
今年も新入社員を迎え、コンプライアンス研修を行いました。*1
以前と大して進歩がありませんが(大汗)、少しずつ変えています。
以前から変えたところ
今年も引き続き、講師は若手に任せました。役職者からありがたい話を聞けたほうがいいかもしれないけど、私はありがたい話ができません。
変えたところといえば、以前は、自社の典型的なビジネスモデルを伝えて、その中で誰とどんな契約をするか、どんな注意事項があるか、をゲーム感覚で学んでもらうワークをしていたのですが、それをやめました。楽しそうに取り組んでくれていたとは思いますが、「最初が肝心」ということで、コンプライアンスにフォーカスを絞ることにしたのです。
伝えたいことも見直し、
- 春から、「●●社の」▲▲さんになった(自分の行動=会社の評判)
- あれ?と思ったら立ち止まってみよう。そして、誰かに相談してみよう
は維持しつつ、立ち止まって考えるときに、「どんな観点で考えたらいいか」を身につけ、自分で(周囲と)考える力を少しでも養うことを目的に設定しました。
以前伝えていた「いのちだいじに」は、人事や総務が耳タコレベルで伝えるので、法務からは割愛です。
杓子定規に判断できない場合にどうするかを自分で考える力を養う
社内で実施した意識調査では、「コンプライアンス実践のために意識していること」として、「明文のルールに違反しているかどうか」「上司がOKというか」と答える人が多く、むしろそれさえ確認すればOKと捉えている従業員がかなり多そうだとわかりました。自分では考えないの?という悲しい結果です。
たしかに、これまで、新入社員研修や他のコンプライアンス活動で、「行動を起こすときには、ルールやポリシーを確認しよう。周囲に相談しよう」と、手を替え品を替え、説明してきました。ただ、他にも、「相手の立場に立って考えよう」「自分や家族がされたらどうか考えよう」などと、杓子定規に判断できない問題の向き合い方も一緒に伝えてきたつもりなのに、調査結果を見る限り、これらは思うほど伝わっていません。しかも、この数年改善がないという法務泣かせの状態です。
現に、ハラスメントとはいえないものの、配慮や寛容さに欠ける行動で職場環境が悪化しているケースも見られます。*2
そこで、せっかくの集合研修、かつ、まだ当社色に染まっていない状況を活用し、以下を身につけてもらう内容にブラッシュアップすることにしました。
- 自分は気にならないことでも、他人には重大事、あるいはコンプライアンス上アウトなケースがあることを知る。
- そのようなことに気づくには、どうすればいいかを知る。
コンプライアンス上問題があるか、なぜ問題かを議論する
今回の研修では、前半は、従前とほぼ同じ内容で、一般的な座学研修をした後、後半にチーム単位でワークに取り組んでもらうことにしました。
具体的には、以下のような事例をいくつか見せ、まず、コンプライアンス上「あり」「なし」を選んでもらいます。
- 香水をつけて商談に行く。
- 業務時間終了後、上司からメールが来ても返信しない。
- お取引先との商談で、上司の許可なしにお取引先の要望を承諾する。
意外にも?予想どおり?ここで様々な意見が出て、盛り上がります。「香水の何がダメなんだ?」「上司の連絡には対応しないといけないのでは?」「契約をとるためには、お客さんの要望は聞くべきでは?」という感じで、放っておけば数十分話してくれそうでした。
次に、出した結論の理由、とくにコンプライアンス上「なし」と考えた場合、どうして「なし」なのか、をチーム内で議論してもらいます。
ここでは、よくないのは直感的にわかっても、うまく理由づけができず議論が止まる場面もあったので、「自分で勝手に取引条件を決めてしまったら、会社はどうなるか?」といった感じで適宜足場かけを行います。
最後に、その内容を見せ合い、法務から適宜コメントをする、という流れで進めました。
「香水は問題ないでしょ」という考えの人も、他のメンバーと話すうちに、「つけすぎは相手を不快にさせるな」「自分はよくても相手は苦手な香りかもしれないな」と気づきを得る人もいて、目論みどおり。
私たちからは、ワークの講評として、行動を起こすときには、まずはルールを確認しよう、周囲に相談しよう、そして、それをやったらどうなるか、自分や家族がされても平気か・家族に見せられるか、を考えてみよう、といった話で締めました。
所属先では、研修をすると新入社員からお礼という名のフィードバックが届くのですが、ワークでの議論が印象に残ったとのことでした。私たちも、抽象的な説明だけでなく、具体的な問題で実際に考えたり議論したりする重要さを改めて確認する機会になりました。
振り返れば改善点はたくさんありますが、来年も同じようにやってみようと思います。来年はもっと難しい問題にするぞ!