本日はレッド・ツェッペリン解散45周年です。1980年は、12月に音楽業界の大事件が起きてまして、1つはツェッペリン解散、も1つはジョン・レノン殺害。当時洋楽に目覚めて親にラジカセ(ヲタク心を唆るパイオニアの最高峰SK-95 ¥79,800)を買ってもらった私は、アバとかノーランズとかザ・ドゥーリーズとか所謂「キャンディ・ポップ」が中心で、ツェッペリンはまだ知らなかったし、ビートルズは(当時も今も)興味ありませんでしたが。
と言いながら先月の話ですが、先週末11月30日日曜日は、首都圏暮らし30余年、電車で通過したことしかない東京都北区にやってまいりました。
嫁と烏山公園の桜見に来たことあったかなあ。
と書いている途中に、荒川サイクリングロードをしょっちゅう通っていたことを思い出したけども。
北とぴあです。「きたく」だから「きたとぴあ」と読んでいましたが、Webサイトによると「ほくとぴあ」が正しいそうです。

王子駅のすぐ近くにあります。

この10日程前に「どっかでバロック・オペラ」やってないかなとジャパンアーツ・ぴあの情報を漁っていたらヘンデルがあったので、ポチッといっときました。
北とぴあ国際音楽祭、「古楽から現代までのクラシック音楽と、世界の伝統音楽を楽しめる」音楽祭だそうで、10月10日開幕、本日のこの舞台をもって閉幕と。
ヘンデルの「ロデリンダ(Rodelinda, Regina de' Longobardi)」です。
会場は2階1,300席の大ホール「さくらホール」。

オーケストラピットもある本格的な音楽ホールだそうです。

座席は2階の端の方最前列(安い席でいいや、と思いましたがここでもS席(SS、S、Aという構成))7,500円@1人。

オーケストラピットは、今日は客席最前列ブロックになってました。管楽器全員入っても21人かな、の小編成で、舞台装置がないセミ・ステージ形式なので、オーケストラはステージ上。

小さいホールなので、どうだろう、ステージから2階席までの距離はスカラ座やシュターツオーパーより近い筈なのですが、階段状でヨーロッパのオペラハウスの3階(日本の4階)よりもっと高く見下ろし観が強いので、ライヴ感があまりないです。
【指揮・ヴァイオリン】
寺神戸 亮
【演出】
小野寺 修二(カンパニーデラシネラ)
【歌手】
ロデリンダ:ロベルタ・マメリRoberta Mameli(ソプラノ)
ベルタリード:クリント・ファン・デア・リンデ Clint van der Linde(カウンターテナー)
グリモアルド:ニコラス・スコットNicholas Scott(テノール)
エドゥイジェ:輿石まりあ(メゾソプラノ)
ウヌルフォ:中嶋俊晴(カウンターテナー)
ガリバルド:大山大輔(バリトン)
【ダンサー】
崎山莉奈、大西彩瑛
チケット買った後に言ってますが、私はカウンターテナーの声質は好きではありませんで。同じ音域ならファルセットの男声よりアルトの方が良いと思うし、ヘンデル・オペラの最も有名なアリアはソプラノだし。それ言うとバロック・オペラはそもそも無理だろという話でもありますが、ジョン・アンダーソンさん、イアン・ギランさん、デヴィット・バイロンさんでなく、ロバート・プラントさんなのです。高音はファルセットじゃなく太いミックスで出せ、シャウトはただ叫ぶんじゃなくピッチ使え、みたいな。
が、中嶋さんの歌唱は、控えめに言っても素晴らしかったんじゃないでしょうか。アジリタの切れは、ニコラスさんを上回る彼が1番だったと思います。正直初めてカウンターテナーをいいなと思いました。鑑賞後、この投稿までに「ロデリンダ」の2つの録音、「リナルド」、「アグリッピーナ」にグルックの「オルフェオとエウリディーチェ」と聴いていますが、やっぱりカウンターテナーさっぱりいいと思いませんでした。うん、まあライヴ鑑賞ブーストもあるとは思いますが、中嶋さんの歌唱が格別に良かったってことですかね。
管弦楽は、多作で使い回しの多いヘンデルにしてまた当時のオペラにおける管弦楽は伴奏的な要素も多分にあるので、リナルドやアグリッピーナとの区別が(私には)できないところが多いのですが、日本のバロック第一人者であろう寺神戸さんの弾き振りとともに30年この音楽祭をやってきたオーケストラの演奏は、バロック音楽らしい軽妙さが素晴らしかったです。
歌手も脇役陣まで隙なく、そしてタイトルロールのロベルタさんの素晴らしさは言うまでもなく。
レベル高いな、区の音楽祭。
A4版24ページのパンフレット(入場料に込み)は仲々頑張った造りです。

解説が非常に良くて、バロック・オペラの入門解説書として使えそうなくらいの内容です。
公共音楽ホールといえば。
浦安市には「J:COM浦安音楽ホール」がある訳ですが、4年半前の金子三勇士さん以来行っていません。
2017年に市長が代わった後、金食い虫の問題施設扱いされて市の検証委員会案件になった訳ですが、以前はピアノ選定委員でもあった仲道郁代さんやライナー・キュッヒルさんや上原彩子さんなど錚々たる面々がおいでになったのに、最近は「聴きたい❗️」と思うアーティストさんがおいでにならず。スタインウェイD-274にヤマハCFXと世界最高峰のコンサートピアノが2台あるのに、ピアノを使うイヴェント自体が月に1回もない頻度じゃないかと。調律してるかしら?埃被ってないかしら?
それでいて室内楽向けの600席のホールなのに、ラグビー・ワールドカップのパブリックビューイングやったり、
逆に2021年ショパン・コンクールのファイナリスト・特別賞受賞者エヴァ・ゲヴォルギヤンさんの初来日リサイタル・ツアーは音楽ホールじゃなく浦安市文化会館大ホールだったり。ライヴCDまで録音したのに(ここと浜離宮で収録)。
彼女には交通の便の悪い1,300人収容のホールを埋められる動員力があったのかもしれませんが、翌年の再来日は小ホール(それでも音楽ホールは使わない)だったし、再々来日は浦安に来てくれなかったし。あまりいい印象を持っていただけなかったのではないかしら。
いいアーティストさんさえ招聘してくれれば行くんですけどね。
活用せずに「無駄」を演出するよりも、音楽ホールを積極的に貶めようという意図が働いているのでは?
というのは証拠を持っていないので一音楽ファンのただの勘繰りですが、文化施設が政争の具になる町では30年続くハイレヴェルな音楽祭なんて無理ですね。お金持っていても東京には敵いませんな。