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【12/25】東に向かってレビューしろ!

こんにちは、くさつです。
メリークリスマス!*1
メリークリスマス!
メリークリスマス!

皆さんいかがお過ごしでしょうか?本来自分はアドカを20日に提出せねばならなかったのですが、水面下でいろんなことをしたりしなかったりしていたために結果的に5日間ほど消息を絶つ状態になってしまいました。本当に申し訳ございません。このアドカでようやく漫トロ民として「復活」できそうです。さて、いよいよ今年も終わりが見えてきましたが、自分は学生生活も終わりが近づいているため(あと約3ヶ月で終わるってマジ???)、心残りのないよう、今しかできなそうなイベントなり旅行なりをいろいろと計画・実行しています。
さぁ、今回のアドカのテーマは「復活」でしたね。このワードで連想したのが「東」という方角。太陽が毎日昇る方位ということと、日が沈む西と対比されるかたちで、復活を意味することもあるそう。

じゃあとりあえず東にひたすら向かうか、と思い立ってやったのがこれ







京都ー静岡サイクリングの旅

片道2日半かかるバカすぎる距離

下宿先のある京都府から知り合いの住む静岡県までを、快活クラブに泊まりながら自転車*2で走破する計画。僕のアドカ提出が遅れてしまった主な原因です。20日の直前までこんなことやってるんだから提出なんて間に合うはずありませんね!何故こんなことを計画したのかといえば、こういう変なことは時間的、体力的に余裕のある学生時代にしかできないから。だってもう3ヶ月しかないんだもん。何故快活クラブなのかというと、①漫画が読める②期間限定の学割で安い*3、という2つの理由からですね。
旅行するついでに漫画も読めてアドカでレビューも書けてしまう、まさに一石二鳥! か、完璧な計画だぁ……

そんな訳で、1日目早朝、旅に必要な最低限の装備を持ち、思いついた時の勢いのままに家を飛び出していきました。

県境を超え、

夜明け前で暗い上に雨が降っていて寒かった

琵琶湖の上を走り、

近江大橋

トンネルをくぐり、

これを超えると三重

夜の9時頃、三重県四日市に無事に到着。したはいいものの……



疲れて全く漫画が読めない
これは全く当然のことで、普段特別なトレーニングをしていないトーシロが合計12時間くらいで100km以上の道のりを走ったら極度の疲労状態になるのである。なぜこんなことも想定できていなかったのか?今思い返すと不思議でならない。この時の身体の状態はかなりひどく、強い眠気と同時に右膝に今まで感じたことのない痛みが襲いかかってきていて本当に怖かったし、身体がこんな調子なので、右膝が壊れるかもしれない恐怖と旅行を続行できるか分からない不安で精神もかなり弱っていた。
しかし、それでも漫画を読まないといけない。タフにならなければいけない……ん、タフ?


高校鉄拳伝タフ

あらすじ

ケンカ大好きお調子者高校生、キー坊こと宮沢熹一は、実戦的な殺人古武術「灘神影流」15代目継承者として生まれ、父のもとで厳しい鍛錬を積んでいる。「強いヤツと戦って勝ちたい」そんな純粋な思いのもと、同年代の格闘家たちや、空手、柔道、ボクシング、プロレス、ムエタイ、相撲、柔術の使い手、果ては裏の武術家たちと死闘を繰り広げていく。

猿渡哲也氏による格闘漫画。この『高校鉄拳伝タフ』以外にも続編として『TOUGHータフー』、『TOUGH 龍を継ぐ男』などがあり、現在は週刊プレイボーイにて『TOUGH 第2章』が連載されている大人気の長編シリーズである。また、これらの作品や猿渡作品に登場するセリフは、「タフ語録」と呼ばれるネットミームになっていることでも有名。
自分は「タフ語録」の存在を知っているのみで本編自体は未読。ちょうどいい機会なので、この旅行中に快活クラブを渡りながら「高校鉄拳伝」だけでも読破しようと決意した。以下は本作のレビュー&旅の経過。勢いで読んだため作品の細かいところに言及できていないところもありますが、ご容赦ください。

