「ただ春を待つ」(作詞・作曲:草野正宗)は、
スピッツの8枚目のアルバム
『フェイクファー』(1998年)の
8曲目に収録されています。
☆いつでもここにいるからね

※私なりの解釈で、
これを強要するとか、他の解釈を否定する意図はありません。
【勝手に解釈】は、私の妄想のページと思ってください。
青文字は、
「ただ春を待つ」(作詞・作曲:草野正宗)より抜粋
歌詞を少しずつみていきます。
遠い明日につながってる心
こらえ切れず 飛び起きるほどの
一度だけで終わるかもしれぬ
網をくぐり 幼な子に戻る
「遠い明日につながってる心」
これは「未来を固く信じている」
ということだと思います。
「明日」だけど「遠い」。
ずっとずっと先、というより
いつになるかわからないし
来るかどうかもわからない「明日」。
でもきっとその「明日」は来る、と
信じてるのでしょう。
切なくて苦しくて、
そして待ちきれなくて、
夢に見たり、
寝てても何してても
いてもたってもいられなくなるくらい。
「一度だけで終わるかもしれぬ」
期待する「明日」は
幻のように「一度だけ」かもしれない。
それは「再会」なのでしょうか。
つかの間の「逢瀬」とかでしょうか。
同じような気持ちを
「冷たい頬」でも歌っています。
♬一度きりなら 届きそうな気がしてた
そこで出てくる
♬あきらめかけた楽しい架空の日々
それが
「遠い明日」なのかもしれません。
「あなたとの幸せ」。
「網をくぐり 幼な子に戻る」
これも、同じような表現が
「ハチミツ」でも歌われています。
♬懐かしい遊びが甦るのは
「幼な子に戻る」というのは
子供の無邪気な心になるということでしょう。
何の損得も考えず、何も恐れず
自分の気持ちに素直になれていた子供の頃の。
「網をくぐり」
「網」はおそらく「金網」「フェンス」で、
自分のいる「大人な」「常識的な」「建前の」世界と
自分が望む「純粋無垢な」「本心からの」世界との
「境界」的なものだと思います。
「夜を駆ける」でも
同じような意味で使われていると思います。
♬よじれた金網を
いつものように飛び越えて
ちゃんとした入口があるのに
金網の破れた穴から入る。
或いは、
入口は塞がれていて、
「立入禁止」の札があるのに
めくれたフェンスの金網をくぐる。
無心で遊んでいた子供の頃のように
そんな「掟破り」のような
危ないことや、いけないこと、を
胸躍らせながら、こっそりするスリル。
後先考えず自分の興味のまま遊んでいた
子供の頃のような気持ちでいられたら、と
願っているのだと思います。
自分や「あなた」の立場がどうであれ、
「あなた」のことが好きだから。
ただ春を待つのは 哀しくも楽しく
強がりでワガママなあなたにも届いたなら(*)
「春」は季節の意味もあると思いますが
「あなた」との「幸せ」という意味でしょう。
季節は勝手に巡り来るけど
「あなた」との「春」は
いつ来るか、来るかどうかさえわからない。
でも主人公はずっと待っている、
待たされている?
いや、勝手に待ってるのかもしれません。
何の保証もなく「待つ」のは「哀しい」、
でも
一度だけかもしれなくても「楽しみ」。
「あなた」は「強がりでワガママ」。
本心をまだ自分に見せてくれてない、と
主人公は思ってるんでしょう。
主人公から離れていったのも
「強がりでワガママ」なんだと。
ただただ待ち続けているこの思いを
「あなた」はわかってくれてるのだろうか。
わかってほしい。
僕はずっと待っている、と。
居場所求めさまよった生き物
足を踏まれ ビル風に流され
この部分は
「あなた」に出会う前の主人公かと。
「足を踏まれ」は、不器用で、
うまく世の中になじめない主人公。
「ビル風に流され」は、
地下に吹き込む地上からの風、
そんな「世の中を吹く風」
=「当たり前とされてること」に
振り回されながら避けていた主人公、
を連想します。
そんな日々から抜け出させてくれたのは
「あなた」なのでしょう。
「あなた」との出会いによって
主人公の人生は変わっていったのです。
ただ春を待つのは 哀しくも楽しく
見え隠れ 夢の夢
あなたにも届いたなら
「遠い明日」は、
叶いそうだ、と喜んでいたら
気のせいか・・、とがっかりしたり。
ぬか喜びの繰り返し・・。
「夢のまた夢」かと思うくらい
可能性が低いのでしょうか。
「見え隠れ」に似た表現は
「スカーレット」にも出てきます。
♬ゆらめく陽炎の向こうから
君が手を伸ばしたら
もしかしたら
「あなた」の言動が
主人公を期待させるものなのかもしれませんね。
「あなた」にも気付いてほしい。
この切ない思いを。
僕はずっと待っている、と。
雪解けの上で
黄色い鈴の音が
密やかに響く
ここはCメロ。
季節は春が近くなってきた。
「黄色い鈴の音」は
「あなた」からの嬉しいアクション?
「黄色」は、「あなた」をイメージする色。
「密やかに」=「秘密裏に」という感じで
「あなた」からこっそり嬉しい連絡が・・・?。
ただ、このCメロの後の
幻想的で揺らぐばかりのギターの間奏からすると
ここは主人公の「夢」なのでは?
黄色い鈴の音が密やかに響く
=「あなた」がこっそり現れる、
そんなことばかり願ってるから
いつも夢に見てしまうのでしょう。
(*)繰り返し
ただ春を ただ春を
いつまでも待ち続けて
ずっとひたすら待ってる。
確証も何もなくても。
遠い明日につながってる心
歌の最初に戻ります。
「あなた」との幸せを信じてやまない
主人公の切なくも強い気持ちを感じます。
【歌の感想】
変拍子で、
バックに浮遊するような音が流れ
牧歌的でのどかな雰囲気の歌です。
が、サビで打ちつけるシンバルの音!
主人公の強く熱い思いを表してるようで、
この歌のサビはまさに心打たれます。
「隠れ情熱ソング」のようでもあります。
「あなた」と呼んでいるのも
興味深いです。
主人公は「あなた」に対して強く出られず
すべて「あなた」次第?
自分の気持ちを必死で抑えて
ひたすら「春」を待ってるようです。
「あなた」には
主人公をそうさせるだけの
何かしらの理由があるんでしょう。
そして、その「春」は
「あなた」にとっても「春」なのでしょうか?
待ち続ける「春」は、
何か危険なような、
いけないことのような、
可能性が低いような感じがします。
主人公に「春」は来るのでしょうか。
いつも読んでくださって
ありがとうございます。