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失われた声

今日は仕事を休んだ。

声が、とうとう全く出なくなってしまったから。

 

声を出そうとしても出ない、というのは生まれて初めての経験だ。

 

声を出そうとおなかに力を入れる。

声帯が震えて音になる。

息とともに声が出る。

 

この至極当たり前にしていた動作がままならない。

 

急性喉頭炎だそうだ。

 

治し方は基本的には1つ。

 

しばらく喋るな

 

とのこと。

 

昨日の講師の仕事でトドメを刺したようだ。

これはダメージ大である。

かなりしんどい。

 

当たり前のしあわせをいかに当たり前に享受していたかは、やはり失ってみないと分からないものだ。

 

声以外は元気なはずなのに、何もする気になれなくて、昼間は断続的に眠り続けてしまった。

 

起きて水を飲み、また寝てを繰り返した。

 

 

人魚姫は声と引き換えに人間の足を手に入れたが、私は声と引き換えに何を手に入れたのだろう?なんてしょうもないことを考えながら、ぼうっと家の窓から外を見てみた。

 

世の中にはもっと大変な人もいるんだから、と自分の考えを否定しがちなこれまでの私の思考回路だった。

でも。

「辛いものは辛いんじゃー!」と、己のしょんぼりな気持ちを私自身が受け止めてやらずして、誰が私を慰めるんだ?と最近思うようになった。

 

別に「私可哀想なの、哀れでしょ?」と、他の人に見せつけたりするわけではなく、私が私の胸に手を当てて、「大変だったよね、会社のために無理しちゃったのはおバカだけど、偉かったよね、そうするしかなかったんだもんね。エライエライ」と言う分には、誰にも迷惑をかけない。

 

今日寝ていたいなら、好きなだけ寝てぼんやりしよう、と、割り切った。

 

 

…そんなわけで、しばらくは声無し生活を続けていかなくてはならない。

 

子どもたちはいつものノリで「かーさん!」「母さん!ねえ!」と呼びまくるが、返事ができなくてケンカになる…というのが当面の課題だが、多分慣れればどうにかなる…はず。

 

出来ることをやるしか、ないよね。

 


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無気力で作ったお茶漬け定食。

 




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