
「静かなる男」を見た。
ゴールデンコンビによる愉快な寓話だ。
物語は、アイルランド生まれの男がアメリカから帰ってくるところから始まる。
そこは〝アイルランド魂〟に溢れる愉快な人々が住んでいた。
汽車から降り立った男に道案内を買って出る。
自分こそが面倒を見るのだと人々が集まって来る。
町の酒場では、男がこの町生まれだと知り、酒盛りが始まり、歌を唄いあう。
男女交際もアメリカとは違う。
代理人を立ててのプロポーズ。
デートも代理人立ち会いだ。
いざ結婚となっても一筋縄では行かない。
嫁が金や家具などの持参金を持ち込まねば結婚できない。
身体一つで嫁いで来いというわけにはいかない。
持参金は親が出す。
出さない場合は〝力強く〟で出させる。
それができない男は嫁を貰う資格が無いとされる。
どこか滑稽な風習だ。
アメリカから来た男も女の親代わりの兄と拳で闘う。
その話題で町中が盛り上がる。
これが〝アイルランド魂〟だ。
この主人公の男はアメリカ移民の一世たちだろう。
ジョン・フォードの両親はアイルランド出身、この映画はまさに親たちのために作ったのだろう。
アイルランドの緑豊かな風景が美しい。
そこで生きる人々が愛おしい。
『アイルランド万歳!』