本作の魅力
結論からいうと、所々変なところはありつつもかなり読みやすく面白かった。序盤は街のチンピラを成敗するヤンキー漫画の趣が少しあったものの*4、徐々に格闘漫画としての本領を発揮していく。
この漫画の読みやすさは、シンプルなインフレ格闘漫画であることに起因する。まず主人公・キー坊がとにかく喧嘩好きであり、強いヤツと戦いたいという一途な動機があるため、強いヤツと闘って勝利し、そしてもっと強いヤツと勝負していく……という至極単純なストーリーラインになっていくのは当然だろう。

また、青春バトル漫画の鉄板である、闘いながらの相手とのコミュニケーションや、対戦相手の過去のトラウマや心の闇を取り除いての和解の要素もキッチリ押さえているため、血生臭い闘いの後でもわりと爽やかな読後感を残してくれる。

インフレ漫画のというジャンルのシンプルさと、敵との邂逅→戦闘→劣勢からの逆転→和解の一定のストーリーのリズムのおかげで、全編通してサクサク読めるのは疲労困憊な状態の自分にとっては本当に有難かった。まぁ、弊害として強敵でだったはずの相手がさらに強いヤツのかませ犬として倒されるという描写も多々あって*5そこは萎えるのですが……。


2日目。前日のサイクリングの疲労が尾を引いたせいか、出発予定時刻を大幅に過ぎての出発となった。

絶望的すぎる距離


くさつ「案外人少ないっすね!」
係員「今日平日なんで競馬やってないですよ」

豊橋に入る前に日が暮れる

岡崎あたりで日が暮れてしまったために、豊橋までは暗い峠道の中を行動するしかなくなった。夜は寒いし、新月が近いために月明かりもなく暗いので本当に怖い。太陽のありがたみを齢23歳にて知る。

実際は画像の数倍は暗い

暗い・怖い・心細いの3Kを乗り越えて、夜の10時頃になんとか豊橋の快活CLUBに到着した。この日は雨に濡れることもなかったし、体が旅に慣れてきたおかげもあって、前日ほどの疲労はない。


親子・師弟愛
「高校鉄拳伝」が典型的なインフレバトル漫画であることは前述の通りであるが、この漫画特有というか、他のバトル漫画にはあんまり見られない要素として、主人公とその父親の親子/師弟関係がある。キー坊とその父(以下おとん)は親子であると同時に、灘神影流という流派においては弟子と師匠の関係にある。男手一つでキー坊を育てながら、キー坊が強敵にぶつかったときには、灘神影流の師匠として、時に厳格に、時に不器用ながらも、彼に喝を入れたりアドバイスを授けるなど、その役割を全うしていく。

父親が主人公の最終目標として立っている漫画は数あれど、子どもを放任するでもなく、おとんのようにきちんと保護者の立場に立って主人公を支える良い父親は、バトル漫画ではわりと稀有なのではなかろうか?

親バカ

キー坊の方も、おとんの指導方針に反発することはあれど、彼の強さはしっかりと認めているため、根っこの部分ではきちんと信頼しているのが本当に良い。また、キー坊の場合、反発するにしてもただ拗ねるようなことはなく、バトル漫画の主人公らしく強くなるために自発的に行動し、創意工夫をしていくので、圧倒的な実力を持つ父親によるパターナリスティックな関係に陥ることもない。なんとも理想的な親子関係が築けている。この1年間ずっと「父親」というテーマについて考えていた自分*6にとって、この漫画の親子関係は非常に眩しく映った。
注に熱を入れすぎてしまった。気を取り直して静岡へ向かうぞ。

確かな信頼を感じる

3日目 さぁ、往路はいよいよ大詰め!東へ東へぐんぐん進むぞ!

