読み切り、連載第一話の時は相当にブクマがついたはずだ。
今も読み続けていますかみなさん、史セツキ「日本の月は丸くみえる」…
日本の月はまるく見える
史セツキ
母国・中国でBL漫画を連載中の夢言。規制が多くなかなか思った通りの作品を描けず、そして収入も満足に得られず、悶々とした日々を送っていた。そんな時、お見合いの話が舞い込んだ。相手は同級生の致遠。彼とは夢言が描いた漫画に関して因縁があり、夢言が今一番会いたくない男性だった…。
第一話(無料)をプレイバックしておくか。タイトルの由来もこのページでわかる
comic-days.com
そう、第一話には260を超えるブクマがついたんだったね。これでこの作品知ったんだ


そして知らんかった、1、2巻がすでに出てるんだよ
それで話はとんで……、いま無料公開中の11話。
主人公はなんだかんだと東夷の国・小日本に来て、BL修行…BLのクンフーを積んでいる最中。
そこで、同じ国の仲間と出会う。
それも、最初は商取引の現場で利益が対立し、お互いに不快感、悪印象を抱いて別れたが、その帰りに書店のコーナーでばったり再会、同好の士と解ってたちまち肝胆相照らす、という、ちょっとした「大人のおとぎばなし」だ。
僧は推す 月下の門。
実際、「大砲とスタンプ」のこの場面も思い出したもんな。

あとでほんとにこの一覧に「月は丸い」の、この場面も収録しておくか
m-dojo.hatenadiary.com
そして、10年日本に滞在している彼女のこのセリフが泣かせる。

