こんばんは、Clariceです。
ヴェネツィア滞在二日目のこと。
何かとメモ魔の私、帰りの飛行機で旅日記を書いていたので、それを読み返しながら書いています。
記録はすぐに残しておかないと鮮度が落ちるので、小さいノートを持ち歩いて本当は休憩時にこまめに書くのがいちばんよいのです。

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朝食
初のホテル付朝食会場へ。部屋を出た瞬間、パンの焼き上がった甘い香りがして、懐かしい気分になりました。
食堂では、ホテルスタッフの方にBuongiornoとあいさつで始まります。
(日没後ならBuonasera。このしっとりした音の響きがとても好き)
お店でも宿泊してるホテルでもレストランでもどこでも、とにかくあいさつ文化があって、これをせずに過ごすと普通に嫌われます。笑
町中に溢れるCiaoの連呼とGrazie mille(どうもありがとう)に、底抜けに明るくて人懐こい国民性を感じました。
現地で食べたお料理はすべて例外なく美味しかったのですが、なかでも焼きたてのクロワッサンの美味しさには本当に感動しました。
ざらめのシュガーをまぶした大きいクロワッサン、なかに美味しいリンゴジャムの入った小さなクロワッサン。
イタリア人の朝食は、バール(カフェ)に立ち寄り、クロワッサンにカプチーノだとか。
硬めのスクランブルエッグ、チーズ数種、生ハム、ヨーグルト、ピクルス(玉ねぎ、パプリカ、にんじん、カブ)、フルーツ。
毎朝、食後には紅茶を頂きました。
窓からは中庭と中世風レンガ造りの高い壁が見えます。
どこからか鐘の音が聞こえます。
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リアルト橋
ホテルからサンマルコ広場までは徒歩30分。

早めに出て、前日とは違うルートで行ってみようと進むとリアルト橋に行きあたりました。

リアルト橋といえば、観光客がびっしりでスリの名所というイメージでした。
しかし、このときは静かでスリの気配もなく、ゆったり景色を眺めることができました。
共和国時代は、この橋に銀行が立ち並び、活気があったとか。

朝のヴェネツィアは混雑していなくて、大通りも静かで情緒があります。
日帰り観光の人も多いからでしょうか。
運河を行き交うヴァポレット(水上バス)もとても優雅で、やはり車や自転車がなく、移動手段が徒歩か船というので時間の流れがゆったりしている感じ。

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サンマルコ寺院
サンマルコ寺院には早めに着いて、QRコードで入場。
日本語ガイドの貸し出しがあって、友達が借りたいと言い、結果あってよかった!
キャプションなどがないため、目で見るだけとは、得られる情報量が違いました。
ただ、受付で端末と引き換えにパスポートを人質に取られました。やっぱり身分証明として持ち歩くことが大事。
そうはいってもパスポート提示を求めてくるニセ警官には注意。
ヴェネツィア共和国の簡単な歴史から。
ビザンツ帝国の影響下からモザイク画技術と交易で得た莫大な富、財力で金を惜しみなく使用できたこと。
また、ヴォールト技術でクーポラ(半球型のドーム屋根)をより高く持ち上げることができたことなど。

天井一面に金に光る欠片が張り巡らされ、聖書の場面が描かれ、圧巻でした。

灯りが松明の炎しかなかった時代は、礼拝者にとてつもない衝撃を与えたことでしょう。
文字が読めない人にも、絵巻のように聖書を解説する役目があったということです。
教会や寺院にはどこにも、赤い蝋燭に火を灯して奉納されていました。

金でできた豪華絢爛な祭壇、パラドーロも見学しました。
設置された看板のQRコード読み込みでアカウントにログインし、その場でクレカ決済、新たなQRコードで入場。
みんなその場でスマホでやっていました。イタリア語と英語のサイトだから、その場でかなり集中力を要しました。
エメラルド、真珠、ヒスイ、ガーネット、トパーズ等の宝石がふんだんにはめ込まれ、キリスト、十二使徒、聖書の場面が描かれています。


