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軽妙な医師

この日はあまり上手に眠れなかった。喉が痛いからさっさと寝たいのだけど、どうにも不安なことばかり考えてしまって。細切れに寝て起きてで朝の9時、病院に電話予約をして午後に伺うことに。

体調はあまり良くないが、休みの日なので家でじわじわと家事を進めていく。家事は家で行う仕事なのだから、休みの日に働いているということだよな。おかしい。おかしいが、何も自身に対してメイドさんのような精度を求めているわけでもないので、掃除機をガコガコかけたりした。

病院に行く数時間前、精神的にずいぶん落ち込んでしまい、誰かオイラを磔にして槍で刺せ!!と願うところまでいってしまった。劣等感の塊のまま外出。病院へ歩いて向かった。

病院へ向かう途中でマスクを装着するのを忘れていることに気づき、少し引き返してコンビニへ行く。マスク以外にも店内を物色していたら「たすけてください」と書かれたシールが貼られているパンと目が合う。絶対に助けない。客側に対して情を誘うような方向性でSDGsを達成しようとするその根性が気に入らない。普通に値引きシールにしてくれ。

 

病院に着いた。電話予約した時は「そのまま院内に入るのではなく、入口前に着いたら手を降って合図してくれ」と言われていたので、受付の女性に大きく手を降る。看護師さんはコチラに気付いたが、すぐにやって来ようとはせず、他の女性と談笑していた。待つこと数分、裏の駐車場から別の女性看護師さんがやってきた。

案内された駐車場の丸椅子に腰掛け、初めての診察ということで問診票を書く。書いたらまた手を降って看護師さんに合図を送り、また丸椅子でしばし待つ。この間三箇所ほど蚊に刺された。あったかいもんな今日。

駐車場入口からフル装備のお医者さん登場。開口一番感染症の検査しますねーと、鼻に長い棒を突っ込んできた。思わず「お、お、お」と声が出る。このお医者さんは上手い方だと思う。そんなに痛くなかった。

再び蚊と格闘しながら検査の結果が出るのを待った。

インフルもコロナも陰性であった。即座に院内へ連れて行かれ、次は触診と採血。お医者さんの動きがスピーディー。速いというよりも、最短ルートをのんびり走っている感じだ。血液検査を待つ場所については受付ではいけないので、レントゲン室に案内された。

案内された時「散らかっててごめんなさいねー」と言われた。たしかに医療器具の入った箱で散らかってはいるけど、自分ちみたいな案内の仕方でレントゲン室に通されたことがなかったので、親近感が湧いた。

診察の結果、扁桃腺がパンパンに腫れているが、3日くらいで治るだろうとのことだった。血液検査の結果が書かれた紙をオイラに渡し「ほらこの数値が26でしょ、これ免疫力の強さを表してて、風邪引いてるのに26もあるんだからすぐ治るよ。若くて強いってことだね」と言われた。その言い方が軽妙で、オイラはこの病院を気に入った。

 

帰りに再びコンビニに寄って、さくさくパンダを買った。198円。えっ高くない?さっき貰った病院の薬全部で700円だよ。ひぃ~と思いながらありがたがって全部食べた。

家に帰ってからも、割と劣等感に苛まれていたが、磔になること無く一日を終えられた。




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