スピッツの6枚目のアルバム
『ハチミツ』(1995年)の
7曲目に収録されています。
☆少し見えてきた希望

こだわりが強くて
無器用が故に心を閉ざしていた僕に
唯一理解を示してくれた君
僕に君のその笑顔を見せてほしい
もう変なこだわりは捨てて
新しい道を切り拓く!
それは君とともに生きるということ
※あくまで私なりの解釈で、
これを強要するとか、他の解釈を否定する意図はありません。
【勝手に解釈】は、私の妄想のページと思ってください。
青文字は、
歌詞を少しずつみていきます。
雨 降り続くよ あじさい通りを
カサささずに 上向いて走ってく
全部ごちゃ混ぜにする水しぶき
降り続いてるのは雨だけじゃなく、
涙も流れ続けてるのかな。
そして辛いこと悲しいことも。
上を向いて走っていくのは
涙が溢れてこぼれても
わからないように。
スピッツの歌詞には
涙をごまかすために
いろいろなことをしている描写があります。
これは
♪覚えていてくれたのかい?
嬉しくて上ばっか見ちゃうよ
(「醒めない」2016年)
のパターンかな?
降る雨が
涙も過去も現実も
一緒に流してくれる。
だから傘をささないで
走ってる?
いつも笑われてるさえない毎日
でも あの娘(こ)だけは光の粒を
ちょっとわけてくれた 明日の窓で
何事にも真面目なだけに
裏目に出てしまうタイプなのかな。
無器用な日々を送ってきたらしいと思われます。
そんな中であの娘と出会った。
いつも笑われてばかりの
さえない僕にも
分け隔てなく接してくれた。
それだけで
嬉しくなってしまうもの。
自分にだけじゃないとわかってるから
「光の粒」を「ちょっとわけてくれた」
という
控えめな表現なのかも。
でも
「明日の窓」で
と、これからの希望が感じられます。
今までの
「さえない毎日」
から。
何となく高揚感があります。
これからの毎日が明るくなりそうな。
もしかしたら、心を許せると感じたのかも。
ここの部分は、
映画「フォレスト・ガンプ」の
主人公を彷彿とさせます。
いやいや、もう映画「フォレスト・ガンプ」は
いい加減に脱却しなくちゃ、ですが。
草野さんは、
映画「フォレスト・ガンプ」を観て
このアルバムの3曲目、
「歩き出せ、クローバー」を作ったと
されています。
状況が似ているからといって
ちょっと強引かもしれないですね。
でも似てるんです。
だからこの雨あがれ あの娘の頬を照らせ ほら
涙の数など忘れて
変わらぬ時の流れ はみ出すために切り裂いて
今を手に入れる (*)
もしかしたら君の頬も
涙に濡れてるのかもしれませんね。
ひそかに心に影を持った者同士
分かり合えそうな予感があったのかもしれません。
晴れた陽光で「乾かしてほしい」と願っているようです。
そして同時に
「君を笑わせたい」
「僕に笑顔を向けてほしい」
という意味もあるのではと思います。
そのために、
定められた運命があるなら
そんなの無視して
突き進んでいけばいい。
今がそのときなんだ。
「はみ出す」という表現は
♪似たような道をはみ出そう
(「正夢」2004年)
のように、
今の状況を打破したい
違う未来を切り拓きたい
ということなのでは?
♪輪廻の果てへ飛び下りよう
(「青い車」1994年)
♪ルララ宇宙の風に乗る
(「ロビンソン」1995年)
みたいな。
「変わらぬ時の流れ」は
これまでのさえない毎日?
君とは結ばれないような運命のこと?
愛と言うより ずっとまじめなジョークで
もっと 軽々と渡って行けたなら
嘘 重ねた記憶を巻き戻す
ぎこちなく、好きだの愛だのと考えるより
さらっと冗談のように、でも本音で、
素の自分で接してくればよかった。
無器用なせいで、つい思ってもないことを
言ってしまったり。
自分を見透かされないようにガードを固めて
なかなか君に
本当の自分を見せられなかった過去を
やり直したい。
きっと君は
自分を偽る必要がないくらい
心許せる存在なのだと感じたのでしょう。
だって 信じることは間抜けなゲームと
何度言い聞かせたか迷いの中で
ただ 重い扉押し続けてた
心を閉ざしていたのは
信じてもたいてい裏切られるものだと
卑屈になって
人を信じないようにしていたからかもしれません。
信じていいのかいつも迷いながら
「馬鹿をみるぞ、やけておけ」
という心の声に従って。
「重い扉押し続けてた」
かたくなに
くだらないこだわりに囚われていたと
気付いたんですね。
押してもだめなら引いてみればいいと。
君と出会って
素直な気持ちで君を信じればいいのだと
思うようになったのでしょう。
だからこの雨あがれ あの娘の頬を照らせ ほら
寄せ集めた花抱えて
名もない街で一人 初めて夢を探すのさ
今を手に入れる
(*)くりかえし
「寄せ集めた花」は、
隠してきた素の自分や、
隠し持っていた
くだらないと思われそうな夢や
自分を守るためのバリア
(それはおもちゃのような武器)
(よく「ガラクタ」と表現している)
のような気がします。
君のおかげで、それらは
「花」へと昇格するくらい。
初めて希望を感じ始めた今
自分の信じた道を歩いていく!
ここにきて、
1番のAメロは
嬉しい決意で
傘なんかささずに
上向いて走っていたのかもしれませんね。
傘は「カサ」と書かれているので
自分の今までの変なこだわり等を
全て捨てて走ってるのかもしれません。
【歌の感想】
梅雨時の陰鬱さと
ウェットな感情を歌った歌かと思いましたが
意外や、
わりと前向きな歌だと感じています。
たぶん、
ネガティブで卑屈にさえ思える歌詞と
間断なく降り続く雨を思わせる
ギターのカッティング。
ところが、サビでは
雨が止んだかのような
明るい曲調に変わるから。
そして、ところどころに入ってくる
ヴィブラフォン?の音色が
繊細でかつ穏やかな気持ちにさせます。
だからでしょうか。
陽が差して来るような感じに
あの娘の笑顔と
前向きに新しい自分を生きようとする
主人公が思い浮かびます。
ただ、
むせび泣くようなギターソロは
何なんでしょう。
君との未来の困難さと
運命を切り裂く決意との
葛藤でしょうか?
全体的に軽快なテンポで来て
あのギターソロは切ないです。
だから、
ちょっとウェットな印象もぬぐえないんでしょうか。
スピッツは歌詞だけじゃなく
ソロの部分でも「トゲ」を入れてくるんですね。
まったく、気が抜けません。
この歌を初めて聴いたとき
思い出しました。
これもカッティングギターが印象的で、
降り続く雨と
主人公の心の寂しさや焦りを感じさせます。
この歌は途中、
バンジョー?の音色が入ってきます。
どちらも片思いっぽい主人公の
心の機微が感じられる歌だと思います。
「雨」って不思議な魅力を持ってるんですね。
あらためて感じさせてくれます。