サンマルコ寺院全体は、聖なる内陣と外陣に仕切られており、パラドーロは内陣に設置されています。
また、床のタイルも見事でした。
当時、各地から交易で取り寄せた色とりどりの石タイル。特に赤のタイルは希少だったとか。
幾重もの円や、花柄などの模様が描かれており、その緻密に計算され尽くした消失点は見る者の眩暈を誘うようだと。

寺院内や外には立派な大理石の柱(マーブル柄、縞柄、斑紋の入ったもの)が立っていますが、下の方はアクア・アルタ(高潮)による浸水で浸食されています。

季節によって広場まで水に浸かるというのは知っていましたが、それも結構な頻度の模様。
温暖化による海位上昇が原因だとか。
街の通路の真ん中にもアクア・アルタ用に高さのある板が積まれていて、いつでも足場をセットできるようになっていました。
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前日訪れたカフェ・フローリアンから広場を隔てて向かいにあるカフェ・ラヴェーナにてジェラートを頂く。
ヨーグルトベリー味にしました。ピッコロサイズでも大きく感じ、お腹いっぱいに。
コーンはワッフル生地で、本当に感動するほど美味しかったです。
ここまでくると、「食」にかける情熱が根本的に違う感じがしました。
滞在中、何を食べても美味しかったので。

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ドュカーレ宮殿
チケットはサンマルコ広場共通券を事前に購入していたのでスムーズ。すぐに荷物検査がありました。
入場すると、すぐに内庭をぐるりと囲むテラスに出ます。

期間展示をやっていて、現代までのデモクラツィア(民主主義)の歩みと共和国時代の選挙システムの仕組みについての展示のようでした。
当時の選挙システムは慎重すぎるほど複雑で、パネル展示をじっくり見ます。
選出したなかの人々からさらに選出して、そのなかからさらに選出して、の幾度もの繰り返し。
独裁者を作らないために編み出されたシステムでした。
横で一緒に見ていたおじちゃんが、その複雑さに苦笑していました。
建物内は、天井画が大迫力。ティントレット、ティツィアーノ等々。
ルネサンス巨匠のダヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロらの絵がデッサン重視なのに対し、ヴェネツィア派絵画の特徴はその色彩にあります。
とても色鮮やかで、どの部屋も金と色彩の洪水のようでした。


十人議会やセナート(元老院)の審査室や待機室がとにかくたくさんあり、宮殿の全体像がつかめませんでした。
ドージェ(共和国元首)が神から権威を授けられている系の絵が多かったです。
ドージェが被っている帽子の展示を見て、「烏帽子」みたい!とトレードマークとして覚えました。
ヴェネツィアは、美しいアドリア海の女王として擬人化され、多くの絵画に描かれていました。
あとは、やはり船団の絵が多かったです。ガレー船や大型帆船が船団をなして、ターバンのオスマン帝国軍と対峙する図。
広間の巨大な絵は、神聖同盟でオスマントルコに勝利したレパントの海戦(1571年)の栄光が描かれていたようです。
巨大な壁画から、画家の気迫を全身で感じました。

とにかく天井画が多く、だだっ広い投票の間などでは寝転んで絵を眺めている人もいました。
自由に椅子を移動させ、好きなところで好きなだけ見ることができる空間でした。
講義をしているらしい学生のグループもありました。

天井画を眺めすぎて首が痛く、ずっと色んな部屋を歩き続けていたため、部屋をぐるりと囲む投票の観覧席に座り、休憩します。
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順路通りに進むと、「ため息の橋」から見ることのできる水牢を歩きます。

三権分立が一緒になってる!というのは友達の感想。確かに。
アップダウンがあって、入り組んでいて、何やら念の溜まった場所という感じ。
「深い井戸の底からか、それとも、ためいきの橋のたもとの牢獄からか、ためいきがひとつ聞こえてきます。」とアンデルセンが書いていた場所。
あの橋をくぐると二度と牢獄から出られないかもということで、囚人がため息をついたことがその由来だとか。
なお、カサノヴァは脱獄した模様。

