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96年衆院選メモ番外編 経世会の終焉

 96年総選挙において、橋本龍太郎執行部は小選挙区制について不安を抱えていました。同じ自民党内でも中選挙区制では「敵」にまわるため、すんなり自民党員が自民党候補に入れるかどうかは未知数でした。橋本総裁を支えた経世会改め平成研究会は多くの人材を新進党民主党に流失し、派内にベテラン代議士と参院議員ばかりになったグループにおいて積極的に擁立作業を進めました。実際、平成研究会入会者は21人にも上り、いつのまにか再び最大派閥に躍進していましたが、この新人代議士達は小泉政権誕生後は一斉に反橋本派となり、旧経世会の完全な瓦解に繋がるのは歴史の皮肉です。

 

 当時の亀井静香広報本部長の音頭で、徹底的な新進党攻撃が行われました。創価学会論、税制政策など新進党の矛盾をつかれ、初の小選挙区制において単独過半数の獲得は無理でも自民党新進党との選挙に僅差で小選挙区を制する事ができました。野党時代の自民党総裁として、それなりに努力していた河野洋平を引きずり下ろす形になった橋本龍太郎執行部ら主流派はこの選挙で勝てなければ政治生命の終わりを示していました。有力な反経世会の対抗馬だった清和会は三塚博は親経世会であり、森喜朗は基本的に主戦論を唱えず、財政タカ派が多い派閥内において、異例とも言える財政出動を主張する亀井静香グループは勢力を拡大しており、派閥のNo.2だが、腹心や側近が皆無の小泉純一郎ぐらいしか人材がいない状態で基本的に橋本を脅かす党内反主流派はいませんでした。橋本も根回しが苦手な政策屋と言われたのもまた歴史の皮肉ですね。

 

 経世会小沢一郎竹下登の権力闘争の結果、分裂が起こりましたがその代償としてしばらく謹慎期間でした。その間に河野洋平総裁が誕生し、その主流派と経世会の隙間風は間違いなくありました。橋本龍太郎内閣では後の小泉政権の先駆けのようなもので、本物の緊縮財政が行われました。医療費負担の増加、行政改革による省庁の削減と財政改革などが行われてきました。98年に参院選で敗れた橋本執行部は退陣し、同じ平成研究会小渕恵三が立候補、そして橋本政権と全く真逆の政策を行うという無節操とも言える政策転換に梶山静六など一部派閥からの離脱者が出ました。梶山は小渕と総裁選を戦いましたが、支持勢力は清和会亀井静香グループ、河野洋平グループなど派閥横断的な支持者集めによって善戦。旧経世会得意の組織選挙、鉄の団結に相当のヒビが入りました。よくも悪くも当時、平成研究会を大きく見せていたものは野中広務鈴木宗男ラインの業界団体を束ねた抜群の集金力でした。経世会の集金は広く浅くが基本で、全国に後援会があったほどです。ただその後援会も小選挙区制になれば、少しずつ解体されていきました。

 

 経世会という派閥は旧田中派時代から、系列の組織化に熱心だったグループでかつて竹下登は47都道府県議員の誰かにホットラインがあり、地方組織の最新の情報を仕入れる事ができるという事など他の派閥を圧倒する人員が存在しました。当時を知る地方の経世会関連出身だった人は案外、民主党にも存在し自民党というか竹下派と言われる人はここまでやるのか。と私たちのような労組や社会党系、同じく労組民社党系は感嘆とも呆れとも、諦めに近いような感情を抱く事はあります。自民党内に経世会党という党内党がある状態です。宏池会と政治同盟を組む事で、ほとんど官僚からも人材を供給できるようになった事はそれは当然政治力にもなります。官界からリクルートが多かった宏池会や清和会に比べて、基本的に強いイデオロギーを持たない事で派閥を膨張させた経世会というグループはある意味日本の特殊な政治事情でしょう。

 

 経世会を誉める事はないです。経世会ほど、無秩序、無節操な風見鶏で今日はタカ派政権もハト派政権も思いのままでした。ただ結果として現在の与野党にも経世会という名前は通じる事はあります。ただその経験者も非常に高齢化しました。私もひょんな事から選挙に携わる事になり、結果として市民団体や保守派に近い団体とも付き合いができ、それが選挙運動の資源になる事は最初は慣れない事ばかりでした。そういう意味で言えば、私達も旧経世会も清和会が支配した自民党なんて打倒すべきものです。リベラル派と言われる人も右傾化進む時代において、左派のエッジを守るため左派としてキチンと対案と対決をしなければならないと確信します。経世会イデオロギーはともかく、その組織論はまだ見るべき価値があります。




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