朝日が眩しい

前日にシャワーを浴びていなかったため、静岡県磐田市にある「しおさいの湯」に入浴。ここでラジウム温泉というものに初めて入った。ここのすぐ近くにある「竜洋海洋公園オートキャンプ場」が「ゆるキャン△」の聖地らしく、館内には関連展示やら商品やらが陳列されていた。

萌えパネル


友人の住む焼津市に到着。本当は京都市とほぼ同緯度に位置する静岡市まで行きたかったが、夜遅くに自転車で行動することを心配され、友人宅に泊まることになった。厚意に感謝ッッッ!

4日目。午前中は焼津市の海辺を散策した。ぶらりと立ち寄った「ディスカバリーパーク焼津天文科学館」にて漫画の痕跡を発見。

ディスカバリーパーク屋上にて

100円で1分間くらい使える望遠鏡があり、それで富士山を見ようとしたが、その姿を捉えることができずに時間切れとなった

さて、旅も折り返し地点。友人に感謝と別れを告げ、正午過ぎに出発。京都に向かう。
来た道へと戻っていくだけでなので旅の写真などはない!
出発したのが午後ということもあって、静岡を出ないうちにもう日が暮れてしまった。浜松あたりで最寄りの快活に泊まろうかとも思ったが、「高校鉄拳伝」が置いていなかったため、仕方なく行きと同じの豊橋の快活に泊まることにした。着いたころには深夜3時。この状態で漫画なんて読めないよ~と弱音を吐いていたが、そうもいってられない展開がやってきた。

親子/師弟愛(TDK編以降)
物語後半、インフレもいよいよ極まってくる段階になってきたところで「地上最強のホモ・サピエンス」を決めるトーナメント「TDK」が開催されることとなる。(格闘漫画こういうのやりがちよね。)裏世界の古武術の使い手であるキー坊とおとんの元にその大会の招待状が贈られるも、おとんは自身の信念に則り参加を辞退。参加を熱望するキー坊に対してはその命を案じて参加を阻止。しかしながら、キー坊は強いヤツと闘うために生まれたバトル漫画の主人公である。父親の制止を振り切り、このトーナメントへと挑んでいくこととなる。結局、子ども思いのおとんは、キー坊のサポート役としてTDKに潜入することとなる。
TDK編以降の大きな特徴として、キー坊中心の少年漫画的な作劇から、灘神影流を受け継ぐ、宮沢親子の宿命や試練が話の中心に据えられていくことが挙げられる。振り返ることなく少年が成長していく物語の中に、父親と息子の関係性が今までよりもずっと強調されるかたちで入っていく。注6みたいなことをずっと考えていた自分である、この大きな転換に姿勢を正すほかなかった。親子の関係性について言えば、TDK参加者のほとんども断ち切りがたい親子の因縁や因果を抱えてこの大会に参加している。息子のため、生きるために闘うゴードン・クランシー、父・アイアン木場の影に苦しむ木場真一、殺戮マシーンとして育てられながらも、名前の分からない父親の愛情に飢えるエドワード・C・ガルシアなどなど……、TDK編は「地上最強のホモ・サピエンス」だけなく、「地上最強の親子関係」を決める大会でもある。物語前半で親と師匠の両面においてキー坊を導いてきたおとんであるが、この大会以降、おとんは、息子に生きてほしいと願う親の面と、闘いの中の死を是とする武闘家の師匠の面との間で揺れ動いていくこととなる。

父親として、師匠として子どもに何ができるのか、そして何を残せるのか。この普遍的な問いに対して、「高校鉄拳伝タフ」が出した結論を是非この文章を読んだあなたの目で見届けてほしい。

『高校鉄拳伝タフ』も武道家親子の物語ですが、私自身、一人娘を持つ父親でありまして、どうしても、主人公・熹一よりも静虎に対する思い入れが強くなり、静虎を描きながら、自分を投影し、自問している時があります。
"俺は娘にとっていい父親なんだろうか?”と。
”親として何をしてあげられるんだろうか?”と。
無理していい父親を演じてるつもりはないのだけれど、娘が成長するまではどっぷり依存して欲しいと思います。父親って子供のためなら頑張れちゃうんですよね。自分の限界を超えて力を発揮したりするんですから。