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宮殿内のお土産屋さんを見て、カフェでひとやすみ。
オレンジジュースが染みました。
お土産屋さんで、記念に挿絵の綺麗な本を買いました。

こちらの「ドュカーレ・カフェ」、宮殿内に舟の乗り入れ場(の名残?)があり、ここから運河を行くゴンドラが見られます。
オーダーシステムが場所によってまちまちで、理解するまで時間を要するのですが、こちらはテーブルに着くとオーダーをとってくれて、お会計もテーブルを伝えると伝票を用意してくれる仕組みのよう。
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コッレール博物館
こちらはミントカラー基調に大理石の彫像が並んでいて、淡いピンクのカーテンがかけられていてファンシーな色彩。


ドュカーレ脳疲労のあとでよかった。笑
ここは国立考古学博物館と国立マルチャーナ図書館と一続きになっていました。
ガレー船のミニチュアの展示や当時の世界地図やコインやシャンデリアや椅子などのインテリア。
大きな鏡と二階のバルコニーのある舞踏の間に「かわいいー!」と大喜び。
考古学博物館には、古代ギリシアのアニミズムモチーフの遺物や宝玉、アクセサリー、壺など。
壺はちゃんと黒絵式と赤絵式のものがどちらもありました。
マルチャーナ図書館には中国語版の聖書やマルコポーロ関連の地図や当時の地球儀、天球義。
やはりジパングの形が歪で、北海道にあたる場所とロシアが繋がっていたり。
中国大陸までは当時の商人たちが行っていたから自信ありそうな地形なのに。笑
しかし、日本の位置は極東のさいはてだなぁと、何度見ても価値観が覆される気分になります。
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文房具屋
事前に調べておいた、IL PAPIROさんという文房具屋にて、マーブル孔雀模様の紙貼りボールペンをお土産に購入。

イタリアでは、孔雀模様のマーブル紙が有名なのだとか。(フィレンツェの伝統と結びついているらしい)

紙製品がとてもかわいかったです。ガラスペンや羽ペンもあったり。
グーテンベルクが活版印刷を発明し、それを商業化したのがヴェネツィア!
貿易国として、そして共和国全体の現実主義的思想から、宗教に縛られず検閲が緩かったために、出版業が発展したのでした。
入店時にはBuonaseraと店主にあいさつし、商品を手に取って吟味する際にはPosso?と了解を得る必要があります。
このPosso?(いいですか?)という言葉が、さまざまなシチュエーションでとても便利でした。
帰りには、友達の調べてくれていたテイクアウトパスタのお店でアマトリチャーナとフライドポテトを購入。
ご機嫌な店主のおじさんに「チーズ好き?」って聞かれていて、友達がにこにこで返事していたのが可愛かった。
パルミジャーノチーズを削って、その場でたくさんかけてくれました。
店を出た瞬間から、水鳥と鳩が目を光らせてついてくる。
そういえば、硬水が身体に合わなくてお腹を壊す、というのは色んな場所で聞く話。
(特に、Youtubeチャンネルで霜降り明星のせいやさんが現地のツアーをキャンセルしてまで、軟水探しまくってたから笑)
預入荷物として持ってきていた500mlペットボトル数本ではもちろん足りず、スーパーで軟水Sant’Annaの2Lを購入しました。
宿への帰路にあるその店が、劇場を改装した建物で天井画まであって素晴らしく芸術的なスーパーでした。

パスタは、太麵のスパゲットーニでモチモチしていて美味しかったです。
ヴェネツィアに着いてからというもの毎日、スニーカーで石畳を2万歩歩き、ひざ下は筋肉痛に。
地中海に降り注ぐ太陽を浴びて、歩いて、ご飯を美味しく食べて、23時には寝る。
なんて健康的な日々なのだろうかと、体力気力ともにおおいに回復する心地でした。
そして、さすがはラグーナの都市というべきでしょうか。
どこを歩いていても潮の匂いがして、運河の岸辺を波打つ音が聞こえるのが本当に素敵でした。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました!(^^♪