今年に入ってからというものの、ジェットコースターのような、それでいて意外にゆとりもあるような、でもなんだかんだつねに刺激と変化の渦に飲まれそうな日々を送っていたけれど、年度が変わった今週、ふと淡々とした時間が訪れる。いや、むしろ開業に向けたタイムリミットは刻々と迫っていて、編集業のほうのいろいろなプロジェクトも動き出していて、全然ゆとりはないはずなのだけれど、端的に言えば今週はものすごく久しぶりに夜にまったく予定が入っていないことに気づく。
夜に予定がないことが、こんなにも精神衛生、梅棹忠夫の言葉を借りれば「心のしずけさ」に寄与するとは。いやむしろ、僕は人と会うのは嫌いではなく、じっくり話したい仕事仲間や気のおけない知人との飲み会はぜんぜん苦じゃない、というかむしろどんなに忙しい時期でもリフレッシュの時間になるのだけれど、夜に人と会う予定が入らないことがこんなにも貴重なのかと、久しぶりに身をもって感じる。
気ままにお酒を飲みながら自炊をし、読みたい本を何冊か並べて気の赴くままに行き来しながら読み、また気が向いたらドラマを観る。あるいは、行きつけの飲食店で、気の赴くままに飲み食いする。なぜ、こんなにもシンプルな営為に癒されるのか。それはもしかしたら、予定を決めないこと、そこに本来的には成り立ち得ない「無限」を感じとっているのかもしれない。そして、つまみ食いという「自由」を感じとっているのかもしれない。おそらく同じことは休日にもいえて、一日何も予定がなく、朝から気の赴くままに、ときにうたた寝をしながら、本やドラマ、映像に耽溺する一日が大切なのも、その営みそれ自体というより、「決めない」ことによる自由からくるのかもしれない。