてて、僕も仕事お休みした日、近所のゲームセンターに来た時の様子。いつもは激混みの場所だけど空いててゆっくりできた。
