6月28日金曜日、本日は雨の中、渋谷NHKホールにやってまいりました。

主にオペラ鑑賞で何度か来ている筈ですが、長らく来てませんでしたね。
“ロイヤル・オペラ”コヴェントガーデン王立劇場の日本公演、ヴェルディ 歌劇「リゴレット」です。
前回2019年のロイヤル・オペラ来日公演の際も参戦、演目は同じヴェルディ作曲の迷作「オテロ」でした。
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オペラ鑑賞は1年前のパレルモ・マッシモ劇場「ラ・ボエーム」以来。
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その際はヴィットリオ・グリゴーロさんを聴きました。
ホントは私、半年前にウィーンで「ドン・パスクワーレ」を聴いている筈だったのですが。
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最近急速にベルカントに傾倒している私は、2月にはファン・ディエゴ・フローレスさんのリサイタルにも行きました。
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グリゴーロさん、フローレスさんを体験した私としては、マントヴァ公爵をハヴィエル・カマレナさんが歌うのが決め手でした。
ベルカントという点ではロッシーニとかドニゼッティだと尚良いのでしょうが、ヴェルディの傑作オペラ「リゴレット」なら何の文句もありません。オテロは5年前に演っているからないとして、アイーダならちょっと考えたかもしれません。
オペラはチケットが高額なので、今回は3階のD席にしました。

遠いですけどほぼ正面です。ハコが大きいので、3階後列となると、ヴェルディの編成ではオーケストラが些か寂しい観はあります。座席の埋まり具合は、3階はいま一つだったかな。
指揮:アントニオ・パッパーノ
リゴレット:エティエンヌ・デュピュイ
ジルダ:ネイディーン・シエラ
マントヴァ公爵:ハヴィエル・カマレナ
演出:オリヴァー・ミアーズ
ロイヤル・オペラといえば私にとっては後にも先にもショルティさんな訳ですが、2002年以来この劇場を率いて優れた演奏を残してきたパッパーノさんの音楽監督も今年が最後です。
前回のオテロも素晴らしかったですが、今回も素晴らしかったです。オテロのビリビリとくるような緊張感はありませんでしたが、特に第2幕フィナーレでのリゴレットとジルダの二重唱と一体になった音楽のうねりは、やっぱりヴェルディはこれだよね、と思わせるものでした。
相変わらず高水準の歌手陣を揃えるロイヤル・オペラ、個人的にはモンテローネ伯爵のエリック・グリーンさんの声がもうちょっと硬質な方がいいと思った点が気になっただけ。
主役の3人はいずれも素晴らしかったです。
ネイディーン・シエラさんは、失礼ながらこの公演まで存じ上げなかったオペラ界では若手の36歳ですが、テクニックも声の美しさも素晴らしく、見事に純粋で可憐で馬鹿な娘でした(役をしっかり表現しているということですから最大限の褒め言葉)。
カマレナさんは、この人の「あの女が誘拐された」と「女心」がこの作品のハイライトですからね、録音で聴くパヴァロッティさんの楽天100%より更に明るい、自覚なき憎めない碌でなしぶりでした。
デュピュイさんも、リゴレットはマントヴァ公爵を取り巻く悪党の1人な訳で、不幸に見舞われるのは呪いでなく悪徳の報いと考えるべきだと思いますが、娘に対する純粋そのものの愛情に思わず引き込まれながら第2幕の二重唱や第3幕の四重唱に聴き入りました。
うん、やっぱりヴェルディはこうでなくては。
演出は、美術コレクターにして女性コレクターのマントヴァ公爵を表象するものとして、第1幕では巨大なティツィアーノ作「ウルビーノのヴィーナス」(ウフィツィ所蔵なので私は本物を鑑賞したことがあります)、第2幕・第3幕は同じくティツィアーノの「エウロペの略奪」が掲げられていました。後者は元々原画の一部を切り出した構図で、また私の席からはモデルの頭の部分が見えなかったので牛の絵が無ければ何か判別できなかったと思いますが、「ジルダが誘拐された」以上の寓意があったのか不明。
まあお上品な方が好きな私には、お下劣な演出はあんまり好みじゃなかったです。まあオリジナルがお下劣なのだから仕方ないか。
チケットは高額ですが短いヴェルディのオペラ、18時30分の開演からカーテンコールが終わるまで3時間弱。まだ雨の残る中、遠くの駅まで歩きながら余韻を楽しみました。
NBSでオペラですから、当然パンフレットは豪華です。A4版104ページ、3,000円。右のキャスト表は今後の公演フライヤーと一緒に配っていました。
