※ゴリゴリにネタバレに踏み込んでいます。

作品情報
- 作品名:MERCY マーシー AI裁判
- 原題:MERCY
- 公開日:2026-01-23
- 制作国:アメリカ
- ジャンル:SF / スリラー
- 上映時間:100分
- 配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 監督:ティムール・ベクマンベトフ
- 脚本:マルコ・バン・ベル
- キャスト:
- クリス・プラット
- レベッカ・ファーガソン
- カーリー・レイス
- アナベル・ウォーリス
- クリス・サリヴァン
これは愛すべきクソ映画枠だ……
これは、はい、クソ映画です。令和に舞い降りた稀代のトンチキ映画。
映像面は新しいものを見せてくれようとしているのが伝わってきて、その心意気は買いたい。でも脚本がぶっ飛びすぎてる……
ということで、どんな映画なのか紹介します。 なお、ネタバレを含んでいるので未見の方はご注意ください。
AI裁判の仕組みがヤバすぎる
今作の世界観を端的に説明すると、ロサンゼルスで凶悪犯罪がとんでもなく増えたことで、警察も裁判官も足りなくなって、人間では手に負えなくなって司法の全権をAIに委ねることとなったらしい。
で、効率化のためにAIが裁判官と陪審員と執行人を兼任するらしい。怖っ。
マーシー裁判所に送られた人間は、何もない部屋に腕と足を拘束された状態で、弁護士が就くこともなく自分の力で90分以内に無実を証明しなければならない。もしできなければ即処刑である。
怖っ。
それで司法を全てAIに一任させるの怖すぎるって。
どのレベルの凶悪犯罪がマーシー裁判所行きになるのかわからないけど、それにしたってさ......
じゃあどうやって無実を証明するのかというと、AIがもつ膨大な情報を駆使して自分のアリバイを立証していくのである。AIによって情報が管理されたこの世界では監視カメラの映像に留まらず、メッセージアプリでのやり取りや通話記録、SNSの裏アカまで全て筒抜け。
うん、まあいいんだけどさ、とりあえず、この世界の人たちは裁判にAI導入する前に、もっと捜査に活用したほうがいいと思う。
そんなこんなで、2年の間で18人が執行されて犯罪率が68%減ったらしい。
ねえ、それ多いの?まあね、凶悪犯罪の裁判だったら1件で2年くらいかかるし、普通に考えたら18件も処刑まで行ったっていうのは多いんだと思うよ。
でもさ、90分で有罪か無罪が決まる上に有罪だったら即処刑なんだよ。
18件って少なくない?
とんでもなく凶悪犯罪が増えたんだよ。警察が何百人も殉職するほど凶悪犯罪が増えたんだよ。
18件って少なくない?
他にも裁判所があるのかなって思ったけどマーシー裁判所しかないっぽいんですよね。
18件って少なくない?
処刑になった人が18人ってだけで裁判にかけられた人自体はもっといるってこと?でも有罪だったら即処刑としか言ってなかったよ。
まあまあまあ、そこはもういいですよ。
まだ始まって2分くらいの話しだから、こんなところで引っかかってたら先に進めないよ。
妻殺しの容疑にかけられた主人公
で、主人公はといいますと、妻殺しの疑いをかけられて裁判にかけられているよう。
本人は全く見に覚えがないが、証拠が揃っているらしい。
ねえやっぱり18件って少なくない!?
こんなこと言っちゃ駄目だけどさ、めちゃめちゃ凶悪犯罪が増えた世界でさ、妻殺しの疑いで裁判にかけられるならさ、絶対にもっとマーシー裁判所行きになった人は多いよね!
ってかなんで18件って微妙な数字にするの?そもそもトンチキディストピア設定なんだから2,000件とか言っておけばいいじゃん。なんで中途半端にリアリティ作ろうとするのさ!
ごめんなさい。もう18件の話はしないです。
続けますね。
先述した通り裁判中は、例えば監視カメラの映像だったり、関係者のSNSのメッセージのやり取り、インターネット上の金銭の取引の履歴など、AIがもつ膨大な情報を駆使して無実を証明していくことになる。となると、当然「AIにおけるハルシネーションの問題やディープフェイクによる証拠の捏造なんかがサスペンス要素のキモになるんだな」って思うよね。
実際、主人公は殺人事件が起きたその日は泥酔していて記憶がなかったり、メンタルに問題があって暴力的な一面があると言われていたりして、まさにである。
でも、そういうのは全く出てこないんだな〜これが。
全部ちゃんと事実。
映像は捏造されていないし、ハルシネーションも起こしません。
だってマーシーは完璧で究極のAIだから☆
じゃあどうやって主人公は無実を証明するのかというと、彼は警察官なので同僚に電話をして指示を出しながら捜査をしていきます。
この捜査パート自体は面白いのだが、じゃあ裁判の映画じゃなくてもいいじゃんと思う。
で、AIが持っている証拠から僅かな糸を辿って捜査を進めます。行き詰まったときはマーシーの手助けも借りながら遂に真犯人を突き止めます。
絶対マーシーは捜査に活用したほうがいいと思う。裁判やってる場合じゃないよ。もっとマーシーが輝く場所はあるって。
だって18件だもん。
真相解明編
真犯人は、過去に主人公が逮捕して、マーシー裁判で処刑になった人の兄でした。
弟にはアリバイがあったのに取り合って貰えず処刑になってしまったことで主人公とマーシー裁判所に恨みを持っていたようである。
全部ぶっ壊してる!と裁判所に爆弾を載せたトレーラーごと突撃する犯人。
絶対絶命のピンチのとき、完璧なAIだったはずのマーシーが人間の心を持ったかのように主人公を助ける!
そんなに弟が無実だっていうならここで証明してみなさいよ。だってここは裁判所だから。
いやいやいや、もうここまでの状況になったらそんな挑発に乗らないでしょ。弟が死んだのは変わりないんだし、自分だってもう凶悪犯罪者になってしまっ
やってやんよおおおお!!!
やるんかい。
まんまと挑発に乗って答弁を開始する真犯人。その間に主人公に取り押さえられて敢え無く御用。
言わんこっちゃない。
しかし事件はここで終わらず、真犯人を同僚の刑事が銃でぶち抜いてしまいます。彼女は、真犯人の弟をマーシー裁判所にぶち込んだ張本人でした。
当時、アリバイがあるから捜査をし直してほしいと連絡を受けていたにも関わらず、こいつはやってるに決まっていると全く取り合わずに独断でマーシー裁判所送りにしていたのです。
そんないち刑事の判断で簡単にマーシー裁判所送りにできちゃうんだ......
18件は少なくない!!??
まとめ
ということで以上、令和に舞い降りた稀代のトンチキ映画『MERCY マーシー AI裁判』でした。
どう考えても脚本が変なんだけど、あまりに変すぎて考えているうちに「もしかして自分の脳がハルシネーションを起こしているのか!?」と思い始めて無性に2回目を観たくなってきている。これがAIの力か......恐ろしい映画だ……
良いところもいっぱいあるんだよ。面白いか面白くないかで聞かれたら、めっちゃ面白い。
ホバーバイクとかカッコよかったしね。