10月29日水曜日の続きです。
ポン・デュ・ガール
南下してこの旅のハイライト中のハイライト、ポン・デュ・ガールへ。40km/40分。一昨日と違ってこちらは表通りA9、通行料2.5€。
この旅2つめの世界遺産「ポン・デュ・ガール」'Pont du Gard'(TAヴェール・ポン・デュ・ガルの観光 6件中1位 トラベラーズチョイス2025)。
駐車場9€に車を置いて、チケット・カウンター(スタッフさん日本人です)でガイドツアーの催行時刻を聞いたら14時でフランス語だと。明確な指示をしていなかったので嫁は躊躇しましたが、博物館入場を含むガイドツアー15€@1人を申し込みました。
既に雨が降り出していたので、取り敢えず博物館を見て時間調整することにしました。

古代ローマの暮らしや、
橋の建築について、新旧織り交ぜながらの展示。
この水道橋は、この北にあるユゼスの水源地から52km、水道経路で80km程下流のニームに水を引くためのもの。
そしてツアーの集合。
何のことはない、我々が一度見た博物館からツアーは始まるのですけども。
西暦50年頃の建設だと言われています。
1層の上部に道がありますが、これは水道橋が放棄された後に道路として利用していた中世のアホなフランス人達が橋脚を削り、構造的に危険になっていたため、ルネサンス期の価値再発見以降修復が行われて1740年代に頑丈な道路橋ができたもの。その際2層の凹みが埋められたそうです。

ツアーは1層上通路から北側斜面を登り、2層目のアーチに手が届くところまで上がりました。橋が上流(右)に曲がっているのは、急流のガルドン川の水圧に耐えるための建築構造的なものでなく、温度差等によって発生するものだとか。
もう少し登り、3層目の入口から螺旋階段を登って3層目の水路へ。ここに上がる/入ることができるのはガイドツアーだけなので、ガイドツアーは参加必須です。
通路が狭くなっているのは、もともとそうなのではなく、メンテナンスの悪化に伴って付着した水垢、石灰。
基本的には屋根があるのですが、途中からなくなり、オープンエアに。2層目アーチ下で解説を聴いていたとき強まった雨足は、ほぼ上がりました。
壮観。
水道橋の南端から真っ直ぐ先にトンネルがありますが、これは古代ローマ水道でななく、後代のトンネル。

既に埋もれていますが、橋から手前に曲がってくるのが正しい水路です。
水道橋が廃れたのは、西ローマ帝国滅亡後この地域を支配していた西ゴート族をフランク族がヴイエの戦いで破ったことにより、水源地の支配者が変わったため。
トンネルの先にある'Pont de Valmale'は、ローマ水道再興を目指して建設されたそうですが、目論見を達する前に潰えたようです。

古代ローマと同じことを後代に成し遂げるには、資金が足りていても、堅固な意思と勤勉なローマ兵が足りませんね。
橋までトンネルを戻る嫁に対し、私は管理道路(現在はトレッキングコース)を走って戻ります。素晴らしいフラットトレイルです。
そして、嫁を置いてトレッキングコースを上流側へ走ります。
おお。
素晴らしい。これこれ。
これが見たくてここまで来たのよ。
走る私の足元はSALOMON SENSE RIDE 5 GORE-TEX、ドロップ8mmと大きいので私はランニングシューズとして持っているものではありませんが、すごく走り易いです。適度な柔らかさでスタビリティがしっかりあります。柔らか過ぎるADIZERO BOSTON 10より全然いいな。恐るべしサロモン。

嫁のもとに駆け戻り、一緒に1層目まで降ります。

ローマの土木技術に感嘆。
1層上の通路に出る嫁とまた別れ、下流に向かって走る私。今度は下から橋を見上げます。
この安定感だな。後代の水道橋は、確かに3層ではありますが、寧ろセゴビアの水道橋(2層)に似ている印象があります。
アップ。

河川敷を走り回っては見上げました。いやぁ、素晴らしかった。
まあ美しいのは中世の橋が付け足された下流側からでなく、上流側からですけどね。
そしてまた走って嫁の元に戻ります。
ここもZWIFTの舞台になっています。
liprofumodellarosa.hatenablog.com
zwiftでは乗車して通行しますが、実際には自転車の乗車通行は禁止です。

いやー、良かった。
施主は、ここにも出てくるかという、帝政初期・パックス・ロマーナ下のガリア属州のインフラ整備の立役者アグリッパ。竣工は没後60年程経過した時期なので、「原案」くらいじゃないかと思いますが。
ガイドの説明を聞いたりしながら、ポン・デュ・ガールの辺りを走ったら最高に楽しそうだなと思って何となく検索したら、ありました。トレランレースが。
我らが訪れた直後の11月。
そのものニームから水道を辿って水源地ユゼスまで走る82km、ポン・デュ・ガール周辺だけの16kmなど。
私の走力では82kmはないですが、楽しそうです。
ニーム'Nimes'
降ったり止んだり、雨の方が優勢になる天候下、ポン・デュ・ガールから約25km、ニームに到着しました。
旧市街に入り込むと大概ややこしいので、進入経路上丁度旧市街が始まる旧市街東端、Église Saint-Baudile地下のParking Indigo Nîmes Porte Augusteに入り、500m徒歩でこの日のホテルに到着しました。
「オテル・マルキ・ラ・ボーム」'Hôtel Marquis de la Baume'☆☆☆☆(TAニームのホテル38軒中15位)。ベストウエスタン・ホテルズのチェーンになっています。外観はパッとしませんが、ブルゴーニュ出身の名門貴族ド・ラ・ボーム家が17世紀に建設した歴史的建造物です。

オープンエアのパティオに雨が降り込んでますけども。
スタンダード・ダブルを予約していましたが、アップグレードしていただきました。とはいえこのホテル、スタンダードとスーペリア/クイーンの違いは、ベッドの大きさだけみたいです。
広いシャワーブース(笑)、バスタブはありません。
特徴であるパティオ、というか階段が素晴らしいです。
まさに歴史的建造物。
ポン・デュ・ガールで嫁のシューズが汚れた&濡れたので、土で黒くなったトゥを綺麗にして、水気を吸収して、ドライヤー&暖房機である程度乾かしてから、夕食に出ました。ちょっと傘が手放せない天気になっていますが、幸い寒くはありません。
レストランの近くにあるメゾン・カレ。これは重要な施設ですが、細かい話は明日。
妖しいライトアップ。
本日訪ねるレストランは、'Le Questel'(TAニームのレストラン562軒中3位 トラベラーズチョイス2025)です。

特徴はタパス(小皿料理)。リヨン地方の山羊のチーズ、カシューナッツ添え。カマルグ牛のシチュー。ホタテとエビの中華鍋炒め。チキン・シチュー。
普通の料理4品取ると我らにはキツいのですが、小皿なので安心して美味しく食べられました。嫁はチキンを絶賛。
このボリュームで71€なのでお得感はあんまりないと言っていいんじゃないかな。
そしてホテルに戻った後は、再度嫁のシューズを乾かして眠ることにします。
おやすみなさい。