◆ミスリードに満ちた中田敦彦氏の「兵庫県知事選挙という究極のミステリー」を批判する
神戸新聞の分析によると、斎藤氏が知事に再選したのにはいくつか追い風があった。私自身、風に立ち会った実感があったのは11月15日配信の中田敦彦氏youtubeチャンネル「兵庫県知事選挙という究極のミステリー」だ。「斎藤氏に投票を決めました」というコメントにあふれ、投票行動への影響力が相当あったとみなしてよいだろう。同日中に100万回以上の再生数があり、17日の選挙に影響しそうだと、初見で危惧をした。
中田氏自身は、「誰かを応援する意図はない。中立」と何度も口にしているが、それは真っ赤な嘘である。明らかに斎藤氏支持、再選に大きく貢献する内容だった。理由は大きく5つある。
まず第一に、立花氏の立候補や手法を正当なものとしていることだ。
中田氏は兵庫県知事選の最大の注目ポイントとして、立花孝志氏の立候補を挙げている。後日、村上総務相から「公職選挙法の意図には反している」と答弁された手法にもかかわらず、他候補応援の立候補について「法律を知悉しての手法」と好意的に持ち上げ、SNSを活用した選挙運動に賛辞を送っている。他候補というのはつまり斎藤氏だ。二馬力と揶揄されている選挙手法についての批判はゼロだ。
次に、同じく立花氏の主張を正当なものとして採用していることだ。
立花氏に関して、彼の演説内容、ポスター内容を事実関係を理解するために積極的に援用している。立花氏の主張:「告発者は内部告発のルールを悪用した」を採用し、公益としての価値をほとんど無視し、「公益かどうかは何なら忘れてくれてもいい」とまで発言している。「パワハラ、モラハラは嘘。斎藤前知事は陥れられている」という言葉を画面に映しだし、「みんなに真実を知ってほしい」と結ぶ。立花氏は元局長が10人と不倫していた等、デマ(であり、名誉毀損)を撒き散らしていたのだが、それも含めて真実だと捉えていた可能性すらある(日記や動画という文字が画面にある)。名誉毀損に加担した責任はとてつもなく大きい。
第三に、内部告発者がうけた被害、あるいは告発者潰しのために取られた措置について触れていないことだ。中田氏の時系列からは、3月25日の事情聴取と退職届不受理、パソコンの押収、3月27日の辞令交付が抜けている。悪質なのは、4月1日に告発者が発した「3/27知事記者会見への反論文」について無視していることだ。この反論文で元局長は、「自分の発言を意図的に捻じ曲げ、社会的に抹殺された。知事の発言は、究極のパワハラ」とまさに自分自身の告発をしている。どういう理由か不明だが、この内容にはまったく触れられていない。
第四に、百条委員会へのアプローチが甚だしく偏向していること。パワハラや物品受領、告発者探しを追及した1回目~7回目(第1回は6月14日)の百条委員会の内容には全く触れず、突然、選挙期間中に秘密会で開催された10月25日の百条委員会を紹介している。そこでは片山前副知事が、元局長のパソコンのデータについて説明しているのだが、プライベート情報について話そうとした段階で奥谷委員長が制止をし、会議を一時中断している。そうしたPC内のプライベート情報の扱いは、百条委開催前の事前協議(7月6日開催)で決定したものなのだが、その手続きを中田氏は説明しない。しかも、片山副知事が中断させられた内容は、告発者の死亡理由を述べようとしたのであり、その内容は「死亡理由は、懲戒への抗議ではなく、知られたくない秘密が暴かれるのを恐れたからだ」と断定までしている。
百条委員会が「データの完全公開を拒否している」とあおり、「公開されなければ、告発の動機がわからない」と強調。パソコンの中身は争点ではなかったのに、それが争点であり、秘密会にした理由であると誤った解釈を述べる。画面には、「告発が公益通報ではない理由、PC内の文書にクーデター目的」という文字が書かれ、あくまでも「告発は不正が目的」という片山氏の発言を正当とみなす姿勢だ。
第五に、告発者の元局長の発信(3/12文書、4/1反論、百条委員会への陳述書)に一切触れることなく、自死の理由を語っていることだ。告発者がなぜ、死を選んでしまったのかが最大のミステリーと言っておきながら、告発者自身が発信したメッセージをなぜ取り上げないのか。
中田氏は言う。「正義の心があったんじゃないのかの説に対して、衝撃の説が唱えられている」。そして、PCには「非常にセンセーショナルなプライベートな情報が入って」おりとして、元局長の死を、「プライベートな情報を公にされたくないこと」に起因すると結論づける。
そもそも、公用PCを押収されたのは何故だったのか。違法な告発者探索の結果であり、告発者を萎縮させ、脅迫するためにデータ内容が使われていたことに触れようともしない。
県庁組織にとっては、職員のデータ漏洩は個人情報の取り扱いとして不適切であり、公務員にとっては違法行為であることは明らかであるにもかかわらず、中田氏はその違法性にすら目をつむる。あきれた態度と言うしかない。
特に許せないのは、ご遺族の意向により四十九日法要以降は、告発者の氏名をメディアを含め、ほとんどのYouTubeでもイニシャル等で記しているのに、実名で書き、呼んでいることだ。画面に記載された実名と「日記・動画」や「告発の動機はクーデター」という文字を見て、中田氏のデマに大きな怒りを覚えた。
その中田敦彦氏がTBSで報道の日にMCを務めるというニュースを見た。
彼の言動は「報道」を冠する番組にふさわしいといえるのだろうか。むしろ、名誉毀損、公職選挙法違反(虚偽情報の拡散)に抵触する違法行為なのではと考え、ここに抗議するものである。
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