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【12/16】忘却……の復活

ひじきです。「復活」らしいっすよ。始まる直前までテーマを去年やった「忘却」だと思い込んでました。「復活」を忘却するどころか、「忘却」をすでにやったことすら忘却していたということ。怖いねぇ。「忘却」関連で考えていた案は死んだし、練り直すにもひじき本体が死んでいるので難しい。というか「復活」て。今一番遠い2文字が復活かもしれない。生きてた時期が思い出せん。そもそも復活する権利がない。はー権利権利権利……。
どうしたものか。


……。


では死んだ案を「復活」させてみましょう。

 

【12/16】25年忘却漫画総合ランキング1位


ひじきです。「忘却」らしいっすよ。忘却することには自信があって、例えば漫画をどこまで読んだかをめちゃくちゃ忘却します。数巻読み、どこまで読んだか(内容を含めて)完全に忘却し、しばらくして再度1巻から読み、また忘却……の無限ループにある漫画がかなりの数存在する。怖いねぇ。
テーマ通り「忘却」に相応しい漫画を読んでたのでレビューしときましょう。

 

 

ご存知『子宮恋愛』。今年4月からドラマが放送され、妙な効果音やら台詞やらがインターネットの傍流たちの間で大流行。しかし旬が過ぎると爆速で飽きられ、今ではポチャアンのポの字も聞きません。「今年流行し、現在最も忘却されている漫画」といえば、これ以上のものはないでしょう。俺も読んだのにアドカのネタ考えるまで忘れてたわ。

以下、大まかなあらすじと話の流れ。



31歳の会社員、苫田まきは夫の恭一と結婚7年目。セックスレスになり久しく、恭一の無理解と家庭での給仕のような扱いに耐える日々を送っている。そんな中、まきに同僚の山手旭が急接近。山手は日系ブラジル人で、故郷の文化から性に奔放だが、その恭一と対照的な態度にまきは救われ、いつしか二人は関係を持つようになる。

 


夫である恭一を裏切る形となったまきだが、一方で恭一はそれ以前から大学時代の旧友・寄島と不倫関係にあった。うっすらと恭一と寄島の関係を悟ったまきは、ますます山手のもとに身を寄せるようになり、苫田夫婦の関係と感情は致命的に破綻していく。

 

Q
苫田家を離れて山手の住むシェアハウスに身を寄せ、恭一に離婚を要求するまきだが、恭一は逆上。離婚を巡ったいざこざの中、まきの妊娠が発覚する。しかし優しかった山手は、まきの妊娠を境にどこかよそよそしい態度となり……?

 

シン
なんと山手はパイプカットをしており、まきの子は自分のものでないのが分かっていたのだ。加えて彼の元妻、娘に関わる哀しき過去が明かされる。山手とまきは互いの感情に決着をつけ、先に進めるのか。恭一はまきと寄島への歪んだ感情を断ってリスタートできるのか。さようなら、すべての子宮恋愛。

 

さてレビュー。第一印象は圧倒的な読みやすさ。

 

枠外、小コマを交えた視線誘導を繰り返し行っており、1ページあたりの負担が極めて少ない。
女性漫画特有の少女漫画から派生した表現技法が凝らされており、非常にテンポが良くスムーズに読める。
このテンポの良さと絵柄で「冷静に考えたら変なシーン」をスキップさせることに成功しており、読者層の脳と子宮を共感で満たしたまま、あっという間に全七巻を駆け抜けさせていきます。この技術には素直に驚きました。
作者である佐々江典子は、1999年に小学館漫画大賞佳作でデビューしてからずーっと少女漫画とレディコミを描いてきた人で、結構なベテラン。やたら小慣れた表現にも納得。

 

話の評に移ると、キャラクターの細やかな心情描写が上手い。それぞれの過去描写から現在のキャラクター性に納得感を出せており、まき・恭一・山手・寄島の4人のキャラクターを中心に綺麗にまとまっている。
なかでも、読者層からズレた成年男性としては、どうしてもまきの夫・恭一に感情が寄ってしまいます。初期は主人公の不倫を肯定させる「モラハラ夫」としての記号でしかない彼が、話が進むにつれどのようなバックボーンがあって今の破綻した関係となったかが明かされていく。
彼は大学生時代、憧れであった寄島と関係を持つことになるが、寄島にとってそれは他の男とで負った心の傷を埋める代償行動にすぎず、しばらくして破局。このとき寄島を引き留められなかったことが心残りであったために、恭一もまた代償行動としてまきと交際を始め、寄島の結婚の報を聞いたことを契機に自分もまきと結婚。ところがその後、再開した寄島は夫とのすれ違いからより不幸になっており、再度恭一と寄島は関係を持つようになる……という流れ。

