まず、連載の更新のお知らせから。都築響一さん主宰の有料メルマガ
ROADSIDERS' weeklyに連載中の
「ユーラシア後ろ歩き」が水曜に更新されました。
今回も、トラブル満載です。
でも、「土砂降りの後には虹が出る」
かも?
あと、この春に5年ぶりに北京を訪れる機会を得たので、
久々に北京の現代アートについて書いてみました。
多田麻美|北京798芸術区の現在とメディア・アート – artscape
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今回の北京滞在は足掛け5日、実質3日半。
用事に追われたので、もう少し長く居られたら、と思った反面、
実際はホテル代が高くて、なかなか難しいかな、とも。
でも、胡同エリアや芸術区を巡り、友人たちとも久々に集うことができ、
とても充実した時間だった。
再開発された市場エリアの今の様子を見て、脱力感を覚えたり、
古い国営商店だった地安門百貨商場(通称「地百」)が
ネオンキラキラになっているのに腰を抜かしたり、
南鑼鼓巷の一部の店が奥へ奥へと進化し、
フードコートになっている場所さえあるのを探ったり。
封鎖こそ解かれていても、コロナ禍の影響が、
街の商店街の範囲や形式を変えているのがよく分かり、
やはりひと嵐去ったのだ、と実感。
ある友人などは当時、感染者の近くにいたことが判明し、
感染の疑いありということで、
病院に検査に行かねばならなかったのに、
公共交通もタクシーも利用を拒否され、
たいへんな距離を自力で移動する羽目になったのだとか。
メディアなどを通じて断片的に知ってはいても、
やはり現地の友人の口から直接聞くと、
当時の大変さがずしっと重く感じられる。
もちろん、いい変化もある。
まず、衛生面がぐっと向上し、
ホテルの部屋の清潔度が上がったとされること。
そして、
ごみに関心がある私は、やはりこれに感激。

現地の友人によると、冷え込んだ消費をふたたび促すための策として、
ナイトライフの充実化も政策レベルで行われているのだそう。
でもライトアップなどの趣味は良くなっているので、感じは悪くないらしい、
若い世代の影響で、人々のマナーも良くなっているのだとか。
一方、そんなに変わっていないなあ、という風景もあった。

実際のところは今回、
イルクーツクに帰ってからも、中国のことであれこれ驚いた。
ラジオでも話したように、中国の食品を売る店が急に増えていたのだ。
以前なら、中央市場近くの中国食品店まで行かねば買えなかった品が、
自宅からほど近い地下商店街の中で買えるようになった。
何より嬉しいのが、この二つ。

北京時代は毎日のように使っていた調味料。

こんな北京名物のお菓子まで買えてしまい、スラバ大喜び。
昔、イルクーツクでもよく売っていたのだそうだ。
反対に、日本の醤油はひどく高くなっていて、げんなり。
日本からひと瓶持ってきておいてよかった。
いずれにせよ、
このように中国の品がたくさん入ってくるようになった理由は、
恐らく経済制裁の抜け道としての中露貿易の盛り上がり。
いわば、私たちは漁夫の利の恩恵を受けているわけで、少し後ろめたい。
とはいえ、こちらで暮らす以上、
日本の消費税に当たる付加価値税を払い続けねばならないので、
その行き先を考えると、さらに気が滅入るのだが。
プラスマイナスでプラスになるぐらいの、存在意義は生み出さねば、
と心では思うが、非力を恥じるばかり。
消費税レベルで考えてみたら、
野菜は自家菜園で作り、
牛やニワトリなんかも自分たちで飼って、
暖房用の薪とかも自力で手に入れて、
半ば自給自足で暮らしている農村部の多くのロシア人の方が、
よっぽど戦争への加担度は低いのかも。
でも、兵士の多くはそういった農村から出ている。
心中も世の中も、考えれば考えるほど複雑。