ここ最近毎日、短時間で粉砂糖のような新雪が車にトッピングされている。
息子を夜練へ連れて行き一旦帰宅して、2時間後にまた家を出ようとすると、せっかく解かした雪と氷でまたフロントガラスが見えなくなっている。
岩手県の内陸の雪は、よくある雪国とは少し違う怖さがあるのだ。
特に盛岡。
市内中心部はさらに恐ろしい。
地元の人は、特に恐ろしい状況の路面のことを
デラデラ
と表現する。
ブラックアイスバーンも恐ろしいが、その「デラデラ」もかなり厳しい。
街灯で光る路面は濡れているのではなく、凍っているのだと思って進むべきである。
朝、マイナス10°C近い気温なのに太陽が出ると、氷の表面だけ解けて滑る、という、朝のデラデラもまた、恐ろしい。
朝や帰りに事故の現場を見かけると、次は我が身と覚悟する。
しかし覚悟しているうちはそれほど危ない思いをしないものだ。
一番怖いのは、怖いことを怖いと思わなくなるその慢心なのである。
…書き続けていくと、何だか雪国版の枕草子みたいになってしまいそうだ(清少納言に失礼かもしれない)。
今日も出勤途中で事故を1件、帰りも2件、見かけた。
ニュースでみた赤坂の事故のように大破しているような状況ではないが、追突だったり、フロントが壊れていたりして、見ていて辛い。
今日見かけた事故…そのうちの1つで、停まっている車に見覚えがあった。
確か、かつて子ども同士が少しだけ関わりがあった人だった。しかも、あまり良い印象はない。
さほど関係が長くも深くもないのに、何故そんなにズカズカ物を言うのだろう、と思うような相手だった。
うちの子も、相手の子が苦手だったようで、自然と疎遠になった。
印象に残っているのは、指先だけだ。サロンでキレイにしてもらっているらしい、石のたくさんついたネイル。
路肩に停まっている車の横の立ち姿にも見覚えがあった。
もしも起きたばかりの事故なら、何か助けは必要かと声をかけたかもしれない、が…
もう既にパトカーも来ていたし、他にも助けがいるようだったので、私は邪魔にならないよう、迂回することを選んだ。
この雪、この道だから…気の毒だ、大丈夫だろうか、怪我がないと良いけれど、と思う一方で…
ほんの、ほんの少しだけ、「どうせまた無理矢理自分優先にしたんじゃないか」「もしそうなら自業自得なんじゃないか」なんて、脳裏をかすめた自分もいた。
私のなかには、優等生で善人なまーさんもいるが、妬んだり疎ましく思ったり嫌ったりするまーさんもいるのだな、と改めて思った。
でも、そういうものだ。
世の中は綺麗事だけではない。
誰かから理不尽や悪い感情を受ける分だけ、私もどこかに理不尽やネガティブを知らず知らずに与えているはず。
それを分かりながら、理解のうえで己を律していくのが、大人になるってことなのかもしれない。
色々思いつつも、やはり凍結路面は怖いので、また気を取り直して運転に集中した。
そんな、一思案、な金曜だった。

現在外はマイナス6°C。
雪かき、サボると凍る。
明日の朝もマイナス10°C以下になりそうだ。