恭一にとっての寄島は、変わらず憧れの対象であり、引き留められなかった負い目がある人間であり、しかし決して自分のものにはならない女性。一方恭一にとってのまきは、寄島の代替品でしかないものの、自分のものとなった女性。本命と付き合いつつまきを手放さないという一見矛盾した行動は、本命を真に所有できないからこそまきという代替物を所有しているという事実が重要であった、という理屈付けがなされる。

 

とまあこんな感じで、恭一の根本にある幼児性に似た心の弱さが歪んだ関係を招き、作中に影を落とすという訳です。どうしようもない屑である彼ですが、等身大の心の弱さと加害性の描写は真に迫っている。どうしようもないおじさん側として感情移入してしまいますね。

 

しかし、物語中盤から彼の描写は怪人と化していく。

あらゆる洗濯の拒否。洗濯済みのパンツがなくなったのでノーパンで出勤。

 

まきの出張を聞くと赤ちゃん返り。

 

いなくなったまきのネトスト中、まきのフォロワーに寄島を見るや否や全裸で跪く。


などなど。「入れる」と思いきや胡乱な怪人描写で何度も突き放されてしまう。

恭一と寄島のエピソードは、記号であった恭一が一転して等身大の人間として描かれるという意外性もあって評価している。しかし中盤怪人化することで再度記号的になってしまい、都合のいい時は人間、悪い時は記号として動くような印象を受けてしまう。ここに関しては人物描写に真摯さを欠き残念。怪人としての振る舞い自体は面白いんだけどな。モラルバスターズに入れそう。

ドラマとの繋がりにも一応触れておこう。

 

・その「主人」ってのやめたら?
ドラマ版1話の例のシーン。原作には無い。ただ山手なら言いそう。

類似の台詞なら作中にあるが、山手の台詞ではないしこんなキメ台詞っぽく出てこない。

状況的に改変前の台詞がこれ。

・ポチャアン……
ドラマ版1話の例のシーン。当然原作には無い。というか「子宮が恋に落ちる」要素が完全に無い。
一応それっぽいシーンを探すと……ここか?こじつけられはする。きゅ。

・そう、子宮恋愛。
こんな寄生獣みたいなタイトル回収は無い。「子宮恋愛」とは何かは原作で明かされない。
ちなみにドラマ版でこの台詞を言っている寄島は子宮で恋愛ってタイプではない。打算で恋愛しそのためにガンガン身体を使うタイプ。
その無理が祟ってか寄島は子宮全摘している。理想の男は捕まえられたが、子作りと性欲を巡ってすれ違うように。

・腕に連絡先書くシーン
原作にそのまんまある。原作でも草生えシーンだったが、ドラマだとよりおもろくなってしまっている。
このシーンがあると聞いた時「評判と違って意外と原作をなぞってるんだな」と謎の感慨が湧いた。

 


というわけで「子宮恋愛」レビューでした。明らかに面白くない出会い方をした割に思いの外面白かったな?
レディコミ経験に乏しいのもあって新鮮な体験だった。やはり自分から傍流に飛び込むのも大事っすね。
読み返すと普通に忘却するには惜しい作品な気がしてきた。擦った人間は操を立てて買って読もうな。俺も買ったんだからさ。

 

 

 

 


おまけ

 

この漫画のレーベルはぶんか社「ダークネスな女たち」。ぶんか社保有する無数のWeb漫画雑誌の一つ「ストーリーな女たち」のさらに派生誌だとか。例えるなら「コミックヴァルキリー SQ.」みたいな感じ?誰が読むねん。
そんな謎雑誌だが、Kindle unlimitedならバックナンバーを含め無料で読めるので、「ストーリーな女」「ダークネスな女」の全てを学びたい人は要チェック。シキュレンはvol.39~80。美緒48歳の作者も過去何度かここで連載していたらしい。ネットミームに謎のつながりが生まれていてこれを知った時は少し感動した。

 

あと

さりげなくスピンオフが連載中(26年総ラン対象!)
連載媒体は「マンガよもんが」……からの派生「よもんがクロメ」(マジでどこ?)

 




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