中国の方なら「落葉帰根」という言葉もあり…いや、どこの国であっても、望郷の念はあろう。
既にチャイナ・ドリームにわく大中華のかの国。ITも経済も発展し、生活自体はそれほどの不自由もないか、日本より快適かもしれない。
しかし、祖国で禁止されているものを読むため、に、東の夷にとどまる。
それは「志」であり「節」でもあろう。
なんどめになるか忘れたが「正気の歌」を引用しよう。
齊に在りては 太史の簡,
晉に在りては 董狐の筆。
秦に在りては 張良の椎,
漢に在りては 蘇武の節。
嚴將軍の 頭と 爲り,
嵇侍中の 血と 爲る。
張睢陽の 齒と 爲り,
顏常山の 舌と 爲る。
或は 遼東の 帽と 爲り,
淸操は 冰雪よりも 厲し。
或は 出師の表と 爲り,
鬼神 壯烈たるに 泣く。
ja.wikisource.org
いや、日本に読みたいものを読むために来ているのだから、こちらをひく方が適切か。
子、九夷(きゅうい)に居らんと欲す。
或る人曰わく、陋(いや)しきこと之を如何にせん。
子曰わく、君子之に居らば 何の陋(いや)しきか、之有らん。
「孔子は、いっそうのこと東方の夷(えびす)の国にでも行こうかと思われた。そこで、ある人がこう言った。「東夷は野鄙(やひ)なところですぞ。どうされますか」と。すると孔子はこうおっしゃった。「君子 教養人がそこに住むならば、どうして野鄙なことがあるだろうか」と。」(論語 加地伸行)
dsupplying.hatenadiary.jp
しかしまぁ、論者から見れば、それは大仰だというかもしれない。
たとえば民主的な自由選挙、複数政党制などを主張し、それを研究するために日本に来た、というならともかく、「中国で禁止されているBLを読むために日本に留まる」だって?
そんなものが自由とか、権利とか、そういうふうにいうのは違うんじゃないか…という議論もあろう。
しかし、逆に「だからこそ」BLが、自由の最前線に立っているのかもしれない、のではないか。
そんなことを思いつつ・・・
というか、この作品、はじめはかなり、事実に基づいた自伝漫画だと思ってたが、今の展開を見るかぎりは『当然ながら作者の経験がある程度は反映されていると思うけど、主人公や周辺人物はフィクションだよね』(上で紹介した二人の、二度目の出会いも出来過ぎだし…)ということでいいのだろうね。
でも、どこまで現実は反映されているのかな。
そういえば、中国BL(公にはBLと言わずに、当局とギリギリの心理的駆引きをしているという)の現在、を書いた本が最近出版されたはず…どこかの書評で読んだ…
これだ!!!『うろ覚え力』と検索の力が合わされば、不可能はない!!
なお、著者のアカウントは
https://x.com/erinmizhou
補足に、中国でBLブームにはなりましたが、今大変な目に遭っている(通報されて罰金納付に困っており、それに理解されないから追い込まれる)BL作家も少なくないです。民間でもBLに対して険悪な雰囲気になったところもあります。「国内は耽美への包囲討伐を行っている」と現地の研究者にも聞きました。 https://t.co/kwRpVdSKSZ
— Mi Erin Zhou (@erinmizhou) October 6, 2024
「耽美への包囲討伐」。すごい言葉だな……
■定価3,400円+税■ 中国のボーイズラブ(BL)は、1990年代に日本のBLから影響を受けて始まった。現在では、中国BL小説が原作のアダプテーションドラマ『陳情令』を筆頭に、中国BLは世界中で人気を博し中国のソフトパワーにもなっている。厳しいメディア規制の環境下でも発展してきた中国BLをめぐって、人気作品で講じられる適応策やBL・メディア業界に関わる中国の社会情勢を分析する。中国のBL(耽美/Danmei)を論じた、日本語による初の研究書。【目次】
序第一章 現代中国のBL
一 BLか耽美(ダンメイ)か
二 耽美の作品
強攻め・「女性」的な受け
強攻め・強受け
性的描写と物語第二章 歴史的に見た中国の男性同性愛と耽美
一 耽美と男性同性愛
二 「断袖」「分桃」「龍陽」等々
断袖
亡国の相手
分桃
龍陽
三 隠された耽美
認められていた耽美
今昔の中絶第三章 現代中国のBL関連の社会事情
一 BL作家の逮捕事件
重罪判決を受けたBL作家―天一
検閲制度
重罪を回避させた権威性―深海
二 BLプラットフォーム
最前線小説サイト―晋江文学城
音声コンテンツの中心地―猫耳FM第四章 中国のヒットBL
一 『魔道祖師』―検閲を通過できない恋心
奔放な戦士の恋愛VS.英雄同士の性欲のない愛
二 『千秋』―検閲を通過できる悪意
ちびキャラアニメに見られる「開車」
三 『鎮魂』『山河令』―自己検閲した模範作家
四 止まらない権力欲と美の探求
制限
抑制
統制第五章 日本読者から見る中国BLの魅力と不足―『魔道祖師』のレビューに着目して
一 ストーリー・設定・登場人物
二 性的描写のない感動VS.BLでこそ説明できる論理あとがき
付録 日本語訳のある中国BL作品
日本語訳のある中国ブロマンス(またはBLが原作のブロマンスとされる)作品
参考文献
索引
この書を検索で見つける時にひっかかった資料も紹介
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国際日本学研究科
修士学位請求論文 要旨
論文題名
中国語圏における BL 小説出版市場をめぐって
―大陸・台湾・香港―氏名 蔡倩伶
指導教員 藤本由香里
https://www.meiji.ac.jp/ggjs/6t5h7p00000hz2fk-att/a1709082632593.pdf
偶然、同じ日に「中国アニメの技術が進化した」というXポストが流れたので紹介しとこう
いつから中国のアニメはこんなに良くなったの??😭 pic.twitter.com/I4j1JaGbit
— ҟあ ☔️ (@ykk7tf) October 5, 2024
中国は〜って言ってる人も居るけどこんな可愛い食べ方が見れるなら気にしない😔 pic.twitter.com/AKlraFRgB3
— ҟあ ☔️ (@ykk7tf) 2024年10月6日
ちなみに時光代理人ってアニメは作画も内容も信じられないほど良い😭 https://t.co/1MpcC4Eohf pic.twitter.com/VRcVWwQVLA
— ҟあ ☔️ (@ykk7tf) 2024年10月6日
これを中国人友人に見せたら「素晴らしい国産異世界アニメだね!」って返してきてとんでもない自虐ネタだと気づくのにしばらくかかった。
— どこぞにいる細菌野郎 (@5qdHDo68bDCqaCy) October 7, 2024