原作は数年前に読んだことがあるのですが、もう結構忘れちゃっている状態での映画鑑賞でした。
原作を読んだ時よりも、映画の方が心動かされてしまい、結構涙がボロボロ出ちゃいました・・・。それというのも、やっぱり主演の2人や、脇役の役者さんみなさんの演技、そして本では感じることのできなかった、目から入って来る風景等から伝わって来るものが、とても大きかったからだと思います。4つ★半
祐一の住んでいる海沿いの寂しい家々や、お家の様子(風呂場の不便な感じとか・・)や、国道にぽつんとある紳士服店、2人が逃避行する時に走っている両側が高い崖になっている細い道や、灯台(五島の大瀬崎灯台)など、景色効果が絶大で、それを見ただけで、見ている側に伝わって来るものが凄く有りました。
以前、主演の深津・妻夫木君は、テレビドラマの「スローダンス」だっけ?でも恋愛ものを演じていて、2人とも小柄同士で、丁度バランスも良く、この2人がカップルっていうのに違和感が無いのが良いですね。それぞれ映画賞など受賞するのも納得の素晴らしい演技でした!
ただ、光代演じる深津ちゃんは、綺麗過ぎるだろー!と少々思ったりもしましたが・・(^^ゞ こんな綺麗で、気だての良い真面目な女性が、放っておかれるわけがない・・。彼女って横顔美人ですよね、特にいつも感心するのが、年を重ねて行っても、全くアゴのラインに贅肉やたるみが無くて美しい事! 彼女の「私の人生は、いつもこの国道沿いで・・・」というセリフは、ものすごいグサー!っと来ました・・。
また、淡々と流れる映画に、突然大きな音が入って来て、緊張させられる処が結構あったような。ショベルカーで家を壊す音や、いきなりの大きなノック音や、魚がバラー!とか・・。魚といえば、イカの目とか、海老の背わたなど、魚介類を良く使ってましたね。
祐一は「目の前に海があったらその先、どこにも行けないと思うとよ」と言う台詞は、海のすぐ側に住んでいない者としたら、羨ましい場所なのに、そういう考え方もあるんだ・・とはっとさせられました。
あと、ちょっとしたシーンでしたが、バスの運転手さんには、拍手を送りたくなりました。
脇役では、やっぱり樹木希林さん演じるおばあちゃんと、柄本さんが素晴らしかったです。柄本さんのセリフで「あんた、大切な人はおるね? その人の幸せな様子を思うだけで、自分までうれしくなってくるような人は」というの・・・。これが凄く印象に残りました・・。あと、おばあちゃんの部分では、あのスカーフの使い方はとても良かったです・・。これって小説にあったかな・・?
★以下ネタバレ 白文字で書いています★
最後、殺害現場のガードレールにあのスカーフがあって・・・おばあちゃんの宝物を捧げたんですね・・(T_T)
あと、ラストの首締めですが、ちゃんと光代には、あの意味が解っていたはずだと思います。光代は祐一を待ち続けると私は思うけれど・・・。どうでしょうか・・・。以上
小説読んだ時には(あったかどうかさえ覚えてないのですが)柄本さん演じる父が、あの大学生を殺さずに留まった部分が、殺してしまった祐一との比較が印象的に描かれているのが素晴らしいなと思ったし、お家に帰って来たら、母ちゃんが鏡を掃除していて「おかえり」と言った・・っていう締めくくりも憎いな、と思いました。
悪人 (2010/日)
監督 李相日 脚本 吉田修一 / 李相日 原作 吉田修一 音楽 久石譲
出演 妻夫木聡 / 深津絵里 / 岡田将生 / 満島ひかり / 光石研 / 余貴美子 / 韓英恵 / 永山絢斗 / 樹木希林 / 柄本明