『高校鉄拳伝タフ』42巻 著者あとがきより抜粋

おわりに
サイクリングついでに漫画を読むという企画であったが、一つの漫画を旅を通して読むよりかは、その日毎に別々の漫画を、アドカのテーマに合わせてレビューしていった方が良かったかもしれない。あと、勢いで物事を進めてしまったので、細かいところの詰めがだいぶ甘くなってしまったのも悔やまれる。でも、今年のこのタイミングで「高校鉄拳伝」を読めたのは非常に良かったと思うし、旅を続行するモチベーションにはなっていた気はする。あと、余力があれば国道沿いのラブホテルとかにも泊まってみたかったな。そこにもし面白そうな漫画が置いてあったらそれをレビューするとかもできるかもしれないし。まぁ、なにがともあれまずは往復600kmを走破した自分を褒めたい。このアドカの出来がどうあれ、その事実は決して揺らぐことはないから―――。

メリークリスマス!みなさん良い年末をお過ごし下さい!

*1:ハッピーホリデーという言い方が最近は主流らしいっすよ先輩

*2:ママチャリとスポーツバイクの中間みたいなヤツ

*3:12/8~19まで、平日は席料が半額、土日祝は20%引きのキャンペーンをやっていた

*4:とはいえ、キー坊と体格差があったり、刃物を持った相手との対決なので、格闘技のカタルシスは得られる。

*5:序盤こそそういう描写が目立つが、後半になるとかませになってしまったキャラが復活して再戦を果たす熱い展開もある

*6:今年の自分にとって、父親というのは非常に重要なテーマだった。今までの自分にとって、父親というのは一種の生活の規範であり、子どもの自分にまがりなりにもいろんな経験や教訓を授けてくれた人生の先輩でもある。そんな父親のもとから離れるということで、今までの人生を振り返って、自分が息子として約20年間父親とどういう関係性を築けてきたんだろうか、とか自分は果たして父親にとってどういう子どもだったのか、とか、扶養から外れることでこれからの親子の関係ってどうなっていくんだろうか、とか果ては父親が亡くなったとき自分はどう振る舞えばいいんだろうか、といったような疑問が頭の中で際限なく広がっていった。また、今年は父親と子どもにまつわる作品を結構観てきた(単に自分がそれを意識して観ていただけかもしれないけど)ので、その影響もあると思う。『父を怒らせたい』、「小林さんちのメイドラゴン さみしがりやの竜」、「ADOLESCENCE」、「BLACK SHEEP TOWN」「ワン・バトル・アフター・アナザー」などなど。中でもNETFLIXの「ADOLESCENCE」は本ッッッ当にヤバかった。殺人の容疑がかかった息子とその父親がメインで出てくるのだが、息子が凶行に及んでしまった遠因かもしれない出来事について、父親が吐露する場面がある。息子を「男らしく」させようとサッカークラブに通わせたはいいものの、試合で大きなミスをしてしまった息子に対して、観戦をしていた父親の自分は目を背けてしまった……。子どもを成長させようと一方的に背中を押して、子どもが助けを求めた場面で自分は手を差し伸べられなかった……。この出来事で親子の信頼関係に小さな亀裂が入ってしまったことが見てるこっちにも伝わってくるし、その結果とんでもない過ちをさせてしまったのではないかと、父親が嗚咽するラストシーンで自分もボロボロ泣いてしまった。自分がもし父親になるようなことがあったら、こういう悲劇を避けられるのかなぁ、とかちゃんと信頼を築くことができるんかなぁと、配偶者すらいないのに考えていた。傍から見たら滑稽かもしれないけど、俺にとっては本当に切実な課題なんですよ!!!!!




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