映画『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』の感想です。
(ネタバレなしですが、未見の人は一応ご注意ください。)

作品情報
- 作品名:ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編
- 公開日:2026年3月13日
- 上映時間:122分
- 制作国:日本
- ジャンル:アクション/アドベンチャー
- 原作:野田サトル『ゴールデンカムイ』(集英社)
- 監督:久保茂昭
- 脚本:黒岩勉
- 配給:東宝
- 鑑賞形態:試写会
- 公式サイト:https://kamuy-movie.com/
感想
①実写映像化の理想系
アクション漫画やアニメの実写化作品として、改めて「理想系に近いシリーズ」だと感じた。
原作に忠実な展開。
キャラ設定も原作通りで、ビジュアルも可能な限り寄せる。
でも、実写でそのままやると違和感が出やすい部分は、オリジナルの要素を入れたり、見せ方の工夫で処理する。
この塩梅がちゃんとしていて、原作の“芯”を捉えている。
作り手がリスペクトを持って組み立てれば、原作通りの展開でも映画として成立するし、逆に改変が作品に対して不誠実でもない。
『ゴールデンカムイ』は、その両面をちゃんと証明してくれるタイプの実写化だと思う。
②三つ巴なのに散らからない
『ゴールデンカムイ』の大きな特徴としては、杉本一行、第七師団、土方一派の三陣営が入り乱れながら闘っていくという部分がある。
三つ巴の勢力がぶつかり合う話って、描写が薄くなったり、話が散らかったりしがちなものである。
特に今回の話は網走監獄の勢力も加わり四つ巴の構図になる。漫画3巻分とはいえ、120分にまとめようと思うとどこかが薄くなってしまうのはしょうがないのかなとも思う。
劇場1作目に関しては、そこが若干散らかってしまった部分もあった。
でも今作はそこが上手くコントロールされている。 前作やドラマである程度の基本の説明はできていることも大きいが、アクションや画で関係性や心情を示すということができているので、無駄に言葉で説明をしなくても体感的に理解ができる作りになっている。
③アクションで引っ張りつつ、間を退屈にしない設計が上手い
アクションが中心になって物語が動く構造も効いていた。
画面が停滞しにくいし、アクション自体も同じことの繰り返しにならないように工夫されていて飽きない。
さらに、
- 誰が裏切り者なのか
- のっぺら坊は本当にアシリパの父なのか
みたいなサスペンス要素が入ることで、アクションとアクションの「間」が退屈にならない。
緩急がきっちりついていて、集中が途切れにくい作りになっていた。
完成披露試写会のときにクライマックスのとあるアクションシーンについて、舘ひろしが
当初は長いセリフの言い合いがあってからアクションが始まる構成だったが、それだと画面がもたないので、途中でアクションを挟みながら会話を進めることを監督に提案した
という旨のことを話していて、これはかなり効いている判断だったと思う。
実写だと「会話で溜めてから動く」が必ずしも映えない場面がある。
逆に、動きの中で会話をさせたほうがキャラの圧が出ることもある。
画が動くってすごく大事。
さすがに僕たちの舘大先輩。
まとめ
キャラ作りに関しても、「見た目を寄せること」自体が目的になっていないのが良い。
芯に当たる要素を捉えたうえで表現しているから、結果として見た目も“そのキャラに見えてくる”。
『キングダム』シリーズが「原作の通りにやる」実写映画の道を切り開いたのは間違いない。
ただ、一本の映画として観たときに惜しいと感じる部分もあった。
『ゴールデンカムイ』は、その“惜しさ”が一段クリアされていて、また一つ上のステージに行ったように感じた。
キングダムもゴールデンカムイもまだまだ続きそうだし、山﨑賢人が過労で倒れないかだけ心配。
