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群の準同型写像と同型写像

小中学校・高校で習った、正比例関数、ベキ関数〈累乗関数〉、指数関数、対数関数は、いずれも群の準同型写像/同型写像である。$`\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}}
\newcommand{\mbf}[1]{\mathbf{#1}}
`$

群と準同型写像

一般に、群は次のように書ける。

$`\quad (A, *, e, i)`$

群の構成素は:

  1. 台集合 $`A`$
  2. 二項演算 $`(*):A\times A \to A`$
  3. 単位元(特定の要素) $`e \in A`$
  4. 逆元(特定の要素ではなくて写像) $`i: A \to A`$

群の法則〈公理〉は割愛する。

$`(A_1, *_1, e_1, i_1)`$ と $`(A_2, *_2, e_2, i_2)`$ が2つの群のとき、写像 $`f:A_1 \to A_2`$ が群の準同型写像であるとは:

  1. 二項演算を保つ $`f(x *_1 y) = f(x) *_2 f(y)`$
  2. 単位元を保つ $`f(e_1) = e_2`$
  3. 逆元を保つ $`f(i_1(x)) = i_2(f(x))`$

写像 $`f:A_1 \to A_2`$ と $`g:A_2 \to A_1`$ が両方とも群準同型写像であり、次を満たすとき、互いに逆〈mutually inverse〉な群準同型写像という。

  1. $`g\circ f = \mrm{id}_{A_1}`$
  2. $`f\circ g = \mrm{id}_{A_2}`$

この状況で、以下の言い回しはすべて同じ意味。注意すべきは、単なる写像について語っているのではなくて、群準同型写像について語っていること。括弧内は通常省略されるが、群・群準同型写像について語っていることを明示するなら省略しないほうがよい。

  1. $`f`$ と $`g`$ は互いに逆(な群準同型写像)
  2. $`f`$ は $`g`$ の逆(群準同型写像)
  3. $`g`$ は $`f`$ の逆(群準同型写像)
  4. $`f`$ は可逆(群準同型写像)である。($`g`$ の存在を仮定している。)
  5. $`g`$ は可逆(群準同型写像)である。($`f`$ の存在を仮定している。)

群の準同型写像が可逆であるとき、群の同型写像という。

定義の簡略化:練習問題

  • 群の準同型写像の定義で、「逆元を保つ」は不要。二項演算と単位元の保存から出る。練習問題。
  • 群の同型写像の定義で、逆写像が群の準同型写像であることは不要。群の準同型写像が逆写像を持つなら、逆写像が準同型写像であることは出る。練習問題。

群の準同型写像 -- 簡略化した定義:

  1. 二項演算を保つ $`f(x *_1 y) = f(x) *_2 f(y)`$
  2. 単位元を保つ $`f(e_1) = e_2`$

群の同型写像 -- 簡略化した定義:

  1. $`f`$ は群の準同型写像である。
  2. $`f`$ は逆写像を持つ。(逆写像が準同型写像だとは言ってない。)

大事な2つの群

大事な群その1: 実数加法群

  1. 台集合 $`\mbf{R}`$
  2. 二項演算 $`(+):\mbf{R}\times \mbf{R} \to \mbf{R}`$
  3. 単位元 $`0 \in \mbf{R}`$
  4. 逆元 $`(-): \mbf{R} \to \mbf{R}`$ (引き算ではなくて、単項演算のマイナス)

大事な群その2: 正実数乗法群

  1. 台集合 $`\mbf{R}_{\gt 0}`$
  2. 二項演算 $`(\times):\mbf{R}_{\gt 0}\times \mbf{R}_{\gt 0} \to \mbf{R}_{\gt 0}`$ (演算子記号が省略されることが多い)
  3. 単位元 $`1 \in \mbf{R}_{\gt 0}`$
  4. 逆元 $`(^{-1}): \mbf{R}_{\gt 0} \to \mbf{R}_{\gt 0}`$

大事な群準同型写像/群同型写像

実数加法群と正実数乗法群のあいだの群準同型写像は小中学校・高校で習う。

正比例関数

「実数加法群 → 実数加法群」の群準同型写像。比例定数がパラメータとなる。

$`\quad \mbf{R}\ni x \mapsto ax \in \mbf{R}\\
\text{where }a \in \mbf{R}
`$

$`a \ne 0`$ なら群同型写像。$`a = 0`$ でも群準同型写像だが可逆ではない。

正比例関数の逆関数は正比例関数で、比例定数が逆数。

ベキ関数

「正実数乗法群 → 正実数乗法群」の群準同型写像。指数がパラメータとなる。

$`\quad \mbf{R}\ni x \mapsto x^a \in \mbf{R}\\
\text{where }a \in \mbf{R}
`$

$`a \ne 0`$ なら群同型写像。$`a = 0`$ でも群準同型写像だが可逆ではない。

ベキ関数の逆関数はベキ関数で、指数が逆数。指数が $`\frac{1}{n}`$ の場合は、$`n`$乗根関数。

指数関数

「実数加法群 → 正実数乗法群」の群準同型写像。底がパラメータとなる。

$`\quad \mbf{R}\ni x \mapsto a^x \in \mbf{R}_{\gt 0}\\
\text{where }a \in \mbf{R}_{\gt 0}
`$

$`a \ne 1`$ なら群同型写像。$`a = 1`$ でも群準同型写像だが可逆ではない。

指数関数の逆関数は対数関数。

対数関数

「正実数乗法群 → 実数加法群」の群準同型写像。底がパラメータとなる。

$`\quad \mbf{R}_{\gt 0}\ni x \mapsto \log_a(x) \in \mbf{R}\\
\text{where }a \in \mbf{R}_{\gt 0}
`$

$`a \ne 1`$ なら群同型写像。$`a = 1`$ でも群準同型写像だが可逆ではない。

対数関数の逆関数は指数関数。

まとめとやるべきこと

$`\quad \xymatrix{
(\mbf{R}, +) \ar[r]^{y = ax}
\ar[d]_{y =a^x}
& (\mbf{R}, +) \ar[d]^{y = \log_a x}
\\
(\mbf{R}_{\gt 0}, \times) \ar[r]_{y = x^a}
&(\mbf{R}_{\gt 0}, \times)
}\\
\quad \text{All functions are group-homomorphisms!}
`$

小中学校・高校で習ったことでも、新しい概念を学んだら新しい概念を使った観点から見直して、新たな解釈をする。また、小中学校・高校でバラバラに習ったことを、新しい枠組みから体系化して整理する。




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